119 / 1,480
対峙
しおりを挟む
『やっと』と言っていいのだろうか……?
私は、ずっと、この日を待っていた。『予知夢』では、私達の結婚式の後で会わされるはずの第二夫人になる人物に。
会いたいような、会いたくないようなそんな人物に、会う日がきた。
私の気持ちを反映しているかのようなどんよりした曇天は、今にも雨か雪が降りそうで気分も下がってくる。
もちろん、私が会わせてくれとジョージアにお願いしていたのだから、会わないと拒否するつもりもないが、あまり気分のいいものではない。
みんな、どうやって、もやもやとしたこの気持ちを切り替えているのだろうか……?
よそ貴族の第一夫人に聞いてみたい!!
両親は仲良しすぎて、他に誰かいたことないのでわからない。
『第二夫人 ソフィア』
私の命運を共にする凶星の存在だ。
考えてみれば、ソフィアにとって、これ以上ないくらい私という存在は邪魔な存在だろう。
私がソフィアだったらと思えば、まず、婚約すらさせないであろう。ましてや、結婚前に一緒に住むなど、どんな手を使ってでも阻止したいところだ。
爵位が上位の家に生まれたことが、これほど意味のあるものになるとは、私はつゆほど思わなかった。
ソフィアからすれば、ぽっと出の私が第一夫人としてアンバー公爵家の顔となり、先に目をつけていたにも関わらず爵位の問題で第二夫人となってしまったのだから……そう考えると可哀想ではある。
第一夫人と第二夫人とでは、意味合いもそして公爵家に及ぼす影響も全く違う。
寵愛されれば、屋敷内での勢力図は逆転する場合もあるが、世間一般的に考えて、全てにおいて私に分があるのだ。
ジョージアの両親に気に入られたことも、本当に大きな意味をもったと思っている。
飾りになるつもりはない私は、さぞ、ソフィアには目の上のたん瘤となるだろう。
私が本来通り、ハリーと結婚していれば、ジョージアの隣はソフィアのものだったはずだ。
それに、ソフィアは、ジョージアを他の誰とも近づけさせないほど、気性が激しいとも聞いている。
学園でも数々の噂は聞いていたが、実際、ソフィアと年の離れた私は卒業式の一時だけしかしらないのだ。
私、そんな女性とうまくやっていけるのだろうか……?
違うな。
そんな女性を囲うジョージアと、今後、うまくやっていけるのだろうか?
あの『予知夢』は、もう目の前まで近づいている。
私も大概なのだが、そこまでジョージアに執着はしていないと思っている。
今のところ、ジョージアにもらう愛情の三分の一も返せてはいないのではないだろうか。
いつも悩みの種だが、私なりに返せる愛情は、重くならない程度に返しているつもりではあった。
いろいろなことが浮かんでは、消えていく。
私の頭の中は、今は、とても忙しい。
最後に浮かんだのは、ジョージアの卒業式であった。
殺気だった視線を向けられたなぁと他人事のように考えて、頭を軽く振り、小さくため息をひとつついた。
◇◆◇◆◇
客間に通されたソフィアをジョージアと私が一緒にもてなしする予定だった。
部屋に入った瞬間から、ソフィアは、私に対する嫌がらせをすでに始めていたようだ……私のことは目に入らないということだろう。完全にいないものとして、扱われる。
私は、考え事をしていたため、油断していた。
「ジョージア、会いたかったわ!」
私を完全に無視して、ジョージアに抱きついた令嬢こそが、ダドリー男爵家のソフィアその人だった。
黒髪にぱっちりした黒目、そして、童顔で小さく守ってくださいと言わんばかりのソフィアは、実年齢よりかなり幼く見える。
ちなみに、私より4つも年上だ。
「トワイス国フレイゼン侯爵家、アンナリーゼ・トロン・フレイゼンです。突然の召喚に来ていただき、
ありがとう存じます」
私は、無視されることも想定内ではあったの、一応挨拶をすることにした。挨拶を先にされて、無視をすることは、貴族社会ではかなりの失礼に当たる。相手がよほど嫌いでない限り、何かしら反応を見せないといけないことは、貴族社会での暗黙の決まり事であった。
それも、上位者に対しては、相手とのどんな理由があれど、必ず挨拶はしないといけない。
相手が侯爵令嬢の私で爵位が上位であるため、男爵令嬢であるソフィアが今やっていることは、完全なる違反であった。
私から挨拶したのに無視をされ、さすがにカチンと頭にはきたけど、私、これでも侯爵家の令嬢ですからね。こんなことで声を荒げて怒りませんよ?
振り返ると、ジョージアにべったりくっついていて、甘えた声で寂しかったとか会いたかったと囁いている。
色っぽく甘える声と幼い容姿とのギャップが……すごいなと思って観察する。
コルセットでしっかり集めたであろう胸をジョージアの腕に擦り付けているのだ……コルセットは、かーなーりー優秀のようだった!
私の手前、ジョージアも迷惑そうでありながら、ちょっと口角のあたりが……と、私はジトっと観察中だ。
「あぁ、僕も会いたかったよ…………」
私が目の前にいるからか、ジョージアは微妙に言葉を選んでいるようだ。
見せつけるかのごとく、ソフィアは、ジョージアをべたべたと触っている。
もう、好きにしてくれていいわと私は一人ソファにドカッと座って、成り行きを見ていた。
黙ってだ。
何も言わずに、ただただソフィアにされるがままの状態を私にみられているジョージアは、実に居心地が悪そうにしている。
いつ、終わるかしら……?興味もそこそこに尽きてくる。
このむせかえるような甘ったるい香水も好きになれない。
ジョージアは、私に会いに来たときはちゃんと臭い消ししてから、会いにきていたということかと思わされた。
さすがにこの甘ったるさは、鼻に付く。
ジョージア様って、まめね……?
そろそろ、この茶番も終わりにしよう。飽きてきたし、香水の匂いで、気持ち悪くなってきた。
私は、ニッコリ笑う。
ジョージアが、青ざめているような気がするのは目の錯覚だろう。
「ジョージア様、ダドリー男爵家のソフィアは、どのような方ですか?今日、いらっしゃると聞いて
ついてきたのですけど……私、ジョージア様が庶民の古娘を囲っているとは聞いていませんよ?」
ニコニコと笑い、多少声が低くなったのはご愛嬌だ。
貴族は、上位者に対してかなり礼儀作法を重んじる。きちんとできてこその貴族令嬢だ。
ソフィアは、私に対してわざとしているのかもしれないが、街の小娘の方がまだ、礼儀作法を弁えている。
「いや、あの、アンナ……」
ジョージアは、チラッと抱きつかれているソフィアのほうを見ながら、私に対して戦々恐々としていた。
笑顔で言ってるんですから、怖くないでしょ!と思いながら、自分がとてもイライラしているのに気づいた。
そのことに、私はとても驚いた。
何ヶ月も甘やかされ一緒に暮らしたせいなのか、はたまた、私が思っている以上にジョージアに愛情があるのか……今の状況は、あまりよろしくない感情を抱く。
「まぁ、そちらの方、失礼な方ね!ジョージア、そんな小娘、早く追い出しなさい!私とジョージアの
時間を邪魔するなんて、目障りだわ!!侍従は何をしているの?」
「それなら、僕は、ソフィア、君を追い出さなければならない。アンナリーゼこそが、未来の公爵夫人
なのだから!」
ジョージアのその言葉で、今までの無礼を少し頭の隅にやり、私は自分が勝ち誇った気持ちになったのは秘密である。
私は、ずっと、この日を待っていた。『予知夢』では、私達の結婚式の後で会わされるはずの第二夫人になる人物に。
会いたいような、会いたくないようなそんな人物に、会う日がきた。
私の気持ちを反映しているかのようなどんよりした曇天は、今にも雨か雪が降りそうで気分も下がってくる。
もちろん、私が会わせてくれとジョージアにお願いしていたのだから、会わないと拒否するつもりもないが、あまり気分のいいものではない。
みんな、どうやって、もやもやとしたこの気持ちを切り替えているのだろうか……?
よそ貴族の第一夫人に聞いてみたい!!
両親は仲良しすぎて、他に誰かいたことないのでわからない。
『第二夫人 ソフィア』
私の命運を共にする凶星の存在だ。
考えてみれば、ソフィアにとって、これ以上ないくらい私という存在は邪魔な存在だろう。
私がソフィアだったらと思えば、まず、婚約すらさせないであろう。ましてや、結婚前に一緒に住むなど、どんな手を使ってでも阻止したいところだ。
爵位が上位の家に生まれたことが、これほど意味のあるものになるとは、私はつゆほど思わなかった。
ソフィアからすれば、ぽっと出の私が第一夫人としてアンバー公爵家の顔となり、先に目をつけていたにも関わらず爵位の問題で第二夫人となってしまったのだから……そう考えると可哀想ではある。
第一夫人と第二夫人とでは、意味合いもそして公爵家に及ぼす影響も全く違う。
寵愛されれば、屋敷内での勢力図は逆転する場合もあるが、世間一般的に考えて、全てにおいて私に分があるのだ。
ジョージアの両親に気に入られたことも、本当に大きな意味をもったと思っている。
飾りになるつもりはない私は、さぞ、ソフィアには目の上のたん瘤となるだろう。
私が本来通り、ハリーと結婚していれば、ジョージアの隣はソフィアのものだったはずだ。
それに、ソフィアは、ジョージアを他の誰とも近づけさせないほど、気性が激しいとも聞いている。
学園でも数々の噂は聞いていたが、実際、ソフィアと年の離れた私は卒業式の一時だけしかしらないのだ。
私、そんな女性とうまくやっていけるのだろうか……?
違うな。
そんな女性を囲うジョージアと、今後、うまくやっていけるのだろうか?
あの『予知夢』は、もう目の前まで近づいている。
私も大概なのだが、そこまでジョージアに執着はしていないと思っている。
今のところ、ジョージアにもらう愛情の三分の一も返せてはいないのではないだろうか。
いつも悩みの種だが、私なりに返せる愛情は、重くならない程度に返しているつもりではあった。
いろいろなことが浮かんでは、消えていく。
私の頭の中は、今は、とても忙しい。
最後に浮かんだのは、ジョージアの卒業式であった。
殺気だった視線を向けられたなぁと他人事のように考えて、頭を軽く振り、小さくため息をひとつついた。
◇◆◇◆◇
客間に通されたソフィアをジョージアと私が一緒にもてなしする予定だった。
部屋に入った瞬間から、ソフィアは、私に対する嫌がらせをすでに始めていたようだ……私のことは目に入らないということだろう。完全にいないものとして、扱われる。
私は、考え事をしていたため、油断していた。
「ジョージア、会いたかったわ!」
私を完全に無視して、ジョージアに抱きついた令嬢こそが、ダドリー男爵家のソフィアその人だった。
黒髪にぱっちりした黒目、そして、童顔で小さく守ってくださいと言わんばかりのソフィアは、実年齢よりかなり幼く見える。
ちなみに、私より4つも年上だ。
「トワイス国フレイゼン侯爵家、アンナリーゼ・トロン・フレイゼンです。突然の召喚に来ていただき、
ありがとう存じます」
私は、無視されることも想定内ではあったの、一応挨拶をすることにした。挨拶を先にされて、無視をすることは、貴族社会ではかなりの失礼に当たる。相手がよほど嫌いでない限り、何かしら反応を見せないといけないことは、貴族社会での暗黙の決まり事であった。
それも、上位者に対しては、相手とのどんな理由があれど、必ず挨拶はしないといけない。
相手が侯爵令嬢の私で爵位が上位であるため、男爵令嬢であるソフィアが今やっていることは、完全なる違反であった。
私から挨拶したのに無視をされ、さすがにカチンと頭にはきたけど、私、これでも侯爵家の令嬢ですからね。こんなことで声を荒げて怒りませんよ?
振り返ると、ジョージアにべったりくっついていて、甘えた声で寂しかったとか会いたかったと囁いている。
色っぽく甘える声と幼い容姿とのギャップが……すごいなと思って観察する。
コルセットでしっかり集めたであろう胸をジョージアの腕に擦り付けているのだ……コルセットは、かーなーりー優秀のようだった!
私の手前、ジョージアも迷惑そうでありながら、ちょっと口角のあたりが……と、私はジトっと観察中だ。
「あぁ、僕も会いたかったよ…………」
私が目の前にいるからか、ジョージアは微妙に言葉を選んでいるようだ。
見せつけるかのごとく、ソフィアは、ジョージアをべたべたと触っている。
もう、好きにしてくれていいわと私は一人ソファにドカッと座って、成り行きを見ていた。
黙ってだ。
何も言わずに、ただただソフィアにされるがままの状態を私にみられているジョージアは、実に居心地が悪そうにしている。
いつ、終わるかしら……?興味もそこそこに尽きてくる。
このむせかえるような甘ったるい香水も好きになれない。
ジョージアは、私に会いに来たときはちゃんと臭い消ししてから、会いにきていたということかと思わされた。
さすがにこの甘ったるさは、鼻に付く。
ジョージア様って、まめね……?
そろそろ、この茶番も終わりにしよう。飽きてきたし、香水の匂いで、気持ち悪くなってきた。
私は、ニッコリ笑う。
ジョージアが、青ざめているような気がするのは目の錯覚だろう。
「ジョージア様、ダドリー男爵家のソフィアは、どのような方ですか?今日、いらっしゃると聞いて
ついてきたのですけど……私、ジョージア様が庶民の古娘を囲っているとは聞いていませんよ?」
ニコニコと笑い、多少声が低くなったのはご愛嬌だ。
貴族は、上位者に対してかなり礼儀作法を重んじる。きちんとできてこその貴族令嬢だ。
ソフィアは、私に対してわざとしているのかもしれないが、街の小娘の方がまだ、礼儀作法を弁えている。
「いや、あの、アンナ……」
ジョージアは、チラッと抱きつかれているソフィアのほうを見ながら、私に対して戦々恐々としていた。
笑顔で言ってるんですから、怖くないでしょ!と思いながら、自分がとてもイライラしているのに気づいた。
そのことに、私はとても驚いた。
何ヶ月も甘やかされ一緒に暮らしたせいなのか、はたまた、私が思っている以上にジョージアに愛情があるのか……今の状況は、あまりよろしくない感情を抱く。
「まぁ、そちらの方、失礼な方ね!ジョージア、そんな小娘、早く追い出しなさい!私とジョージアの
時間を邪魔するなんて、目障りだわ!!侍従は何をしているの?」
「それなら、僕は、ソフィア、君を追い出さなければならない。アンナリーゼこそが、未来の公爵夫人
なのだから!」
ジョージアのその言葉で、今までの無礼を少し頭の隅にやり、私は自分が勝ち誇った気持ちになったのは秘密である。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
悲恋を気取った侯爵夫人の末路
三木谷夜宵
ファンタジー
侯爵夫人のプリシアは、貴族令嬢と騎士の悲恋を描いた有名なロマンス小説のモデルとして持て囃されていた。
順風満帆だった彼女の人生は、ある日突然に終わりを告げる。
悲恋のヒロインを気取っていた彼女が犯した過ちとは──?
カクヨムにも公開してます。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる