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楽園に降り立った招かざるものⅡ
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応接室に入ると、よその屋敷で寛いでいる公世子が用意されたお茶を旨そうに飲んでいるところだ。
後ろにはエリックが護衛として立っていた。
「お久しぶりですね!公世子様。
こんな朝早くにわざわざ狙ったみたいに屋敷に訪ねて来ていただかなくても、ゆっくりお昼からでも
よかったのですよ!」
遠回しに朝早くから迷惑考えずに屋敷に来るな!と言ってみた。
すると、何食わぬ顔で切り返してくる公世子。
「アンナリーゼの美しい顔を朝日と同時に見たくなったんだ。
すまないと思ったんだが、仕方なかろう?はやる気持ちを抑えられなかったんだから!」
さすが、遊び人と言ってもいいのだろうか。
切り返しが……愛人にでも会いに来たかの物言いであって、寝起きに急がされ準備したことが段々腹立たしくなってくる。
「で、なんです?」
「いきなり、飾りもなく何しに来たか……?」
「言いたくもなりますよ!まだ6時過ぎたところですよ?
火急の知らせでもないでしょうに……」
「確かに……火急ではないな。
まぁ、それなりに向こうではしにくい話もあったからこっちに来たんだが……
俺は招かざる者のようだ」
「よくご存じじゃないですか!ここは私の楽園ですから、公世子様みたいな異物は受け入れがたい
のです!」
嫌われているなとエリックに公世子はごちている。
別に嫌ってはいないが、少し訪れるにも時間とか気にしてほしい……すべてが公世子で世の中、回っているわけではないのだとわかってもらいたい。
まぁ、公世子だからこそわかってくれないのかもしれないし、公世子だからこそわかってくれるのかもしれないが、私が言うのもなんだが、常識は持ってほしい。
「エリック、こういう早朝の訪問は、愛人以外は失礼に当たるので、きちんと公世子様を停めて
さしあげなさい!じゃないと、いくら公世子様でも、いらぬ恨みを買いますよ?」
畏まりましたとエリックは私に恭しく頭を下げてくる。
「エリックって、俺の護衛だよね?」
「私の友人でもありますよ?ねっ?」
今日もエリックの左耳には、アメジストの薔薇がキラリと咲き誇っている。
答えにくい質問に、エリックは私たち二人へ苦笑いするだけである。
「アンナリーゼ、1つ聞いていいか?」
「なんです?」
「いつも思っていたのだが、あのエリックのしている紫の薔薇は……」
「私があげたものです」
「やっぱりか……!ウィル・サーラーもセバスチャン・トライドもしていなかったか?
アメジストのピアス」
「ウィルにはピアスをあげましたけど、セバスはネックレスですね。今はカフスですけどね?」
「あれには、何の意味があるんだ?」
公世子は、ずっと気になっていたようで、私に聞いてくる。
「あれは、私の友人とか信頼の置ける人って意味です。
だから、公世子様は、私が信頼しているエリックにきっちり守られていていいですね!
命を狙われる危険もぐっと減りますよ!」
なんて冗談で言ったのだが、冗談ではなかったらしい。
まぁ、公世子にも複数人候補がいたわけで、いまだに狙われることもあるらしい。
エリックは、公世子付きになってから、もう何度か公世子を助けたということを初めて聞いた。
私の知らない間に、エリックも着実に出世という階段を昇って行っている。実にいい傾向である。
「ところで、本当に何しに来たんです?私も忙しいのと体調がすぐれないのですけど……」
「あぁ、そうだったのか。領地を見せてもらおうと思ってきたんだが……」
「それなら、護衛も兼ねてウィルにお願いしますよ!領民とも良好な関係を作ってくれていますし、
領地も頻繁に子どもを連れて回ってくれているので私よりよく知っていると思います」
「ウィルって、独身じゃなかったか?こっちに来て子持ちと結婚でもしたのか?」
「いえ、私の代わりに養子として二人の子どもを受け入れてくれたのです」
「二人もか?何者だ、その子どもは」
「ダドリー男爵の次男のレオノーラと何女がわかりませんが、ミレディアという子を受け入れてくれた
んですよ」
「ダドリー男爵だと?そなた、正気なのか……?」
「正気です。第三夫人も離婚させたでしょ?」
たしかそうであった……と公世子は呟いているが、たぶん忘れていたであろう。
私のやっていることは、あまりジョージアも知らなかったりするのだから。
「それで、それだけでこちらに来たわけではないのでしょ?」
「あぁ、ダドリー男爵の身辺調査が終わったので見てもらおうと思って持ってきた。
あちらに呼び出すのは、よくなかったもんでな。しばらく、雲隠れすると言って出てきた」
「つけられてません?」
「大丈夫だ。そこは、抜かりなくして来てある。公にも話は通してあるから、聞いてくれ」
「わかりました。では、こんな時間ですし、朝食はまだなのでしょ?
用意しますから、待っていてください!」
話はひと段落したので、デリアに殿下とエリックの分の朝食の用意を頼むとすぐに連絡へ行ってくれる。
「ところで、シルキーの件、トワイスから連絡があった。
内々で処理をしたと手紙がきたのだが、そなたが、シルキーを助けてくれたそうだな。
もうだめだと連絡が来ていたものだから、正直回復するとは驚いたのだ。
公と公妃に変わって礼を言う。もちろん、俺もシルキーが無事で何よりだと安堵している」
「あれは、たまたまです。私の使っている解毒剤も体に合ったようでしたし!
もちろん、シルキー様が治られてホッとしましたよ!」
「それで、シルキーから礼をしてくれと言われているのだが……何かあるか?
してほしいことや欲しいものはないか?公からも何でもいいと許可がおりている」
私は公世子の話にほくそ笑む。
こんな朝早くから対応させられたにしては、出来すぎた話ではあるが、ありがたく厚意に存分に甘えておこうと。
ノクト、トワイスで最大限に売った恩は、こっちでも買ってくれるようよ!なんて心の中で呟いておく。
「そうですね……できれば、4つほどお願いしたいことが……」
「4つもあるのか?まぁよい、言ってみろ」
私は殿下にお願いしたことをそのまま公世子に伝えることにした。
「1つ目ですが、公都にお店を構えたいのです。どこかお世話していただけませんか?
商売をするので……公都の真ん中あたりの立地のいい場所がいいです。
2つ目ですが、公族御用達看板をその店にください。
3つ目ですが、公世子様が継続的長期の資金援助をお願いします。
できれば……アンバーから公都までの街道整備の工事を発注してくれると嬉しいです。
4つ目ですが、うちのジョーがもし公世子様のお子を気に入ることがあれば、お婿にください」
「なんともまぁ、詰め込んだな」
「殿下にも同じお願いをしましたよ!国が違えば……どちらにもお願いしたい案件ですからね!
公とよく話し合ってから決めてください!やっぱりなしっていうのは……困りますから」
「アンナリーゼ、ペンを持ってこい」
「ペンですか?」
私は近くにあったメモ用のペンを渡すと、エリックから書簡を受け取って、公世子は広げた。
その書簡は、公世子の名前と公印がつかれた白紙の紙であった。
公世子は、今、私が言ったことを全て書き入れてくれ、それを私に渡す。
「写しはこちらにも置いておくから反故になることはない。割り印があるから、そなたの持っている
ものは本物だと証明されるだろう。望んだものはそれでいいのか?」
「はい、欲を出しすぎるとよくないですからね!最低限のもので手を打ちましょう!」
「それで最低限と……どの口がいうのやら……」
その実、金額にしてローズディア公国の3分の1の予算委当たる額を約束してくれたわけだが……それは、今年だけでなく、年単位での作業もふくまれるので、ずっとホクホクである。
最低5年はかかるであろう街道事業も、ホクホク顔にさせてくれる要因である。
「公世子様、ありがとうございます!」
「せいぜい、がんばれ!それより、腹が減った……」
そう言ったころには、デリアが朝食を運んでくれる。
ただ、私は見ただけで気持ち悪くなったため、いったん部屋から退出させてもらうこととなったのであった。
後ろにはエリックが護衛として立っていた。
「お久しぶりですね!公世子様。
こんな朝早くにわざわざ狙ったみたいに屋敷に訪ねて来ていただかなくても、ゆっくりお昼からでも
よかったのですよ!」
遠回しに朝早くから迷惑考えずに屋敷に来るな!と言ってみた。
すると、何食わぬ顔で切り返してくる公世子。
「アンナリーゼの美しい顔を朝日と同時に見たくなったんだ。
すまないと思ったんだが、仕方なかろう?はやる気持ちを抑えられなかったんだから!」
さすが、遊び人と言ってもいいのだろうか。
切り返しが……愛人にでも会いに来たかの物言いであって、寝起きに急がされ準備したことが段々腹立たしくなってくる。
「で、なんです?」
「いきなり、飾りもなく何しに来たか……?」
「言いたくもなりますよ!まだ6時過ぎたところですよ?
火急の知らせでもないでしょうに……」
「確かに……火急ではないな。
まぁ、それなりに向こうではしにくい話もあったからこっちに来たんだが……
俺は招かざる者のようだ」
「よくご存じじゃないですか!ここは私の楽園ですから、公世子様みたいな異物は受け入れがたい
のです!」
嫌われているなとエリックに公世子はごちている。
別に嫌ってはいないが、少し訪れるにも時間とか気にしてほしい……すべてが公世子で世の中、回っているわけではないのだとわかってもらいたい。
まぁ、公世子だからこそわかってくれないのかもしれないし、公世子だからこそわかってくれるのかもしれないが、私が言うのもなんだが、常識は持ってほしい。
「エリック、こういう早朝の訪問は、愛人以外は失礼に当たるので、きちんと公世子様を停めて
さしあげなさい!じゃないと、いくら公世子様でも、いらぬ恨みを買いますよ?」
畏まりましたとエリックは私に恭しく頭を下げてくる。
「エリックって、俺の護衛だよね?」
「私の友人でもありますよ?ねっ?」
今日もエリックの左耳には、アメジストの薔薇がキラリと咲き誇っている。
答えにくい質問に、エリックは私たち二人へ苦笑いするだけである。
「アンナリーゼ、1つ聞いていいか?」
「なんです?」
「いつも思っていたのだが、あのエリックのしている紫の薔薇は……」
「私があげたものです」
「やっぱりか……!ウィル・サーラーもセバスチャン・トライドもしていなかったか?
アメジストのピアス」
「ウィルにはピアスをあげましたけど、セバスはネックレスですね。今はカフスですけどね?」
「あれには、何の意味があるんだ?」
公世子は、ずっと気になっていたようで、私に聞いてくる。
「あれは、私の友人とか信頼の置ける人って意味です。
だから、公世子様は、私が信頼しているエリックにきっちり守られていていいですね!
命を狙われる危険もぐっと減りますよ!」
なんて冗談で言ったのだが、冗談ではなかったらしい。
まぁ、公世子にも複数人候補がいたわけで、いまだに狙われることもあるらしい。
エリックは、公世子付きになってから、もう何度か公世子を助けたということを初めて聞いた。
私の知らない間に、エリックも着実に出世という階段を昇って行っている。実にいい傾向である。
「ところで、本当に何しに来たんです?私も忙しいのと体調がすぐれないのですけど……」
「あぁ、そうだったのか。領地を見せてもらおうと思ってきたんだが……」
「それなら、護衛も兼ねてウィルにお願いしますよ!領民とも良好な関係を作ってくれていますし、
領地も頻繁に子どもを連れて回ってくれているので私よりよく知っていると思います」
「ウィルって、独身じゃなかったか?こっちに来て子持ちと結婚でもしたのか?」
「いえ、私の代わりに養子として二人の子どもを受け入れてくれたのです」
「二人もか?何者だ、その子どもは」
「ダドリー男爵の次男のレオノーラと何女がわかりませんが、ミレディアという子を受け入れてくれた
んですよ」
「ダドリー男爵だと?そなた、正気なのか……?」
「正気です。第三夫人も離婚させたでしょ?」
たしかそうであった……と公世子は呟いているが、たぶん忘れていたであろう。
私のやっていることは、あまりジョージアも知らなかったりするのだから。
「それで、それだけでこちらに来たわけではないのでしょ?」
「あぁ、ダドリー男爵の身辺調査が終わったので見てもらおうと思って持ってきた。
あちらに呼び出すのは、よくなかったもんでな。しばらく、雲隠れすると言って出てきた」
「つけられてません?」
「大丈夫だ。そこは、抜かりなくして来てある。公にも話は通してあるから、聞いてくれ」
「わかりました。では、こんな時間ですし、朝食はまだなのでしょ?
用意しますから、待っていてください!」
話はひと段落したので、デリアに殿下とエリックの分の朝食の用意を頼むとすぐに連絡へ行ってくれる。
「ところで、シルキーの件、トワイスから連絡があった。
内々で処理をしたと手紙がきたのだが、そなたが、シルキーを助けてくれたそうだな。
もうだめだと連絡が来ていたものだから、正直回復するとは驚いたのだ。
公と公妃に変わって礼を言う。もちろん、俺もシルキーが無事で何よりだと安堵している」
「あれは、たまたまです。私の使っている解毒剤も体に合ったようでしたし!
もちろん、シルキー様が治られてホッとしましたよ!」
「それで、シルキーから礼をしてくれと言われているのだが……何かあるか?
してほしいことや欲しいものはないか?公からも何でもいいと許可がおりている」
私は公世子の話にほくそ笑む。
こんな朝早くから対応させられたにしては、出来すぎた話ではあるが、ありがたく厚意に存分に甘えておこうと。
ノクト、トワイスで最大限に売った恩は、こっちでも買ってくれるようよ!なんて心の中で呟いておく。
「そうですね……できれば、4つほどお願いしたいことが……」
「4つもあるのか?まぁよい、言ってみろ」
私は殿下にお願いしたことをそのまま公世子に伝えることにした。
「1つ目ですが、公都にお店を構えたいのです。どこかお世話していただけませんか?
商売をするので……公都の真ん中あたりの立地のいい場所がいいです。
2つ目ですが、公族御用達看板をその店にください。
3つ目ですが、公世子様が継続的長期の資金援助をお願いします。
できれば……アンバーから公都までの街道整備の工事を発注してくれると嬉しいです。
4つ目ですが、うちのジョーがもし公世子様のお子を気に入ることがあれば、お婿にください」
「なんともまぁ、詰め込んだな」
「殿下にも同じお願いをしましたよ!国が違えば……どちらにもお願いしたい案件ですからね!
公とよく話し合ってから決めてください!やっぱりなしっていうのは……困りますから」
「アンナリーゼ、ペンを持ってこい」
「ペンですか?」
私は近くにあったメモ用のペンを渡すと、エリックから書簡を受け取って、公世子は広げた。
その書簡は、公世子の名前と公印がつかれた白紙の紙であった。
公世子は、今、私が言ったことを全て書き入れてくれ、それを私に渡す。
「写しはこちらにも置いておくから反故になることはない。割り印があるから、そなたの持っている
ものは本物だと証明されるだろう。望んだものはそれでいいのか?」
「はい、欲を出しすぎるとよくないですからね!最低限のもので手を打ちましょう!」
「それで最低限と……どの口がいうのやら……」
その実、金額にしてローズディア公国の3分の1の予算委当たる額を約束してくれたわけだが……それは、今年だけでなく、年単位での作業もふくまれるので、ずっとホクホクである。
最低5年はかかるであろう街道事業も、ホクホク顔にさせてくれる要因である。
「公世子様、ありがとうございます!」
「せいぜい、がんばれ!それより、腹が減った……」
そう言ったころには、デリアが朝食を運んでくれる。
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