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紹介するわ
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今日は、領地で手伝ってくれているニコライやビルをノクトとイチアに紹介するため、馬車に揺られ町に出かけた。
「ほぅ、なかなかいい町だな?」
「そういってもらえるのは、嬉しいわね!」
何気なくジョージアに笑いかけると、頷いてくれる。
なんせ、2ヶ月前まで、ゴミや汚物などありとあらゆるもので汚かった町だったのだ。
外部の人がそう言ってくれたことに少しだけ安堵する。
「着いたので降りてください!」
馬車から降りると、私を見て町の人たちが周りに寄ってきた。
「アンナちゃん、最近見かけなかったけど……元気してたのかい?」
「町は、アンナさんが言ってくれた通りに綺麗なままだよ!」
「お掃除隊が、家を直してくれてね!」
囲まれて町のみんなが思い思いのことを私に伝えてくる。
初めてこの地におりたとき、死んだような目をしていた町の人たちが笑いながら私に今の町の様子を伝えに来てくれた。
私のことを覚えてくれていたことも嬉しかったし、そんな報告を見かけたからとわざわざしてくれるのも嬉しい。
「みんな、町を綺麗に維持してくれて、ありがとう!
私、しばらく用事があって、公都に行っていたの!」
「アンナは、この領地を捨ててしまうのか?」
小さな男の子が私の服を引っ張って不安そうに聞いてくる。
男の子の視線に合わせて、私は屈んで頭を撫でる。
「いいえ、私は、ここの領地でこれから生活するのよ!
ただ、色々と公都にもお仕事があるから……向こうに戻っていただけなの。
また、私と遊んでくれる?」
「もちろん!」
男の子の周りにも年の頃が似た子たちが私を待っていてくれたようだ。
「じゃあ、マーラ商会に用事だから……また、後でね?」
手を振ると振り返してくれる。
子どもだけでなく、大人もだった。
「アンナは、人気者なんだな?」
「ノクトにはいってなかったけど、この領地、1ヶ月前まではとても人が住めるような所じゃなかったの。
領民みんなで片付けて掃除をした結果、今の町になっていてね?
それを維持してくれてるみたい!」
私の姿を確認すると、色々な人が声をかけてくれる。
それをジョージアは、ただ、黙って見ているだけであった。
ジョージアも私がここまで領民に慕われているとは思ってなかったようで、驚いているというのが素直な感情であろう。
チラッと顔を見るにそれをノクトやイチアに気づかれないようにしているようだ。
「ここが、マーラ商会でその隣にあるのが私のお店で、その上に……紹介したい人たちがいるはずよ!」
まだ、何も置かれていない店の中を歩き2階に登っていく。
明かりもついていないので、薄暗い。
階段を上ったすぐの一室にノックをすると、返事が返ってくる。
「ビル、少しの間、領地に戻ってきたの!」
「アンナリーゼ様、お早いお戻りで……と言っても、もう1ヶ月半たっているのですね」
「ごめんね、遅くなって!ちょっと、色々とあったのよ……」
後ろにいる人たちを指していうと、その中にジョージアがいることに気づいたようだ。
「公爵様!よ……ようこそおいでくださいました……」
ばつの悪そうにしているのは、お互い様のようだ。
「ビル、ニコライはいるの?」
「えっと……ニコライなら、隣の店にいますから呼んできます。
あと、今、リリーも来ていますので、呼びましょうか?」
「お願いできる?」
はいと言って、ビルが部屋から出ていく。
「適当に座ってくれる?
ここ、私のお店兼行政所みたいなものなの。
まだ、何も機能してないから……2年以内には整えたいと思っているのだけどね?」
「へぇーなかなかいい、部屋だな?
ちなみに、ニコライってこの前来てた若い商人だよな?」
「そうよ!ノクトの話を熱心に聞いていたのがニコライ。
ちゃんと紹介するわ!これから、ニコライのパートナーになってもらわないとだから!」
私達が座って雑談を始めた頃、ビルが三人の男性を伴ってやってきた。
「ちょうど、店に行ったらユービスも来ていましたので、お連れしました」
「ありがとう、みんな席あるかしら?」
丸椅子を奥から持ってきて、三人は私達の周りに座る。
「じゃあ、まず、私が紹介していくわね!
ジョージア様は、知っているわね?」
領地の三人の反応を見ると頷いているので大丈夫だろう。
それよりも、みんな、目の前のガタイのいいおじさんに興味があるようだ。
「こちら、今日から私の配下となったノクトとイチアよ。
ノクトは、私の補佐として配下になったのだけど、その他にも領地の警備隊の練兵やニコライの商売の
アドバイザー兼用心棒ね。
イチアは、今のところ、警備隊の練兵かなって思っているだけど、他にも知識が豊富そうだから、
ビルたちの手伝いやセバスの方も一緒に見てもらおうと思っているの」
正体を知っているニコライは苦笑いしているが、ビルとユービスはおもむろに値踏みを始める。
実に商人らしくていい!
まぁ、ノクトたちも始めたので、私は何も言わずにいた。
「そして、ジョージア様は、ニコライとユービスは知っているわよね?」
「あぁ、もちろんだ。アンナの友人とアンバーお抱えの商人だろ?」
「正解です!」
その答えを聞いて、三人はホッとしている。
でも、目の前のおじさんとイチアは、ニコライしかしらないので紹介する。
「じゃあ、こちらから……商人のビルとユービスとニコライ、あと警備隊のリリーよ!」
警備隊という言葉に驚いたのか、リリーは目を見開いていた。
「アンナ様……警備隊は、クビになったので……お掃除隊と……」
「お掃除隊も、もうすぐ解散だけどね!
新しいお仕事してもらわないといけないし、この1ヶ月でみんな好きな道を見つけた人も多いんでしょ?
私は、リリーにことが片付いたら、警備隊に戻ってほしいと思っているわ!」
「リリーとやらは、アンバー領の警備隊だったのか?」
「そうです。私がクビにしたのですけどね!」
ニコッと笑うと、みんな苦笑いをする。
「お酒ばっかり飲んで機能しない警備隊なんて必要ありませんし、こんな何もないところで犯罪率は
低いですからね!
最小限を残して私のお供をしてもらっていました!
ゆくゆくは、リリーを隊長にして警備隊に戻す予定なのですよ!」
私のひっそり計画を聞いて、嬉しいような驚いているようななリリーにもう一言、言葉をかける。
「まだまだ、お掃除隊の活躍場所はたくさんあるのよ?
少し家も建ててほしいし、石畳の街道を作るのにもてを貸してほしいの。
1年や2年じゃ帰れないし、もう帰りたくないというかもしれないけどね……
でも、ウィルやノクトにも稽古をつけるようにするから、そういう勘もそこそこ戻るはずだから。
練兵された警備隊は、できれば今後のことを考えても欲しいのよ。
人望熱いリリーなら、任せられるかな?って今のところ思ってる。
だから、私が隊長として選んでもいいと思えるような人材になって頂戴」
「わかりました。
期待に応えられるよう、頑張ります!」
リリーには、さっきの迷いのようなものは、消えたようでなによりだ。
「さて、紹介も終わったことだし領地の話をしましょう!
ビル、ユービス、領主代行権の話なのだけど、私、一代限りの公爵位を拝命することになったの!
だから、ジョージア様の裁可なしで、事業が進められるわ!」
「それは、やりましたな!」
「それだけが、気がかりでした……」
ジョージアを前に少し申し訳なさそうだったが、私が公爵位を拝命したことを素直に喜んでくれる。
私は、まず、領主代行権取得を目下の目標としていたので、それ以上の成果がでたことで少しホッとしているのだろう。
「そういえば、もう、ノクト達は領地を回った?」
「いや、まだだ」
「そう、そのうち一緒に回りましょう。
ちなみに、アンバー領には、今、何もないの。
もちろん、麦畑や基本的な生活用品を、買うところはあるわよ?
目玉になるようなものが、まだ、ないのよ。
私の配下となるんだったら、貧乏生活をするその覚悟はあるかしら?」
「もとより、そのつもりできている。
アンナの好きに使ってくれ!」
みなの前でノクトに覚悟を問う。
まぁ、何もないからこそ楽しみでもあるのだが、ノクトもそうみたいだ。
ここに住み続けていた領民にしては、こんな話したら怒られそうだけど、領地をいろいろと繁栄させていくことは、私にとって楽しみでもあるのだ。
「わかったわ。
じゃあ、まず、ノクトは何ができるかしら?」
「なんでもできるぞ?
まぁ、得意なのは兵士練兵。
領地運営から商人、用心棒、農民、工事の現場監督に意外と動き回る方もできる。
後は、大工仕事くらいなもんか……?」
私は、頭を押さえる。
欲しいところの全てができるのかと。
何より生きてる年数も経験値が違うこのおじさん、何でも屋ってことだ。
参ったなぁ……と思う。
まさか、ここまでオールマイティに動けるおじさんが手に入るとは……わくわくしかしない。
しかもこの性格だ。領民に好かれるだろう。
「わかった。みんな聞いて」
みなが私に注目する。
これから、大まかに仕事を割り振りする話をする。
「まず、今考えていることを話すわ。
さっきも少し話したけど……全体的な話をするわ。
領地運営に関して、私、ジョージア様、セバスを中心にと考えているの。
領地運営にはお金がかかるから、領地お抱えの商売をしようとしていて、その頭をニコライと考えて
いて、エルドアにある運送会社から御者を何人か借りつつの三国展開を目論んでる。
ここって国じゃないからね、領地が広いから国の行政機関を真似た組織を一つ作ろうとしているわ。
それの頭をビル、テクト、ユービスの三人ね。
商会、農業、工芸を含む管理や税金の徴収が主な仕事ね。
あと、時間を持て余している女性達がいるのだけど、その人達にも働いてもらうつもりで、その仕切り
をナタリーにしてもらう予定よ!」
私、丸投げ体質だから、今割り振った形で進めて、ダメなとこを随時修正する形かしら?
街道整備の話もあるのだけど、これは石の町から人を集うし、警備隊をクビにしたお掃除隊の出番である。
アンバーの地に人も集まりつつある。
これから、少しづつ領地改革をしていくのだ。
うまくいくことだけでないのはわかっているが、胸躍る気持ちなのは、やはり隠せそうになかった。
「ほぅ、なかなかいい町だな?」
「そういってもらえるのは、嬉しいわね!」
何気なくジョージアに笑いかけると、頷いてくれる。
なんせ、2ヶ月前まで、ゴミや汚物などありとあらゆるもので汚かった町だったのだ。
外部の人がそう言ってくれたことに少しだけ安堵する。
「着いたので降りてください!」
馬車から降りると、私を見て町の人たちが周りに寄ってきた。
「アンナちゃん、最近見かけなかったけど……元気してたのかい?」
「町は、アンナさんが言ってくれた通りに綺麗なままだよ!」
「お掃除隊が、家を直してくれてね!」
囲まれて町のみんなが思い思いのことを私に伝えてくる。
初めてこの地におりたとき、死んだような目をしていた町の人たちが笑いながら私に今の町の様子を伝えに来てくれた。
私のことを覚えてくれていたことも嬉しかったし、そんな報告を見かけたからとわざわざしてくれるのも嬉しい。
「みんな、町を綺麗に維持してくれて、ありがとう!
私、しばらく用事があって、公都に行っていたの!」
「アンナは、この領地を捨ててしまうのか?」
小さな男の子が私の服を引っ張って不安そうに聞いてくる。
男の子の視線に合わせて、私は屈んで頭を撫でる。
「いいえ、私は、ここの領地でこれから生活するのよ!
ただ、色々と公都にもお仕事があるから……向こうに戻っていただけなの。
また、私と遊んでくれる?」
「もちろん!」
男の子の周りにも年の頃が似た子たちが私を待っていてくれたようだ。
「じゃあ、マーラ商会に用事だから……また、後でね?」
手を振ると振り返してくれる。
子どもだけでなく、大人もだった。
「アンナは、人気者なんだな?」
「ノクトにはいってなかったけど、この領地、1ヶ月前まではとても人が住めるような所じゃなかったの。
領民みんなで片付けて掃除をした結果、今の町になっていてね?
それを維持してくれてるみたい!」
私の姿を確認すると、色々な人が声をかけてくれる。
それをジョージアは、ただ、黙って見ているだけであった。
ジョージアも私がここまで領民に慕われているとは思ってなかったようで、驚いているというのが素直な感情であろう。
チラッと顔を見るにそれをノクトやイチアに気づかれないようにしているようだ。
「ここが、マーラ商会でその隣にあるのが私のお店で、その上に……紹介したい人たちがいるはずよ!」
まだ、何も置かれていない店の中を歩き2階に登っていく。
明かりもついていないので、薄暗い。
階段を上ったすぐの一室にノックをすると、返事が返ってくる。
「ビル、少しの間、領地に戻ってきたの!」
「アンナリーゼ様、お早いお戻りで……と言っても、もう1ヶ月半たっているのですね」
「ごめんね、遅くなって!ちょっと、色々とあったのよ……」
後ろにいる人たちを指していうと、その中にジョージアがいることに気づいたようだ。
「公爵様!よ……ようこそおいでくださいました……」
ばつの悪そうにしているのは、お互い様のようだ。
「ビル、ニコライはいるの?」
「えっと……ニコライなら、隣の店にいますから呼んできます。
あと、今、リリーも来ていますので、呼びましょうか?」
「お願いできる?」
はいと言って、ビルが部屋から出ていく。
「適当に座ってくれる?
ここ、私のお店兼行政所みたいなものなの。
まだ、何も機能してないから……2年以内には整えたいと思っているのだけどね?」
「へぇーなかなかいい、部屋だな?
ちなみに、ニコライってこの前来てた若い商人だよな?」
「そうよ!ノクトの話を熱心に聞いていたのがニコライ。
ちゃんと紹介するわ!これから、ニコライのパートナーになってもらわないとだから!」
私達が座って雑談を始めた頃、ビルが三人の男性を伴ってやってきた。
「ちょうど、店に行ったらユービスも来ていましたので、お連れしました」
「ありがとう、みんな席あるかしら?」
丸椅子を奥から持ってきて、三人は私達の周りに座る。
「じゃあ、まず、私が紹介していくわね!
ジョージア様は、知っているわね?」
領地の三人の反応を見ると頷いているので大丈夫だろう。
それよりも、みんな、目の前のガタイのいいおじさんに興味があるようだ。
「こちら、今日から私の配下となったノクトとイチアよ。
ノクトは、私の補佐として配下になったのだけど、その他にも領地の警備隊の練兵やニコライの商売の
アドバイザー兼用心棒ね。
イチアは、今のところ、警備隊の練兵かなって思っているだけど、他にも知識が豊富そうだから、
ビルたちの手伝いやセバスの方も一緒に見てもらおうと思っているの」
正体を知っているニコライは苦笑いしているが、ビルとユービスはおもむろに値踏みを始める。
実に商人らしくていい!
まぁ、ノクトたちも始めたので、私は何も言わずにいた。
「そして、ジョージア様は、ニコライとユービスは知っているわよね?」
「あぁ、もちろんだ。アンナの友人とアンバーお抱えの商人だろ?」
「正解です!」
その答えを聞いて、三人はホッとしている。
でも、目の前のおじさんとイチアは、ニコライしかしらないので紹介する。
「じゃあ、こちらから……商人のビルとユービスとニコライ、あと警備隊のリリーよ!」
警備隊という言葉に驚いたのか、リリーは目を見開いていた。
「アンナ様……警備隊は、クビになったので……お掃除隊と……」
「お掃除隊も、もうすぐ解散だけどね!
新しいお仕事してもらわないといけないし、この1ヶ月でみんな好きな道を見つけた人も多いんでしょ?
私は、リリーにことが片付いたら、警備隊に戻ってほしいと思っているわ!」
「リリーとやらは、アンバー領の警備隊だったのか?」
「そうです。私がクビにしたのですけどね!」
ニコッと笑うと、みんな苦笑いをする。
「お酒ばっかり飲んで機能しない警備隊なんて必要ありませんし、こんな何もないところで犯罪率は
低いですからね!
最小限を残して私のお供をしてもらっていました!
ゆくゆくは、リリーを隊長にして警備隊に戻す予定なのですよ!」
私のひっそり計画を聞いて、嬉しいような驚いているようななリリーにもう一言、言葉をかける。
「まだまだ、お掃除隊の活躍場所はたくさんあるのよ?
少し家も建ててほしいし、石畳の街道を作るのにもてを貸してほしいの。
1年や2年じゃ帰れないし、もう帰りたくないというかもしれないけどね……
でも、ウィルやノクトにも稽古をつけるようにするから、そういう勘もそこそこ戻るはずだから。
練兵された警備隊は、できれば今後のことを考えても欲しいのよ。
人望熱いリリーなら、任せられるかな?って今のところ思ってる。
だから、私が隊長として選んでもいいと思えるような人材になって頂戴」
「わかりました。
期待に応えられるよう、頑張ります!」
リリーには、さっきの迷いのようなものは、消えたようでなによりだ。
「さて、紹介も終わったことだし領地の話をしましょう!
ビル、ユービス、領主代行権の話なのだけど、私、一代限りの公爵位を拝命することになったの!
だから、ジョージア様の裁可なしで、事業が進められるわ!」
「それは、やりましたな!」
「それだけが、気がかりでした……」
ジョージアを前に少し申し訳なさそうだったが、私が公爵位を拝命したことを素直に喜んでくれる。
私は、まず、領主代行権取得を目下の目標としていたので、それ以上の成果がでたことで少しホッとしているのだろう。
「そういえば、もう、ノクト達は領地を回った?」
「いや、まだだ」
「そう、そのうち一緒に回りましょう。
ちなみに、アンバー領には、今、何もないの。
もちろん、麦畑や基本的な生活用品を、買うところはあるわよ?
目玉になるようなものが、まだ、ないのよ。
私の配下となるんだったら、貧乏生活をするその覚悟はあるかしら?」
「もとより、そのつもりできている。
アンナの好きに使ってくれ!」
みなの前でノクトに覚悟を問う。
まぁ、何もないからこそ楽しみでもあるのだが、ノクトもそうみたいだ。
ここに住み続けていた領民にしては、こんな話したら怒られそうだけど、領地をいろいろと繁栄させていくことは、私にとって楽しみでもあるのだ。
「わかったわ。
じゃあ、まず、ノクトは何ができるかしら?」
「なんでもできるぞ?
まぁ、得意なのは兵士練兵。
領地運営から商人、用心棒、農民、工事の現場監督に意外と動き回る方もできる。
後は、大工仕事くらいなもんか……?」
私は、頭を押さえる。
欲しいところの全てができるのかと。
何より生きてる年数も経験値が違うこのおじさん、何でも屋ってことだ。
参ったなぁ……と思う。
まさか、ここまでオールマイティに動けるおじさんが手に入るとは……わくわくしかしない。
しかもこの性格だ。領民に好かれるだろう。
「わかった。みんな聞いて」
みなが私に注目する。
これから、大まかに仕事を割り振りする話をする。
「まず、今考えていることを話すわ。
さっきも少し話したけど……全体的な話をするわ。
領地運営に関して、私、ジョージア様、セバスを中心にと考えているの。
領地運営にはお金がかかるから、領地お抱えの商売をしようとしていて、その頭をニコライと考えて
いて、エルドアにある運送会社から御者を何人か借りつつの三国展開を目論んでる。
ここって国じゃないからね、領地が広いから国の行政機関を真似た組織を一つ作ろうとしているわ。
それの頭をビル、テクト、ユービスの三人ね。
商会、農業、工芸を含む管理や税金の徴収が主な仕事ね。
あと、時間を持て余している女性達がいるのだけど、その人達にも働いてもらうつもりで、その仕切り
をナタリーにしてもらう予定よ!」
私、丸投げ体質だから、今割り振った形で進めて、ダメなとこを随時修正する形かしら?
街道整備の話もあるのだけど、これは石の町から人を集うし、警備隊をクビにしたお掃除隊の出番である。
アンバーの地に人も集まりつつある。
これから、少しづつ領地改革をしていくのだ。
うまくいくことだけでないのはわかっているが、胸躍る気持ちなのは、やはり隠せそうになかった。
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