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第11話 謁見という名の父子対面! ……僕の父親か?
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ガタンっと、馬車が停まる。王宮に着いたようで、侍従が扉を開いた。家紋入りの馬車であるためか、案内に遣わされたものの身なりは、一般的な侍従よりとてもよいものである。
先にと促されたので、降りようとしたとき、「いい香りがする」と養父が呟く。アルメリアのあと、風呂に入ったため、僕からも薔薇の香りがしているのだろう。
「ティーリング公爵様、ご子息ジャスティス様、お待ちしておりました」
とても丁寧なお辞儀をするその人物に養父は話しかける。一際、小奇麗な侍従は僕の方を見て頷いていた。
すると、ニッコリ笑う侍従。何を話したのか、聞き取れなかったが、何かが起こる……、そんな予感がした。
「こちらになります。表の執務室ではなく、陛下の秘密の執務室へどうぞ」
そう言って、侍従の後をあちこち曲がりながら、歩いていくので、すでに方向感覚がなくなってきそうだ。秘密の執務室というあたり、王が寛ぐための部屋なのだろう。刺客に狙われたり、ゆっくりできる時間を邪魔されないよう、執務室までの道は、わざと角が多く入り組んだ道になっているのだ。養父が侍従に平然とついていくことに疑問がわく。
「養父上?」
「なんだ?」
「平然と歩いていらっしゃいますが、帰り道はおわかりで?」
「あぁ、わかる。昔、ここは、陛下と私、そこの近侍の遊び場だったからな」
養父の意外な一面に驚きながら、何度目かもわからない角を曲がった。
「こちらになります」と近侍に連れられ着いた先に質素な廊下には似つかわしくない重厚そうな扉があった。こぎみよくノックすると、よく通る声で「入れ」と聴こえてくる。
「失礼します」と、近侍の後に着いて入った。部屋の奥は執務室のようになっており、一人の男性が何か書き物をしている。
……この人が、この国の国王で、僕の父親か。確かに、今の僕と似ているかも……しれない。
銀の髪に金の瞳をしている草臥れたおじさんが難しい顔で出迎えてくれる。どう見ても、養父の方が若々しくハツラツとしているように見えるのは、王の公務が激務だからだろうか? 観察しながらもあまり見ないように気を付ける。
「よくきてくれた、公爵」
「よくきてくれただ? おい、どの口が言っているんだ? ん?」
開口一口目。辛辣な言葉を投げかける養父に驚いた。養父はこの国中で誰もが一目置くほどの礼儀作法が出来ている人だと言われている。王に向かって、家族以上にかける言葉以上に砕けた言葉遣いだったことが信じられない。
養父が剣呑と王に向かって睨みをきかせる。王の方が肩を震わせ、近侍の方を見て、何か合図を追っていた。その姿は、一国の王と言うより、兄に叱られる直前の弟のようであり、あのレオナルドを思い出させる。
「公爵様、お気持ちは重々わかります。まずは、こちらに」
「あぁ、わかった。そなたは、いつでも、アイツの味方だからなっ!」
「そんなことはございませんよ? 私にだって、もちろん思うところはあります。今回のこと、私は私なりに陛下へは相当な抗議をいたしましたし……腹もだいぶたっております。だいたいですね?」
「「あの王太子では、国が無くなる!」」
見事に養父と近侍の声が重なった。絶妙な感じであったため、聞いていた方はドキドキさせられる。
「陛下っ!」
「はいっ、兄上!」
「甘やかしすぎだ! なんなんだ? あのアホな王太子は。私の娘を夜会中の公衆の面前で婚約破棄だと? 頭がおかしいのか?」
「……兄上、その件に関してまして、息子にも充分言い聞かせて……おるところで……王妃の方からも言い聞かせてはいるのですが、その婚約破棄の破棄を……」
苦虫を噛みしめるかのような表情をしたかと思えば、取り入るように懇願しようとしている。ますます、レオナルドに似ていると思わされた。
「誰がそんなものを受け入れる? 自分がアルメリアの父だと仮定してみろ? 一族郎党、無残に切り刻んでも許し難し!」
「兄上……その怒りをなんとか! 何とかお納めください!」
「ふっ、無理な話だ。私以前に、アルメリアなんてせいせいしたような顔で、慰謝料やら賠償金やら補償金、あのアホのせいで事業に対する負の債務を作った部分についての請求なんかを昨夜帰ってきてから、嬉々として作成していたぞ?」
「そ、それは、困りすぎます! 兄上、アルメリアを説得してください。慰謝料? 賠償金……? そんな……」
「あたりまえだろう? アルメリアがどれほど、あのアホのせいで、苦労をしてきたか、知らぬとは言わせぬ!」
「愚かなことをしでかしたレオナルドのことは、王妃と共に対応します。どうか、どうか、アルメリアを王太子妃にと説得してください……!」
ガンッ!
養父が怒り任せに机を蹴り、大きな音が執務室に響き渡った。見た目にはわからなかったが、養父は相当怒っていたようで、王の一言でとうとうキレたのだ。
あれだけ、娘を溺愛していれば、当然と言えば当然だろうな。不要なことは、今の養父に言うべきではない。
青くなる王からは、次の言葉も出ず、ただ、静かに……されど、大炎上している怒りを目に込めて、養父は睨んだ。
「説得だぁ? ふざけたことは、土に還ってからにするか?」
どう考えても、不敬罪で処罰されそうなその物言いに慌てて口を挟もうとしたら、近侍が口角をあげて声に出さずに笑った。
……さすがに怖い。この状況、どうなってるんだ?
この二人、一体何を仕出かすかわからず、養父に関しては、アルメリアのこともあり、僕では手がつけられない。
「私が悪かったのです。息子には、レオナルドにはよく言い聞かせますので。久方ぶりの聖女が誕生したのですぞ? 国をあげて大事にしたい」
「国をあげて? よく言えたものだ。大勢の前で、婚約破棄をしたのは、そちらの不手際。知ったことではない」
「……兄上」
「困ったときだけ、兄と呼ばないでくれ。それに、あのアホ王太子ではなく、元々婚約者にと考えていた人物がいる。今日は王位継承権があるそのものも連れてきた。あと、これが、昨日計算した慰謝料諸々。他になにか……言いたげでも聞かん。アルメリアの心を傷つけたような輩の父親の言うことなんて!」
書類を出すと、近侍が取り次いでくれ、王の手元へ行く。引き攣った表情を見るに、高額すぎる慰謝料などなどに内心穏やかではいられないのだろう。
「……最後の」
「最後のですか? それは、この計算書を作る……」
「ジャス、それではない。私が追記したものだろう? 陛下」
何を書き加えたのかは知らないが、狼狽しているあたり。きっと、養父はとんでもない要求を王へしているに違いない。
「これは、なんと言うか……レオナルドが不憫じゃないか?」
「何をいう。聖女の手を離した本人の心配など、何故しなければならない? こちらは、あのアホの妃なぞ断り続けていたのに、勝手に進めたのが悪い。それより、諸々、金の工面は手伝わないように。監視下に置いておくから、少しでも……」
「わかっています、兄上。最後の婚約も承認しましょう。ところで、兄上」
「なんだ?」
「本人たちは、それでいいと言っているのですか?」
王が養父に問うと、めんどくさそうにこちらを見た。何か、言われるのかと身構えていると、名を呼ばれる。
「ジャス」
「……はい」
「アルメリアと婚約はしたいと思うか?」
突然の申し出。昨日の質問が繋がった。目を細め、当たり前だと言うように微笑む。
「アルメリアが、望んでくれるなら」
「逆だ。ジャスが望むなら、アルメリアとの婚約を進める」
「ありがたいお話です。それでは、進めてください」
「本人の了承は得た。元々、ジャスが目覚めた結果から分かるように、こうするのがこの国にとって1番いい在り方だったんだ。それを老害どもに乗せられおって。だいたいだな!」
「ち、養父上! 落ち着いてください!」
イキイキと愚痴を言い始めた養父とは異なり、王はすっかり意気消沈だった。側に侍っていた近侍も王から少し距離をとり、大きく頷いていた。全く味方がいなくなってしまった王、もとい、父が不憫に思う。が、眠り続けた僕を庇護してくれていた養父の方に愛情が傾くのは必然。縋るような視線を父から送られたが、少しだけ養父の背中へと隠れた。
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養父の意外な一面に驚きながら、何度目かもわからない角を曲がった。
「こちらになります」と近侍に連れられ着いた先に質素な廊下には似つかわしくない重厚そうな扉があった。こぎみよくノックすると、よく通る声で「入れ」と聴こえてくる。
「失礼します」と、近侍の後に着いて入った。部屋の奥は執務室のようになっており、一人の男性が何か書き物をしている。
……この人が、この国の国王で、僕の父親か。確かに、今の僕と似ているかも……しれない。
銀の髪に金の瞳をしている草臥れたおじさんが難しい顔で出迎えてくれる。どう見ても、養父の方が若々しくハツラツとしているように見えるのは、王の公務が激務だからだろうか? 観察しながらもあまり見ないように気を付ける。
「よくきてくれた、公爵」
「よくきてくれただ? おい、どの口が言っているんだ? ん?」
開口一口目。辛辣な言葉を投げかける養父に驚いた。養父はこの国中で誰もが一目置くほどの礼儀作法が出来ている人だと言われている。王に向かって、家族以上にかける言葉以上に砕けた言葉遣いだったことが信じられない。
養父が剣呑と王に向かって睨みをきかせる。王の方が肩を震わせ、近侍の方を見て、何か合図を追っていた。その姿は、一国の王と言うより、兄に叱られる直前の弟のようであり、あのレオナルドを思い出させる。
「公爵様、お気持ちは重々わかります。まずは、こちらに」
「あぁ、わかった。そなたは、いつでも、アイツの味方だからなっ!」
「そんなことはございませんよ? 私にだって、もちろん思うところはあります。今回のこと、私は私なりに陛下へは相当な抗議をいたしましたし……腹もだいぶたっております。だいたいですね?」
「「あの王太子では、国が無くなる!」」
見事に養父と近侍の声が重なった。絶妙な感じであったため、聞いていた方はドキドキさせられる。
「陛下っ!」
「はいっ、兄上!」
「甘やかしすぎだ! なんなんだ? あのアホな王太子は。私の娘を夜会中の公衆の面前で婚約破棄だと? 頭がおかしいのか?」
「……兄上、その件に関してまして、息子にも充分言い聞かせて……おるところで……王妃の方からも言い聞かせてはいるのですが、その婚約破棄の破棄を……」
苦虫を噛みしめるかのような表情をしたかと思えば、取り入るように懇願しようとしている。ますます、レオナルドに似ていると思わされた。
「誰がそんなものを受け入れる? 自分がアルメリアの父だと仮定してみろ? 一族郎党、無残に切り刻んでも許し難し!」
「兄上……その怒りをなんとか! 何とかお納めください!」
「ふっ、無理な話だ。私以前に、アルメリアなんてせいせいしたような顔で、慰謝料やら賠償金やら補償金、あのアホのせいで事業に対する負の債務を作った部分についての請求なんかを昨夜帰ってきてから、嬉々として作成していたぞ?」
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「あたりまえだろう? アルメリアがどれほど、あのアホのせいで、苦労をしてきたか、知らぬとは言わせぬ!」
「愚かなことをしでかしたレオナルドのことは、王妃と共に対応します。どうか、どうか、アルメリアを王太子妃にと説得してください……!」
ガンッ!
養父が怒り任せに机を蹴り、大きな音が執務室に響き渡った。見た目にはわからなかったが、養父は相当怒っていたようで、王の一言でとうとうキレたのだ。
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青くなる王からは、次の言葉も出ず、ただ、静かに……されど、大炎上している怒りを目に込めて、養父は睨んだ。
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「なんだ?」
「本人たちは、それでいいと言っているのですか?」
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「……はい」
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