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ところで……
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「それにしたってよ?
今後どうするわけ?」
ウィルの質問は、わからないわけではない。
ローズディアでは、私の悪評はうなぎ上りで、広まっていっているらしい。
それを払拭するには、子供の公表がいいらしいのだが、それは避けたい。
「しばらくは、このままでいいわ……
私の悪評なんて……どうでもいいもの。
あなたたちさえ変わらずにいてくれるなら……って、制限はつくのだけど」
「そんなのもちろん変わらずにアンナリーゼ様と共にありますわ!
私たちが、アンナリーゼ様のことどれほど好きか、ご存じありませんか?」
ナタリーは私に笑いかけ、ウィルやセバスも頷いてくれる。
自信を無くしそうになっていても、こうして支えてくれる友人がいることが何より嬉しい。
「まず、私は、社交界に出ますわ!
どんな情報でも提供できるようにいたしましょう!」
「僕は、昨年から進めていた箱庭計画の話をもっと詰めてみるよ!
ニコライからも話が来ているから!!」
「俺……何ができる?
姫さん、体回復したら……遊んでやるよ!」
それぞれの気遣いが嬉しい。
思わず笑みがこぼれてしまう。
「私ね、あの子が2歳になるころに領地に引っ込もうと思っているの。
ジョージア様の領地運営、うまくいっていないようで……
見直したいと思っているのよ。
もちろん、こっちでしないといけないことはあるから、あとひと月は
のんびりさせてもらってって考えているんだけどね?
また、手伝ってくれる?」
「もちろんですよ!
やっと、私はアンナリーゼ様のお役にたてるのですから!
任せてください!」
胸を張ってパンと叩くナタリー。
頼もしいかぎりだ。
「ナタリー早速なのだけど……
赤ちゃん任せることって、できるかしら?」
「ジョー様ですか?」
「そう……」
「大丈夫ですよ!
何をなさるつもりですか?」
「ちょっと、領地見学。
毎日、書類は見ているのだけど……
やっぱり見てみないとわからないと思って!」
ナタリーは、ため息をつく。
「アンナリーゼ様らしいですね……
わかりました。
その際には、呼んでください!」
そこにすかさず手を挙げたのは、セバスだ。
「アンナリーゼ様、僕も一緒に行っていい?
実際に僕も見てみたい!」
「じゃあ、セバスも行きましょう!
1週間程を予定しているけど……大丈夫?」
「もちろん!」
「俺も!
護衛は、必要だろ?」
遅れてウィルが手を挙げる。
「ウィル、忙しいんでしょ?
中隊長になったとか、聞いたよ?」
「あぁ、なった……
なったけど……そっちの方が、おもしろそう!」
私は、思わず睨んでしまったが、ウィルがいるといないでは心強さが違う。
一緒に来てくれるなら、嬉しいに決まっているが、さすがに中隊長を1週間も連れて歩くと、エリックに叱られる。
「ちょっと待てよ……
姫さん、確かアンバー領の手前ってさ、コールディアだよな?」
「そうね?
何かあるの?」
「俺もついてくから絶対のけ者だけはなしな!!」
ウィルは、何か計画を練っているようだ。
それは、まぁ、おいといて……
「決行できるのはあと2ヶ月は無理だから……
準備出来たら、声かけるね!」
お出かけの話をして、今日はもう終わりそうだ。
私の中にあった秘密は、少しずつ私の近しい人に吐き出していっているおかげか、なんだか心が少し軽くなった、そんな気がする。
「ところでさ……
出産祝い渡すの忘れてた」
「「あ……」」
そして、それぞれが、私の前においてくれる。
ウィルからは、銀のスプーンだった。
セバスからは、銀のフォークだった。
ナタリーからは、銀のナイフだった。
最後にそれらをしまう箱が贈られる。
「これって……?」
「今日だけじゃなくて、ジョーの誕生ををこれからも一緒に祝わせてくれ。
それぞれが、その箱におさまる様持っているんだ」
銀のスプーンにもフォークにもナイフにも、アンバーの紋章と薔薇が刻印されている。
私が揃えてもらった食器と同じ刻印であった。
「ニコライにお願いしたんです。
三人で一緒にお祝いしたいって言ったら、提案されたんですよ。
商売上手だよね……」
苦笑いのセバスに、ウィルとナタリーも頷いている。
「それもそうでしょ?
私、ニコライを必ず引き抜くんですから!」
意気揚々というと、もう、引き抜かれた後じゃないのか?とか三人で相談し始めた。
「あの……まだ、引き抜いていないわよ?」
「そうなの?
もう、アンナリーゼ様の配下のような口ぶりだったよ?」
「えっ?」
「まぁ、両想いってことで、よかったんじゃね?」
ウィルの軽い感じで、締めくくられたが、なんか、納得いかない……
まだ、私は、誰一人引き抜いた覚えはないのだけど……と考え込んでしまった。
「姫さんの毒牙にかかれば、あっという間にだよなぁー」
「毒牙ってなによ!!
牙なんてないわ!」
「そうですよ!毒牙はないですよ!
真綿で首を絞めるかのような巧妙さがあるじゃないですか!!」
「そんなことないわ!アンナリーゼ様そのものが、毒の根源よ!」
一体何をはなしているのだろう……
私、悪魔か何かになったのだろうか……?
いや、そんなことはない!
立派に人間をしてきたはずだ!
そして、これからも、立派に人間をしていく予定だ。
「私は、立派な大人で人間よ!!」
胸を張る私に、三人は何とも言えない哀れみの目で私を見てため息をつくのであった。
今後どうするわけ?」
ウィルの質問は、わからないわけではない。
ローズディアでは、私の悪評はうなぎ上りで、広まっていっているらしい。
それを払拭するには、子供の公表がいいらしいのだが、それは避けたい。
「しばらくは、このままでいいわ……
私の悪評なんて……どうでもいいもの。
あなたたちさえ変わらずにいてくれるなら……って、制限はつくのだけど」
「そんなのもちろん変わらずにアンナリーゼ様と共にありますわ!
私たちが、アンナリーゼ様のことどれほど好きか、ご存じありませんか?」
ナタリーは私に笑いかけ、ウィルやセバスも頷いてくれる。
自信を無くしそうになっていても、こうして支えてくれる友人がいることが何より嬉しい。
「まず、私は、社交界に出ますわ!
どんな情報でも提供できるようにいたしましょう!」
「僕は、昨年から進めていた箱庭計画の話をもっと詰めてみるよ!
ニコライからも話が来ているから!!」
「俺……何ができる?
姫さん、体回復したら……遊んでやるよ!」
それぞれの気遣いが嬉しい。
思わず笑みがこぼれてしまう。
「私ね、あの子が2歳になるころに領地に引っ込もうと思っているの。
ジョージア様の領地運営、うまくいっていないようで……
見直したいと思っているのよ。
もちろん、こっちでしないといけないことはあるから、あとひと月は
のんびりさせてもらってって考えているんだけどね?
また、手伝ってくれる?」
「もちろんですよ!
やっと、私はアンナリーゼ様のお役にたてるのですから!
任せてください!」
胸を張ってパンと叩くナタリー。
頼もしいかぎりだ。
「ナタリー早速なのだけど……
赤ちゃん任せることって、できるかしら?」
「ジョー様ですか?」
「そう……」
「大丈夫ですよ!
何をなさるつもりですか?」
「ちょっと、領地見学。
毎日、書類は見ているのだけど……
やっぱり見てみないとわからないと思って!」
ナタリーは、ため息をつく。
「アンナリーゼ様らしいですね……
わかりました。
その際には、呼んでください!」
そこにすかさず手を挙げたのは、セバスだ。
「アンナリーゼ様、僕も一緒に行っていい?
実際に僕も見てみたい!」
「じゃあ、セバスも行きましょう!
1週間程を予定しているけど……大丈夫?」
「もちろん!」
「俺も!
護衛は、必要だろ?」
遅れてウィルが手を挙げる。
「ウィル、忙しいんでしょ?
中隊長になったとか、聞いたよ?」
「あぁ、なった……
なったけど……そっちの方が、おもしろそう!」
私は、思わず睨んでしまったが、ウィルがいるといないでは心強さが違う。
一緒に来てくれるなら、嬉しいに決まっているが、さすがに中隊長を1週間も連れて歩くと、エリックに叱られる。
「ちょっと待てよ……
姫さん、確かアンバー領の手前ってさ、コールディアだよな?」
「そうね?
何かあるの?」
「俺もついてくから絶対のけ者だけはなしな!!」
ウィルは、何か計画を練っているようだ。
それは、まぁ、おいといて……
「決行できるのはあと2ヶ月は無理だから……
準備出来たら、声かけるね!」
お出かけの話をして、今日はもう終わりそうだ。
私の中にあった秘密は、少しずつ私の近しい人に吐き出していっているおかげか、なんだか心が少し軽くなった、そんな気がする。
「ところでさ……
出産祝い渡すの忘れてた」
「「あ……」」
そして、それぞれが、私の前においてくれる。
ウィルからは、銀のスプーンだった。
セバスからは、銀のフォークだった。
ナタリーからは、銀のナイフだった。
最後にそれらをしまう箱が贈られる。
「これって……?」
「今日だけじゃなくて、ジョーの誕生ををこれからも一緒に祝わせてくれ。
それぞれが、その箱におさまる様持っているんだ」
銀のスプーンにもフォークにもナイフにも、アンバーの紋章と薔薇が刻印されている。
私が揃えてもらった食器と同じ刻印であった。
「ニコライにお願いしたんです。
三人で一緒にお祝いしたいって言ったら、提案されたんですよ。
商売上手だよね……」
苦笑いのセバスに、ウィルとナタリーも頷いている。
「それもそうでしょ?
私、ニコライを必ず引き抜くんですから!」
意気揚々というと、もう、引き抜かれた後じゃないのか?とか三人で相談し始めた。
「あの……まだ、引き抜いていないわよ?」
「そうなの?
もう、アンナリーゼ様の配下のような口ぶりだったよ?」
「えっ?」
「まぁ、両想いってことで、よかったんじゃね?」
ウィルの軽い感じで、締めくくられたが、なんか、納得いかない……
まだ、私は、誰一人引き抜いた覚えはないのだけど……と考え込んでしまった。
「姫さんの毒牙にかかれば、あっという間にだよなぁー」
「毒牙ってなによ!!
牙なんてないわ!」
「そうですよ!毒牙はないですよ!
真綿で首を絞めるかのような巧妙さがあるじゃないですか!!」
「そんなことないわ!アンナリーゼ様そのものが、毒の根源よ!」
一体何をはなしているのだろう……
私、悪魔か何かになったのだろうか……?
いや、そんなことはない!
立派に人間をしてきたはずだ!
そして、これからも、立派に人間をしていく予定だ。
「私は、立派な大人で人間よ!!」
胸を張る私に、三人は何とも言えない哀れみの目で私を見てため息をつくのであった。
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