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2章

口は災いの元

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容疑者のように両手には手錠をされているわけでは無いのだが気分は犯罪者の様な気分にさせられる、優しく手を繋がられニコニコ顔は笑っている彼、『どこに行くの?』と問いかけも連行を拒否する事など許されず問答無用で連れていかれる。




「あの…ピヨ男さん、此処は来たことも見たことありますね」


「そうだね…僕の家の僕の部屋だね…」


「なぜ問答無用で此方の方に私は連れて来られたんでしょ?」


「だってあかりんに色々証明しなきゃいけないからね。どうやら僕はあかりんに信頼されて無い事が今日でよくわかったし、言葉だけじゃ足りないみたいだからちゃんと行動でわかってもらおうかと、もしかして外が良かったの?青姦あおかんの方が興奮するタイプ?」


「あ…あお…青姦!!」


「野外での性行為だよ…あかりんが望むなら僕も頑張るし今後の参考にするけど」



いやいやそんな事を訊ねてるわけではなく、なぜその様な思考になったのかがわからなく驚いてるわけで、ピヨ男さんの思考と行動がまったくわからない。腐女子の自覚はありますが野外プレーを出来たら第三者として覗く方が好きなんです、自分自身が行うのはさすがに…

地味モブ娘より見栄麗しい美青年達が勢いと衝動で野外プレーを実行する姿をこっそりガッツリ見守りたい…



「あかりんの乱れる姿や淫らな顔、凶悪なまでのを他の野郎に見せるのは嫌だな…」




「凶悪なまでのおっぱい…すごい言われ方を、確かに肩は凝るし重いし体調が悪い時には前方に倒れそうになったり、あとこんな地味顔なのに無駄におっきいから満員電車でおっぱいをツンツンされたり『厭らしい身体してるね』って油ギュッシュなおじ様に耳元で呟かれた時は背筋が凍る恐怖を覚えました…このおっぱいのせいで…」



思い出しても腹がたつ、なぜおっぱいがおっきいだけで淫乱娘だと勘違いされるのかもっとお綺麗で可愛らしい女子達もいらっしゃるなぜこの様な地味娘に痴漢などされるのか…

そもそも痴漢行為は犯罪です、毎度頑張って警察に突きだしてやろうとは思うのですが奴等の痴漢テクニックは巧妙で掌で触れてこない偶然ぶつかってしまった様に装うのです。

睨み付け身を引けばだいたいそれ以上の事はしないのですが、さすがに耳元で『厭らしい身体してるね』って囁かれた時は恐怖で固まってしまった、すぐ降りる駅だったからそれ以上はなかったけど…怖かったな…

それもこれもこのおっぱいのせいだ…

我が身にふさわしくないこのおっぱいめ!!




「このおっぱいをしまいたい…」



だって!!絶対ダメだよ、そんな僕の理想を詰め込んだ夢の体型なのに、それも満員電車で痴漢に遭ってるだって!!なんでそんな重要な事を彼氏の僕に相談しないの!」


「ふっひぃ~怖いわですピヨ男さん落ち着いて、だって毎朝じゃないですし、それに地味娘の勘違いかもしれませんし…」



「勘違いじゃないでしょ!それもおっさんに耳元で卑猥発言されてるでしょ!このお馬鹿明日から一緒に登校するよ、電車に乗らなくていい運転手にあかりんの家まで迎えに行って貰って一緒に登校するよ!」


「いやいやいや…ピヨ男さんお気持ちはありがたいのですが、貴方にはアイドルカインを演じる義務が…毎朝の登校は沢山のファンの方々の癒しで慰めなのです。それをこの地味娘が奪っていいわけがありません」




ハァーと重いため息をつかれ、牛乳瓶底眼鏡をはずしたピヨ男さんのお顔は怒っていた。

ガッと両肩を捕まれて痛いぐらい握られる



「あかりん…本気で言ってるの?大切な彼女が痴漢されてる事を放置して、まったく興味もない女子達に愛想を振り撒くことを優先しろと…フザケルな…」




ヒッ!!穏和なピヨ男さんが怒ってる




「色々とわからせなければいけないみたいだね…可愛いぶんだけたちが悪いとはこの事だ」




むくりと立ち上がったピヨ男さんが私を易々と持ち上げたと思ったら、大きなベッドへと私を投げつけた。バッフとベッドが軋み私はスプリングの利いたベッドへと着地した。高級なベッド様のおかげでまったく痛みはないが、乱暴的なピヨ男さんに混乱する




「ピヨ男さん…怒られてる…?」



「ここで怒られないとなぜ思う…?」



無表情のピヨ男さんが私に近付いてくる、なんだろ大きなクモの巣に捕らえた虫の気分になる。大きなクモの巣のベッドで身動きもとれず真剣な眼差しのピヨ男さんを見つめる事しか出来ない、プルプル震えすら沸き起こり何にピヨ男さんが怒っていらっしゃるのかわからない…

ゲームでいえばどこで選択肢を間違えたのか、セーブポイントがあるなら巻き戻したい心境だ。

せめて何か言って欲しい、どんどん距離をつめられる間も無言のピヨ男さん…座ってる身体をゆっくりお尻で後方に進むがあっという間にベッドの縁で通行止めに




「ピヨ男さん…よくわからないけど、怒ってらっしゃるならごめんなさい」


「なんで怒ってるのかわからないの…?」



あ~なんて綺麗な金髪のお御髪サラサラで触りたい頭を撫でたら気持ちよさそう、そして見目麗しい美形のお顔なぜそこまで全てのパーツが完璧なのか五秒間見つめるだけで心臓に悪い動悸息切れ…思わず鼻を押さえて鼻血を堪える

天上界のお人過ぎて眩しい、平々凡々モブ娘にはその神々しい光輝がキツイです。おもわず掌と掌を合わせてしまう




「あかりん何してるの…それは謝罪のポーズ?」


「いえ…カイン様のあまりの光輝に触れて拝まずにはいられません…ありがたや~ありがたや~」


「ちょっっ!!僕を勝手に神や仏みたいに拝まないでよ」


「私は愚かな腐った人間ですが、さすがに神を目の前して信仰する気持ちがあった様です。」


「もぉぉぉ!!どんどん話がズレていくあかりんと話してると調子が狂うんだよ、それも悔しいが僕のツボをついて笑ってしまう…あっはっはっ卑怯だ…ぷっっ」



おおおお神様のお怒りが少しはおさまったようでよかった。先程までの勢いでは私は神様から天罰をくだされる勢いだった、神様の慈悲に感謝してさらに拝んでおこうありがたや~ありがたや~



「もぉ~拝まなくていいから止めて~お腹痛いあっはっはっ~なんで僕なんて拝んでるのさ、こんなフィギュアだらけのオタクに」


「神様とっても素敵なお部屋です、そして私にはたまらなく居心地が良くて寛げます。神様と永遠にゲームやアニメ観賞していられます!」


「もぉ~あかりんは調子がいいんだから、でもお仕置きはするからね。でもやっぱりあかりんが可愛くて可愛くて仕方ないよ、世の中惚れたもんが負けとはよく言うけど本当そうだね」



神様は優しく私を抱き締める、神様からの包容に私は再度鼻血を押さえるために鼻をつまんでいる為、深呼吸にも一苦労本気で許して窒息するぅぅ



「神様ご機嫌直りましたでしょうか…私はいま窒息しかけてまふ…」


「なんで鼻を押さえてるの…それに顔真っ赤でトマトみたい可愛い。あぁぁ~まだご機嫌ってわけじゃないけど、あかりんの予想外な行動に怒りも冷めてきたよ…そして僕は神様じゃないでしょ…」


「カイン様でふ…」


「そうカインで君とはどんな関係だったけ?」


「恐れおおくもお付き合いさせて頂いております。あ~なんて罰当たりな、祟られたらどうしましょ~怖いよ~ピヨ男さん助けて~」


「そうカインでピヨ男なんだよ、唯一君が救いを求める相手なのわかった…?」


「カシコマリマシタ…」


「よし…本題にいきます問題その①今後一切僕の気持ちを否定しないこと僕の気持ちを疑わないで」


「ハテ…?」


「このお馬鹿さん、あかりんは昼休みに僕の気持ちを疑ったね『せっかく私とお付き合いしたのに私は赤井先輩と付き合う為の梯子のような存在だったのですかぁぁぁぁ!?』この発言つまり僕と赤井は恋仲だと…」


「世の中って残酷ですよね…あ~私は知りたくなかった~知らなければピヨ男さんに騙されていたとしても幸せだったのに」



ムッギューーと頬っぺたを摘ままれた



「痛いでふ…」


「あ゛!!!」


「ヒィィィーーー!疑いません、赤井先輩とピヨ男さんで妄想を膨らませません…例えピヨ男さんがヒロインでも私が貴方様をかっさらいます!」


「宜しい…僕がどれだけあかりんに執着してるかは後程態度で示しますので問題その②に移ります」




後程態度で示すとはどんな行動なのでしょうか、なんだか恐ろしい予想しか出来ないのですが



「痴漢被害にあった報告につきましてまったく此方に連絡が入っておりません…」


「いやですから毎朝の事ではなくてですね、それもピヨ男さんとお付き合いする前のお話でして…」



浮気がバレた旦那のように必死に言い訳をする私…なぜだ私が痴漢被害者なのになぜこのように責め立てられるのか…



「ねぇ…どうやって触れきたのその痴漢は…」


「いえ…直接掌で触られたわけでは、電車の揺れにあわせて肘などでツンツンと…まるで偶然ぶつかってしまったかのように…」


「ふ~ん…まさかあかりんから肘に胸を擦り付けたわけじゃないよね…」


「とんでもございません…そんな痴女みたいな欲求不満じゃないです」




「ならよかった…ねぇ…どうやって痴漢されたかやってみて…二人で再現してみよう…」




甘い口調でピヨ男さんは楽しいそうにとんでもない要求をしてきた。目はねっとりと私の胸をみつめ続けながら、手の甲で優しく触れてくる強引ではないが、拒むことも出来ずなすがままで何度も私の胸を上下に手の甲が擦る…




あれれ…これはもしかして…お仕置きタイム?

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