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公爵夫人は公世子泣かせ?
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「面会いただき、ありがとうございます。
お久しぶりですが、お元気でしたか?」
「あぁ、元気だったぞ!
アンナリーゼは、あれ以来だが……元気そうだな?」
「はい、元気いっぱいですよ!
最近まで、領地を飛び回ってました!」
「アンバー領をか?」
はい!と返事をすると、まぁ座れとソファを指さされる。
大人しくそこに座ると、隣にエリックが来て、持ってきてくれた荷物を机の上に置いてくれた。
「そなたは、エリックまで手なずけているのか……」
「そんな、野良犬に餌付けたみたいな言い方いやですよ?
ねぇ?エリック!」
「そうですね……せめて、アンナリーゼ様の小鳥くらいに言ってほしいものです」
「小鳥は、もうちっちゃい頃から飼っているからいいわ。
きまぐれなネコね!」
私達の会話を聞き、公世子は、深い深いため息をついている。
そして、エリックの左耳には、アメジストがキラッと光っていた。
「それで、アンバー領など何をしに行っていたんだ?あそこは……」
「公世子様もご存じでしたか?
領主に見捨てられた領地って言われているのを」
「あぁ、もちろんだ。アンバー領も公地には変わりないからな。
ただ、領主がいる土地に関しては、領主権限で運営がされるので、何も言えないのだ。
見てきたのだな……」
「はい、見てきました。
そして、領地や領民を肌で感じてきました。
私、あの領地をこのローズディア1番の領地に変えたいと思っています」
私の言葉に、さらに深いため息をつく。
「ジョージアは、そなたに領地をとても見せられぬと言っていた。
単独で行ったということか?」
「うーん、単独であり、単独ではありませんでした。
途中まで、中隊の演習について行って、そこからは、友人たちと徒歩や馬で
領地を走り回ってましたよ!
1ヶ月くらいあちらにいましたかね?」
「はぁ?公都を抜け出して、しかも、中隊に潜り込んで、1ヶ月も行ってたのか?
あんな汚いところに?」
「汚いところって失礼ですよ!
今は、とっても綺麗なんですから!」
「綺麗だと……?アンナリーゼ……一体そなたは、何をしてきたんだ?」
公世子の目は、興味もあるが、聞くのが怖いという風な目で私を見てくる。
「エリックには聞かなかったのですか?」
「エリックも行っていたのか……全く……そなたは……
で、アンバー領で一体何をしてきたんだ?報告せよ……」
「少々、使えなかった警備隊員のクビをきって、領地のお掃除してきました!」
「掃除だと!? アンナリーゼがか?」
「はい、そうですよ?」
「そなた、仮にも筆頭公爵家の夫人であることは、よもや忘れていないだろうな?」
「忘れていないからこそ、掃除にも参加したんじゃないですか!?
何をバカなこと言ってるのです?
公世子様は、ゴミはゴミ箱へ捨てない方ですか?
あぁ、身の回りは全て侍女がしますものね……汚いものは、見たことないでしょうね!」
私は、ニコニコと公世子に笑いかけるが、公世子は頭痛がすると言ってこめかみのあたりを押さえ始めた。
「それで、今日は、公世子様にとってもお勧めしたいものを持ってきたんです!」
「それのことか?
変なものじゃないだろうな?」
「変なものって失礼ですね!
アンバー領で作っているお酒ですよ!」
机の上に置かれた包みを開いて見せる。
赤い涙と書かれたラベルを公世子に見えるように置き直す。
「赤い涙?
聞いたことない酒だな……」
「でしょうね?
アンバー領地でしか出回っていなかったらしいですから!
とっても美味しから、飲んでください!
2本はタダで差し上げるので、アンバー領の葡萄酒を他の方にも勧めてください!
そして、今なら、その葡萄酒より高いものが手に入るチャンスです!
限定50本!
もちろん他の人にも勧めますから……無くなったらごめんなさいね!」
「そなた……がめついぞ?」
その言葉には何も答えず、私はやんわり微笑んでおく。
「……わかった、協力すると言った手前もあるからな……10本いただこう。
あっちこっちに配ればいいんだな!」
「ありがとうございます!!
それと、配るだけじゃダメです!
とってもとってもおいしいって言って宣伝してくれないと!
意味がありませんよ……それ、本当においしいんで飲んでくださいね!」
「アンナリーゼは、飲まないのか?
グラスを用意するぞ?」
「あっ!私、下戸なんで飲めません!
ちなみに、下戸ってわかってて飲ませるのは、犯罪ですからね!
いけませんよ!
私、下戸って言いましたからね!2回も!!」
公世子は苦笑いして、2つグラスを用意する。
「飲めなくても、お客に対して注ぐのは、マナーだからな!」
「じゃあ、私にはこれを注いでください!
これ、アルコールが入っていないので、私でも飲めるのです」
こんなこともあるかもしれないと思い、領地から葡萄ジュースを持ってきていた。
「それは?」
「葡萄ジュースです。元は、同じものですよ!
そちらは、発酵されてて葡萄酒ですけど、こっちは、絞っただけです」
なるほどと、2つのグラスにそれぞれを注いでくれる。
「これは、葡萄の甘い香りがするな……
俺は、甘い酒は好きではないんだが……」
グラスを傾け、波紋を作り匂いを嗅いでいる。
それから、一口二口運んで、うんうんと頷いている。
「これは……うまい酒だな。
匂いを嗅いだときは、甘すぎるかと思ったが、渋みも少しあるようなそれでいて
葡萄の酸味のようなものも感じる。
スッと体に馴染むように入ってくるな。
こんな酒があるとは……」
一人でブツブツと言い始める公世子を見て、私は心の中でほくそ笑む。
してやったりと。
これで、限定50本は、完売したな!と、算段を付けた。
「アンナリーゼ、追加で20本だ。
限定のこれ以外には、ないのか?等級は少々下がってもよい!」
「ありますよ!
ただ、あまり領地では売れなかったので、生産数が少ないのは本当ですから、
領地で数を確認してから、お売りいたしますね!
その際には、ぜひ、『ハニーアンバー』をご贔屓ください!」
「また、聞かぬ名前が出てきたな……なんだ、それは……」
「うーん……まだ秘密なので……しぃーですよ?
私の友人で、マーラ商会のニコライがこの度、商会を立ち上げました。
と、いうか……立ち上げさせました!
この商会、ゆくゆくは3国をまたいだ商売をするよう指示していますので、
ぜひ、公世子様にもご贔屓のお客になってもらいたいのです!」
「それは、そなたが裏にいるとみていいのか?」
「そうですね!資金提供と草案は私です。
頑張るのは、ニコライですけど、私も援助は惜しむ予定はありません。
必ず、国一番の商会にしてみますよ」
「俺は……アンナリーゼに泣かされそうだ……」
そんなことないですよーっと言いつつも、アンバーの発展のために一肌も二肌も公世子にも脱いでもらうつもりでいる。
「割に合わないんだけどな……
なぁ、本当に、嫁に来ないか?」
「嫌ですよ!
これから、楽しく領地改革するのですから!
ジョージア様から領主代行権をもらわないといけなくて、それが頭の痛いところです!」
「それと交換になればいいのに……」
「どういうことですか?
公世子様が、領主代行権をくれるのですか?」
「一時的なものなら発行できるぞ?
でも、そんなものはいらぬのだろう?」
「そうですね!私、ガッツリ改革したいですから……
そんな中途半端なものは必要ないです」
「ジョージアは、本当、アンナリーゼを手に入れられて幸運だったけど、
アンナリーゼと共にないことは、もったいないことだな」
「そうですか?そういってもらえると、なんだか嬉しいですね!
次の夜会も楽しみにしてますね!」
あぁと公世子は言う。
ちょうど葡萄酒のボトルを1本あけてしまったところだった。
「じゃあ、そろそろお暇しますね!
それと、ジョージア様には、アンバーに行ったことも、お酒持ってきたことも
内緒ですからね!」
そういって私は、席を立つ。
「アンナリーゼ」
「なんですか?公世子様」
「楽しいか?」
「そうですね……
ジョージア様と一緒に領地改革は、したかったですけど……
1人でやった方がいい気がしてます。
領民と一緒になって動き回っているのは、とても楽しいですよ!
ぜひ、一度アンバー領へ来てみてください!
びっくりするから!!」
それだけ言うと、私は、公世子の部屋を退出する。
エリックが玄関まで送ってくれ、私は、帰路につくのであった。
お久しぶりですが、お元気でしたか?」
「あぁ、元気だったぞ!
アンナリーゼは、あれ以来だが……元気そうだな?」
「はい、元気いっぱいですよ!
最近まで、領地を飛び回ってました!」
「アンバー領をか?」
はい!と返事をすると、まぁ座れとソファを指さされる。
大人しくそこに座ると、隣にエリックが来て、持ってきてくれた荷物を机の上に置いてくれた。
「そなたは、エリックまで手なずけているのか……」
「そんな、野良犬に餌付けたみたいな言い方いやですよ?
ねぇ?エリック!」
「そうですね……せめて、アンナリーゼ様の小鳥くらいに言ってほしいものです」
「小鳥は、もうちっちゃい頃から飼っているからいいわ。
きまぐれなネコね!」
私達の会話を聞き、公世子は、深い深いため息をついている。
そして、エリックの左耳には、アメジストがキラッと光っていた。
「それで、アンバー領など何をしに行っていたんだ?あそこは……」
「公世子様もご存じでしたか?
領主に見捨てられた領地って言われているのを」
「あぁ、もちろんだ。アンバー領も公地には変わりないからな。
ただ、領主がいる土地に関しては、領主権限で運営がされるので、何も言えないのだ。
見てきたのだな……」
「はい、見てきました。
そして、領地や領民を肌で感じてきました。
私、あの領地をこのローズディア1番の領地に変えたいと思っています」
私の言葉に、さらに深いため息をつく。
「ジョージアは、そなたに領地をとても見せられぬと言っていた。
単独で行ったということか?」
「うーん、単独であり、単独ではありませんでした。
途中まで、中隊の演習について行って、そこからは、友人たちと徒歩や馬で
領地を走り回ってましたよ!
1ヶ月くらいあちらにいましたかね?」
「はぁ?公都を抜け出して、しかも、中隊に潜り込んで、1ヶ月も行ってたのか?
あんな汚いところに?」
「汚いところって失礼ですよ!
今は、とっても綺麗なんですから!」
「綺麗だと……?アンナリーゼ……一体そなたは、何をしてきたんだ?」
公世子の目は、興味もあるが、聞くのが怖いという風な目で私を見てくる。
「エリックには聞かなかったのですか?」
「エリックも行っていたのか……全く……そなたは……
で、アンバー領で一体何をしてきたんだ?報告せよ……」
「少々、使えなかった警備隊員のクビをきって、領地のお掃除してきました!」
「掃除だと!? アンナリーゼがか?」
「はい、そうですよ?」
「そなた、仮にも筆頭公爵家の夫人であることは、よもや忘れていないだろうな?」
「忘れていないからこそ、掃除にも参加したんじゃないですか!?
何をバカなこと言ってるのです?
公世子様は、ゴミはゴミ箱へ捨てない方ですか?
あぁ、身の回りは全て侍女がしますものね……汚いものは、見たことないでしょうね!」
私は、ニコニコと公世子に笑いかけるが、公世子は頭痛がすると言ってこめかみのあたりを押さえ始めた。
「それで、今日は、公世子様にとってもお勧めしたいものを持ってきたんです!」
「それのことか?
変なものじゃないだろうな?」
「変なものって失礼ですね!
アンバー領で作っているお酒ですよ!」
机の上に置かれた包みを開いて見せる。
赤い涙と書かれたラベルを公世子に見えるように置き直す。
「赤い涙?
聞いたことない酒だな……」
「でしょうね?
アンバー領地でしか出回っていなかったらしいですから!
とっても美味しから、飲んでください!
2本はタダで差し上げるので、アンバー領の葡萄酒を他の方にも勧めてください!
そして、今なら、その葡萄酒より高いものが手に入るチャンスです!
限定50本!
もちろん他の人にも勧めますから……無くなったらごめんなさいね!」
「そなた……がめついぞ?」
その言葉には何も答えず、私はやんわり微笑んでおく。
「……わかった、協力すると言った手前もあるからな……10本いただこう。
あっちこっちに配ればいいんだな!」
「ありがとうございます!!
それと、配るだけじゃダメです!
とってもとってもおいしいって言って宣伝してくれないと!
意味がありませんよ……それ、本当においしいんで飲んでくださいね!」
「アンナリーゼは、飲まないのか?
グラスを用意するぞ?」
「あっ!私、下戸なんで飲めません!
ちなみに、下戸ってわかってて飲ませるのは、犯罪ですからね!
いけませんよ!
私、下戸って言いましたからね!2回も!!」
公世子は苦笑いして、2つグラスを用意する。
「飲めなくても、お客に対して注ぐのは、マナーだからな!」
「じゃあ、私にはこれを注いでください!
これ、アルコールが入っていないので、私でも飲めるのです」
こんなこともあるかもしれないと思い、領地から葡萄ジュースを持ってきていた。
「それは?」
「葡萄ジュースです。元は、同じものですよ!
そちらは、発酵されてて葡萄酒ですけど、こっちは、絞っただけです」
なるほどと、2つのグラスにそれぞれを注いでくれる。
「これは、葡萄の甘い香りがするな……
俺は、甘い酒は好きではないんだが……」
グラスを傾け、波紋を作り匂いを嗅いでいる。
それから、一口二口運んで、うんうんと頷いている。
「これは……うまい酒だな。
匂いを嗅いだときは、甘すぎるかと思ったが、渋みも少しあるようなそれでいて
葡萄の酸味のようなものも感じる。
スッと体に馴染むように入ってくるな。
こんな酒があるとは……」
一人でブツブツと言い始める公世子を見て、私は心の中でほくそ笑む。
してやったりと。
これで、限定50本は、完売したな!と、算段を付けた。
「アンナリーゼ、追加で20本だ。
限定のこれ以外には、ないのか?等級は少々下がってもよい!」
「ありますよ!
ただ、あまり領地では売れなかったので、生産数が少ないのは本当ですから、
領地で数を確認してから、お売りいたしますね!
その際には、ぜひ、『ハニーアンバー』をご贔屓ください!」
「また、聞かぬ名前が出てきたな……なんだ、それは……」
「うーん……まだ秘密なので……しぃーですよ?
私の友人で、マーラ商会のニコライがこの度、商会を立ち上げました。
と、いうか……立ち上げさせました!
この商会、ゆくゆくは3国をまたいだ商売をするよう指示していますので、
ぜひ、公世子様にもご贔屓のお客になってもらいたいのです!」
「それは、そなたが裏にいるとみていいのか?」
「そうですね!資金提供と草案は私です。
頑張るのは、ニコライですけど、私も援助は惜しむ予定はありません。
必ず、国一番の商会にしてみますよ」
「俺は……アンナリーゼに泣かされそうだ……」
そんなことないですよーっと言いつつも、アンバーの発展のために一肌も二肌も公世子にも脱いでもらうつもりでいる。
「割に合わないんだけどな……
なぁ、本当に、嫁に来ないか?」
「嫌ですよ!
これから、楽しく領地改革するのですから!
ジョージア様から領主代行権をもらわないといけなくて、それが頭の痛いところです!」
「それと交換になればいいのに……」
「どういうことですか?
公世子様が、領主代行権をくれるのですか?」
「一時的なものなら発行できるぞ?
でも、そんなものはいらぬのだろう?」
「そうですね!私、ガッツリ改革したいですから……
そんな中途半端なものは必要ないです」
「ジョージアは、本当、アンナリーゼを手に入れられて幸運だったけど、
アンナリーゼと共にないことは、もったいないことだな」
「そうですか?そういってもらえると、なんだか嬉しいですね!
次の夜会も楽しみにしてますね!」
あぁと公世子は言う。
ちょうど葡萄酒のボトルを1本あけてしまったところだった。
「じゃあ、そろそろお暇しますね!
それと、ジョージア様には、アンバーに行ったことも、お酒持ってきたことも
内緒ですからね!」
そういって私は、席を立つ。
「アンナリーゼ」
「なんですか?公世子様」
「楽しいか?」
「そうですね……
ジョージア様と一緒に領地改革は、したかったですけど……
1人でやった方がいい気がしてます。
領民と一緒になって動き回っているのは、とても楽しいですよ!
ぜひ、一度アンバー領へ来てみてください!
びっくりするから!!」
それだけ言うと、私は、公世子の部屋を退出する。
エリックが玄関まで送ってくれ、私は、帰路につくのであった。
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