255 / 1,508
欲しくなったの!
しおりを挟む
「公世子様、今日は時間を取っていただいて、ありがとうございました。
少し、この部屋を貸していただきたいのですが、いいですか?」
「いいだろう。ウィルが頷けば何とでもなるだろ?」
私を見てニカッと笑い、エリックを連れて出ていく公世子。
見送った後、ここに残されたのは、私とジョージアとジョーの3人。
ジョージアへの話は、後で十分なので、とりあえず、ダドリー男爵の第三夫人を呼び寄せることにした。
窓から身を乗り出し、呼ぶ。
そういえば、名前を聞き忘れていたことを思い出す。
「ねぇ、ダドリー男爵の第三夫人さん!
ちょっと、こっちで話したいのだけど、来てくれる?」
「アンナ……ちょっと……」
背中から、服を引っ張るジョージアは、とりあえず無視して、手を振るとこちらまで彼女は、駆けてきてくれた。
「なんでしょうか……?」
「部屋に入って!
折り入って、話したいことがあるの」
私の話を素直に聞いてくれ、おずおずと部屋に入ってくる。
「自己紹介してもらっていいかしら?
私、名前を聞いていないことに気づいたの……
さすがに、第三夫人なんて呼ぶのは、失礼すぎるから……ね?」
「はい……私のようなものの名前でよろしければ……」
「うん、いいわ!
私、あなたの子どもに興味がわいたから、あなたのことも、ぜひ教えて!」
彼女を見てニッコリ笑う私と、頭を抱えるジョージア、わけもわからず悩むジョージアを面白がるジョー。
何とも、親子らしい3人ではない。
そんな私達を見て、第三夫人は戸惑っている。
「私は、リアンと申します。ダドリー男爵の第三夫人でございます」
「リアンね!
私は、アンナリーゼ・トロン・アンバーです。
アンバー公爵の第一夫人です。どうぞ、よろしく!」
笑顔で握手を求めると、とんでもないと首を振られる。
「リアン、私、あなたとは仲良くしたいわ!」
「何故ですか?私のような下賤なものと仲良くなど……」
「下心があるからに決まっているじゃない!」
あっけらかんに言う私に、リアンはポカンとしてこちらを見ている。
そして、答えに困ったのか、ジョージアに助けを求めるかのように視線を向けていた。
「アンナ……それは、リアンに言ってよかったのか?」
「えっ?ダメなの?」
「普通は、下心があるだなんて、本人には言わないと思うけど……」
「そうなの?
でも、隠しても仕方ないじゃないですか!」
ジョージアと言い合いを始めて、リアンは、さらに戸惑っている。
こんな人前で言い合いを始めるような公爵夫婦は、どこにもいないだろう。
戸惑いと困惑を一体どうしたものかと不安そうなリアンをほっておくわけにもいかないし、とりあえず提案だけしてみる。
「リアン、ダドリー男爵と離婚しない?
私、あなたを含めて、3人とも欲しくなったの!」
「私達親子をですか……?
それは、何故です?
アンナリーゼ様にとって、男爵家は……」
チラッとジョージアを見てから、リアンは言葉に詰まったようだ。
「ジョージア様は、いるけど気にしなくていいわ!
家に帰ってから、私が地獄に叩き落す予定だから、こんなことくらいで気にしないし
私がしたいことをしたいようにするから大丈夫よ!
確かにダドリー男爵は、男爵家は私にとって、毒以外の何物でもないわ!」
私のはっきりした物言いにおののいたのは、何もリアンだけではない。
関係のあるジョージアもビクッとしている。
「ダメかしら……?
リアン、今考えるのではなく先々のことも含めて、よく考えてみてくれる?
あの子たちが生き残るために私の手を取るのか、男爵たちと最後を共にするのか……
私、男爵家を潰します!」
「アンナリーゼ!!」
「いいのよ!
今ここで何を言ったって、どうせ、リアンは、男爵に密告などできない。
男爵ではなく、あの子たちを選ぶって私は、思うから!」
ね?と笑いかけると、リアンからの返事はなく、ただ私を見つめ返してくるだけだ。
それでも、勝算はあると踏んでいる。
私って結構打算的なのね……と、ふっと笑ってしまう。
「ジョージア様、しばらくジョーと一緒に外に行ってもらえますか?
レオやミアと遊んできてください!
ジョーもウィルといる方が喜びますし!」
そういうと、私を部屋に残し、しぶしぶ出ていくジョージア。
ドアが閉まったことをいいことに、私は言葉を続けるため口を開こうとした。
「アンナリーゼ様、何故ですか?」
「何故って?
私は、レオとミアがジョーのために必要だと判断しただけよ。
そして、あなたに侍女として側についてほしい方がいるのよ!」
「アンナリーゼ様の言わんとすることが、よくわかりません。
なぜ、今日会ったばかりのレオやミアを必要だと思われるのですか?
私が侍女としてついてほしい方……?
私達親子をアンナリーゼ様の道具として扱いたいとおっしゃるのですか?」
「そうね……まず、子どもたちに関しては、勘ね!
必ず、あの2人は、私達母娘には必要な存在になる、そんな気がするの。
見て!」
「レオ?あ……あれは、お子様ですか?」
「そう、もう仲良くなったみたいね!」
「一人っ子だから、人見知りするし、知らない人だと大泣きするのよ。
ジョージア様が抱いた瞬間、すごかったでしょ?」
はい……と曖昧にリアンは、言葉を濁す。
そして、子どもたちが、ジョーを覗き込んで何事か言っている姿をじっと見ていた。
「あなたを侍女にしたいのは、あなたを見込んでね。
決して道具としてってわけではないの。
領地に置く人手が足りなくて……リアンが、元メイドだってことは、知っている。
レオを生んだことで夫人として冠はあれど、庶民であるあなたは男爵家では、けして
普通の生活ができているとは今見ても思えない。
下手をすれば、メイドだった頃より待遇は、悪いくらいじゃないかしら?
そんな生活から、助け出してあげるとまでは言えないけど……
普通の生活に戻すことは、可能よ?
それに、あの子たちの将来を考えるなら、私の手を取る方が得策よ」
想いめぐっているのだろう。
自分の生活を……そして、子どもたちの今後のことを。
私の侍女であるデリアの方が、まだ綺麗な手をしている。
我が家のメイドでも、もっと綺麗な服を着ている。
リアンはあかぎれだらけの手をして、わからないように直してある服を着ているのを見れば、どんな生活をしているかは、想像できた。
なんせ、アンバー領の領民より少しだけいい服を着ているくらいなのだ。
ダドリー男爵家の夫人は、私が知る限りもっと着飾っていたと記憶している。
「今すぐに返事をくれとは言わないわ!
でも、そんなに長くは、待てない。
私は、リアンの賢明な判断を期待しているわ!
決まったら、屋敷に来て!必ず、保護します!」
私の言葉は、リアンにきちんと届いただろうか?
レオとミアは、私達母娘にとって敵であるダドリー男爵の子どもだ。
でも、彼彼女は、いずれ私達を助ける側になるのだ。
そして、今、何より裏切れない侍女が必要だった。
言葉は、悪いが、子どもがこちらの手中にあれば、下手なことはしないだろうという考えもあり、彼女自身も欲しくなった。
「わかりました。
少しお時間をいただけますか……?」
「えぇ、私が領主になるまで間しかないけど、いい返事を期待しているわ!」
私達は部屋をでて、子どもたちの元へ向かう。
優しい母親の顔をしているリアン。
願わくば、私と共に歩む道を選んでほしいと思う。
「レオ、ミア!」
「何?アンナ様!」
「また、私やジョーと遊んでくれる?」
レオとミアに聞くと、レオは返事良く、ミアは人見知りなのか小さく頷いた。
「必ずよ!」
二人に小指をたてて約束と指切りする。
ニコッと笑って答える二人に、リアンは、優しく微笑んで見守っているのであった。
少し、この部屋を貸していただきたいのですが、いいですか?」
「いいだろう。ウィルが頷けば何とでもなるだろ?」
私を見てニカッと笑い、エリックを連れて出ていく公世子。
見送った後、ここに残されたのは、私とジョージアとジョーの3人。
ジョージアへの話は、後で十分なので、とりあえず、ダドリー男爵の第三夫人を呼び寄せることにした。
窓から身を乗り出し、呼ぶ。
そういえば、名前を聞き忘れていたことを思い出す。
「ねぇ、ダドリー男爵の第三夫人さん!
ちょっと、こっちで話したいのだけど、来てくれる?」
「アンナ……ちょっと……」
背中から、服を引っ張るジョージアは、とりあえず無視して、手を振るとこちらまで彼女は、駆けてきてくれた。
「なんでしょうか……?」
「部屋に入って!
折り入って、話したいことがあるの」
私の話を素直に聞いてくれ、おずおずと部屋に入ってくる。
「自己紹介してもらっていいかしら?
私、名前を聞いていないことに気づいたの……
さすがに、第三夫人なんて呼ぶのは、失礼すぎるから……ね?」
「はい……私のようなものの名前でよろしければ……」
「うん、いいわ!
私、あなたの子どもに興味がわいたから、あなたのことも、ぜひ教えて!」
彼女を見てニッコリ笑う私と、頭を抱えるジョージア、わけもわからず悩むジョージアを面白がるジョー。
何とも、親子らしい3人ではない。
そんな私達を見て、第三夫人は戸惑っている。
「私は、リアンと申します。ダドリー男爵の第三夫人でございます」
「リアンね!
私は、アンナリーゼ・トロン・アンバーです。
アンバー公爵の第一夫人です。どうぞ、よろしく!」
笑顔で握手を求めると、とんでもないと首を振られる。
「リアン、私、あなたとは仲良くしたいわ!」
「何故ですか?私のような下賤なものと仲良くなど……」
「下心があるからに決まっているじゃない!」
あっけらかんに言う私に、リアンはポカンとしてこちらを見ている。
そして、答えに困ったのか、ジョージアに助けを求めるかのように視線を向けていた。
「アンナ……それは、リアンに言ってよかったのか?」
「えっ?ダメなの?」
「普通は、下心があるだなんて、本人には言わないと思うけど……」
「そうなの?
でも、隠しても仕方ないじゃないですか!」
ジョージアと言い合いを始めて、リアンは、さらに戸惑っている。
こんな人前で言い合いを始めるような公爵夫婦は、どこにもいないだろう。
戸惑いと困惑を一体どうしたものかと不安そうなリアンをほっておくわけにもいかないし、とりあえず提案だけしてみる。
「リアン、ダドリー男爵と離婚しない?
私、あなたを含めて、3人とも欲しくなったの!」
「私達親子をですか……?
それは、何故です?
アンナリーゼ様にとって、男爵家は……」
チラッとジョージアを見てから、リアンは言葉に詰まったようだ。
「ジョージア様は、いるけど気にしなくていいわ!
家に帰ってから、私が地獄に叩き落す予定だから、こんなことくらいで気にしないし
私がしたいことをしたいようにするから大丈夫よ!
確かにダドリー男爵は、男爵家は私にとって、毒以外の何物でもないわ!」
私のはっきりした物言いにおののいたのは、何もリアンだけではない。
関係のあるジョージアもビクッとしている。
「ダメかしら……?
リアン、今考えるのではなく先々のことも含めて、よく考えてみてくれる?
あの子たちが生き残るために私の手を取るのか、男爵たちと最後を共にするのか……
私、男爵家を潰します!」
「アンナリーゼ!!」
「いいのよ!
今ここで何を言ったって、どうせ、リアンは、男爵に密告などできない。
男爵ではなく、あの子たちを選ぶって私は、思うから!」
ね?と笑いかけると、リアンからの返事はなく、ただ私を見つめ返してくるだけだ。
それでも、勝算はあると踏んでいる。
私って結構打算的なのね……と、ふっと笑ってしまう。
「ジョージア様、しばらくジョーと一緒に外に行ってもらえますか?
レオやミアと遊んできてください!
ジョーもウィルといる方が喜びますし!」
そういうと、私を部屋に残し、しぶしぶ出ていくジョージア。
ドアが閉まったことをいいことに、私は言葉を続けるため口を開こうとした。
「アンナリーゼ様、何故ですか?」
「何故って?
私は、レオとミアがジョーのために必要だと判断しただけよ。
そして、あなたに侍女として側についてほしい方がいるのよ!」
「アンナリーゼ様の言わんとすることが、よくわかりません。
なぜ、今日会ったばかりのレオやミアを必要だと思われるのですか?
私が侍女としてついてほしい方……?
私達親子をアンナリーゼ様の道具として扱いたいとおっしゃるのですか?」
「そうね……まず、子どもたちに関しては、勘ね!
必ず、あの2人は、私達母娘には必要な存在になる、そんな気がするの。
見て!」
「レオ?あ……あれは、お子様ですか?」
「そう、もう仲良くなったみたいね!」
「一人っ子だから、人見知りするし、知らない人だと大泣きするのよ。
ジョージア様が抱いた瞬間、すごかったでしょ?」
はい……と曖昧にリアンは、言葉を濁す。
そして、子どもたちが、ジョーを覗き込んで何事か言っている姿をじっと見ていた。
「あなたを侍女にしたいのは、あなたを見込んでね。
決して道具としてってわけではないの。
領地に置く人手が足りなくて……リアンが、元メイドだってことは、知っている。
レオを生んだことで夫人として冠はあれど、庶民であるあなたは男爵家では、けして
普通の生活ができているとは今見ても思えない。
下手をすれば、メイドだった頃より待遇は、悪いくらいじゃないかしら?
そんな生活から、助け出してあげるとまでは言えないけど……
普通の生活に戻すことは、可能よ?
それに、あの子たちの将来を考えるなら、私の手を取る方が得策よ」
想いめぐっているのだろう。
自分の生活を……そして、子どもたちの今後のことを。
私の侍女であるデリアの方が、まだ綺麗な手をしている。
我が家のメイドでも、もっと綺麗な服を着ている。
リアンはあかぎれだらけの手をして、わからないように直してある服を着ているのを見れば、どんな生活をしているかは、想像できた。
なんせ、アンバー領の領民より少しだけいい服を着ているくらいなのだ。
ダドリー男爵家の夫人は、私が知る限りもっと着飾っていたと記憶している。
「今すぐに返事をくれとは言わないわ!
でも、そんなに長くは、待てない。
私は、リアンの賢明な判断を期待しているわ!
決まったら、屋敷に来て!必ず、保護します!」
私の言葉は、リアンにきちんと届いただろうか?
レオとミアは、私達母娘にとって敵であるダドリー男爵の子どもだ。
でも、彼彼女は、いずれ私達を助ける側になるのだ。
そして、今、何より裏切れない侍女が必要だった。
言葉は、悪いが、子どもがこちらの手中にあれば、下手なことはしないだろうという考えもあり、彼女自身も欲しくなった。
「わかりました。
少しお時間をいただけますか……?」
「えぇ、私が領主になるまで間しかないけど、いい返事を期待しているわ!」
私達は部屋をでて、子どもたちの元へ向かう。
優しい母親の顔をしているリアン。
願わくば、私と共に歩む道を選んでほしいと思う。
「レオ、ミア!」
「何?アンナ様!」
「また、私やジョーと遊んでくれる?」
レオとミアに聞くと、レオは返事良く、ミアは人見知りなのか小さく頷いた。
「必ずよ!」
二人に小指をたてて約束と指切りする。
ニコッと笑って答える二人に、リアンは、優しく微笑んで見守っているのであった。
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
戦いに行ったはずの騎士様は、女騎士を連れて帰ってきました。
新野乃花(大舟)
恋愛
健気にカサルの帰りを待ち続けていた、彼の婚約者のルミア。しかし帰還の日にカサルの隣にいたのは、同じ騎士であるミーナだった。親し気な様子をアピールしてくるミーナに加え、カサルもまた満更でもないような様子を見せ、ついにカサルはルミアに婚約破棄を告げてしまう。これで騎士としての真実の愛を手にすることができたと豪語するカサルであったものの、彼はその後すぐにあるきっかけから今夜破棄を大きく後悔することとなり…。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
隠された第四皇女
山田ランチ
ファンタジー
ギルベアト帝国。
帝国では忌み嫌われる魔女達が集う娼館で働くウィノラは、魔女の中でも稀有な癒やしの力を持っていた。ある時、皇宮から内密に呼び出しがかかり、赴いた先に居たのは三度目の出産で今にも命尽きそうな第二側妃のリナだった。しかし癒やしの力を使って助けたリナからは何故か拒絶されてしまう。逃げるように皇宮を出る途中、ライナーという貴族男性に助けてもらう。それから3年後、とある命令を受けてウィノラは再び皇宮に赴く事になる。
皇帝の命令で魔女を捕らえる動きが活発になっていく中、エミル王国との戦争が勃発。そしてウィノラが娼館に隠された秘密が明らかとなっていく。
ヒュー娼館の人々
ウィノラ(娼館で育った第四皇女)
アデリータ(女将、ウィノラの育ての親)
マイノ(アデリータの弟で護衛長)
ディアンヌ、ロラ(娼婦)
デルマ、イリーゼ(高級娼婦)
皇宮の人々
ライナー・フックス(公爵家嫡男)
バラード・クラウゼ(伯爵、ライナーの友人、デルマの恋人)
ルシャード・ツーファール(ギルベアト皇帝)
ガリオン・ツーファール(第一皇子、アイテル軍団の第一師団団長)
リーヴィス・ツーファール(第三皇子、騎士団所属)
オーティス・ツーファール(第四皇子、幻の皇女の弟)
エデル・ツーファール(第五皇子、幻の皇女の弟)
セリア・エミル(第二皇女、現エミル王国王妃)
ローデリカ・ツーファール(第三皇女、ガリオンの妹、死亡)
幻の皇女(第四皇女、死産?)
アナイス・ツーファール(第五皇女、ライナーの婚約者候補)
ロタリオ(ライナーの従者)
ウィリアム(伯爵家三男、アイテル軍団の第一師団副団長)
レナード・ハーン(子爵令息)
リナ(第二側妃、幻の皇女の母。魔女)
ローザ(リナの侍女、魔女)
※フェッチ
力ある魔女の力が具現化したもの。その形は様々で魔女の性格や能力によって変化する。生き物のように視えていても力が形を成したもの。魔女が死亡、もしくは能力を失った時点で消滅する。
ある程度の力がある者達にしかフェッチは視えず、それ以外では気配や感覚でのみ感じる者もいる。
華都のローズマリー
みるくてぃー
ファンタジー
ひょんな事から前世の記憶が蘇った私、アリス・デュランタン。意地悪な義兄に『超』貧乏騎士爵家を追い出され、無一文の状態で妹と一緒に王都へ向かうが、そこは若い女性には厳しすぎる世界。一時は妹の為に身売りの覚悟をするも、気づけば何故か王都で人気のスィーツショップを経営することに。えっ、私この世界のお金の単位って全然わからないんですけど!?これは初めて見たお金が金貨の山だったという金銭感覚ゼロ、ハチャメチャ少女のラブ?コメディな物語。
新たなお仕事シリーズ第一弾、不定期掲載にて始めます!
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる