上 下
24 / 42

幼妻は最強!

しおりを挟む
エクリサー先生のお屋敷はそれはそれは豪華で広かった、出迎えの使用人の多さにも驚いたがそれよりも驚いたのが…


ぐぬぬぬ…



幼妻だとぉぉぉ…



エクリサー先生の溺愛する奥様はそれはそれは小さく小柄で愛らしい幼妻だった。私とクロさんの突然の来訪にキョトンとしてる姿はとても愛らしく、エクリサー先生はその姿に『うちの嫁が可愛いすぎて辛いと』プルプル震えズカズカと奥様の前に歩いていけば軽々と奥様を抱っこしてチュッチュッと一目も憚らず頭上や額に惜しみない愛情と口付けをおとす。

奥様は必死に抵抗するが、魅了魔法にかかった様にエクリサー先生は頬を緩ませますます激しく口付けを行いしまいにはブッチューとディープキスを私達の目の前で披露された。


いえね…幼妻ラブなのはわかりましたが、さすがに目のやり場に困りますし我が家に滞在時は、紳士的な対応と口調でしたのでここまで一目も憚らず熱愛ぶりを披露されるとは予想外で、キョロキョロオロオロたまにチラチラ、そんな私の動揺を他所に沢山の使用人の方々は慣れた感じなのかまったく動揺せず淡々とその場に佇んでいた。




「こりゃぁぁぁぁ!旦那しゃまぁぁぁ離ちて~!お客様に失礼でちょ~」



その上幼妻それは卑怯だズルいその舌足らずな話し方同性の私すら激しく萌えるんですけど、見た目も幼いのに話し方までそれって一部熱狂的な方々に愛されまくるその設定、激しく可愛いですけど…クルクル縦ロールの髪型がどこかのお姫様みたいに愛らしく牛娘もこんな娘が欲しい、いや妹でもいいから欲しい仲良くしたい!この夫婦見た目は父と娘のような身長差でいかがわしい妄想を激しく膨らみ溢れさせる。エクリサー先生はロリ属性だったのか、知的で紳士なイメージがどんどん崩壊していくがふっと過去の会話を思い出す

『りっちゃん様まさか使用済み下着をお手に入れたとは、それはそれはなんたる貴重な物を生涯の宝ですなぁ。私は愛する嫁下着コレクションNO10を我が家に置いてきてしまい1~9では心許なく・・やはり1ヶ月程お暇を頂きたいです・・・・』



あ…



コイツもヤバイ奴だったな…




「アイシャ私のアイシャ~私を出迎えてそのキョトン顔は反則ですよ~可愛くて愛しくて口付けをせずには居られません~ん~チュッチュッ~」



「うっしゃい~早く私を降ろしなしゃい~お客様に失礼だしお見苦しいですわよ!あぁぁ~うっとちぃ~」



ペチペチ幼妻がエクリサー先生の腕を叩いているがまったく微動だにせず先生は嬉しいそうにふやけている…うん…あんまその姿みたくなかったような…



「もぉ~アイシャ全然痛くないよ…」


「いい加減にちてぇぇぇ~これ以上するなら私家出しましゅわよ~!貴方が苦手なお父様の元に帰りましゅからぁぁぁ~」


「うっっっ…ごめんなさいアイシャ…余りにもアイシャが可愛いすぎて…」



やっと暴走ロリ先生が落ち着きを取り戻したようだ、ふっと私達に振り返り幼妻に私達を紹介し始めた。



「明日アイシャが私に内緒にして会う予定だった二人だよ…」



「まぁぁぁ~クロは知ってるけど、貴方がもちかちてユイカたん?初めましてこの変態竜人の嫁のアイシャです。元竜王様からは色々お噂は聞いてまちたが、こんな幼き愛らしい牛娘さんだなんて」



パァ~と頬を赤く染めアイシャさんはこちらを見つめる、いやいやちょっと待って下さいよ。あなた様に幼きと言われるのはなんだか複雑な気持ちに、好意的な視線は伺えのですがどうみてもあなた様より大人ですし背丈も見た目も成人女性なんですよ……




「でもおかちいわね…?ユイカたんは黒髪黒い瞳の人間だって…」


「あぁぁ~アイシャ良く覚えていたねぇ~家の嫁は賢い!」


「うっしゃい黙れ!!」



アイシャさん旦那に冷たぁぁ~そこがまた可愛い…


てっ!!ほのぼのしてる場合ではない急いでフードを脱ぎ深々と頭を下げる。この方なのだアイシャさんではないアイシャ様だ、見た目は愛らしいお姫様だが、このお方が我が家の食材を潤してくれた女神様なのだから、頭が高い控えおろぉ~水戸校門様に頭を下げる町娘のように深々と頭を下げる



「初めましてユイカと申します。本来ならもっと早くあなた様にはお礼と感謝を伝えなければならなかったのに、大変遅くなってしまい申し訳ございません。この一年間大量の食材とりっちゃんへの養育費を毎週毎週送って頂きありがとうございました。」


「えっ?養育費…?それに牛しゃん角が無い…あら人間しゃんですわぁ~黒髪いいでしゅわねぇ~」


しげしげと見つめられてるいや興味深く観察されてるのか…


「確かにあなた様に比べればあまり豊かな生活をおくれてないかもしれませんが、でも私とて成人女性で僅かながら働いており自活しております。りっちゃんが旅立だった今当たり前の顔で頂くわけにはいきません、そして今までの養育費も一部使いましたが残してあります。使ってしまった分は後程補てんしますのでこのお金をお返しいたします」



急いで荷物から分厚い封筒を取り出しアイシャさんに渡そうとする



「ユイカたんは律儀な方なんでしゅね、あれは養育費という形ではなかったんでしゅが…元竜王様は何にも話してないんでしゅのね。あのお金は元々リザスティク様のご資産なんでしゅのよ、彼が成長する過程で必要経費、彼自身の前世のお金といいましゅか…」


「えっ…りっちゃんの資産…」


「こんな玄関でしゅるお話ではないでしゅわねぇ~旦那しゃまお客様におもてなしお!いつまでも腑抜けた顔してるんじゃないでしゅわぁぁ~」



アイシャ様は抱っこされてる状態で、エクリサー先生の頬を往復ビンタしている。パチーンパチーンと良い音が響くがエクリサー先生は叩かれているのにビクッともせずアイシャ様を抱っこし続ける



「アイシャ~その女王様対応も可愛いねぇ~すごく良い私の好感度百点満点だよ。家の嫁が可愛いすぎてヤヴァぃ…でもね私に内緒でこの者達と会瀬しようとした罰のお仕置きは後程…」


「うっしゃい~!お前達この腑抜け主はほっといてお客様をおもてなしをぉ~夕食の準備なしゃなさ~い!!」


『畏まりました奥様!!』



躾の良くなされた使用人達は一斉に各自の持ち場に向かい捌けて行った。いきなりの来訪なのにおもてなしなど恐れ多く慌ててクロさんと辞退しようと発言する




「アイシャ様そんな申し訳ないです、我らは本日は宿をとり明日改めて来訪させて頂きます」


「クロ何言ってるでしゅのぉ~貴方には私大変お世話になっておりましゅ!それに貴方の黒猫尻尾を十分にお手入れしたいでしゅのぉ~本当貴方は素敵なイケ猫よねぇ~惚れぼれしましゅ~」



アイシャ様はうっとりした瞳でクロさんを見つめるが、アイシャ様の背後から烈火の炎が燃え上がり嫉妬丸出しのエクリサー先生が凄い目付きで睨み付ける



「だから嫌だったんです…エクリサー様のご不在の時にユイカさんをお連れする予定だったのに…」


「なんか色々スミマセン…」


「クロ…アイシャを見るな触れるな近付くな!!お前だけは夕食は無しだ…そもそも我が屋敷から出ていけ!!」




ボッフ!!



アイシャ様の素敵な右ストレートがエクリサー先生の頬に埋り、プッシャーーーと見栄麗しいお顔から赤い水飛沫が噴き出す。鼻血ですよねその水飛沫…竜人騎士エクリサー先生が幼妻の右ストレートで鼻血…アイシャ様見掛けによらず狂暴ですわね…

殴られた反動でエクリサー先生は後方へとよたり、やっと解放されたとばかりスタリと見事な着地をするアイシャ様におもわずパチパチと拍手をおくる。




「さぁ~お二人度が過ぎる変態はほっといてどうぞ此方へ」




えっ!?流血してる旦那エクリサー放置?幼妻最強だな、見目も可愛いがなにより逞しい竜人に嫁ぐにはここまでタフにならないといけなのかしら



「私ユイカたんに会いたかったんでしゅわ~執着が過ぎる変態竜人の愚痴大会をしたくて本当お会い出来て嬉ちぃ~」


「はぁ~」


「一杯お話ちまちょうねぇぇ~♪」




エクリサー先生を放置して私達一行はアイシャ様の指示に従い夕食の支度の整った部屋へと移動することになったのだった。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

大好きだけど、結婚はできません!〜強面彼氏に強引に溺愛されて、困っています〜

楠結衣
恋愛
冷たい川に落ちてしまったリス獣人のミーナは、薄れゆく意識の中、水中を飛ぶような速さで泳いできた一人の青年に助け出される。 ミーナを助けてくれた鍛冶屋のリュークは、鋭く睨むワイルドな人で。思わず身をすくませたけど、見た目と違って優しいリュークに次第に心惹かれていく。 さらに結婚を前提の告白をされてしまうのだけど、リュークの夢は故郷で鍛冶屋をひらくことだと告げられて。 (リュークのことは好きだけど、彼が住むのは北にある氷の国。寒すぎると冬眠してしまう私には無理!) と断ったのに、なぜか諦めないリュークと期限付きでお試しの恋人に?! 「泊まっていい?」 「今日、泊まってけ」 「俺の故郷で結婚してほしい!」 あまく溺愛してくるリュークに、ミーナの好きの気持ちは加速していく。 やっぱり、氷の国に一緒に行きたい!寒さに慣れると決意したミーナはある行動に出る……。 ミーナの一途な想いの行方は?二人の恋の結末は?! 健気でかわいいリス獣人と、見た目が怖いのに甘々なペンギン獣人の恋物語。 一途で溺愛なハッピーエンドストーリーです。 *小説家になろう様でも掲載しています

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。 ※アルファポリス先行公開。 ※表紙はAIにより作成したものです。

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~

さとう
ファンタジー
 町の電気工事士であり、なんでも屋でもある織田玄徳は、仕事をそこそこやりつつ自由な暮らしをしていた。  結婚は人生の墓場……父親が嫁さんで苦労しているのを見て育ったため、結婚して子供を作り幸せな家庭を作るという『呪いの言葉』を嫌悪し、生涯独身、自分だけのために稼いだ金を使うと決め、独身生活を満喫。趣味の釣り、バイク、キャンプなどを楽しみつつ、人生を謳歌していた。  そんなある日。電気工事の仕事で感電死……まだまだやりたいことがあったのにと嘆くと、なんと異世界転生していた!!  これは、異世界で工務店の仕事をしながら、異世界で独身生活を満喫するおじさんの物語。

処理中です...