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それぞれの進捗
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「リリー、そういえば、私に何か報告があったんじゃないの?
さっき、飛び出していってしまったから、気になっていたのだけど……」
「すっかり報告を失念しておりました。申し訳ございません」
ぺこりと頭を下げるリリーに、はぁ……と思わずため息をついてしまうと、リリーは申し訳無さそうにしている。
誰かの命に関わるようなことではないそうなので、それほど気にすることでもないからと私はリリーに大丈夫だと伝えておく。
忘れないでくれるに越したことはないけど、たぶん、あのガラス瓶を見て飛んでしまったのだろう。
今、戻ってきてくれているので、問題ないだろう。
「それで、なんの用だったのかしら?」
「それは、砂糖と麦の成長の件です」
リリーは畏まって成長の件なんていうから……とても不安になる。
ダメだったのだろうか?と、緊張の面持ちで話しかける。
「……やっぱり、ダメになった!とか全然育たない!とかじゃないよね?」
リリーはニコッと笑い、縦に首を振る。
その動作に、ガタッと立ち上がりかけていた体を椅子に沈め、私はホッと一安心して、話を促す。
「まず、麦の方ですが、アンナ様がお願いした農家は、去年に比べて見違えるように良くなっていると
いう話です。
実際見に行ってきましたが、あの様子だと……二期作と言わず、三期作ができてしまうのでは
ないかと……」
「それって、1年中、麦を作れるってこと?」
「そうです。ただ、畑を休ませるのも大切ですからね、いい品質のものを作るのであれば、二期作
あたりが妥当なのかもしれません。
畑を大事にしないといい作物は育ちませんからね!
あと砂糖農場の方ですが、こちらも麦は今15センチくらいに成長してます。
砂糖も今のところ順調に育ってますよ!」
「本当!わっ!それ、嬉しい!私も見に行きたいなぁ……」
私がボソッと溢すと、リリーは穏やかに妹を見るかのように笑う。
「ん?何?」
「あぁ……いえ……」
「んんん?気になる。何?リリー言って!ほらほら!」
「いえ、なんて言いますか……」
「なんて言いますか?なにぃ?」
意地悪くリリーに言うと、リリーもボソッと呟く。
「近所に住んでた幼馴染の妹のようだと思いまして……その、アンナ様の仕草が。
あの子も、アンナ様のように小さなことでも嬉しそうに喜んでいたので。
特に、農作物や花などの手入れが好きで、苗が成長していく話を生き生きとするんです。
それに、肥料運びや土運びなど、よく手伝わされました」
リリーは懐かしむように、彼女のことを思い出しているのだろう。
私の方を見ているが、さらにその後ろを見ていて意識を飛ばしているようだ。
そんなリリーを見たら……からかいたくなるのが、人のさがだと思い、私もちょっとからかってみることにした。
「ほほぅ、その妹さんは、私に似てるってことは、とっても美人で素敵な子なんでしょうね!
リリーの想い人だ!」
からかうように言ったら、リリーは今度は陰りのある苦笑いに変わる。
あれ……まずかったかな?と、私はリリーの顔を見て不安にかられた。
慣れないことは、しない方がいいということだろう。
「もう、とっくの昔に結婚してますよ!アンナリーゼ様が買い取った紅茶農家に」
「えっ!あの子?」
私は、初めてアンバー領を訪れたときに、学生時分に買った紅茶農家へ足を運んだ。
村長の息子のフレッドの隣で優しく微笑んで佇んでいたマロンを思い出す。
なかなか可愛らしい子と私を比較してきたわね!なんて、リリーに心の中で悪態をついた。
「そういえば、マロンとも会われましたか?」
「うん、あったよ!可愛らしい子だよね!
て、言うことは、リリーはマロンの心を射止められなかったのか。
フレッドも好青年って感じがして、頼りになりそうななかなかいい男だったもんね!」
「……アンナ様、そこは、俺を、昔のことだったとしても慰めてください!」
「そんな身内贔屓みたいなことできないわよ!リリーもなかなかいい男だけど……
ちょっと前まで、飲んだくれだったしねぇ?
マロンが嫁いだら、ちょっとは、反省したんじゃない?」
「反省どころか、さらに酒に溺れましたけどね!」
「そっちか!
まぁ、リリーは気もよくつくし、カッコいいから、そのうちいい人なんて、すぐ
できるでしょ!
私、そこは、全く心配してないから!なんなら、紹介してあげるよ!」
「ありがとうございます。自分で何とかするので……まだ、大丈夫です」
「そうね!まだ、これからだよ!って、話、それてっちゃったわね……」
いつの間にか、リリーの身の上話になっていった。
こんな話ができるようになったということは、リリーが私に心開いてくれるようになったからだろう。
荒んでいた領地と同じくらい荒んでいたリリーもすっかり健全な好青年になっている。
私より年上であるリリーには、本当に妹みたいって思われているのかもしれない。
まぁ、あの可愛らしいマロンに比べたら、かなりのじゃじゃ馬な妹であるのだけど……それなりに私の我儘も聞いてくれるようになった。
とにかく、領地改革を一緒に進めて行く上で、ギスギスした関係は困るので、いい傾向だと私は小さく頷いておく。
「砂糖農場の方の麦も伸びてるようだけど、どんな具合?」
「あちらのほうが、気候が暖かいので、少し生育が早いですね。
あと2ヶ月のうちには、刈入れが可能だと聞いています。
それと、砂糖なのですが、これは、生育がいいんですけど、甘いかどうかがわかりません。
サトウキビ用の肥料を取り寄せたいという農家から要望があるのですけど……」
「インゼロ帝国のものなのね?」
「えぇ、そうなのです。
何袋か持ってこれるだけ持ってきているらしいのですが、種や苗と違って、あの広大な畑を満たす
ほどの肥料は難しいと……」
私は執務椅子の背もたれに体を預け、考える。
数袋はあるのよね?わざわざ、インゼロ帝国から取り寄せなくても、ヨハン教授に頼んで作ってもらえばよくないかしら?
ただ、請け負ってくれるかよね……頼んでみないとわからないけど、なんだかんだと断るんじゃないだろうか?
でも、砂糖は全面的に手伝ってくれると言っていたので、文句は言われるだろうが、肥料を作ってくれるんじゃないだろうか。
新しい研究だと言えば……取り掛かってくれるかもしれない。
偏屈な教授の心を動かすのは、とっても大変だなのだ。
とりあえず、リリーに手紙とその肥料を持ってヨハン教授のところに行ってもらおうと手紙を書くことにした。
「リリー、まだ、肥料ってまいてないわよね?」
「数がないので、まだです」
「じゃあ、今から手紙を書くから、ヨハン教授に肥料と手紙を届けてくれる?
まぁ、嫌だって突っぱねてきたら……資金援助を打ち切ると言って脅しておきなさい」
「資金援助って、アンナリーゼ様の他からもあるのではないのですか?」
「あるわよ!でも、私のところにまず全額入ってくるのよ!
それを全額渡すと使い切っちゃうから、やりたいことのプレゼンなり内容確認した上でそれに
似合う資金を渡すようにしているの」
「アンナ様、それって……ヨハン教授嫌がりません?」
「仕方ないじゃない!私がしたくてしているんじゃなくて、ヨハン教授の助手たちがそうしてくれって
嘆願出してきたんだから……
ヨハン教授にお金を持たせて置くと、食費や経費までの分まですべて研究につぎ込んでしまうんですって!
生活費は必要だからね……あの研究所もなかなかの大所帯だから」
なるほどと、リリーは頷いている。
私は、肥料を持っている農家宛とヨハン教授宛に手紙を書いてリリーに渡す。
「少し、休憩しましょうか?」
リアンを呼んでお茶を用意してもらう。
ちょうど、そこに例のガラス瓶にあう台座を作りに行ったおじいさんが執務室へと帰ってきたのであった。
さっき、飛び出していってしまったから、気になっていたのだけど……」
「すっかり報告を失念しておりました。申し訳ございません」
ぺこりと頭を下げるリリーに、はぁ……と思わずため息をついてしまうと、リリーは申し訳無さそうにしている。
誰かの命に関わるようなことではないそうなので、それほど気にすることでもないからと私はリリーに大丈夫だと伝えておく。
忘れないでくれるに越したことはないけど、たぶん、あのガラス瓶を見て飛んでしまったのだろう。
今、戻ってきてくれているので、問題ないだろう。
「それで、なんの用だったのかしら?」
「それは、砂糖と麦の成長の件です」
リリーは畏まって成長の件なんていうから……とても不安になる。
ダメだったのだろうか?と、緊張の面持ちで話しかける。
「……やっぱり、ダメになった!とか全然育たない!とかじゃないよね?」
リリーはニコッと笑い、縦に首を振る。
その動作に、ガタッと立ち上がりかけていた体を椅子に沈め、私はホッと一安心して、話を促す。
「まず、麦の方ですが、アンナ様がお願いした農家は、去年に比べて見違えるように良くなっていると
いう話です。
実際見に行ってきましたが、あの様子だと……二期作と言わず、三期作ができてしまうのでは
ないかと……」
「それって、1年中、麦を作れるってこと?」
「そうです。ただ、畑を休ませるのも大切ですからね、いい品質のものを作るのであれば、二期作
あたりが妥当なのかもしれません。
畑を大事にしないといい作物は育ちませんからね!
あと砂糖農場の方ですが、こちらも麦は今15センチくらいに成長してます。
砂糖も今のところ順調に育ってますよ!」
「本当!わっ!それ、嬉しい!私も見に行きたいなぁ……」
私がボソッと溢すと、リリーは穏やかに妹を見るかのように笑う。
「ん?何?」
「あぁ……いえ……」
「んんん?気になる。何?リリー言って!ほらほら!」
「いえ、なんて言いますか……」
「なんて言いますか?なにぃ?」
意地悪くリリーに言うと、リリーもボソッと呟く。
「近所に住んでた幼馴染の妹のようだと思いまして……その、アンナ様の仕草が。
あの子も、アンナ様のように小さなことでも嬉しそうに喜んでいたので。
特に、農作物や花などの手入れが好きで、苗が成長していく話を生き生きとするんです。
それに、肥料運びや土運びなど、よく手伝わされました」
リリーは懐かしむように、彼女のことを思い出しているのだろう。
私の方を見ているが、さらにその後ろを見ていて意識を飛ばしているようだ。
そんなリリーを見たら……からかいたくなるのが、人のさがだと思い、私もちょっとからかってみることにした。
「ほほぅ、その妹さんは、私に似てるってことは、とっても美人で素敵な子なんでしょうね!
リリーの想い人だ!」
からかうように言ったら、リリーは今度は陰りのある苦笑いに変わる。
あれ……まずかったかな?と、私はリリーの顔を見て不安にかられた。
慣れないことは、しない方がいいということだろう。
「もう、とっくの昔に結婚してますよ!アンナリーゼ様が買い取った紅茶農家に」
「えっ!あの子?」
私は、初めてアンバー領を訪れたときに、学生時分に買った紅茶農家へ足を運んだ。
村長の息子のフレッドの隣で優しく微笑んで佇んでいたマロンを思い出す。
なかなか可愛らしい子と私を比較してきたわね!なんて、リリーに心の中で悪態をついた。
「そういえば、マロンとも会われましたか?」
「うん、あったよ!可愛らしい子だよね!
て、言うことは、リリーはマロンの心を射止められなかったのか。
フレッドも好青年って感じがして、頼りになりそうななかなかいい男だったもんね!」
「……アンナ様、そこは、俺を、昔のことだったとしても慰めてください!」
「そんな身内贔屓みたいなことできないわよ!リリーもなかなかいい男だけど……
ちょっと前まで、飲んだくれだったしねぇ?
マロンが嫁いだら、ちょっとは、反省したんじゃない?」
「反省どころか、さらに酒に溺れましたけどね!」
「そっちか!
まぁ、リリーは気もよくつくし、カッコいいから、そのうちいい人なんて、すぐ
できるでしょ!
私、そこは、全く心配してないから!なんなら、紹介してあげるよ!」
「ありがとうございます。自分で何とかするので……まだ、大丈夫です」
「そうね!まだ、これからだよ!って、話、それてっちゃったわね……」
いつの間にか、リリーの身の上話になっていった。
こんな話ができるようになったということは、リリーが私に心開いてくれるようになったからだろう。
荒んでいた領地と同じくらい荒んでいたリリーもすっかり健全な好青年になっている。
私より年上であるリリーには、本当に妹みたいって思われているのかもしれない。
まぁ、あの可愛らしいマロンに比べたら、かなりのじゃじゃ馬な妹であるのだけど……それなりに私の我儘も聞いてくれるようになった。
とにかく、領地改革を一緒に進めて行く上で、ギスギスした関係は困るので、いい傾向だと私は小さく頷いておく。
「砂糖農場の方の麦も伸びてるようだけど、どんな具合?」
「あちらのほうが、気候が暖かいので、少し生育が早いですね。
あと2ヶ月のうちには、刈入れが可能だと聞いています。
それと、砂糖なのですが、これは、生育がいいんですけど、甘いかどうかがわかりません。
サトウキビ用の肥料を取り寄せたいという農家から要望があるのですけど……」
「インゼロ帝国のものなのね?」
「えぇ、そうなのです。
何袋か持ってこれるだけ持ってきているらしいのですが、種や苗と違って、あの広大な畑を満たす
ほどの肥料は難しいと……」
私は執務椅子の背もたれに体を預け、考える。
数袋はあるのよね?わざわざ、インゼロ帝国から取り寄せなくても、ヨハン教授に頼んで作ってもらえばよくないかしら?
ただ、請け負ってくれるかよね……頼んでみないとわからないけど、なんだかんだと断るんじゃないだろうか?
でも、砂糖は全面的に手伝ってくれると言っていたので、文句は言われるだろうが、肥料を作ってくれるんじゃないだろうか。
新しい研究だと言えば……取り掛かってくれるかもしれない。
偏屈な教授の心を動かすのは、とっても大変だなのだ。
とりあえず、リリーに手紙とその肥料を持ってヨハン教授のところに行ってもらおうと手紙を書くことにした。
「リリー、まだ、肥料ってまいてないわよね?」
「数がないので、まだです」
「じゃあ、今から手紙を書くから、ヨハン教授に肥料と手紙を届けてくれる?
まぁ、嫌だって突っぱねてきたら……資金援助を打ち切ると言って脅しておきなさい」
「資金援助って、アンナリーゼ様の他からもあるのではないのですか?」
「あるわよ!でも、私のところにまず全額入ってくるのよ!
それを全額渡すと使い切っちゃうから、やりたいことのプレゼンなり内容確認した上でそれに
似合う資金を渡すようにしているの」
「アンナ様、それって……ヨハン教授嫌がりません?」
「仕方ないじゃない!私がしたくてしているんじゃなくて、ヨハン教授の助手たちがそうしてくれって
嘆願出してきたんだから……
ヨハン教授にお金を持たせて置くと、食費や経費までの分まですべて研究につぎ込んでしまうんですって!
生活費は必要だからね……あの研究所もなかなかの大所帯だから」
なるほどと、リリーは頷いている。
私は、肥料を持っている農家宛とヨハン教授宛に手紙を書いてリリーに渡す。
「少し、休憩しましょうか?」
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