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乳母とお姫様

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「ユイカ探していたんだぞ…一人でフラフラして危ないじゃないか!」



見栄麗しい王子様に怒られる私…

出会い頭にいきなり怒られる、私そんなに悪い事したかな?なんだか理不尽な気がして首をひねる



「ユイカさんって、もしや貴方様が。ずっとお会いしたかったんです私の旦那様の乳母様ですね。」



今度は見栄麗しいお姫様に、頭から足の先までジロジロ見られフッと微笑まれる…

怒られた事にモヤッとしてる中、今度はジロジロ初対面の人に見られ、確かに貴方様は見栄麗しいお姫様ですがさすがに失礼じゃございませんか?美しい王妃様だからって無作法だと思うのですが…と言いたいが言えない私は平民ですもの…



「確かにご立派なお胸ですわね、私の旦那様が乳母離れ出来ないのも納得しましたわ、でもいい加減乳離れしなきゃですわね。うふふ~」



あれ…?なんか姫様に軽いマウントとられてませんか…?

それも乳母様って乳の母と書いて乳母ですが、いつから私は乳母に、授乳した記憶はごさいませんが?確かにおっぱい星人の息子が一人おりました、泣いてもおっぱいに挟まれプルプルするとご機嫌になるエロ息子が一匹…

正確には今目の前に王子様になっておりますね。



「エリエール失礼だぞ!ユイカは乳母ではない、我の育ての親で恩人なんだと何度も説明してるだろ…」


「ええ旦那様存じてますわ、旦那様が義理母おかさまをお名前でお呼びするからちょっと私焼き餅を焼いてしまいましたの、お許しくださいね」


「解ってくれればいいのだ…」


「義理母おかさまもお許しくださいね」



この状況で憤慨して怒れるわけもなく苦笑いを浮かべる私、確実にこの会話から王妃様は私にマウントをとろうとしてるだろう。




「お気になさらないで下さい…」



「義理母おかさまがお優しいお方でよかったですわ、旦那様も幼少期は義理母おかさまにいっぱい甘えていたんでしょうね、うふふふ~」


「エリエール…席を外してくれないか、ユイカいや母上と二人で話がしたいんだ…」



りっちゃんに初めて母上と呼ばれた、ママとは言われた事があったのだが母上と呼ばれるの初めて、男の子はこうやって成長していくんだろうな思わず感傷にふける、そう私はこの子の母親なのだ。けっして勘違いしてはいけない私達は恋仲になんかになってないしあれは夢なのだ幻だったんだ…


りっちゃんとの心の距離を感じる…

でも…祝福しなければ王妃様そうエリエール様にマウントとられいても、彼が彼女を望むなら祝福しなければ…



「まぁ~旦那様やっと私達こうやって魂の片割れ運命の番だとお互い認識できるようになり心が繋がりましたわよね?これから蜜月へ入るのに私を置いてお二人でお話をするのですか?」


「少しだけだ僅かな時間をくれないか…」


「義理母おかさまはお優しい方ですよね、閨事のご教育まで旦那様にして頂いて私が至らないばかりに、でもこれからはご安心してくださいね」



「くっ…」



どこまで馬鹿にされればいいのだ、私が嫌いで憎くいのはよくわかる嫌味をありがとう。王妃様はりっちゃんと私が二人きりになるのを許さないと釘を刺しているんだ、安心して欲しい私はこの国から出国するつもりだし、二人の邪魔はしないからそんなに頭から角をだして敵意まるだしで嫌味言わないで欲しい。

実際問題こんな嫁が嫁いできたら、私は意地悪姑になってしまいそう同居とかじゃなくてよかった~母はちゃんと自活し1人で生きていくから安心して下さい。そんな意地悪な自分にはなりたくないしね…



「エリエール!!いい加減にしてくれ!」


「旦那様何をそんなに怒っていらっしゃるの?」


「王妃様いえ…エリエール様ご安心ください、お二人の邪魔をするつもりはございません。数日で元いた村に1人で帰る予定ですし、りっちゃんいえ元竜王様との仲を勘違いさせる噂がたってしまったのも私の落ち度です。一晩昔のように親子みたいに添い寝をしただけなのでございます、勘違いをさせる行動をしてしまい申し訳ございません」



「は…母上…?ユイカ…ユイカたん!?」



「まぁぁぁ~そうだったのですか…家臣達が面白おかしく噂に尾ひれをつけてしまったのかしら。旦那様も確かに義理母おかさまとの仲を否定されてましたもんね。私嫉妬深くてなりませんわね…再度申し訳ございませんお許しくださいませ」



絶対信じてないくせに…



「ユイ…母上…1人で帰るって!貴方はいったい何を言っているんだ…」


「リザス・ティック・バーン様貴方様のお幸せをお祈りしております。」



「僕はその名では…いやそう…エリエールは我の番で…でもでも…」



何やら困惑してるりっちゃん…


ごめんでもママも余裕ないんだ…



「りっちゃん幸せになるのよ、今生こそ悔いの残らない人生を」




目を剃らさずしっかりりっちゃんの目を見て私の意思を表明する。

さようなら…大好きなりっちゃん…




「旦那様 旦那様落ち着いて私が側におりますから落ち着いて…」


「あ~エリエール我の魂の片割れ運命の番、君が居てくれれば救われる…救われた事があったのか?我?僕が救われるたのはエリエールのお蔭??」


「旦那様こちらを見て…昨晩から体調がすぐれないのですから無理をなさらないで、私の瞳をみてください落ち着きますから…」



「あぁぁ~愛しい人エリエール…」


「旦那様…」



美男子と美女がみつめ合い人目も憚らず口付けをした、まるで物語の王子様が眠り姫を起こすように甘く優しい口付けをする。

二人にはもう周りなど見えていない、頬を優しく撫でて二人だけの世界をお作りになった




やめて…


やめて…



もぉ~わかってるから番の二人の邪魔はしないって言ってるじゃない。なんで目の前で、私以外と口付けをするりっちゃんを見なければいけないの…これは虐めなの…それとも苦行…?





「元竜王様、王妃様もぉ~宜しいでしょうか?彼女は去ると言っているこれ以上引き留めるのも変な話ですよね?お二方も早く二人きりになりたいのでは…?」





背後に居た黒猫がパチンと指を打つ、その音が廊下中に響き渡り魔法が解けるかのような静寂がひろがった。

黒猫はスッと前に出て今にも泣きそうな彼女を猫の背後へと庇った。



よかった今の私の顔は絶対おぞましいぐらい歪んでる…そんな顔を皆にみせなくてよかった





「!!!」



「旦那様いきましょう…」



「あぁ…エリエールが言うならば…」




エリエール様に支えられ、りっちゃんは逆方向へとフラフラと歩いて行く。

最初に怒って声をかけてきた様子とは全然違い、まるで操られている人形の様にフラフラと進む何か違和感を感じて心配になる私…



「クロさん…りっちゃんの様子がおかしくないですか…?」


「さぁ~?それより会場に戻る気がないなら帰り支度してエクリサー邸に泊まりましょう、明日でもたったと出国しちゃいましょう!」



「えっ…まだお別れの挨拶とか色々と…」




慌てる私をよそにクロさんはグイグイと私の背中を押して歩ませようとする。

どうやらりっちゃんと二人きりでお別れの挨拶は出来ないようだ



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