予想外な展開は期待してません

おんちゃん

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3章

イベントが開始されたらしいです⑬

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ハァハァと荒い呼吸を繰り返し、飢えた獣がやっと制止した。グテリと私の上に覆い被さり寝転びそのまま横に倒れこみ私を抱き締める、どうやら賢者タイムに突入したみたいだ。


大荒波から溺れながらも命だけは守りきったが、私の心はボロボロのズタボロだよ。ヨロヨロと抱き込まれている腕から脱出を試みるが、僅かな隙間が開けば、賢者タイム中の彼なのに強い力で元の定位置に戻される。

スンスン私の首筋の臭いを嗅がないで欲しい、首筋に貴方の柔らかい髪があたりくすぐったくて身を捩るが…はい!!逃げれません…



「だから…逃げられないんだってば、わからない子だな…」


「わがりたくありまふぇん…」



散々喘いで大泣きした私の声は鼻声で情けない、落ちぶれた武士だけどここは武士の心意気でぎゃっふんと叱りつけ彼の悪行を成敗しなければならないのに…



「鼻声だね…いっぱい泣かせて…ごめん…ね…」



賢者タイム突入したお蔭か彼の態度が随分しおらしくなった。頭をヨシヨシされるといつもみたいに振り向いて抱き付きたくなるけど、落武者の私にだって意地があるここで絆されたりなんかしない。



「やっぱ…怒ってるよね…ごめん…本当ごめんなさい」



いつもの優しい声で耳元で囁きかけられると、背筋がゾクゾクする。結局はピヨ男さんに惚れてる私の心はグラグラ揺れ始める。

元はといえば私が彼の連絡を無視し続け、自宅に来た連絡もパパがノリノリでシャットアウトしていた。



嘘をつかれた事はショックだし傷ついたけど、逃げ回るだけで話し合おうとしなかった私も大人げなかった。別れるにしろ縁があってお付き合いした仲なのだから一方的に音信不通になるのは不誠実だったのだ。



いや…


いやいや…待てよ…



それを踏まえてもこの抱かれ方はないだろ!!

どんどん沸々と怒りが沸いてくる、不誠実な対応をしたが、奴は強姦とも違わない行為を実行したんだぞ!



「うううう…あかり…ごめんなさい…」



はぅぅぅ…だんだんピヨたんの声が小さくなって悲しそうだ、ぐっすんぐっすん言ってるし…まさかピヨたん泣いてるの!?泣いて謝るぐらいなら、そもそもこんな事しなければいいのに…




「…そうだよね…だったもんね…それはあかりんも満足出来ずに怒ってるよね…」



…ひどい早漏の例え。性交の際、挿入後ろくに前後運動もしないうちに射精に達してしまう様子

つまりピヨたんは早漏でごめんなさいと謝罪しているとな!?



「あやまるのそこじゃなぁぁぁぁい!!」


「だって…だって…久しぶりだったから…ぼ…僕我慢出来なくて…」



あまりに検討違いな謝罪に困惑し、振り向いて彼をみればピヨたんは自分の顔を手で覆って恥ずかしさと、情けなさでイヤイヤと顔を振るって情けない…情けないと落ち込んでいる…


くっ…

可愛い…



「でもね…でもね…あかりん考えて欲しいんだ。大好きな僕のロリ巨乳あかりんを拘束したら、涙目ウルウル瞳で頬をピンクに染めながら前戯も無いのに湿っていたんだよ…つまりあかりんも興奮してたって事でしょ!!」


「生理現象です!!それに無理矢理するからすごく痛くて辛かった」


「ふぁぁ…本当ごめんね…その点は反省だね。でもグイグイすると少しづつ僕の僕があかりに迎え挿れられてね…そりゃあぁぁぁ君興奮するでしょぉぉ!みこすり半にもなりますよ!!こんな早漏野郎恥ずかしくてお婿にいけない!」



怖い…怖い…


元々大きな目をあますことなく開いて力説する貴方がとんでもなく怖い。それもなんか逆ギレに近い力説されてるんですけど、えっ!?私が悪いの!?みこすり半にさせた私が悪いの??


シクシク泣き真似しないで欲しいですけど…



「えっ…私が悪いの…?」


「いやあかりんは何にも悪く無い…服を脱がしてないのに乳房がプルンプルン震えて厭らしく揺れて飢えた狼には堪らなく煽られたけど…あかりんは悪く無い!!」



なんだろ…


この子ダメな奴だ…


いやいや…彼のペースに流されてはいけない、ここは私が落ち着かなければ一呼吸して頭を冷やす。



「なんでこんな事したの…?」


「なんでだって!?あかりんがあかりんが僕から逃げるから、君は君だけは絶対絶対絶対絶対離さない…好きなんだ好きって言葉だけじゃ足りないぐらい…で…」



パチーン!!



彼の発言を遮るように私は彼の頬をひっぱ叩いてた…


なら…なんでよ…!?

なんで嘘をついてヒロインと夜祭りデートしてたのよ、お似合いな二人を見た瞬間に私の役割を思いだし身を引くしかないじゃない…



「あっ…あかりん…?」


「好きならなんでも許される?好きなら私に嘘をついても良いの!?好きなら強姦してもいいの!?」



彼を叩いた手がヒリヒリするダメだ…

全然私も冷静じゃない…

暴力はよくない…

でも押さえられない感情が溢れて出て止まらない



「フザケルナ!!ふざけるな!!ふざけんなぁぁぁ!私だって私だって私だって貴方が好きだから貴方に見合う様に努力して我慢していつも笑顔で居たかった…でも嘘はダメ…嘘はダメだよ…そんなの信頼関係が築けない、信じたくても疑心がわく!貴方を信じられない…」



顔が一気に青ざめピヨ男さんがベッドに正座をして深々と土下座する。



「あ…あかり…ごめんなさいごめんなさい…僕君に甘えていたんだ…どこかで許してくれるって…全てをちゃんと話すから…ごめんなさい」



スクリと立ち上がりその場を去ろうとする私の手を掴んで、彼は何度も何度も頭を下げて謝罪し続ける。

まるで置いてかないでと迷子の子供の様に、涙を浮かべて私に謝罪する…


ポタポタと彼の涙が布団に落ち染み込んでいく…


一時間謝罪を繰り返すピヨ男さんに、結局私は逃げられず。お互い涙が落ち着いてから話し合う事になった、因みに部屋には鍵がかかっており私の逃亡は叶わなかった事を後程教えられた。

監禁する気マンマンだったこのヤンデレピヨたんを後程踏んづけたのはまだ先の話…

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