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ハニーアンバー店開店準備
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無事にディルとデリアの結婚式も終わった。
次なるは、秋の到来するこの季節。
衣替えの季節を狙った、ドレスや普段着の新調に合わせ、ついにハニーアンバー店の開店を押し進める。
「ニコライ、お店はどう?」
「今、少しずつ商品の搬入を初めています。店舗が大きいので……そこそこの量の商品を
置かないと、貧相に見えてしまいますね……」
ニコライに店の状況を聞いたので、一度見に行くことにした。
その前にもすることはある。
今、店舗の2階部分は、何もしていない状況であった。
ゆくゆくは、ここでアンバー領が誇る紅茶や砂糖を使ったお菓子の提供をと考えていたのだが……職人も手元にいるのだし、いっそ開店からしてみてはどうだろうかと提案してみようとした。
「セバス、ハニーアンバー店なんだけど……」
「何か提案がありますか?」
「うん、2階でカフェをしたいって言ってたの覚えている?」
「えぇ、確かに言われてましたね?」
「それ、開店と同時にしたら、ダメかしら?規模は縮小で……って、ダメ?」
「ダメではないですけど……開店まで1ヶ月しかないですよ?」
「そこをなんとか……あと、買い物袋がほしい!
貴族だと、馬車に乗っちゃうから……ダメだけど、公都の人だったら、その袋を持って歩いてくれる
でしょ?その袋も宣伝効果にならないかしら?」
「それは、気付きませんでしたね!早速、見当してみましょう!
そうすると……何がいりますか?紙、ノリ、インク、版、人手あたりでしょうか?」
「そうね、そうなのよね……今から、アンバーの領地で、それが出来る人っているかしら?」
「人手はあると思います。アンナ様のおかげで、夜にする内職が人気で……
もっと、仕事がないのかって言われているくらいなので大丈夫でしょう」
「作る人がいるってことね。じゃあ、材料と材料を加工する人材がいないのね?」
「そうですね……お掃除隊の一部か……あとは、年寄りくらいですか?」
「お年寄りか……中には働く意欲がある人がいるかしら?」
私たちは頭を悩ませながら考えてみる。
まずは、材料となる紙だ。
これは、大量にいるだろう。
買ってもらうものによって、サイズを変える必要もあるので……と考えていた。
「確か、領地に紙を扱っている店の店主がいますね。そこに問い合わせてみましょうか?」
「お願いできる?」
「わかりました。では、早速イチアと連絡を取ってみて動けそうか練ってみます。
どういったものがいいのか、参考に絵に描いてもらえると助かります」
わかったわ!と返事をし、私は執務机に齧りつく。
応接セットでセバスがイチアへの手紙を書き始めた。
何も考えず、いつも適当なことばかり言っている私だが、こうして形になっていくのは、優秀な人材が集まっているからだ。
アンバー領も少しづつでもいい方向へ変わっていっていると信じて進んできている。
「そういえば、どんなものが今は揃っているのかしらね?」
「アンバー領の特産品としてですからね、目玉は『赤い涙』ですね。
あとは、コーコナ領のドレスや普段着です。
砂糖は、もう少し量がないと販売までは厳しい感じですね……」
「『赤い涙』も量がないのよね……あとどれくらいかしらね?」
「確かに……5年以上は寝かすことを考えると……厳しいですね。
この秋からの収穫の葡萄で作れるかどうかってところですけど……
去年作ったものは、出来上がっていますよ!もうちゃんと飲めるようになっています。
先日試飲させてもらいましたが、『赤い涙」から比べると、たいぶ落ちる、そんな印象の味でしたね」
「それは、どういうこと?」
「渋みが勝ってしまうような……でも、ウィルは旨いと飲んでいたので、好みの問題でしょう」
「そうそう、『赤い涙』は南の方のオークションに出すから、例のガラス瓶でと思っている
のだけど……ガラス瓶は出来ている?」
「ガラス瓶の方は、ラズが相当頑張ってくれています。
例のシリーズとカレン様に渡したガラス瓶の今年分はちゃんと出来上がっていますから、大丈夫
かと……他の職人も触発されて試行錯誤を始めました。おかげでよいものが溢れてきましたね!」
私は、さらに唸った。
お酒は葡萄酒と蒸留酒がアンバー領の特産として売り出せるものだ。
蒸留酒はまだいい。ずっと、作り続けていたし、今の主流のお酒でもある。
ちょっと工夫をすれば、いつもの値段より売れるだろう。
問題は、葡萄酒だ。公のおかげで、貴族には広まっている。それも、カレンのような熱心な愛飲者までいるくらい人気が出た。
ローズディアだけでなく、トワイスのほうでも広まりつつある。
ただし、それを提供しきれるだけのお酒が、残っていない。
一度辞めてしまったものだから、酒樽に残っている分しかないのだ。
あと5年……と考えると1年に樽を10樽までと制限をかけないといけない。そうすると……高値では売れるが、手軽に飲めないから、飲む人が減る場合もある。
私の嬉しい誤算は、そういうところだった。意外と受入れられ、美味しいと飲む人が多かったことだ。
何やら、葡萄酒を飲むようになってから、肌がすべすべになったとかカレンが言っていたので、そういう口コミによる宣伝効果もあるようだ。
今年は、最低ランクの葡萄酒しか提供出来ないため、どうするか悩むところではある。
でも、目玉商品には変わりないので、出すしかないよね……とは、思っているところだ。
「今年は、リンゴ酒もしてみようと思っているの。だから、そっちの手伝いも人手がいるわね」
「リンゴ、買えそうなんですか?」
「おかげさまでね!カレンの実父が交渉に乗ってくれたわ!だから、そちらも作ってみましょう。
葡萄酒よりかは、発酵させずに売ることが出来るはずだから……」
「アンバー領はお酒の一大産地の領地になりそうですね?」
「そうね!あと、考えていることがあるの!」
「何ですか?」
「商品を買ってもらった人にクッキーを付けたいのだけど……」
「クッキーをですか?」
私は、理由を説明すると、セバスは納得してくれる。
「そういう宣伝の仕方もあるんですね……」
「なんていうんだろ?こういうの?つまみ食い……?」
「それ、なんていうか……ですよね?試しに食べるだから、試食とかでいいんじゃないですか?」
「あっ!それ、それいいね!試食に渡すの。砂糖も小麦もアンバーで取れるものだからね!
そんなに多くは配れないから、商品を買ってくれた人にだけ渡す感じで!
このお店の2階でカフェやってますって宣伝にもなるし、美味しければ、また買いたいって思うでしょ?
クッキーなら、例えば、お金を払うところの横とかに置いておいたら、ついでに買ってくれそう
だし……どうかな?」
「わかりました。それも、手配しましょう。ただ、一人で作るのは難しいですから……
人手がやはりいりますね?」
「ナタリーの預かっている子たちは、一部コーコナで服を作ってくれているし……
アンバーでもいろいろなところで動いてくれているのよね。
そうすると、人手がやっぱり足りないわね……」
私とセバスが頭を抱えていると、お茶をお持ちしましたとパルマが入ってきた。
二人の異様な様子に思わず、声をかけてくれる。
「どうしたのですか?」
「ハニーアンバーの開店にクッキーを作って配ろうと思うのだけど、人手が足りないの……
どこかに、調理とかお菓子が作れる人いないかしら?」
「別宅で人が余っているそうなので、そちらから回しますか?」
「えっ?」
「えぇ、人が余っているそうです。調理場の」
「そんな都合よく?」
「何でも、ソフィアは偏食な上に気分で食べたいものが変わるので、なるべくいろいろな
料理を作っていたらしいです。食べなかったものはみなで食べていたという話ですが、
とにかく、調理場は、手が空いている用ですよ!お菓子の作れる人……呼んできましょうか?」
パルマの提案は、喉から手が出る程欲しい話であった。
まずは、ディルから攻略だ!ということで、ディルを呼んできてもらうことになったのである。
次なるは、秋の到来するこの季節。
衣替えの季節を狙った、ドレスや普段着の新調に合わせ、ついにハニーアンバー店の開店を押し進める。
「ニコライ、お店はどう?」
「今、少しずつ商品の搬入を初めています。店舗が大きいので……そこそこの量の商品を
置かないと、貧相に見えてしまいますね……」
ニコライに店の状況を聞いたので、一度見に行くことにした。
その前にもすることはある。
今、店舗の2階部分は、何もしていない状況であった。
ゆくゆくは、ここでアンバー領が誇る紅茶や砂糖を使ったお菓子の提供をと考えていたのだが……職人も手元にいるのだし、いっそ開店からしてみてはどうだろうかと提案してみようとした。
「セバス、ハニーアンバー店なんだけど……」
「何か提案がありますか?」
「うん、2階でカフェをしたいって言ってたの覚えている?」
「えぇ、確かに言われてましたね?」
「それ、開店と同時にしたら、ダメかしら?規模は縮小で……って、ダメ?」
「ダメではないですけど……開店まで1ヶ月しかないですよ?」
「そこをなんとか……あと、買い物袋がほしい!
貴族だと、馬車に乗っちゃうから……ダメだけど、公都の人だったら、その袋を持って歩いてくれる
でしょ?その袋も宣伝効果にならないかしら?」
「それは、気付きませんでしたね!早速、見当してみましょう!
そうすると……何がいりますか?紙、ノリ、インク、版、人手あたりでしょうか?」
「そうね、そうなのよね……今から、アンバーの領地で、それが出来る人っているかしら?」
「人手はあると思います。アンナ様のおかげで、夜にする内職が人気で……
もっと、仕事がないのかって言われているくらいなので大丈夫でしょう」
「作る人がいるってことね。じゃあ、材料と材料を加工する人材がいないのね?」
「そうですね……お掃除隊の一部か……あとは、年寄りくらいですか?」
「お年寄りか……中には働く意欲がある人がいるかしら?」
私たちは頭を悩ませながら考えてみる。
まずは、材料となる紙だ。
これは、大量にいるだろう。
買ってもらうものによって、サイズを変える必要もあるので……と考えていた。
「確か、領地に紙を扱っている店の店主がいますね。そこに問い合わせてみましょうか?」
「お願いできる?」
「わかりました。では、早速イチアと連絡を取ってみて動けそうか練ってみます。
どういったものがいいのか、参考に絵に描いてもらえると助かります」
わかったわ!と返事をし、私は執務机に齧りつく。
応接セットでセバスがイチアへの手紙を書き始めた。
何も考えず、いつも適当なことばかり言っている私だが、こうして形になっていくのは、優秀な人材が集まっているからだ。
アンバー領も少しづつでもいい方向へ変わっていっていると信じて進んできている。
「そういえば、どんなものが今は揃っているのかしらね?」
「アンバー領の特産品としてですからね、目玉は『赤い涙』ですね。
あとは、コーコナ領のドレスや普段着です。
砂糖は、もう少し量がないと販売までは厳しい感じですね……」
「『赤い涙』も量がないのよね……あとどれくらいかしらね?」
「確かに……5年以上は寝かすことを考えると……厳しいですね。
この秋からの収穫の葡萄で作れるかどうかってところですけど……
去年作ったものは、出来上がっていますよ!もうちゃんと飲めるようになっています。
先日試飲させてもらいましたが、『赤い涙」から比べると、たいぶ落ちる、そんな印象の味でしたね」
「それは、どういうこと?」
「渋みが勝ってしまうような……でも、ウィルは旨いと飲んでいたので、好みの問題でしょう」
「そうそう、『赤い涙』は南の方のオークションに出すから、例のガラス瓶でと思っている
のだけど……ガラス瓶は出来ている?」
「ガラス瓶の方は、ラズが相当頑張ってくれています。
例のシリーズとカレン様に渡したガラス瓶の今年分はちゃんと出来上がっていますから、大丈夫
かと……他の職人も触発されて試行錯誤を始めました。おかげでよいものが溢れてきましたね!」
私は、さらに唸った。
お酒は葡萄酒と蒸留酒がアンバー領の特産として売り出せるものだ。
蒸留酒はまだいい。ずっと、作り続けていたし、今の主流のお酒でもある。
ちょっと工夫をすれば、いつもの値段より売れるだろう。
問題は、葡萄酒だ。公のおかげで、貴族には広まっている。それも、カレンのような熱心な愛飲者までいるくらい人気が出た。
ローズディアだけでなく、トワイスのほうでも広まりつつある。
ただし、それを提供しきれるだけのお酒が、残っていない。
一度辞めてしまったものだから、酒樽に残っている分しかないのだ。
あと5年……と考えると1年に樽を10樽までと制限をかけないといけない。そうすると……高値では売れるが、手軽に飲めないから、飲む人が減る場合もある。
私の嬉しい誤算は、そういうところだった。意外と受入れられ、美味しいと飲む人が多かったことだ。
何やら、葡萄酒を飲むようになってから、肌がすべすべになったとかカレンが言っていたので、そういう口コミによる宣伝効果もあるようだ。
今年は、最低ランクの葡萄酒しか提供出来ないため、どうするか悩むところではある。
でも、目玉商品には変わりないので、出すしかないよね……とは、思っているところだ。
「今年は、リンゴ酒もしてみようと思っているの。だから、そっちの手伝いも人手がいるわね」
「リンゴ、買えそうなんですか?」
「おかげさまでね!カレンの実父が交渉に乗ってくれたわ!だから、そちらも作ってみましょう。
葡萄酒よりかは、発酵させずに売ることが出来るはずだから……」
「アンバー領はお酒の一大産地の領地になりそうですね?」
「そうね!あと、考えていることがあるの!」
「何ですか?」
「商品を買ってもらった人にクッキーを付けたいのだけど……」
「クッキーをですか?」
私は、理由を説明すると、セバスは納得してくれる。
「そういう宣伝の仕方もあるんですね……」
「なんていうんだろ?こういうの?つまみ食い……?」
「それ、なんていうか……ですよね?試しに食べるだから、試食とかでいいんじゃないですか?」
「あっ!それ、それいいね!試食に渡すの。砂糖も小麦もアンバーで取れるものだからね!
そんなに多くは配れないから、商品を買ってくれた人にだけ渡す感じで!
このお店の2階でカフェやってますって宣伝にもなるし、美味しければ、また買いたいって思うでしょ?
クッキーなら、例えば、お金を払うところの横とかに置いておいたら、ついでに買ってくれそう
だし……どうかな?」
「わかりました。それも、手配しましょう。ただ、一人で作るのは難しいですから……
人手がやはりいりますね?」
「ナタリーの預かっている子たちは、一部コーコナで服を作ってくれているし……
アンバーでもいろいろなところで動いてくれているのよね。
そうすると、人手がやっぱり足りないわね……」
私とセバスが頭を抱えていると、お茶をお持ちしましたとパルマが入ってきた。
二人の異様な様子に思わず、声をかけてくれる。
「どうしたのですか?」
「ハニーアンバーの開店にクッキーを作って配ろうと思うのだけど、人手が足りないの……
どこかに、調理とかお菓子が作れる人いないかしら?」
「別宅で人が余っているそうなので、そちらから回しますか?」
「えっ?」
「えぇ、人が余っているそうです。調理場の」
「そんな都合よく?」
「何でも、ソフィアは偏食な上に気分で食べたいものが変わるので、なるべくいろいろな
料理を作っていたらしいです。食べなかったものはみなで食べていたという話ですが、
とにかく、調理場は、手が空いている用ですよ!お菓子の作れる人……呼んできましょうか?」
パルマの提案は、喉から手が出る程欲しい話であった。
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