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2章
赤ピヨ参上③
しおりを挟む「マッデン……だよな?」
ジキムートの言葉に一同がうなずく。
「くっ……」
レキは抱えていた物を離し、なんとか立とうとしていた。
「くくっ、ノーティス。おぬしが言う事は本当だったみたいだの。このレキだったか? わしでもなかなか見たことが無い、美しい女がいると」
舌なめずり一つ。
その直後に突然、地面から沸き上がった水の群れがレキを絡めとっていく。
「グゥっ!?」
水に周りをまかれ、レキがうなる。
周りは水。
逃げ場がなく、ゆっくりと狭まる包囲網をにらみつける事しかできないでいた。
「ほぅほぅなんぞ、その奇麗な褐色の肌は。 貴族共は全員が色白いからのぉ。こういう趣向は稀じゃ。いや、初めてじゃぁっ! ヒヒッ。どうして今までココに来んだったか、全くっ。神もいじらしい事をしてくださるっ!」
「……シュっ!」
その時だった。
〝ムードブレイカー(自己中)″ジキムートが走った。
壁を蹴ってつたい、一気に住民たちを横目に後ろに回ろうとする。
「……」
その姿をマッデンが睨んだ――瞬間。
バキンっ!
「何っ!?」
壁にあった壁面が一気に、突如氷に代わる。
「だがこれなら!」
未だ遠い住民の裏。
ジキムートは剣を壁に刺し、その氷を逃げきっ……。
パキパキパキッ!
剣がへし折れたっ!
一瞬にして氷が剣に浸食し、芯まで凍らせたのだ。
ジキムートは住民の中へと落ちてしまうっ!
「はっ!?」
いきなりの現実。
ゴディンの力ならば通用した事が、通じない。
その事実にジキムートは声すら出せないでいる。
ドタンっ!
そして、地面の感覚。
「クッ!?」
「全員気を抜くなっ! 行くぞっ」
叫び、漆黒のローラが駆けて……っ!
「……」
彼女が動こうとすると目の前に、20……30、いや40っ!
氷の刃が突然、出現した。
「なっ!?」
詠唱なしに、とんでもない量のマナが溢れる。
それはまるで壁のような、視界を埋め尽くす程の氷の刃。
狭い空洞に逃げ道はない。
(クソっ!? 呪いを使うしかないのか……。だが……っ)
ちらりとノーティスを見たローラ。
(コイツを信じるなんてシャクだが、この呪いは今使う訳にはいかないっ! この作戦、どんな犠牲を払ってでも遂行してみせるっ! お嬢様っ。お嬢様ーっ!)
彼女は賭けに出た。
愛する者の名を、心の中で叫びながら……。
「グアァァッ!?」
「そは水を食うモノなり。吸えよ食えよ肥え太れ……っ」
ノーティスは呪文を詠唱し始める。
「〝ディセクレト(神話、そして咎人)〟……か、〝アーク・エンクレイヴライト(聖域現出)〟っ。消えよこの、神の盟約を破る愚か者がっ! 目に入れるにも汚らわしいわっ」
水の聖域の現出。
その瞬間また、この世界が水で覆われてしまうっ!
そしてノーティスもローラと同じく、数多の氷を放たれてしまうが――。
「グッ!?」
雨あられと降り注ぐ攻撃を、水の魔法障壁でなんとか防いだノーティス。
そして銀髪を翻し、すぐに氷の魔法で反撃にでようとしたが……。
「……」
フッ。
マッデンに魔法構成を睨まれただけであっさりと、ノーティスが張った魔法の障壁もろとも、ノーティスの魔法全てを消滅させられてしまったっ!
「なにっ……ディスペルされたっ!?」
単一の魔法しか使えないのだ。
属性に絶対的に秀でた人間の支配。それが行き届いてしまう。
「第3階級の私の魔法が――。駆け引きも無しにこんなっ!? 馬鹿なっ!?」
魔法階級が上から3番目に属する彼女の魔法ですら、例外では無いという事。
マッデンの前では、水のマナを『扱う事』すらかなわない。
相手を魔法世界から駆逐する。これこそが本当の聖域の意義で、攻撃的な使い方である。
「くそっ!?」
瞬間ノーティスが大きく飛んで、マッデンから逃れようとするが……っ!
「ふむぅ……」
マッデンが笑いそして――。
ノーティスの目の前に氷の刃40、50……100っ!
増える氷の刃が、ノーティスを睨みつけている。
「はぁ……はぁ」
その場からは動けなくなってしまう彼女。
「ククッ……。さてさてぇ。楽しむか」
「くぅっ!?」
マッデンは、水の牢獄にレキを閉じ込めてしまった。
あっという間に傭兵の精鋭を圧倒し、レキを自分のもとに寄せるマッデン。
水を自由に、意図したとおり、見事に動かして見せる。
「水を……。この水の量を維持して操れるなんてっ!? しかも強度も高いっ! クッ。これが本物の神の右腕っ!? ゴディンなんて比じゃない力じゃないかっ」
水に呑まれながら、レキがうめく。
この世界では水と言わずどのようなマナでも、1回単発の使い切りだ。
マナを維持し、操り続ける行為。
それは圧倒的に高位な魔法練度と、何と言っても魔力容量が必要だった。
「ほぉ、やはり近くで見るとメンコイなぁ、ぶふっ。これ程小麦に焼かれても、しっかりと美しいキメと張りっ。下民よ~。良いぞっ! わしに捧げるには十分よっ! 褒めて遣わすっ!」
高らかに笑いを上げるマッデン。
「くっ、離せっ、この豚がっ!」
ばしゃっ! ばしゃしゃっ!
体幹の強いレキの、激しい抵抗を封じ込めれるだけの水の水量と強度。
これを維持し続けるマッデンは今、MPを秒単位で失っているハズ。
だが全くもって魔力に窮する気配がない。
「何を言う? 安心せよ女。我は人間の中にありて、最も神に近しき者っ! 水神様直々にお認めになった存在よ~。胸を張れっ! 我に愛される事は、神に愛されたと同義だっ! 誇り高い一族の、さらには頂点者の子を産めるのであるっ。歓喜せよ」
「かっ神に愛されたと同じだとっ!? 貴様はただの人に過ぎないっ! 高貴な我らの真の支配者。崇高なるマナの仕手。神よこの男に罰をっ!」
「歓喜……せよっ」
グギュウっ!
マッデンが笑うと、水が締まりをきつくする。
「ぐぁぁっ!?」
レキを取り巻く水圧が一気に跳ね上がり、ヨダレを垂らしてレキがうめく。
「ほれ。神をあがめよ。子が……我が神に等しき男の種が、欲しいじゃろ?」
「ヒッ!?」
マッデンが言葉をつむぐと水が――。
レキを取り巻く水が、彼女の装備を外していく。
「ここで一つ、楽しんでおこうかのぉ? たんと水に冒され、奇麗になると良い」
あっという間に水圧で鎧を外し、胸の部分をさらけ出させられたレキ。
薄紅色の突起があらわにされてしまう。
そしてそのまま腰元のズボンまでもが、水に剥がされていく。
「くっ、やめろっ!」
「ほぉ、胸が小ぶりか。まぁ仕方ない。これならノーティスのほうが良かったがのう。――そうじゃそうじゃ、あとで水でも入れて、膨らませるのも良いじゃろうて。うんうん、その小さいのも一応たっぷり遊んでから、好みに入れ替えるか。それでは……」
「クソがっ! 僕はお前の人形じゃないんだよっ!」
レキが唇をかむ。
だがマッデンには実際、そう言った着せ替え行為ができるのだろう。
マナに選ばれるとは、そう言う事だった。
「汚い言葉を使うなっ、メスが。娼婦みたいな言葉は断じてならんぞ小娘っ! ふぅ全く。じゃが……まぁ、威勢が良いのも初めだけじゃろうて。これを受ければ考えも変わるじゃろう。いっひっひっ」
ブタのような顔が歪み、水が数本ウネウネと指のような物を這いださせた。
「……」
何か、途方もなく嫌な予感に身震いするレキ。
「今から水で子宮の中までキレイにしてやるぞ。汚れも消えるし、薄汚い病気も消える。良い事じゃぁ。それにコレをすると、娘どもが静かになる。どんな貴族のじゃじゃ馬も、わしの命令には絶対服従じゃったわぃっ! 体の芯まで水に犯される感覚に、恍惚を覚える者さえおったんじゃあっ!」
「この豚が……っ!?」
レキのコメカミがヒクつく。
大勢の住民の前、レキは群れる水の触手に蹂躙されようとしている。
大勢に好機の目で見られ、そして考えたことも無い、人体実験のような人体洗浄法で辱められようとしているのだ。
「くぅううっ!?」
そして、パンツに水が入ろうとした時レキは――笑った。
ジキムートの言葉に一同がうなずく。
「くっ……」
レキは抱えていた物を離し、なんとか立とうとしていた。
「くくっ、ノーティス。おぬしが言う事は本当だったみたいだの。このレキだったか? わしでもなかなか見たことが無い、美しい女がいると」
舌なめずり一つ。
その直後に突然、地面から沸き上がった水の群れがレキを絡めとっていく。
「グゥっ!?」
水に周りをまかれ、レキがうなる。
周りは水。
逃げ場がなく、ゆっくりと狭まる包囲網をにらみつける事しかできないでいた。
「ほぅほぅなんぞ、その奇麗な褐色の肌は。 貴族共は全員が色白いからのぉ。こういう趣向は稀じゃ。いや、初めてじゃぁっ! ヒヒッ。どうして今までココに来んだったか、全くっ。神もいじらしい事をしてくださるっ!」
「……シュっ!」
その時だった。
〝ムードブレイカー(自己中)″ジキムートが走った。
壁を蹴ってつたい、一気に住民たちを横目に後ろに回ろうとする。
「……」
その姿をマッデンが睨んだ――瞬間。
バキンっ!
「何っ!?」
壁にあった壁面が一気に、突如氷に代わる。
「だがこれなら!」
未だ遠い住民の裏。
ジキムートは剣を壁に刺し、その氷を逃げきっ……。
パキパキパキッ!
剣がへし折れたっ!
一瞬にして氷が剣に浸食し、芯まで凍らせたのだ。
ジキムートは住民の中へと落ちてしまうっ!
「はっ!?」
いきなりの現実。
ゴディンの力ならば通用した事が、通じない。
その事実にジキムートは声すら出せないでいる。
ドタンっ!
そして、地面の感覚。
「クッ!?」
「全員気を抜くなっ! 行くぞっ」
叫び、漆黒のローラが駆けて……っ!
「……」
彼女が動こうとすると目の前に、20……30、いや40っ!
氷の刃が突然、出現した。
「なっ!?」
詠唱なしに、とんでもない量のマナが溢れる。
それはまるで壁のような、視界を埋め尽くす程の氷の刃。
狭い空洞に逃げ道はない。
(クソっ!? 呪いを使うしかないのか……。だが……っ)
ちらりとノーティスを見たローラ。
(コイツを信じるなんてシャクだが、この呪いは今使う訳にはいかないっ! この作戦、どんな犠牲を払ってでも遂行してみせるっ! お嬢様っ。お嬢様ーっ!)
彼女は賭けに出た。
愛する者の名を、心の中で叫びながら……。
「グアァァッ!?」
「そは水を食うモノなり。吸えよ食えよ肥え太れ……っ」
ノーティスは呪文を詠唱し始める。
「〝ディセクレト(神話、そして咎人)〟……か、〝アーク・エンクレイヴライト(聖域現出)〟っ。消えよこの、神の盟約を破る愚か者がっ! 目に入れるにも汚らわしいわっ」
水の聖域の現出。
その瞬間また、この世界が水で覆われてしまうっ!
そしてノーティスもローラと同じく、数多の氷を放たれてしまうが――。
「グッ!?」
雨あられと降り注ぐ攻撃を、水の魔法障壁でなんとか防いだノーティス。
そして銀髪を翻し、すぐに氷の魔法で反撃にでようとしたが……。
「……」
フッ。
マッデンに魔法構成を睨まれただけであっさりと、ノーティスが張った魔法の障壁もろとも、ノーティスの魔法全てを消滅させられてしまったっ!
「なにっ……ディスペルされたっ!?」
単一の魔法しか使えないのだ。
属性に絶対的に秀でた人間の支配。それが行き届いてしまう。
「第3階級の私の魔法が――。駆け引きも無しにこんなっ!? 馬鹿なっ!?」
魔法階級が上から3番目に属する彼女の魔法ですら、例外では無いという事。
マッデンの前では、水のマナを『扱う事』すらかなわない。
相手を魔法世界から駆逐する。これこそが本当の聖域の意義で、攻撃的な使い方である。
「くそっ!?」
瞬間ノーティスが大きく飛んで、マッデンから逃れようとするが……っ!
「ふむぅ……」
マッデンが笑いそして――。
ノーティスの目の前に氷の刃40、50……100っ!
増える氷の刃が、ノーティスを睨みつけている。
「はぁ……はぁ」
その場からは動けなくなってしまう彼女。
「ククッ……。さてさてぇ。楽しむか」
「くぅっ!?」
マッデンは、水の牢獄にレキを閉じ込めてしまった。
あっという間に傭兵の精鋭を圧倒し、レキを自分のもとに寄せるマッデン。
水を自由に、意図したとおり、見事に動かして見せる。
「水を……。この水の量を維持して操れるなんてっ!? しかも強度も高いっ! クッ。これが本物の神の右腕っ!? ゴディンなんて比じゃない力じゃないかっ」
水に呑まれながら、レキがうめく。
この世界では水と言わずどのようなマナでも、1回単発の使い切りだ。
マナを維持し、操り続ける行為。
それは圧倒的に高位な魔法練度と、何と言っても魔力容量が必要だった。
「ほぉ、やはり近くで見るとメンコイなぁ、ぶふっ。これ程小麦に焼かれても、しっかりと美しいキメと張りっ。下民よ~。良いぞっ! わしに捧げるには十分よっ! 褒めて遣わすっ!」
高らかに笑いを上げるマッデン。
「くっ、離せっ、この豚がっ!」
ばしゃっ! ばしゃしゃっ!
体幹の強いレキの、激しい抵抗を封じ込めれるだけの水の水量と強度。
これを維持し続けるマッデンは今、MPを秒単位で失っているハズ。
だが全くもって魔力に窮する気配がない。
「何を言う? 安心せよ女。我は人間の中にありて、最も神に近しき者っ! 水神様直々にお認めになった存在よ~。胸を張れっ! 我に愛される事は、神に愛されたと同義だっ! 誇り高い一族の、さらには頂点者の子を産めるのであるっ。歓喜せよ」
「かっ神に愛されたと同じだとっ!? 貴様はただの人に過ぎないっ! 高貴な我らの真の支配者。崇高なるマナの仕手。神よこの男に罰をっ!」
「歓喜……せよっ」
グギュウっ!
マッデンが笑うと、水が締まりをきつくする。
「ぐぁぁっ!?」
レキを取り巻く水圧が一気に跳ね上がり、ヨダレを垂らしてレキがうめく。
「ほれ。神をあがめよ。子が……我が神に等しき男の種が、欲しいじゃろ?」
「ヒッ!?」
マッデンが言葉をつむぐと水が――。
レキを取り巻く水が、彼女の装備を外していく。
「ここで一つ、楽しんでおこうかのぉ? たんと水に冒され、奇麗になると良い」
あっという間に水圧で鎧を外し、胸の部分をさらけ出させられたレキ。
薄紅色の突起があらわにされてしまう。
そしてそのまま腰元のズボンまでもが、水に剥がされていく。
「くっ、やめろっ!」
「ほぉ、胸が小ぶりか。まぁ仕方ない。これならノーティスのほうが良かったがのう。――そうじゃそうじゃ、あとで水でも入れて、膨らませるのも良いじゃろうて。うんうん、その小さいのも一応たっぷり遊んでから、好みに入れ替えるか。それでは……」
「クソがっ! 僕はお前の人形じゃないんだよっ!」
レキが唇をかむ。
だがマッデンには実際、そう言った着せ替え行為ができるのだろう。
マナに選ばれるとは、そう言う事だった。
「汚い言葉を使うなっ、メスが。娼婦みたいな言葉は断じてならんぞ小娘っ! ふぅ全く。じゃが……まぁ、威勢が良いのも初めだけじゃろうて。これを受ければ考えも変わるじゃろう。いっひっひっ」
ブタのような顔が歪み、水が数本ウネウネと指のような物を這いださせた。
「……」
何か、途方もなく嫌な予感に身震いするレキ。
「今から水で子宮の中までキレイにしてやるぞ。汚れも消えるし、薄汚い病気も消える。良い事じゃぁ。それにコレをすると、娘どもが静かになる。どんな貴族のじゃじゃ馬も、わしの命令には絶対服従じゃったわぃっ! 体の芯まで水に犯される感覚に、恍惚を覚える者さえおったんじゃあっ!」
「この豚が……っ!?」
レキのコメカミがヒクつく。
大勢の住民の前、レキは群れる水の触手に蹂躙されようとしている。
大勢に好機の目で見られ、そして考えたことも無い、人体実験のような人体洗浄法で辱められようとしているのだ。
「くぅううっ!?」
そして、パンツに水が入ろうとした時レキは――笑った。
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