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月光夜
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今日の結婚式と披露宴は、正直、ものすっごく疲れた。
終始、和やかに進んでいたにも関わらず、ソフィアのおかげで台無しになるところだった。
目的は、いろいろあったのだろう。
嫉妬深い、執念すら感じた彼女なりの考えが……
それを思うと、背筋の寒い話ではある。
ただ、私は、どうやってその感情を受け取ればいいのかすらわからずにいた。
無関心でいるのが、一番なのだろう。
来年になれば、ジョージアがそちらの手元にいるのだから……
そのとき、私はどんな感情でいればいいのだろうか……
『予知夢』のときのように割り切れない感情が、もやもやっと私を蝕んでいく。
「アンナ、今日は疲れたろう?」
ふいに話しかけられて驚いた。
今は、女主人(私の部屋)でジョージアと二人きりだ。
義母が使っていた部屋だったが、今日から、私が使うようにと交換してもらった。
もちろん、ジョージアも義父から部屋を譲られているのだが、こちらの部屋に来ている。
客間にいた頃も、空いた時間は、ほとんどを私の部屋で過ごしていたように思う。
「そうですね、さすがに疲れました……」
「うん。俺も。
でも、見事な采配だったよ。
さすがだね、うちの奥さんは!」
ジョージアに褒められとても嬉しい。
「こっちにおいで……」
手招きされたのでジョージアの方へと向かうと、ここっと叩かれている。
「お邪魔します……」
「お邪魔されて!」
ジョージアの座っている上にちょこんと横に腰掛けると、ぎゅっと抱きしめてくる。
「アンナは、いい匂いがするね……」
ジョージアは、そういうが、これは、デリアたち侍女やメイドが披露宴のあと、さらに磨きに磨きまくった結果なのだ。
「デリアたちに感謝ですね!」
「なんで?
あぁ、おいしくいただけるようにってこと?」
「おいしくいただかれるんですか?私」
「その予定……」
いつものふざけた会話ではあるが、いつもと違うあやしい雰囲気が漂う。
ジョージアの蜂蜜色の瞳が、ランプの光であやしく光れば、その瞳に少しおびえた私がうつる。
なんだか気恥ずかしくなってきて身をよじるが、今日は逃がしてくれなさそうだ。
ふわっと体が浮いたときには、お姫様抱っこをされてベッドに寝かされていた。
ジョージアが覆いかぶさった状態で、私の頬から顎にかけて指先で撫でる。
「ねぇ、アンナ?」
いつもと違う甘えたような声で名前を呼ばれると、ドキッとしてしまう。
「……なんですか?」
声が震えないように、なるべく甘えた声になるように答える。
「俺の奥さんになってくれる?」
「今日、なりましたよ?」
ふふふ……っと、私は笑う。
ジョージアのちょっと不安そうなそれでいてあやしい瞳に見つめられると、私は息が詰まりそうだ。
ジョージアも不安なのだろうか?
「ジョージア様?」
「なんだい?」
ふふっと笑ってしまう。
私は、次、発する言葉に照れてしまったのだ。
「愛しています!」
ジョージアの目は、少し見開かれ驚いているようで、そして嬉しそうに柔らかく笑う。
「俺もだよ!」
「ちゃんと言ってください!」
むぅっと拗ねると、笑われた。
「俺もアンナを愛しているよ!」
その言葉を、私はかみしめる。
私は、自分から、ジョージアの顔に両手を伸ばし、キスをねだる。
後は、任せてしまおうと思った……
私は、夜中に目が覚めた。
部屋は、カーテンの隙間から月光が入ってきている以外は、真っ暗である。
ベッドの上で座ってみた。
隣でジョージアは、スヤスヤと眠っている。
綺麗な銀髪を、そっと撫でるとそっぽ向かれてしまう。
仕方ないので、私は、ベッドから降りようとしたけど、うまく力が入らない。
体にかけるものが欲しかったが、これ以上動けそうになかったので、しばらくそのまま座っていることにした。
「ん……」
ジョージアが、向きを変えたようだ。
少しベッドが動いたけど、私は、何もせず、ただ、座っている。
今日一日、大変だった。
自分たちの結婚式に参列者からの挨拶、黒薔薇騒動と次から次へと凝縮されたような日であった。
でも、やっぱり、幸せな日だったなと思う。
これから、この日が1日も長く願うばかりだ。
月光に照らされたアンナの背中は、白く透き通るかのようだった。
ぼんやり目が覚めた俺は、ベッドの上で静かに座るアンナの後ろ姿をみていた。
その背中を見ているうちに、いつか、アンナが急に目の前から消えてしまうのではないのか……とてつもなく不安が押し寄せてきた。
いてもたってもいられず、寝ぼけた俺は、アンナを後ろから抱きしめた。
「どうされました?」
ジョージアも起きたのか、急に後ろから抱きつかれ、驚いていた。
「アンナは、もうどこにもいかないよな?」
急な質問に、わけもわからなかった。
「私は、どこにも行きませんよ。
旦那様と神様に命ある限り真心をもって尽くすことを誓いましたから……
たとえ、死んでも、私はジョージア様の側にずっといますからね。
大丈夫ですよ!」
ジョージアは、ホッとしたのか、そのままゆっくり私を伴いベッドに横になる。
優しくジョージアを撫でていると、そのまま二人でまた眠りにつくのだった。
「もう、いってしまうのですか?」
ベッドが揺れたような気がしたので、目を覚ました。
と言っても、寝ぼけているので、ジョージアをよくみようと私は、目を擦っている。
「あ……起こしちゃったかな?
あぁ、今日はどこにもいかないよ」
ジョージアは、振り返り私の頭をなでてくれる。
「体は大丈夫そう?
まだ眠そうだから、ゆっくり寝てていいよ?」
「大丈夫です……」
そのまま、私は、手を伸ばしてジョージアの手を握る。
すると、ベッドに戻ってきてくれる。
あったかい。
私は、そのままジョージアに抱きついて、また、眠るのであった。
「おやすみ、アンナ……」
ジョージアのあたたかい体温にホッとしたのであった。
終始、和やかに進んでいたにも関わらず、ソフィアのおかげで台無しになるところだった。
目的は、いろいろあったのだろう。
嫉妬深い、執念すら感じた彼女なりの考えが……
それを思うと、背筋の寒い話ではある。
ただ、私は、どうやってその感情を受け取ればいいのかすらわからずにいた。
無関心でいるのが、一番なのだろう。
来年になれば、ジョージアがそちらの手元にいるのだから……
そのとき、私はどんな感情でいればいいのだろうか……
『予知夢』のときのように割り切れない感情が、もやもやっと私を蝕んでいく。
「アンナ、今日は疲れたろう?」
ふいに話しかけられて驚いた。
今は、女主人(私の部屋)でジョージアと二人きりだ。
義母が使っていた部屋だったが、今日から、私が使うようにと交換してもらった。
もちろん、ジョージアも義父から部屋を譲られているのだが、こちらの部屋に来ている。
客間にいた頃も、空いた時間は、ほとんどを私の部屋で過ごしていたように思う。
「そうですね、さすがに疲れました……」
「うん。俺も。
でも、見事な采配だったよ。
さすがだね、うちの奥さんは!」
ジョージアに褒められとても嬉しい。
「こっちにおいで……」
手招きされたのでジョージアの方へと向かうと、ここっと叩かれている。
「お邪魔します……」
「お邪魔されて!」
ジョージアの座っている上にちょこんと横に腰掛けると、ぎゅっと抱きしめてくる。
「アンナは、いい匂いがするね……」
ジョージアは、そういうが、これは、デリアたち侍女やメイドが披露宴のあと、さらに磨きに磨きまくった結果なのだ。
「デリアたちに感謝ですね!」
「なんで?
あぁ、おいしくいただけるようにってこと?」
「おいしくいただかれるんですか?私」
「その予定……」
いつものふざけた会話ではあるが、いつもと違うあやしい雰囲気が漂う。
ジョージアの蜂蜜色の瞳が、ランプの光であやしく光れば、その瞳に少しおびえた私がうつる。
なんだか気恥ずかしくなってきて身をよじるが、今日は逃がしてくれなさそうだ。
ふわっと体が浮いたときには、お姫様抱っこをされてベッドに寝かされていた。
ジョージアが覆いかぶさった状態で、私の頬から顎にかけて指先で撫でる。
「ねぇ、アンナ?」
いつもと違う甘えたような声で名前を呼ばれると、ドキッとしてしまう。
「……なんですか?」
声が震えないように、なるべく甘えた声になるように答える。
「俺の奥さんになってくれる?」
「今日、なりましたよ?」
ふふふ……っと、私は笑う。
ジョージアのちょっと不安そうなそれでいてあやしい瞳に見つめられると、私は息が詰まりそうだ。
ジョージアも不安なのだろうか?
「ジョージア様?」
「なんだい?」
ふふっと笑ってしまう。
私は、次、発する言葉に照れてしまったのだ。
「愛しています!」
ジョージアの目は、少し見開かれ驚いているようで、そして嬉しそうに柔らかく笑う。
「俺もだよ!」
「ちゃんと言ってください!」
むぅっと拗ねると、笑われた。
「俺もアンナを愛しているよ!」
その言葉を、私はかみしめる。
私は、自分から、ジョージアの顔に両手を伸ばし、キスをねだる。
後は、任せてしまおうと思った……
私は、夜中に目が覚めた。
部屋は、カーテンの隙間から月光が入ってきている以外は、真っ暗である。
ベッドの上で座ってみた。
隣でジョージアは、スヤスヤと眠っている。
綺麗な銀髪を、そっと撫でるとそっぽ向かれてしまう。
仕方ないので、私は、ベッドから降りようとしたけど、うまく力が入らない。
体にかけるものが欲しかったが、これ以上動けそうになかったので、しばらくそのまま座っていることにした。
「ん……」
ジョージアが、向きを変えたようだ。
少しベッドが動いたけど、私は、何もせず、ただ、座っている。
今日一日、大変だった。
自分たちの結婚式に参列者からの挨拶、黒薔薇騒動と次から次へと凝縮されたような日であった。
でも、やっぱり、幸せな日だったなと思う。
これから、この日が1日も長く願うばかりだ。
月光に照らされたアンナの背中は、白く透き通るかのようだった。
ぼんやり目が覚めた俺は、ベッドの上で静かに座るアンナの後ろ姿をみていた。
その背中を見ているうちに、いつか、アンナが急に目の前から消えてしまうのではないのか……とてつもなく不安が押し寄せてきた。
いてもたってもいられず、寝ぼけた俺は、アンナを後ろから抱きしめた。
「どうされました?」
ジョージアも起きたのか、急に後ろから抱きつかれ、驚いていた。
「アンナは、もうどこにもいかないよな?」
急な質問に、わけもわからなかった。
「私は、どこにも行きませんよ。
旦那様と神様に命ある限り真心をもって尽くすことを誓いましたから……
たとえ、死んでも、私はジョージア様の側にずっといますからね。
大丈夫ですよ!」
ジョージアは、ホッとしたのか、そのままゆっくり私を伴いベッドに横になる。
優しくジョージアを撫でていると、そのまま二人でまた眠りにつくのだった。
「もう、いってしまうのですか?」
ベッドが揺れたような気がしたので、目を覚ました。
と言っても、寝ぼけているので、ジョージアをよくみようと私は、目を擦っている。
「あ……起こしちゃったかな?
あぁ、今日はどこにもいかないよ」
ジョージアは、振り返り私の頭をなでてくれる。
「体は大丈夫そう?
まだ眠そうだから、ゆっくり寝てていいよ?」
「大丈夫です……」
そのまま、私は、手を伸ばしてジョージアの手を握る。
すると、ベッドに戻ってきてくれる。
あったかい。
私は、そのままジョージアに抱きついて、また、眠るのであった。
「おやすみ、アンナ……」
ジョージアのあたたかい体温にホッとしたのであった。
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