308 / 1,508
殿下の部屋に
しおりを挟む
「殿下の部屋で着替えていいですか?」
「はぁ?」
「うん、誤解を招くようにですねぇ……?」
「そんなことしたら、ジョージア殿に……」
「ジョージア様は、ここにいないからイイのです。
あっちやこっちで女の人の香水をたんまりつけて帰ってくる人なんて……
たまには、焦らしちゃってもいいと思うんですよ!」
「なんか、あったのか?」
私の突然の申出に、殿下の方がたじたじとなっているが知ったことじゃない。
まぁ、普通、部屋に入れろ!なんてことをいう常識ある女性は、めったにいないだろう。
なんせ、夜だし、いい年した大人だしいろんな意味が含まれるから……
「何もないですけど、シルキー様を狙うんじゃなくて私を狙ってくれないかなぁ……って。
殿下のベッドの近くにドレスを脱ぎ散らかしておいたら、勝手に勘違いしてくれるんじゃないかと
思って……?」
「なるほど……じゃないな。そなた、公爵なのだろ?」
「えぇ、公爵です。あっ!でも公爵だって知っているのはほんの少しの人間ですし、公爵夫人アンナ
リーゼは、ジョージア様への愛情が嫉妬深さに変わって心を病み、領地で療養中なのです。
少々、トワイスで殿下においたをしたくらいで、バレません」
私の真剣な眼差しを受け、引きつりながら話をそれも戯言を聞いている殿下。
まぁ、殿下の名には傷がつくので、大変困るであろう……王太子妃が危篤のときに部屋に女性を入れたとなれば……大事になる。
相手が私だとすれば、なんだ、フレイゼンのじゃじゃ馬娘かとなるだろ……?ならないな。
私が、殿下の想い人だったというのは、トワイス国貴族の周知の事実だったのだから。
「アンナがよくても、俺が、困る」
「シルキー様にはちゃんとお話してから領地には帰りますから!ね?」
「無理なものは無理だ……もう少し、立場っていうものを……」
私はむぅっと頬っぺたを膨らませ、ジトっと殿下を見ている。
「はぁ……アンナは一度言ったら聞かないからな……わかった。好きにしてくれ……
で、その代わりと言っちゃなんだが、公爵になった理由を教えてくれるか?」
「いいですよ!」
軽いな……公爵ってもっと威厳が……とぶつくさ言っているが、私にそんなものを求めるほうがおかしい。
私は、私なのだから。
残念ながら、どこに行っても変わりようがない。
「一から説明するとですね?
アンバー領に行ったら、えらく荒んでいたので、領主代行権をジョージア様にもらおうとしたの
ですよ。
あっ!殿下はご存じかどうか知りませんけど、私、ジョージア様と10ヶ月?くらい別居状態だったん
ですよ!」
「はぁ?ジョージア殿と別居?それはなんで?」
「知らないです。出産した日から屋敷に帰ってこなくなりました。第二夫人の住む別宅から……」
「アンナ!それは、俺から、アンバー公爵に抗議の手紙送るから詳しく!」
「殿下、アンバー公爵なら、目の前にいますけど?」
あぁ、ややこしい!となんか頭抱えてぼやいている殿下を見て笑ってしまった。
「それで?今は、戻ってきているのか?」
「ジョージア様は、本宅に戻ってきていますよ!私が、領地に引っ込んだので本宅の管理を任せて
あります。
っていっても、筆頭執事が優秀なので、ジョージア様がいてもいなくても全部うまいことして
くれますから、実際は何もしていないと思いますよ?
ちなみに、ジョージア様もアンバー公爵ですからね。
私は、一代限りのアンバー公爵に公から任命してもらいました!」
「なるほどな。で、理由は領地改革だけでないんだろ?
領地改革くらいなら、別に爵位まではいらぬだろうから……」
「殿下もやっぱり王族なんですね?」
「当たり前だ!勉強は常にしておる!」
殿下すごい!って褒めたら、逆にもっと勉学に励めと叱られてしまった。
私、これでも、学園にいたころより、ずっとずっとずぅーっと勉強はしている。
本もたくさん読んだし、主に領地管理簿だけど……おもしろい器の本とか変わった服を作るとか、領地で出来そうなことはないかと常に模索しているのである。
「茶化すのは、それくらいにして……」
「そなたが、茶化しているんだと思うがな?」
「そうでした、すみません。ある貴族を根こそぎ潰すために公爵位をいただきました」
「えらく物騒な話だな?」
「そうですか?よくある話だと思いますよ?
そのうち、殿下の側でも起こるんじゃないですかね?気を付けてくださいね!
例えば、第二夫人が、奥様邪魔で仕方がなくて毒を盛るとか。
うちの場合、盛った相手が悪かっただけですけどね!
うちの子に毒を盛ったから、おいたも過ぎると許せなくて!」
「アンナ……?おいたで貴族をつぶすのか?」
「おいたでって言いますけど、一応公国の法律には、アンバー公爵家に生まれる、蜂蜜色の瞳を持つ子を
害したもしくは害そうとしたもの及び一族について死刑とするだったかな?そういう法律が
あるんです」
「珍妙なそんな法律があるのか?」
「殿下……トワイスにも同じ法律がありますから、探してよく読んでおいてくださいね!
うちの子どもに害をなしたら……殿下と言えど死にますよ?」
「公爵位だろ?何故法律で守られる?普通、王族の方が上であろう?」
「アンバー公爵家も正当な王家の血筋だからですよ。ロサオリエンティスってわかりますよね?」
さも、当たり前のことのように、私はロサオリエンティスのことを話す。
殿下ももちろん知っているというふうに私に話を続けてきた。
あんまりおもしろくなかったが、常識であるのでうんうんと頷いておく。
「あぁ、この国の前身だな。それが?」
「ちょっと、違います。ロサオリエンティスが、原初の女王そのものです。
原初の女王が、蜂蜜色の瞳の持ち主だったのですよ。
女王を色濃く残すのが、アンバー公爵家です。
そして、その法律は、トワイス、ローズディア、エルドアの三国共にある法律ですよ!
だから、ちょっかいかけてきた第二夫人を含め男爵家取り潰しするために、私は公爵位を得ました。
公爵位があると責任もありますけど、自由に領地の裁可ができるので楽なんです」
殿下は、アンナらしいと呆れているわけだが……別にわざわざ爵位を得てまで誰かを断罪したい人間なんていないはずだ。
そこは殿下に勘違いされては困る。
そうそう公爵位なんてとれるものではないので、ロサオリエンティスの計らいもあってありがたくいただいておいたのだが、自分の肩では荷が重いこともわかっている。
「それで、その爵位で好き勝手やっているのか?」
「失礼ですね!まだ、何もしていませんよ!少々、公と公世子様に、おいたした男爵のお仕置きように
下調べしてくれって言っただけです」
「あと、俺に御用達の看板くれともいっていたな……」
あはは……と空笑いをしておくと、変わってなくてよかったと言ってくれる。
結婚式から2年も会っていなかったのだ。
手紙のやり取りはしていても、私は心配されていたのだろう。
「殿下、ありがとうございます」
「なんだ?しおらしいな。看板くらい」
「他にも……心配してくれて……」
「当たり前だ。いつまでたっても俺とハリーとそなたは幼馴染なんだ。気にしないでいる方が難しい。
ローズディアからアンナの噂が絶えることがないのも事実だ。
それに、シルキーの心を鷲掴みにして離さないんだ……ライバルとしては、手ごわいよ」
「そんなことないでしょ?シルキー様は、とても、殿下のこと大事にされていますよ?」
「そうか?未だにアンナリーゼは、アンナリーゼはって言っておるぞ?」
「私が少々特殊だからでしょう?私、シルキー様と出会てよかったです」
「それは、元気になった本人に言ってやってくれ!」
「わかりました、そういたしましょう!」
では、部屋に着替えを準備するから……もう少しここで待っていてくれ……と言って、殿下は部屋を出て行った。
ここ、執務室なんだけど……他国の私がいていいのだろうか?そんな風に思っていたら、兄が帰ってきた。
パルマとは連絡がつき、明日朝一で合流してくれるらしい。
私も今晩の話をして王宮、それも殿下の部屋に泊まる話をして、僕は知らないよ……見なかったし聞かなかったし、触れないっとフラフラとソファに座り込む兄を見つめておくのであった。
「はぁ?」
「うん、誤解を招くようにですねぇ……?」
「そんなことしたら、ジョージア殿に……」
「ジョージア様は、ここにいないからイイのです。
あっちやこっちで女の人の香水をたんまりつけて帰ってくる人なんて……
たまには、焦らしちゃってもいいと思うんですよ!」
「なんか、あったのか?」
私の突然の申出に、殿下の方がたじたじとなっているが知ったことじゃない。
まぁ、普通、部屋に入れろ!なんてことをいう常識ある女性は、めったにいないだろう。
なんせ、夜だし、いい年した大人だしいろんな意味が含まれるから……
「何もないですけど、シルキー様を狙うんじゃなくて私を狙ってくれないかなぁ……って。
殿下のベッドの近くにドレスを脱ぎ散らかしておいたら、勝手に勘違いしてくれるんじゃないかと
思って……?」
「なるほど……じゃないな。そなた、公爵なのだろ?」
「えぇ、公爵です。あっ!でも公爵だって知っているのはほんの少しの人間ですし、公爵夫人アンナ
リーゼは、ジョージア様への愛情が嫉妬深さに変わって心を病み、領地で療養中なのです。
少々、トワイスで殿下においたをしたくらいで、バレません」
私の真剣な眼差しを受け、引きつりながら話をそれも戯言を聞いている殿下。
まぁ、殿下の名には傷がつくので、大変困るであろう……王太子妃が危篤のときに部屋に女性を入れたとなれば……大事になる。
相手が私だとすれば、なんだ、フレイゼンのじゃじゃ馬娘かとなるだろ……?ならないな。
私が、殿下の想い人だったというのは、トワイス国貴族の周知の事実だったのだから。
「アンナがよくても、俺が、困る」
「シルキー様にはちゃんとお話してから領地には帰りますから!ね?」
「無理なものは無理だ……もう少し、立場っていうものを……」
私はむぅっと頬っぺたを膨らませ、ジトっと殿下を見ている。
「はぁ……アンナは一度言ったら聞かないからな……わかった。好きにしてくれ……
で、その代わりと言っちゃなんだが、公爵になった理由を教えてくれるか?」
「いいですよ!」
軽いな……公爵ってもっと威厳が……とぶつくさ言っているが、私にそんなものを求めるほうがおかしい。
私は、私なのだから。
残念ながら、どこに行っても変わりようがない。
「一から説明するとですね?
アンバー領に行ったら、えらく荒んでいたので、領主代行権をジョージア様にもらおうとしたの
ですよ。
あっ!殿下はご存じかどうか知りませんけど、私、ジョージア様と10ヶ月?くらい別居状態だったん
ですよ!」
「はぁ?ジョージア殿と別居?それはなんで?」
「知らないです。出産した日から屋敷に帰ってこなくなりました。第二夫人の住む別宅から……」
「アンナ!それは、俺から、アンバー公爵に抗議の手紙送るから詳しく!」
「殿下、アンバー公爵なら、目の前にいますけど?」
あぁ、ややこしい!となんか頭抱えてぼやいている殿下を見て笑ってしまった。
「それで?今は、戻ってきているのか?」
「ジョージア様は、本宅に戻ってきていますよ!私が、領地に引っ込んだので本宅の管理を任せて
あります。
っていっても、筆頭執事が優秀なので、ジョージア様がいてもいなくても全部うまいことして
くれますから、実際は何もしていないと思いますよ?
ちなみに、ジョージア様もアンバー公爵ですからね。
私は、一代限りのアンバー公爵に公から任命してもらいました!」
「なるほどな。で、理由は領地改革だけでないんだろ?
領地改革くらいなら、別に爵位まではいらぬだろうから……」
「殿下もやっぱり王族なんですね?」
「当たり前だ!勉強は常にしておる!」
殿下すごい!って褒めたら、逆にもっと勉学に励めと叱られてしまった。
私、これでも、学園にいたころより、ずっとずっとずぅーっと勉強はしている。
本もたくさん読んだし、主に領地管理簿だけど……おもしろい器の本とか変わった服を作るとか、領地で出来そうなことはないかと常に模索しているのである。
「茶化すのは、それくらいにして……」
「そなたが、茶化しているんだと思うがな?」
「そうでした、すみません。ある貴族を根こそぎ潰すために公爵位をいただきました」
「えらく物騒な話だな?」
「そうですか?よくある話だと思いますよ?
そのうち、殿下の側でも起こるんじゃないですかね?気を付けてくださいね!
例えば、第二夫人が、奥様邪魔で仕方がなくて毒を盛るとか。
うちの場合、盛った相手が悪かっただけですけどね!
うちの子に毒を盛ったから、おいたも過ぎると許せなくて!」
「アンナ……?おいたで貴族をつぶすのか?」
「おいたでって言いますけど、一応公国の法律には、アンバー公爵家に生まれる、蜂蜜色の瞳を持つ子を
害したもしくは害そうとしたもの及び一族について死刑とするだったかな?そういう法律が
あるんです」
「珍妙なそんな法律があるのか?」
「殿下……トワイスにも同じ法律がありますから、探してよく読んでおいてくださいね!
うちの子どもに害をなしたら……殿下と言えど死にますよ?」
「公爵位だろ?何故法律で守られる?普通、王族の方が上であろう?」
「アンバー公爵家も正当な王家の血筋だからですよ。ロサオリエンティスってわかりますよね?」
さも、当たり前のことのように、私はロサオリエンティスのことを話す。
殿下ももちろん知っているというふうに私に話を続けてきた。
あんまりおもしろくなかったが、常識であるのでうんうんと頷いておく。
「あぁ、この国の前身だな。それが?」
「ちょっと、違います。ロサオリエンティスが、原初の女王そのものです。
原初の女王が、蜂蜜色の瞳の持ち主だったのですよ。
女王を色濃く残すのが、アンバー公爵家です。
そして、その法律は、トワイス、ローズディア、エルドアの三国共にある法律ですよ!
だから、ちょっかいかけてきた第二夫人を含め男爵家取り潰しするために、私は公爵位を得ました。
公爵位があると責任もありますけど、自由に領地の裁可ができるので楽なんです」
殿下は、アンナらしいと呆れているわけだが……別にわざわざ爵位を得てまで誰かを断罪したい人間なんていないはずだ。
そこは殿下に勘違いされては困る。
そうそう公爵位なんてとれるものではないので、ロサオリエンティスの計らいもあってありがたくいただいておいたのだが、自分の肩では荷が重いこともわかっている。
「それで、その爵位で好き勝手やっているのか?」
「失礼ですね!まだ、何もしていませんよ!少々、公と公世子様に、おいたした男爵のお仕置きように
下調べしてくれって言っただけです」
「あと、俺に御用達の看板くれともいっていたな……」
あはは……と空笑いをしておくと、変わってなくてよかったと言ってくれる。
結婚式から2年も会っていなかったのだ。
手紙のやり取りはしていても、私は心配されていたのだろう。
「殿下、ありがとうございます」
「なんだ?しおらしいな。看板くらい」
「他にも……心配してくれて……」
「当たり前だ。いつまでたっても俺とハリーとそなたは幼馴染なんだ。気にしないでいる方が難しい。
ローズディアからアンナの噂が絶えることがないのも事実だ。
それに、シルキーの心を鷲掴みにして離さないんだ……ライバルとしては、手ごわいよ」
「そんなことないでしょ?シルキー様は、とても、殿下のこと大事にされていますよ?」
「そうか?未だにアンナリーゼは、アンナリーゼはって言っておるぞ?」
「私が少々特殊だからでしょう?私、シルキー様と出会てよかったです」
「それは、元気になった本人に言ってやってくれ!」
「わかりました、そういたしましょう!」
では、部屋に着替えを準備するから……もう少しここで待っていてくれ……と言って、殿下は部屋を出て行った。
ここ、執務室なんだけど……他国の私がいていいのだろうか?そんな風に思っていたら、兄が帰ってきた。
パルマとは連絡がつき、明日朝一で合流してくれるらしい。
私も今晩の話をして王宮、それも殿下の部屋に泊まる話をして、僕は知らないよ……見なかったし聞かなかったし、触れないっとフラフラとソファに座り込む兄を見つめておくのであった。
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
離縁してくださいと言ったら、大騒ぎになったのですが?
ネコ
恋愛
子爵令嬢レイラは北の領主グレアムと政略結婚をするも、彼が愛しているのは幼い頃から世話してきた従姉妹らしい。夫婦生活らしい交流すらなく、仕事と家事を押し付けられるばかり。ある日、従姉妹とグレアムの微妙な関係を目撃し、全てを諦める。
交換された花嫁
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」
お姉さんなんだから…お姉さんなんだから…
我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。
「お姉様の婚約者頂戴」
妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。
「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」
流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。
結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。
そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。
愛しき冷血宰相へ別れの挨拶を
川上桃園
恋愛
「どうかもう私のことはお忘れください。閣下の幸せを、遠くから見守っております」
とある国で、宰相閣下が結婚するという新聞記事が出た。
これを見た地方官吏のコーデリアは突如、王都へ旅立った。亡き兄の友人であり、年上の想い人でもある「彼」に別れを告げるために。
だが目当ての宰相邸では使用人に追い返されて途方に暮れる。そこに出くわしたのは、彼と結婚するという噂の美しき令嬢の姿だった――。
これは、冷血宰相と呼ばれた彼の結婚を巡る、恋のから騒ぎ。最後はハッピーエンドで終わるめでたしめでたしのお話です。
完結まで執筆済み、毎日更新
もう少しだけお付き合いください
第22回書き出し祭り参加作品
2025.1.26 女性向けホトラン1位ありがとうございます
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる