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結婚祝
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自室に帰れば、はぁ……と大きくため息がでた。
今日は、兄とエリザベスの結婚式だったのだ。
一時帰国した私は、お祝いのために来たのにも関わらず、結婚のお祝いすらできていない。
闖入者のおかげで……
「アンナ……めでたい日にため息って、ダメじゃないか?」
「そうですね。でも、私、結婚式を楽しめなかったな……と思って」
今は、自室に戻ってジョージアとお茶を飲んでゆっくりしているところだった。
「なぁ、アンナ?聞きたいんだけど、エリザベス様は、お腹が少し出てたように思うけど……」
「わかりましたか?夏くらいには生まれるはずですよ?」
ちょっと、不貞腐れぎみな私。
ジョージアへの返事もおざなりである。
「不貞腐れるのもそろそろ終わりにしないか?」
あの蜂蜜色の瞳に見つめられると、私はついつい従ってしまいたくなる。
優し色したその瞳にはどんな力があるのだろうか……
「おいで」
「なんか、ペットになった気分!」
ふっと笑うジョージアの隣に移動してストンと座ると抱きしめられる。
「はぁ、やっと俺のところにおさまった感じ。今日、ヘンリー殿見て、ぐらぐらっとしてなかった?」
「してませんよ!!私は、ちゃんと身も心もジョージア様の隣にいます」
「そう?なら安心だ」
チュッとキスをされると、恥ずかしくなり逃げだしそうになる。
ただ、どう考えても逃げられるような状況ではないので……おとなしくしている。
「アンナってさ、可愛いよね」
「どういう意味ですか?」
「うーん。そのまんまの意味」
そういって、ジョージアは私を引き寄せて再度唇を重ねる。
バン!
急に扉が開いて驚いた。多分、開けた方も驚いただろう……
「家に帰ってから、お願いできるかな?」
「ここは、アンナの実家でもあると思うけど……?」
「ジョージア……確かにそうだ。ノックをしなかった僕が悪かった」
兄は、私たちを見ながら、反省している。
今更な気はする。私が、さんざん、ノックの重要性をといていたのにだ……
「お兄様、ノックの重要性がわかりましたか?」
「あぁ、わかったぞ!まさか、妹の部屋で……」
「サシャ、そこまでにしてあげて……アンナが、真っ赤になってる……」
私を見て兄は、ちょっと頭を抱える。
「アンナ、もうちょっと免疫つけた方がいいぞ……先人として、アドバイスだ!」
「いりません!!!!!」
いったい何をしに来たのか、扉の前にいる兄とソファでくつろいでいた私たちは呼び合っている。
これじゃ、屋敷中に漏れ聞こえていると思う……余計、恥ずかしい……
「それで、いったいなんのようですか?」
「おっと、かなりご機嫌斜めのようだな……」
「誰のせいだと思っているんですか!?」
兄妹げんかを始めると、ジョージアがさもおかしそうに笑い始める。
「「ジョージア!」様!」
「ふっはっはっは……い……息ぴったり……」
いろいろ思うところがあるのだが、これ以上兄妹げんかで笑われるのは嫌だったので、要件をいうようにと目で兄に促した。
「あぁ、わかったよ。エリザベスが、四人でお茶をしないか?って。まぁ、断っておくよ。
お楽しみだったろうし」
「行きますよ?私、渡したいものもありますから……」
ソファから立ち上がると、兄の部屋に向かおうとする。
扉の横を通り過ぎるときにハイヒールのかかとで兄の足をわざと踏んでいく。
「いったぁ!!!!!!!!」
無表情でそのまま兄の部屋に入るのだった。もちろん、ノックは忘れずに!
中からエリザベスの入出許可の声が聞こえた。
「ごきげんよう!エリザベス!」
「ごきげんよう、アンナ!ジョージア様もお久しぶりです」
ソファにゆったり座ってお腹をさすっているエリザベス。
一段と綺麗になったように思う。
「あぁ、久しぶりだね、エリザベス様」
「だいぶ、大きくなりましたね!」
そういって、エリザベスの隣に腰掛けると、ジョージアは対面に座る。
「そうね、まだまだ大きくなるんですって……もう結構、大変なのだけど……サシャも含めて……」
「お兄様なんてほっておいたらいいんですよ!」
私に踏まれた足を引きずりながら、自室に戻ってくる兄を見てエリザベスはため息をついている。
「何か、したのね……しょうのない人……」
呆れたという顔をしながらも微笑んでいるエリザベスは、やっぱり綺麗になったなと思う。
ジョージアもちょっと目をみはっていないか?と見たが、ニッコリされたら問い詰めることもできない……
「そうだ、まだ、言えてなかったね……結婚、おめでとう!!
私たち、ちょっと結婚式どころじゃなかったもので……挨拶も行けなくて、ごめんね」
「ううん。見えていたから大丈夫よ。シルキー様がみえてたわよね。
アンナが学園から卒業してから、かなり、寂しがっているようなのよ。だから、気にしないで!」
「そういってもらえると嬉しいわ!ねぇ、お腹触ってもいい?」
「えぇ、もちろんよ!」
きゃっきゃっと騒いでいると兄もジョージアの隣に腰を下ろす。
「アンナ、名前なんだけどさ、何がいいかなぁ?」
「名前ですか?二人で考えればいいじゃないですか?」
「うん。そうなんだけどね、一人目は、どうしてもアンナに名付け親になってほしいの」
エリザベスに言われれば、断れない。
お兄様は、どうでもよくても……エリザベスのこと大好きだし……
「そうですね。明日、帰るまでに考えておきますね!」
「ありがとう!!」
喜ぶエリザベスの顔は、いつまででも見ていたい。
私は、机の上にコトリと小さな宝石箱を2つ置いた。
「それは、なぁに?」
「エリザベスに結婚祝い。お兄様にもこちらを」
それぞれに渡す。
「開けてもいいかしら?」
「どうぞ!」
それぞれ手に取り宝石箱を開ける。
「これは……アメジスト!!」
「お兄様が卒業式のときにエリザベスも欲しいって言ってたから……
どうせならお兄様と対になっているものかなと思って……」
私が渡したのは、指輪だった。
ちゃんとサイズもあっているはずだ。
「ぴったり!!」
そういって喜んでいるエリザベス。
右の薬指にでもと言おうとしたが、その前に左の薬指にはめているエリザベス。
お兄様、ごめんね……と思いながら、一応訂正しようと思う。
「エリザベス……その指輪は、一応右に……」
「えっ?左……あ……」
「いいよ、エリーが好きなところにすれば。エリーが左の薬指にするなら、僕もそうするし」
「いいかしら……?」
「もちろん。アメジストなら石の意味もいいし、結婚指輪でいいんじゃないか?
妹からのプレゼントだしな」
二人はきちんと私のことも考えて、結婚指輪として使ってくれるようだ。
ちなみに兄が用意したのは、シンプルなプラチナのリングであった。
私が渡したのもシンプルで普段使いにちょうどいいものとなっている。
「それだったら、2本すればいいじゃないですか?10本の指にゴテゴテとしている方も中には
いらっしゃいますけど、両方ともシンプルなつくりなので、けんかしないと思いますよ?」
「それもそうね!サシャにもらった指輪もつけたいわ!」
エリザベスは、少し申し訳なさそうにしていたけど、私の提案で曇り顔もパッとした。
「じゃあ、僕たちは2本つけよう」
「なんだか、俺だけアメジストをもらってないようだけど……?」
ちょっと拗ねたように私に視線を送ってくるジョージア。
「ジョージア様には、ダイヤを渡しましたものね……それじゃダメですか?」
「俺だけ、ダイヤ?」
「ブルーダイヤもピンクダイヤの意味もご存じでしょ?言いましょうか?」
「あぁ、ぜひとも頼むよ!」
ジョージアは意地悪く笑っている。
私は、しかたありませんね……と説明を始める。
「ブルーダイヤモンドは、『幸福を祈る』とか『大切な存在』という意味をピンクダイヤモンドは、
『完全無欠の愛』です」
私の説明で納得してくれたのか、ジョージアは頷いている。
「満足いただけましたか?ジョージア様へ贈った懐中時計は、ちゃんと考えてあるんですよ。
ブルーダイヤモンドはジョージア様、ピンクダイヤモンドは私。それぞれの色にもちゃんとなぞって
あるんですからね!!」
ジョージアは、今もちゃんと持っていてくれる懐中時計を机の上に置いた。
エリザベスは初めてみたようだ。
薔薇の装飾がされており、真ん中にブルーダイヤモンドがろうそくの明かりを反射して輝いている。
「これが、あの懐中時計か……初めて中まで見たけど……素晴らしいな!」
「そうでしょ!そうでしょ!!なんたって、ティアが作ったんですから!!」
したり顔な私。
なんか、エリザベスに結婚祝いを贈るためにきたのに……
おかしな方向へ話がいったような気がするのは私だけだろうか……?
何はともあれ、贈ったアメジストの指輪は、兄にもエリザベスにも喜んでもらえたようでよかったよかった。
今日は、兄とエリザベスの結婚式だったのだ。
一時帰国した私は、お祝いのために来たのにも関わらず、結婚のお祝いすらできていない。
闖入者のおかげで……
「アンナ……めでたい日にため息って、ダメじゃないか?」
「そうですね。でも、私、結婚式を楽しめなかったな……と思って」
今は、自室に戻ってジョージアとお茶を飲んでゆっくりしているところだった。
「なぁ、アンナ?聞きたいんだけど、エリザベス様は、お腹が少し出てたように思うけど……」
「わかりましたか?夏くらいには生まれるはずですよ?」
ちょっと、不貞腐れぎみな私。
ジョージアへの返事もおざなりである。
「不貞腐れるのもそろそろ終わりにしないか?」
あの蜂蜜色の瞳に見つめられると、私はついつい従ってしまいたくなる。
優し色したその瞳にはどんな力があるのだろうか……
「おいで」
「なんか、ペットになった気分!」
ふっと笑うジョージアの隣に移動してストンと座ると抱きしめられる。
「はぁ、やっと俺のところにおさまった感じ。今日、ヘンリー殿見て、ぐらぐらっとしてなかった?」
「してませんよ!!私は、ちゃんと身も心もジョージア様の隣にいます」
「そう?なら安心だ」
チュッとキスをされると、恥ずかしくなり逃げだしそうになる。
ただ、どう考えても逃げられるような状況ではないので……おとなしくしている。
「アンナってさ、可愛いよね」
「どういう意味ですか?」
「うーん。そのまんまの意味」
そういって、ジョージアは私を引き寄せて再度唇を重ねる。
バン!
急に扉が開いて驚いた。多分、開けた方も驚いただろう……
「家に帰ってから、お願いできるかな?」
「ここは、アンナの実家でもあると思うけど……?」
「ジョージア……確かにそうだ。ノックをしなかった僕が悪かった」
兄は、私たちを見ながら、反省している。
今更な気はする。私が、さんざん、ノックの重要性をといていたのにだ……
「お兄様、ノックの重要性がわかりましたか?」
「あぁ、わかったぞ!まさか、妹の部屋で……」
「サシャ、そこまでにしてあげて……アンナが、真っ赤になってる……」
私を見て兄は、ちょっと頭を抱える。
「アンナ、もうちょっと免疫つけた方がいいぞ……先人として、アドバイスだ!」
「いりません!!!!!」
いったい何をしに来たのか、扉の前にいる兄とソファでくつろいでいた私たちは呼び合っている。
これじゃ、屋敷中に漏れ聞こえていると思う……余計、恥ずかしい……
「それで、いったいなんのようですか?」
「おっと、かなりご機嫌斜めのようだな……」
「誰のせいだと思っているんですか!?」
兄妹げんかを始めると、ジョージアがさもおかしそうに笑い始める。
「「ジョージア!」様!」
「ふっはっはっは……い……息ぴったり……」
いろいろ思うところがあるのだが、これ以上兄妹げんかで笑われるのは嫌だったので、要件をいうようにと目で兄に促した。
「あぁ、わかったよ。エリザベスが、四人でお茶をしないか?って。まぁ、断っておくよ。
お楽しみだったろうし」
「行きますよ?私、渡したいものもありますから……」
ソファから立ち上がると、兄の部屋に向かおうとする。
扉の横を通り過ぎるときにハイヒールのかかとで兄の足をわざと踏んでいく。
「いったぁ!!!!!!!!」
無表情でそのまま兄の部屋に入るのだった。もちろん、ノックは忘れずに!
中からエリザベスの入出許可の声が聞こえた。
「ごきげんよう!エリザベス!」
「ごきげんよう、アンナ!ジョージア様もお久しぶりです」
ソファにゆったり座ってお腹をさすっているエリザベス。
一段と綺麗になったように思う。
「あぁ、久しぶりだね、エリザベス様」
「だいぶ、大きくなりましたね!」
そういって、エリザベスの隣に腰掛けると、ジョージアは対面に座る。
「そうね、まだまだ大きくなるんですって……もう結構、大変なのだけど……サシャも含めて……」
「お兄様なんてほっておいたらいいんですよ!」
私に踏まれた足を引きずりながら、自室に戻ってくる兄を見てエリザベスはため息をついている。
「何か、したのね……しょうのない人……」
呆れたという顔をしながらも微笑んでいるエリザベスは、やっぱり綺麗になったなと思う。
ジョージアもちょっと目をみはっていないか?と見たが、ニッコリされたら問い詰めることもできない……
「そうだ、まだ、言えてなかったね……結婚、おめでとう!!
私たち、ちょっと結婚式どころじゃなかったもので……挨拶も行けなくて、ごめんね」
「ううん。見えていたから大丈夫よ。シルキー様がみえてたわよね。
アンナが学園から卒業してから、かなり、寂しがっているようなのよ。だから、気にしないで!」
「そういってもらえると嬉しいわ!ねぇ、お腹触ってもいい?」
「えぇ、もちろんよ!」
きゃっきゃっと騒いでいると兄もジョージアの隣に腰を下ろす。
「アンナ、名前なんだけどさ、何がいいかなぁ?」
「名前ですか?二人で考えればいいじゃないですか?」
「うん。そうなんだけどね、一人目は、どうしてもアンナに名付け親になってほしいの」
エリザベスに言われれば、断れない。
お兄様は、どうでもよくても……エリザベスのこと大好きだし……
「そうですね。明日、帰るまでに考えておきますね!」
「ありがとう!!」
喜ぶエリザベスの顔は、いつまででも見ていたい。
私は、机の上にコトリと小さな宝石箱を2つ置いた。
「それは、なぁに?」
「エリザベスに結婚祝い。お兄様にもこちらを」
それぞれに渡す。
「開けてもいいかしら?」
「どうぞ!」
それぞれ手に取り宝石箱を開ける。
「これは……アメジスト!!」
「お兄様が卒業式のときにエリザベスも欲しいって言ってたから……
どうせならお兄様と対になっているものかなと思って……」
私が渡したのは、指輪だった。
ちゃんとサイズもあっているはずだ。
「ぴったり!!」
そういって喜んでいるエリザベス。
右の薬指にでもと言おうとしたが、その前に左の薬指にはめているエリザベス。
お兄様、ごめんね……と思いながら、一応訂正しようと思う。
「エリザベス……その指輪は、一応右に……」
「えっ?左……あ……」
「いいよ、エリーが好きなところにすれば。エリーが左の薬指にするなら、僕もそうするし」
「いいかしら……?」
「もちろん。アメジストなら石の意味もいいし、結婚指輪でいいんじゃないか?
妹からのプレゼントだしな」
二人はきちんと私のことも考えて、結婚指輪として使ってくれるようだ。
ちなみに兄が用意したのは、シンプルなプラチナのリングであった。
私が渡したのもシンプルで普段使いにちょうどいいものとなっている。
「それだったら、2本すればいいじゃないですか?10本の指にゴテゴテとしている方も中には
いらっしゃいますけど、両方ともシンプルなつくりなので、けんかしないと思いますよ?」
「それもそうね!サシャにもらった指輪もつけたいわ!」
エリザベスは、少し申し訳なさそうにしていたけど、私の提案で曇り顔もパッとした。
「じゃあ、僕たちは2本つけよう」
「なんだか、俺だけアメジストをもらってないようだけど……?」
ちょっと拗ねたように私に視線を送ってくるジョージア。
「ジョージア様には、ダイヤを渡しましたものね……それじゃダメですか?」
「俺だけ、ダイヤ?」
「ブルーダイヤもピンクダイヤの意味もご存じでしょ?言いましょうか?」
「あぁ、ぜひとも頼むよ!」
ジョージアは意地悪く笑っている。
私は、しかたありませんね……と説明を始める。
「ブルーダイヤモンドは、『幸福を祈る』とか『大切な存在』という意味をピンクダイヤモンドは、
『完全無欠の愛』です」
私の説明で納得してくれたのか、ジョージアは頷いている。
「満足いただけましたか?ジョージア様へ贈った懐中時計は、ちゃんと考えてあるんですよ。
ブルーダイヤモンドはジョージア様、ピンクダイヤモンドは私。それぞれの色にもちゃんとなぞって
あるんですからね!!」
ジョージアは、今もちゃんと持っていてくれる懐中時計を机の上に置いた。
エリザベスは初めてみたようだ。
薔薇の装飾がされており、真ん中にブルーダイヤモンドがろうそくの明かりを反射して輝いている。
「これが、あの懐中時計か……初めて中まで見たけど……素晴らしいな!」
「そうでしょ!そうでしょ!!なんたって、ティアが作ったんですから!!」
したり顔な私。
なんか、エリザベスに結婚祝いを贈るためにきたのに……
おかしな方向へ話がいったような気がするのは私だけだろうか……?
何はともあれ、贈ったアメジストの指輪は、兄にもエリザベスにも喜んでもらえたようでよかったよかった。
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