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「ただいま・・・・」
シーンと静まりかえった暗い部屋、この世界の夜は魔法石なる石が光って明かりとなる。魔力が無い私でも扱えるようにカイザー兄さんが改良してくれた手を触れるだけで部屋に灯りがともされ明るくなる。この家はこんなに広かったけかな?ご飯を作る気も起きず、着替えもせずセミダブルのベッドに倒れこむ様に寝転ぶ、部屋を見渡してもこの家に居るのは私だけ、少し寒い今は寒くなる季節には少し早いのになぜだか肌寒くて悲しい・・・
りっちゃんが旅立ってから1ヶ月が経過した。3日で帰ると告げ寂しそうに旅立ったあの子。3日たっても1週間たっても何も音沙汰無く時間だけが過ぎていく・・・・
りっちゃんの身に何かあったのでは!?助けに行かなければと衝動にかられた矢先に1通の手紙が届いた。
心配をかけて申し訳ないと詫びる文章と、まだ帰れないと詳細は何も書かずただ待ってて欲しいと。きっとこの手紙を送る時に検閲されてる可能性がある、敵派閥に情報が漏れない為詳細を伏せているのだろうと推測出来るがただ待つってどのぐらい?予測出来ない期間に不安と心配が降り積もる。
「はぁ~」
ベッドで何度も寝転びながら、何もわからない状況と何も出来ない歯がゆさにジレンマを感じる。ギューとりっちゃんの枕を抱き締め、微かにあの子の臭いがすれば、二人の思い出が甦る寒い夜は隙間が無いぐらいギューギュー抱き合って寝ていた。でも深夜なると布団を蹴っ飛ばしてしまう
あの子今は元気なのかしら?辛い思いをしてない?
・
・
・
・
・
・
「おい!!ユイカいい加減飲み過ぎだぞ、お前そんなに酒に強くないんだから今夜はこのぐらいにしとけよ」
「カイザー兄さんうっしゃいにゃ~せっかくドクダミ化粧水がヒットして飛ぶように売れるようになったお祝い酒なんだりゃ~呑まれしぇろぉぉぉ~」
「本当ユイカちゃん頑張ったわよね、最近ユイカコーナーのよもぎ入浴剤とドクダミ化粧水は沢山の雌に大好評で売り切れ続出よ、次回入荷を聞かれて大変なんだから♪」
「これもクッキーさんのお陰でしゅ~クッキーさんのお店で試供品配って沢山の方々に知ってもらったから、それもお店の一部にユイカコーナー作ってくれて本当うれふぃ~」
「ユイカご機嫌だったのに泣き上戸になるなよぉ~お前の商品がまさかこんなに売れるとはなぁ~」
「この世界は魔法に頼りすぎてふぅ~沢山の実りは私達の美容と健康に役立つのにその知識が無いなんてもったいでふぅ~只の雑草では無いでふぅ~お酒もう一杯くらはーーーい!!」
ユイカの商品は噂が噂を呼びついに、隣の王都からも貴婦人達が使いを寄越し買い求める様になったのだ。王都の店にも卸して欲しいと依頼まできてる、ユイカ1人では大量生産は困難なのでまだクッキーさんの店にしか置いてない。その事がまたプレミアム効果を発動し入荷しても即完売になる勢いで大繁盛御礼状態、今日はその打ち上げにクッキーさんと祝い酒に酒場に来た。
売上の一部はクッキーさんに献上している、無料でスペースをお借りしているので当然の事だ。
「うふふふ~ユイカちゃん真っ赤になっちゃって酔ってるわね。ちゃんとご飯食べないでエール大量に飲んで、あんたの身内のカイザーが酒場に居てよかったよ~このまんまじゃ1人で帰せないからね」
「クッキーしゃんよかったでふぅ~♪」
「この酔っぱらい!!俺がたまたま酒場に居たから良かったけどお前独身雌の自覚あるのか」
「独身雌か・・・・もぉ~臭い付け効果は無くなっちゃったんだね・・・・あんにゃに消そうと必死だったのに、あれぇぇぇ~おかしいなぁ~」
「ちょっと!!カイザーあんたユイカちゃんが必死に忘れ様としてるのに、余計な事言うんじゃないよ。この子だから必死にこの商売に生き甲斐をみつけるのに!!」
そうだ・・・・私はこの商売に全力投球他の事なんて考える暇なんてない
考えない
考えたくない
「ユイカは大金持ちになるんでふぅぅ~お兄さ~んエールもう一杯ちょうらぁ~い」
ケタケタ笑いグビグビ酒を飲むユイカを二人は心配そうにみつめる。ユイカは隣のお客さん達にまで絡んで乾杯とおおはしゃぎをする、その襟首を掴んでカイザーが必死に止めた。
ぶぅ~と垂れながら、コテンとテーブルに突っ伏し寝始める。
「カイザー、りっちゃんからあれから連絡は?」
「クッキーそれが全くだ、旅立って3ヶ月俺だって騎士団のツテを使っているんだが、竜人国が混乱してるって噂しかわからない・・・・」
「私は腹がたって仕方ないよ、将来を見据えてるとばかり思ってたのに結局は高位のお方は私達平民を弄んでただけなのかい・・・・見捨てるなら夢など見せなければ良いのに・・・・」
「確かにな・・・・」
苦虫を潰した顔をしたカイザーが、ユイカの頭を優しく撫でる
「むにゃ・・・・りっちゃん・・布団蹴っ飛ばしちゃダメだよ・・・・むにゃむにゃ」
ユイカの寝言にクッキーの目頭が熱くなる
りっちゃん元気ですか?
貴方が旅立ってから3ヶ月、私の家はとても広く寒いです。貴方が居なくなって私の心はぽっかり穴が空いてしまい虚しく寂しいです、必死に埋めようとするのですがふっとした瞬間に貴方を思い出します。
さよならも告げず置いてかれるのは寂しいです、こんなに寂しいなら貴方をいやあの時に卵を拾わなければよかった、食べられないなら拾わず捨ててしまえばよかった。
シーンと静まりかえった暗い部屋、この世界の夜は魔法石なる石が光って明かりとなる。魔力が無い私でも扱えるようにカイザー兄さんが改良してくれた手を触れるだけで部屋に灯りがともされ明るくなる。この家はこんなに広かったけかな?ご飯を作る気も起きず、着替えもせずセミダブルのベッドに倒れこむ様に寝転ぶ、部屋を見渡してもこの家に居るのは私だけ、少し寒い今は寒くなる季節には少し早いのになぜだか肌寒くて悲しい・・・
りっちゃんが旅立ってから1ヶ月が経過した。3日で帰ると告げ寂しそうに旅立ったあの子。3日たっても1週間たっても何も音沙汰無く時間だけが過ぎていく・・・・
りっちゃんの身に何かあったのでは!?助けに行かなければと衝動にかられた矢先に1通の手紙が届いた。
心配をかけて申し訳ないと詫びる文章と、まだ帰れないと詳細は何も書かずただ待ってて欲しいと。きっとこの手紙を送る時に検閲されてる可能性がある、敵派閥に情報が漏れない為詳細を伏せているのだろうと推測出来るがただ待つってどのぐらい?予測出来ない期間に不安と心配が降り積もる。
「はぁ~」
ベッドで何度も寝転びながら、何もわからない状況と何も出来ない歯がゆさにジレンマを感じる。ギューとりっちゃんの枕を抱き締め、微かにあの子の臭いがすれば、二人の思い出が甦る寒い夜は隙間が無いぐらいギューギュー抱き合って寝ていた。でも深夜なると布団を蹴っ飛ばしてしまう
あの子今は元気なのかしら?辛い思いをしてない?
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「おい!!ユイカいい加減飲み過ぎだぞ、お前そんなに酒に強くないんだから今夜はこのぐらいにしとけよ」
「カイザー兄さんうっしゃいにゃ~せっかくドクダミ化粧水がヒットして飛ぶように売れるようになったお祝い酒なんだりゃ~呑まれしぇろぉぉぉ~」
「本当ユイカちゃん頑張ったわよね、最近ユイカコーナーのよもぎ入浴剤とドクダミ化粧水は沢山の雌に大好評で売り切れ続出よ、次回入荷を聞かれて大変なんだから♪」
「これもクッキーさんのお陰でしゅ~クッキーさんのお店で試供品配って沢山の方々に知ってもらったから、それもお店の一部にユイカコーナー作ってくれて本当うれふぃ~」
「ユイカご機嫌だったのに泣き上戸になるなよぉ~お前の商品がまさかこんなに売れるとはなぁ~」
「この世界は魔法に頼りすぎてふぅ~沢山の実りは私達の美容と健康に役立つのにその知識が無いなんてもったいでふぅ~只の雑草では無いでふぅ~お酒もう一杯くらはーーーい!!」
ユイカの商品は噂が噂を呼びついに、隣の王都からも貴婦人達が使いを寄越し買い求める様になったのだ。王都の店にも卸して欲しいと依頼まできてる、ユイカ1人では大量生産は困難なのでまだクッキーさんの店にしか置いてない。その事がまたプレミアム効果を発動し入荷しても即完売になる勢いで大繁盛御礼状態、今日はその打ち上げにクッキーさんと祝い酒に酒場に来た。
売上の一部はクッキーさんに献上している、無料でスペースをお借りしているので当然の事だ。
「うふふふ~ユイカちゃん真っ赤になっちゃって酔ってるわね。ちゃんとご飯食べないでエール大量に飲んで、あんたの身内のカイザーが酒場に居てよかったよ~このまんまじゃ1人で帰せないからね」
「クッキーしゃんよかったでふぅ~♪」
「この酔っぱらい!!俺がたまたま酒場に居たから良かったけどお前独身雌の自覚あるのか」
「独身雌か・・・・もぉ~臭い付け効果は無くなっちゃったんだね・・・・あんにゃに消そうと必死だったのに、あれぇぇぇ~おかしいなぁ~」
「ちょっと!!カイザーあんたユイカちゃんが必死に忘れ様としてるのに、余計な事言うんじゃないよ。この子だから必死にこの商売に生き甲斐をみつけるのに!!」
そうだ・・・・私はこの商売に全力投球他の事なんて考える暇なんてない
考えない
考えたくない
「ユイカは大金持ちになるんでふぅぅ~お兄さ~んエールもう一杯ちょうらぁ~い」
ケタケタ笑いグビグビ酒を飲むユイカを二人は心配そうにみつめる。ユイカは隣のお客さん達にまで絡んで乾杯とおおはしゃぎをする、その襟首を掴んでカイザーが必死に止めた。
ぶぅ~と垂れながら、コテンとテーブルに突っ伏し寝始める。
「カイザー、りっちゃんからあれから連絡は?」
「クッキーそれが全くだ、旅立って3ヶ月俺だって騎士団のツテを使っているんだが、竜人国が混乱してるって噂しかわからない・・・・」
「私は腹がたって仕方ないよ、将来を見据えてるとばかり思ってたのに結局は高位のお方は私達平民を弄んでただけなのかい・・・・見捨てるなら夢など見せなければ良いのに・・・・」
「確かにな・・・・」
苦虫を潰した顔をしたカイザーが、ユイカの頭を優しく撫でる
「むにゃ・・・・りっちゃん・・布団蹴っ飛ばしちゃダメだよ・・・・むにゃむにゃ」
ユイカの寝言にクッキーの目頭が熱くなる
りっちゃん元気ですか?
貴方が旅立ってから3ヶ月、私の家はとても広く寒いです。貴方が居なくなって私の心はぽっかり穴が空いてしまい虚しく寂しいです、必死に埋めようとするのですがふっとした瞬間に貴方を思い出します。
さよならも告げず置いてかれるのは寂しいです、こんなに寂しいなら貴方をいやあの時に卵を拾わなければよかった、食べられないなら拾わず捨ててしまえばよかった。
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しおりを挟んでくださっている皆様へ。
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