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離婚のススメⅢ
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「取り乱してしまって、悪かった。続きを聞こう!」
カルアから、ジョージアに私とジョーへ盛った毒や刺客の話などを聞く。
ときおり辛そうにしている、ジョージアが可哀想になるが、ここは、私が同情してもいいところではない。
ましてや、侍従とはいえ、他人がいる前で、ジョージアの手を取るべきではないだろう。
ジョージアが領主として、当主として受け入れないといけないことなのだから……
また、二人になったときに、辛ければ肩を貸せばいい、泣きたければ胸でもなんでも貸してあげようと思いながら、私もずっと耐える。
カルアの話に時折、ディルも調べたことを織り交ぜて話が進んでいく。
私も調べ切れていなかったところがあったので、それをメモしておく。
「ジョージア様、私からもです。
お伝えしたいことは3つ。
1つ目は、領地の資金のことですが……流れていた先は公世子様の第三妃擁立に
使われていたようです。
あの方は、ダドリー男爵の娘です。
我が家からの資金で、公爵家の娘として公世子様の妃擁立に着くよう手を打っていた
ようです。
ダドリー男爵家の夫人たちが、派手に着飾れるのは、アンバー領地からの資金と
ソフィアが買い漁っている宝石類が元になっています」
「そこでも、ソフィアが関わってくるのか……」
「これが、ここ2年間の別宅の収支ですが、異常に宝石類を買っています。
ソフィアの名義でもジョージの名義でも……
しかし、この宝石は、もう、この屋敷のどこを探してもないのです。
売り払ってしまっているので……その資金は、ダドリー男爵の元へ流れていっています」
小鳥が調べてくれた資料を提供すると、ジョージアはこめかみのあたりをグリグリと押している。
わかる!それ、私も何度も何度もやったから!
心の中で、同意しておくが、当のジョージアは、すでに許容範囲を超えていた。
まだ、あと2つ報告があるのだけど、壊れてしまわないか……心配である。
「アンナ、あと2つはなんだ……?もう、少々のことでは、驚かないよ!」
「そうですか?それなら、いいですけど……準備はいいですか?」
あぁと、ジョージアは頷くので、私は、ソフィアの最大の秘密をジョージアに伝える。
「ジョージア様、ご自身から見て、ジョージは、自分と似ていると思うことはありますか?」
「ジョージとか……?」
しばらく黙り込んで、ジョージを思い浮かべている。
黒髪黒目はソフィアと同じ。
ただし、顔のつくりは、ソフィアの系譜でもなければジョージアの系譜でもないはずだった。
私の『予知夢』が見せた成長したジョージは、まさに私の知る茶飲み友達そのものだったのだから……
「まさか……だろ……?」
「どのまさかかは知りませんが、ジョージア様の子どもではありません。
こちら、エールから証言を取ってあります。
あと、エールとエールの夫人からも引き取りませんから、ご自由にという証文です」
ジョージアだけでなく、ディルとカルアも衝撃を受けたようで、私が証文を机の上に置くのを呆然と見ている。
「あの、ジョージア様、本当に大丈夫ですか?
ディルとカルアも大丈夫……?」
「あ……はい……さすがに、驚きました」
「………………エールって誰?
俺、今まで誰の子を世話してたの……?」
「黒の貴族って言えばわかりますか?
それとも、バニッシュ子爵?」
「バニッシュ子爵?」
「えぇ、そうですよ!
これは、本人に聞きました。
私たちの結婚式の日に、いただいたと言ってましたよ!」
「あの、アンナさん……?
まず、その、ジョージが、俺の子どもじゃないのも衝撃なんだけど……
アンナさんが、バニッシュ子爵のことを……その……エールって……
どういうこと……?」
なんていうか、ディルとカルアの驚いたところと、ジョージアが衝撃を受けたところが違ったようだった。
「エールとは、茶飲み友達になったのです。
ただ、それだけですよ?
深いことも何にもありませんよ?
確かに、あの色香には、思わずクラっとしそうになりましたけど……
ウィルで慣れてるので、耐性はありますしね!」
「えっ?ウィル?
アンナさんは、一体どうなってるの?」
「どうもなってませんよ!
私は、ジョージア様以外と、どうにもなっていませんけど!!
失礼ですね!!」
話の論点がどんどんずれていく……
「エールね……エール」
「エールの話は、いいんです!
ジョージの話ですよ!
ちなみに、今、たぶん、2人目が育ってますよ!
そんな話もしてましたから!」
「2人目?ソフィアは、妊娠してるってこと?」
「そうです!黒髪黒目の女の子ですよ!」
私の言葉に即座に動いたのは、ディルであった。
別宅に配置している侍従に探りを入れるつもりだろう。
興奮して、立ち上がっていたジョージアだったが、ストンとソファに座る。
「身に覚えあるんですか?」
「あるようなないような……」
「ジョージア様、睡眠薬飲まされてますからね……よかったですね、まだ睡眠薬で」
そういうと、ジョージアの顔が赤くなる。
他の薬に思い至ったのだろう。
一部の貴族の中には、媚薬を持っているものもいるらしい。
普通の人間では、媚薬には抗えないと聞いている。
「向こうの侍女が嘆いてましたよ……?
ジョージア様を素っ裸にするのが、恥ずかしくてと」
それを聞いたジョージアは、さらに真っ赤になった。
「えっ?俺、侍女に脱がされてたの……?
確かに、起きたら、素っ裸で寝てたことが、何回かあったんだよね……」
「ジョージア様…………憐れです」
私は、ジョージアを憐れむ。
そして、ソフィアに命令されたとはいえ、ジョージアの服をひっぺりはがした侍女が、なんだかとてつもなく可哀想だ。
まぁ、ジョージアの体は、程よく引き締まっているので、見ている分にはとても綺麗なのだ。
目に毒ではないだろうが、いろんな意味では毒になりうる体だと思う。
「俺、メッチャくちゃ恥ずかしいんですけど……?」
「今に始まったことじゃなんですから、今更です。
前もそうだったじゃないですか?」
「はい、そうでした……その節は、大変申し訳なく……」
「そうじゃないでしょ?
ちょっと、自宅にいるからって、気を抜きすぎですよ!!
今度、私が惚れ薬でも入れておきましょうかね?」
「うん、入れておいてくれて構わないよ!
アンナからなら、毒でも飲むよ!」
「劇薬物飲みますか……?」
「いや、それは、ちょっと……」
バカらしい話をしたおかげか、少しだけ気持ちが落ち着いたのだろう。
ジョージアの顔色も少し良くなり、落ち着いている。
「結論から言いますと……私が移譲してもらって初めての仕事は、男爵家取り潰しに
なります。
そうすると、婚姻関係にあるジョージア様も、社会的制裁は受けるでしょう。
でも、私は、受ける必要のない制裁であると思っています。
あなたは、アンバー公爵家当主なのですし、公室の次に権力があるのですから、
こういうときにかざしましょう!」
「それでもいいのかい?
俺だけ、逃げたことにはならないかい?」
「これから、十分苦しむことになるのです。
できるだけ、お互い、気持ちは軽くしておきましょう」
「わかった、離婚については、少しだけ、時間がほしい……
すまない、即答できなくて……」
それは、かまわない。
ジョージアの心を守るために必要なの時間なのだから……
「ジョージについては、任せます。
エールが引き取らない、男爵家もなくなるとなると、誰も引き取り手がいないので
ジョージア様が育てたいのなら、私は協力は惜しみません」
「ありがとう、アンナ」
「いいえ、私はジョージア様に苦痛ばかり与えてしまいます。
それでも、側にいてもいいのですか?」
「もちろんだ。
今まで、俺が、アンナやアンジェラに苦痛を与えていたのだから……
それも、終わりにしよう……」
「時間は、公世子様からの通知が来るまでにお願いします。
離婚については、私の裁可とさせてください」
「わかった。
アンナの初仕事が、俺の離婚やハニーローズ暗殺未遂とは……申し訳ない」
私は、首を横に振る。
謝ってほしいわけでは、ないのだ。
ただ、あるべき姿の領地へ、そして、守りたい我が子への火の粉を払いのけたいだけである。
私の我儘でもあるのだ。
それで、何十人もの命を奪うことになったとしても……私が、しないといけいない裁可であることに変わりない。
綺麗なことばかり言っていられないのだ。
守るためには、汚れる覚悟も必要である。
我が子の未来のために、進んで悪魔にでも手を借りようと思うのであった。
カルアから、ジョージアに私とジョーへ盛った毒や刺客の話などを聞く。
ときおり辛そうにしている、ジョージアが可哀想になるが、ここは、私が同情してもいいところではない。
ましてや、侍従とはいえ、他人がいる前で、ジョージアの手を取るべきではないだろう。
ジョージアが領主として、当主として受け入れないといけないことなのだから……
また、二人になったときに、辛ければ肩を貸せばいい、泣きたければ胸でもなんでも貸してあげようと思いながら、私もずっと耐える。
カルアの話に時折、ディルも調べたことを織り交ぜて話が進んでいく。
私も調べ切れていなかったところがあったので、それをメモしておく。
「ジョージア様、私からもです。
お伝えしたいことは3つ。
1つ目は、領地の資金のことですが……流れていた先は公世子様の第三妃擁立に
使われていたようです。
あの方は、ダドリー男爵の娘です。
我が家からの資金で、公爵家の娘として公世子様の妃擁立に着くよう手を打っていた
ようです。
ダドリー男爵家の夫人たちが、派手に着飾れるのは、アンバー領地からの資金と
ソフィアが買い漁っている宝石類が元になっています」
「そこでも、ソフィアが関わってくるのか……」
「これが、ここ2年間の別宅の収支ですが、異常に宝石類を買っています。
ソフィアの名義でもジョージの名義でも……
しかし、この宝石は、もう、この屋敷のどこを探してもないのです。
売り払ってしまっているので……その資金は、ダドリー男爵の元へ流れていっています」
小鳥が調べてくれた資料を提供すると、ジョージアはこめかみのあたりをグリグリと押している。
わかる!それ、私も何度も何度もやったから!
心の中で、同意しておくが、当のジョージアは、すでに許容範囲を超えていた。
まだ、あと2つ報告があるのだけど、壊れてしまわないか……心配である。
「アンナ、あと2つはなんだ……?もう、少々のことでは、驚かないよ!」
「そうですか?それなら、いいですけど……準備はいいですか?」
あぁと、ジョージアは頷くので、私は、ソフィアの最大の秘密をジョージアに伝える。
「ジョージア様、ご自身から見て、ジョージは、自分と似ていると思うことはありますか?」
「ジョージとか……?」
しばらく黙り込んで、ジョージを思い浮かべている。
黒髪黒目はソフィアと同じ。
ただし、顔のつくりは、ソフィアの系譜でもなければジョージアの系譜でもないはずだった。
私の『予知夢』が見せた成長したジョージは、まさに私の知る茶飲み友達そのものだったのだから……
「まさか……だろ……?」
「どのまさかかは知りませんが、ジョージア様の子どもではありません。
こちら、エールから証言を取ってあります。
あと、エールとエールの夫人からも引き取りませんから、ご自由にという証文です」
ジョージアだけでなく、ディルとカルアも衝撃を受けたようで、私が証文を机の上に置くのを呆然と見ている。
「あの、ジョージア様、本当に大丈夫ですか?
ディルとカルアも大丈夫……?」
「あ……はい……さすがに、驚きました」
「………………エールって誰?
俺、今まで誰の子を世話してたの……?」
「黒の貴族って言えばわかりますか?
それとも、バニッシュ子爵?」
「バニッシュ子爵?」
「えぇ、そうですよ!
これは、本人に聞きました。
私たちの結婚式の日に、いただいたと言ってましたよ!」
「あの、アンナさん……?
まず、その、ジョージが、俺の子どもじゃないのも衝撃なんだけど……
アンナさんが、バニッシュ子爵のことを……その……エールって……
どういうこと……?」
なんていうか、ディルとカルアの驚いたところと、ジョージアが衝撃を受けたところが違ったようだった。
「エールとは、茶飲み友達になったのです。
ただ、それだけですよ?
深いことも何にもありませんよ?
確かに、あの色香には、思わずクラっとしそうになりましたけど……
ウィルで慣れてるので、耐性はありますしね!」
「えっ?ウィル?
アンナさんは、一体どうなってるの?」
「どうもなってませんよ!
私は、ジョージア様以外と、どうにもなっていませんけど!!
失礼ですね!!」
話の論点がどんどんずれていく……
「エールね……エール」
「エールの話は、いいんです!
ジョージの話ですよ!
ちなみに、今、たぶん、2人目が育ってますよ!
そんな話もしてましたから!」
「2人目?ソフィアは、妊娠してるってこと?」
「そうです!黒髪黒目の女の子ですよ!」
私の言葉に即座に動いたのは、ディルであった。
別宅に配置している侍従に探りを入れるつもりだろう。
興奮して、立ち上がっていたジョージアだったが、ストンとソファに座る。
「身に覚えあるんですか?」
「あるようなないような……」
「ジョージア様、睡眠薬飲まされてますからね……よかったですね、まだ睡眠薬で」
そういうと、ジョージアの顔が赤くなる。
他の薬に思い至ったのだろう。
一部の貴族の中には、媚薬を持っているものもいるらしい。
普通の人間では、媚薬には抗えないと聞いている。
「向こうの侍女が嘆いてましたよ……?
ジョージア様を素っ裸にするのが、恥ずかしくてと」
それを聞いたジョージアは、さらに真っ赤になった。
「えっ?俺、侍女に脱がされてたの……?
確かに、起きたら、素っ裸で寝てたことが、何回かあったんだよね……」
「ジョージア様…………憐れです」
私は、ジョージアを憐れむ。
そして、ソフィアに命令されたとはいえ、ジョージアの服をひっぺりはがした侍女が、なんだかとてつもなく可哀想だ。
まぁ、ジョージアの体は、程よく引き締まっているので、見ている分にはとても綺麗なのだ。
目に毒ではないだろうが、いろんな意味では毒になりうる体だと思う。
「俺、メッチャくちゃ恥ずかしいんですけど……?」
「今に始まったことじゃなんですから、今更です。
前もそうだったじゃないですか?」
「はい、そうでした……その節は、大変申し訳なく……」
「そうじゃないでしょ?
ちょっと、自宅にいるからって、気を抜きすぎですよ!!
今度、私が惚れ薬でも入れておきましょうかね?」
「うん、入れておいてくれて構わないよ!
アンナからなら、毒でも飲むよ!」
「劇薬物飲みますか……?」
「いや、それは、ちょっと……」
バカらしい話をしたおかげか、少しだけ気持ちが落ち着いたのだろう。
ジョージアの顔色も少し良くなり、落ち着いている。
「結論から言いますと……私が移譲してもらって初めての仕事は、男爵家取り潰しに
なります。
そうすると、婚姻関係にあるジョージア様も、社会的制裁は受けるでしょう。
でも、私は、受ける必要のない制裁であると思っています。
あなたは、アンバー公爵家当主なのですし、公室の次に権力があるのですから、
こういうときにかざしましょう!」
「それでもいいのかい?
俺だけ、逃げたことにはならないかい?」
「これから、十分苦しむことになるのです。
できるだけ、お互い、気持ちは軽くしておきましょう」
「わかった、離婚については、少しだけ、時間がほしい……
すまない、即答できなくて……」
それは、かまわない。
ジョージアの心を守るために必要なの時間なのだから……
「ジョージについては、任せます。
エールが引き取らない、男爵家もなくなるとなると、誰も引き取り手がいないので
ジョージア様が育てたいのなら、私は協力は惜しみません」
「ありがとう、アンナ」
「いいえ、私はジョージア様に苦痛ばかり与えてしまいます。
それでも、側にいてもいいのですか?」
「もちろんだ。
今まで、俺が、アンナやアンジェラに苦痛を与えていたのだから……
それも、終わりにしよう……」
「時間は、公世子様からの通知が来るまでにお願いします。
離婚については、私の裁可とさせてください」
「わかった。
アンナの初仕事が、俺の離婚やハニーローズ暗殺未遂とは……申し訳ない」
私は、首を横に振る。
謝ってほしいわけでは、ないのだ。
ただ、あるべき姿の領地へ、そして、守りたい我が子への火の粉を払いのけたいだけである。
私の我儘でもあるのだ。
それで、何十人もの命を奪うことになったとしても……私が、しないといけいない裁可であることに変わりない。
綺麗なことばかり言っていられないのだ。
守るためには、汚れる覚悟も必要である。
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