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2章

赤ピヨ参上②

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なぜだか顔も景色も朧気でハッキリしないが、私の友達がなにやら私に必死に語りかけている




―― 私子ちゃん貸したゲームやってる? ――



私は必死に首を縦に振り頑張ってるよとアピールしていた



―― レッド様はね幼馴染の彼女がいるのね、だからヒロインには素っ気ないのよ。どんなに話し掛けてもプレゼント贈っても意味ないからね。剣道部のマネージャーになる事で関わりが持てるようになり、コツコツと親密度と好感度を上げる。つまりレッド様攻略には剣道部のマネージャーになる事が必須なんだよ! ――




ガーンと衝撃を受ける私…


私の落ち込みを知らぬとばかりに友は話を続ける




―― 徐々にヒロインに惹かれ始めるレッド様、でもヒロインはレッド様の彼女さんの存在を知り遠慮して押せないわけなのよ、そのジレジレモダモダが最高にキュンキュンするんだけど、泣きながら『先輩が好きです大好きです…でも今日限りで諦めます』なんて泣きながらレッド様の前から居なくなるんだけど、そのシーンのスチルは絵師さん丁寧なお仕事をありがとうございますと、感謝したくなるほどの神スチルでね…まさに画面の前で号泣だったよ ――




はぁ……

友はネタバレをしている事を気付かず益々興奮しながら話を続ける…




―― でねでね!失恋エンドかと思いきやレッド様が、額に汗をかきヒロインを追い掛けて来て後ろから抱き締め『俺から離れるな!』て告白してくるの、その夜二人は結ばれるんだけど。本当このルートはジレジレ ハラハラで最高に萌えるんだよ ――




えっ…結ばれるって…




―― 二人の18禁スチルなんてうぶな恋人達のモダモダにこっちが照れちゃう感じでね。結ばれてからのレッド様のデレデレっぷりが最高なの ――




いやいや…



ちょっちょっ…待て…




友よ興奮してるが…






「それって思いっきりヒロインがヒーローをじゃんかぁぁぁぁぁ!いいのそれでいいの?正統派ヒロインじゃないの?」




あまりの驚きに私は椅子から立ち上がり叫んでいた…




「あかりん…黙っていたと思ったら急に立ち上がって叫んでどうしたの?」




気付けばピヨ男さんと、赤ピヨがこちらを驚いた表情でみていた。

あれ?さっきまで私に語りかけていた友達はどこに行ったの…友達の声は思い出せるのに、友達の顔がわからない…




「あれ…ここは…食堂だね…」


「うん…そうだよ、あかりん落ち着いて…」




ピヨ男が私を宥める様に優しく背中を擦る…まだ現実か夢かわからぬまま、自分の頭が整理できずに席に着く。

白昼夢でも見てしまったのか…?




「大丈夫か…?あかりん…いやあかりん様、これ以上ピヨ男が怒ると厄介だからな…」


「あかりん様も却下だ小野さんでいいだろ」


「お前…心が狭いな…」


「狭くて結構!なんなら今すぐ此所から退いて頂いでも僕は全然構わない…お前のせいであかりんがおかしくなってるんだぞ!」


「なんで俺のせいなんだよ…まだ『ちょっと距離を置こうって』彼女に言われたって話しか…」




あ…


どうやら前世の記憶を呼び起こしてしまったのか、そして第六感が危機を感じた通り…

この赤ピヨがレッド様なんですね、はぁ~テンプレ展開ってわけですね…


一言いいですか?


テンプレ展開などまったくもって期待していない!!誰だこんな嫌がらせをする奴は、脇役モブ娘になんたる大役をやらせようとしているんだ、私は剣道部マネージャーも寝取りキャラになる気もないぞ…いかに目立たず大人しく生きるかを模索しているのに…

同士ピヨ男と共に、二次元に突き進むはずだったのにレッド様の相談役などヒロインの仕事だろ…ヒロインはどこいった?お前さんの悩める子羊ちゃんは今ダサい格好して赤ピヨになってるぞ早く回収しにこーーい





「でもな…寝取りキャラあんま好きじゃないしな、きっとその娘と仲良くなれる気がしないな…」


「えっ?あかりんは苦手な女子がいるから悩んでいるんだね」


「ピヨ男さん私ね彼女が居るってわかってるくせにガンガン押したかと思ってたら、悲劇のヒロインになって泣いて同情引いて、しまいには寝取る女子とは仲良くなれないと思うの…」


「寝取る…何の話…?」


「おい…おい…随分ドロドロな昼ドラみたいな話だな…」




なに昼ドラみたいな話だなって、第三者ぶりしてるんだ赤ピヨお前の未来の話、お前のルートだよと大声で赤ピヨに突っ込みたい、でも現実には突っ込めないこのジレンマをどうしてくれようか



物事には沢山の角度でみる事によって心証が変わる、過去の友のようにヒロイン側の心証になる者もいるだろう…

だが私には無理だ…ヒロインが寝取りキャラにしか思えない、そしてヒーローは優柔不断男にしか思えない…





「赤ピヨさん…この優柔不断男が…」



「はぁぁぁ!?いきなり叫んだと思ったら暴言吐いてますが…なんなのこの子」



「僕の可愛いあかりんです♪」



「キャッ!私もピヨ男さんが居てくれればそれでいいんです♪」




ピヨ男さんと見つめ合いテッヘて笑い合う私達、そうだ優柔不断男も寝取りヒロインもどうぞ近付かないで下さい。私達の関係を引っ掻き回して欲しくない…あっかんべーてしてやりたい間違ってヒロインがハーレムエンドなんか狙っていたら、私の大切なピヨ男さんが居なくなってしまうわ…




「イチャつくな馬鹿っプル、傷心の俺の心を更に抉るとはお前ら悪魔か…」



「悪魔は赤ピヨさんです、召喚魔法で性悪娘を呼び出そうとするなんて…なんて恐ろしい娘なの!」


「誰が娘だ!!性悪娘って誰の事だ…彼女の事を指してるんならさすがに俺もキレるぞ…」





おや?彼女の事を馬鹿にするなと言ってるみたいですね、私的には性悪娘はヒロインちゃん指しているんだが…




「そんな大切な彼女を裏切るくせに…」


「赤ピヨ…お前浮気したのか最低だな…」


「ちょっちょっ!!待て浮気なんてしてない。小野さん何か勘違いしてないか…俺はマジでアイツ一筋だよ…」




勘違いではないお前さんの未来を知ってるだけだ…そんな事は言えないからジト目で赤ピヨを睨み付ける




「わかったよぉぉぉ!そこまで言うなら明日彼女も此所に来て貰う、それでお前達の勘違いをわからせてやるよ…!」




あら…レッド様意地になっちゃってる…



「本当にそんな事出来るんですかぁ…だって距離置きたいって言われてるんでしょ…?」


「グッハァ!!兎に角お前達みたいに俺が浮気してるって彼女が誤解してるかもしれないし、第三者交えた方がお互い冷静に話し合えると思うから…」


「「なぜ我々を巻き込む…」」



「お前ら二人とも俺を疑ってるんだから、最後まで面倒をみて貰うぞ…ちなみに俺の兄貴は某アニメの声優さんだ…」




ぐぬぬぬぬぬ…



某アニメの声優様だとぉぉぉぉぉ…



そんな設定ゲームにはなかったぞぉぉぉ…





「クッ…その切り札は卑怯だ…協力せねばなるまい…」



「あかりん…折れるのハッヤ…」






あれ…おかしな展開になってる様な気がする…


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