人外の旦那様に食べられたいの

おんちゃん

文字の大きさ
上 下
8 / 11

人外の嫁は何も知らない事が不満です①

しおりを挟む
『今日は遅くなりますか?』



夕飯の具沢山カレーの支度は出来た、あとは旦那様が帰る直前に豚カツを揚げるだけ。やはり揚げたてを食べて欲しいから旦那様に連絡してみれば、すぐ返信がありすでに職場は出たらしい最寄り駅までは30分ぐらいマンションまでは10分つまりあと40分ぐらいで旦那様は帰宅してくるらしい♪


ルンルンしながらふっと窓を見れば曇り空からポツポツと雨が落ちはじめた。天気予報では雨なんて言ってなかったから悟さん傘なんて持ってなかったわよね?

雨に濡れてしまったら可哀想だわ、いくら透明人間の人外だといっても雨にも濡れれば風邪だってひいてしまう……



この世界は普通に人外がいる世の中、人間と同じ様に人外が共存している。人外達の能力は人間より優れており天災や地球外生物の侵略もこの人外達によって阻止され救われていた過去がある。国家はこの人外達の存在を認め人権も保証した。しかしまだ未知の部分が多い人外は特別な場所で国に手厚く保護され管理されている。本来人外は人外同士で繁殖する事がおもで一部の人間しか人外さんと関わる事ないのだが、例外的に人外が人間を見初める場合がある、その場合強制的に人外に嫁ぐ制度が法律で定められていた。人間側が拒否すれば国家反逆罪として訴えられて罪人になる、ぶっちゃければ人外達に国を守って貰う変わりに見初められた人間は残念だけど性奴隷になってね♪っと人間にはとんでもなく恐ろしい法律がある。






その法律により私こと西園寺 聡子は透明人間の人外の透明 悟に見初められ結婚する事になった。

紆余曲折がありましたが、旦那様こと悟さんに見初められ包み込む優しいさと、愛されている喜びを感じ幸せな夫婦生活を送れています。聞こえない言語も、彼の唾液を摂取する事で彼の声色を聞けるようになり、その…あの…彼の白濁液を注ぎこまれると、私の中に残っている限り彼の姿を見える様になったんです、でも見えるのはあくまでも白濁液がある時だけ流れ落ちると共に彼を見る事が出来なくなります。


旦那様の容姿は銀髪でお仕事に行く時は髪をビシリとリーゼントにします。全体的に引き締まった強面で、少し目付きが悪いのですがワイルドかっこ良いとはまさに旦那様に適した言葉なのでは♡

その上ズッンと腰に来る低音ボイスは耳が孕みそうになるし、仕事がら身体を使うので肉体美も素晴らしく私の心を鷲掴みにしてる毎日です♡


ちょっと私への愛が重すぎて、遠隔透視能力でストーカーみたいに24時間365日常に私を見守ってたりしてましたが話し合いの結果止めて貰ってます。

最近は信頼関係も築け悟さんの部屋も、掃除の許可が降りました。しかし部屋を掃除すれば、なぜだか本棚から隠し扉を発見。なにげなく扉を開ければ壁一面に私の大量の写真が貼り付けられておりました……

父親の葬儀の喪服の喪主姿から始まり、慣れないリクルートスーツ姿でおぼつかない入社式の姿、寝坊して慌てている姿、父と母のお墓で寂しいそうに黄昏ている姿など三年前から現在に至るまでの様々な写真が壁一面に……



あっ……


私の旦那様は危険人物ヤベェ奴でした……



背筋がゾゾっと氷つき全ての写真を回収しようと手を伸ばせば、写真の下に撮影した日付と時間そして旦那様からのコメントが一言ついており、だいたいは『可愛い』『おちゃめ』とか『堪らん!』『そそる』『エロイ』との感想が、それも入籍してから一緒に生活してるのにあの人何やってるのよっと不快がわくのに……


1枚の写真のコメントを見て不覚にも泣きそうになってしまった。

お墓の前で黄昏れている私の写真、茶色いボブの髪が風に揺れ遠くを見つめる私は消えてしまいそうに儚く、第3者になって自身でその写真をみても哀愁が漂う姿……

写真の下のコメントは

『俺も今後は一緒お墓参りします。だからそんな寂しい顔をしないで』と……


目頭が熱くなって


この人外に……


この人に……


見初められて良かった……

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

腹黒宰相との白い結婚

恋愛
大嫌いな腹黒宰相ロイドと結婚する羽目になったランメリアは、条件をつきつけた――これは白い結婚であること。代わりに側妻を娶るも愛人を作るも好きにすればいい。そう決めたはずだったのだが、なぜか、周囲が全力で溝を埋めてくる。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

処理中です...