平々凡々悪役令嬢は必死に逃げだす予定です

おんちゃん

文字の大きさ
上 下
43 / 50

【番外編】痴話喧嘩は駄犬も食わない

しおりを挟む
青瞳に沢山の涙を溢れさせ、眉間に皺を寄せその令嬢は悲痛顔だった。悲痛顔なのになんて綺麗で絵になる娘なんだろう思わず見惚れてしまうが、私の自慢の親友になんて顔をさせるんだ!!

ふつふつと怒りが沸き上がり、こんな顔にさせた犯人を怒鳴りつけ罵倒する計画を組み立てていく。ギューとマシュマロお胸に抱き込まれれば『お前の敵は俺が打つ!!』と勇ましい気分になってくる。




彼女の背中を優しくトントンと叩き慰める・・




勿論マシュマロ プルンプンルお胸を両頬で受け止めプルプル堪能は忘れない!柔らかくて暖かくてこの胸に包まれただけで、幸せとは幸福とはこういう事だと解らせてくれる。犯人はこの幸福を手放そうとするつもりか!?なんて愚かな・・

依頼料は受け取った、あとはこの暗殺者リリアにお任せを!!






「スカちゃんひとまず落ち着こう、そんな泣いて綺麗なお顔が勿体ないよ。お茶飲みながらゆっくり詳しく詳細を」




スカちゃんことスカーレット様と本日は我が屋敷でのお茶会日、出会い頭にスカちゃんは泣きながら『ガイア様が浮気なさりました・・・・リリアさんどうしましょう・・』と抱きついてこられた。淑女のスカちゃんがこんなに取り乱し混乱するなんて余程ショックだったんだろうな。




「うぅぅぅ・・・・リリアさん、二日前の事でした・・・・」




スカーレットは泣く泣く話しだす。

結婚式という大きな式典の準備の為、二人きりの逢瀬はなかなか叶わなかったが、二日前王城で王太子に式典のドレスを御披露目する事になった。

侍女と供に披露宴のドレスに着替え、久しぶりの再会に我侭とは思うが出来たらこの姿を王太子1人に最初に見せたいと懇願する、王太子の部屋で待つようにお付きの方に優しい笑顔で指示される。

侍女にもお願いしてその場を離れてもらった。




「自分を鏡に写しどのような感想が貰えるかと緊張しながらお待ちしておりました。そんな時ガイア様が、慌てたご様子でお連れの方の手を握り部屋に入室されまして」


「ほ~ヘタレガイアがスカちゃん以外に手を握れる人なんていたんだぁ~」


「ガイア様はヘタレではございません!!」


「はいはい!ノロケは次にしてその続きを」


「もぉ~~リリアさん!仕方ない方ですね・・

私の居た位置がちょうどお二人の視界に入らない位置だったせいか私に気付かず、お二人は慌てた様子で寝室の方に向かわれまして・・・・」


「おおおおお昼間から・・・・!?」




婚約者の目の前で昼間から浮気相手とチョメチョメですかぁ!?昼ドラだよぉ~愛憎劇場ですね、オラわくわくするだぁぁぁ




「なんか楽しまれてないですか?そのガイア様が『お前にしかこんな事頼めないんだ!お願いだ・・僕に全てを教えて欲しいと・・・・』悲痛の声でお相手の方をベッドに押し倒しシャツを破かれる音が聞こえましたの・・・・」



「ほわぁぁぁぁ!!スカちゃんその時どうしたのぉ~!」


「はい!!長いドレスの裾を持ち必死で寝室に向かい、ベッドの上をみればガイア様が相手の方を組敷きシャツを破かれてまして・・・・相手の方の上半身ははだけておりました・・うぅぅぅ・・」


「ひゃぁぁぁぁ!!ガイアが本当に?あのガイアさんがそんな根性あるとは・・・・」


「私の姿に驚きガイア様は見上げられて『これは・・・・違うんだ・・・・浮気とかじゃないと・・・・』でもですねガイア様のお鼻の下には血が、あれは絶対興奮なさっていたんですのよ」


「鼻血ぃぃぃ!!でっでっでっ!お相手は誰だったの?まったく知らない人?」




スカーレットは両手で顔をふさぎ、堪えるように言葉を絞り出す




「・・・・ラ・・・・イ・・・・」



んっ!?何んか嫌な予感がするぞ、そういえば王城まで行かなければならないと文句言ってたな、早く帰ってくるからいい子にしててねっと言われ三日前に出掛けて行ったお兄ちゃん・・・・





「ライラック先輩でしたのよぉぉぉぉーー!」





『僕はもぉ~君とは結ばれない運命を辿る、この逢瀬が最後になるやもしれない、哀れと思うなら最後にこの僕に情けをかけてくれないか』

王太子は問答無用でライラックをベッドに押し倒す、瞳には涙を浮かべ強引にライラックの唇を奪えば、抵抗するように唇を噛みつかれた。

噛みつかれた痛みさえライラックが付けた傷だと思えば下半身がうずうずと興奮を覚え、強引にライラックのシャツを破り捨てる。

『ガイア・・・・それほどまでに俺を求めるのか・・・・』

『ライラック僕は君に焦がれ恋していた、でも結ばれない運命だとはわかっている一夜でいいんだ!一夜限りの夢をみせてくれないか?』

『ガイア!!』

『ライラック!!』

しかし一瞬の隙に、王太子の身体はくるりと回され仰向けにされる、いまやライラックから見下ろされ組敷かれている王太子。股の間にはライラックの膝が、ゴクリと息を飲めばグリグリと股間を膝で押されピクリと王太子の雄が反応する、最初は優しくグリグリされていたが膝で踏みつけられるように押されれば激痛が走る

『うっあぁぁぁぁーーー痛いーーーー』

『痛いと言いながら、いきり勃っているじゃないか、痛みで勃起するとは恥ずかしい奴だな・・』

『あぁぁぁぁーーライラックもっとだもっと踏んでくれぇぇぇーーーー』

クスリとライラックは意地悪い笑みを浮かべベッドの上に立ち上がり、膝ではなく足で王太子の雄をグリグリと踏みつける。

『可愛いよガイア・・こんなに踏まれて喜ぶなんてなんて君は素直な身体をしているんだ・・』





ハァハァ・・・・

美青年の二人の濡れ場・・・・

なぜこの目でみる事が叶わなかったのか・・





「リリアさん・・・・リリアさん・・大丈夫ですか?あまりの衝撃の事実にショックを受けてしまったのですね?」


「!!!!」



しまった!久しぶりにガイアとライラックで淫らな妄想が爆発してしまった。だってスカちゃんが悪いんだよこんな妄想を掻き立てる状況を報告してくるから。

慌てて涎をぬぐい現実に戻るリリア、スカーレットは心配しながらリリアの身体を揺する。





「うっぎゃゃゃゃーー!ヤバいそれはヤバすぎる絶対不機嫌だよ!八つ当りされるぅぅぅスカちゃん私の1週間の未来が確定してしまったよ」



「えっ!?えっ!?リリアさんの未来が決まったとは・・?」


「ライお兄ちゃんのご機嫌が直るまで監禁される、ひどいよスカちゃん夫婦のゴタゴタをこっちに皺寄せとか・・・・ないわぁ・・・・」


「う・・・・浮気・・・・されていたんですのよ?ガイア様とライラック先輩が・・」


「美形同士の秘め事を覗いてみたい欲望はありますが・・・・それ違うよ、その場に居ない私でもわかる浮気じゃないよ。きっとヘタレが一杯一杯になって暴走したんだと思うんだよね・・」


「そ・・そう・・・・そうなんですか?ガイア様私には全然手を出して頂けないから・・・・他にそういう方がいらっしゃるのかと、まさかライラック先輩とは・・・・うぅぅぅ」


「ないない!安心してガイアがスカちゃんを裏切るなんてありえない、ちゃんと訳を聞かないと!私もライお兄ちゃんを問い詰めるから一緒に問い詰めよう」


「リリアさんがお仲間なら心強いですわ、くすん」




浮気じゃなかった安堵なのか、ハラハラと泣き出すスカーレット。リリアの屋敷まで張っていた気持ちが解き放れ溢れだす涙が止まらないようだ。

リリアは優しくスカーレットの背中を擦る、安心させるようにゆっくり優しく擦る





「スカーレット!!やっとぉぉぉ追い付いたぁぁぁ!!」




肩でゼーハーゼーハー息をなさり綺麗な金髪が大きく揺れている。彫りの深い顔の浮世離れした美男子ガイアが居た、でも頬には痣?赤紫の跡がありガイアの後ろには、大変不機嫌そうな私の婚約者様がたたずんで居る。

王太子はスカーレットが腰かける椅子に近付き、地面で膝が汚れる事も気にせずスカーレットに跪き頭を下げる



「スカーレットすまない勘違いさせて許して欲しい。僕は最近君を見るだけでおかしくなるんだ・・・・目が離せなくなって・・君自身をこの胸に閉じ込めたくなるんだ。でも僕は不慣れで」



真剣な眼差しで王太子はスカーレットに許しをこう



「ガイア様・・・・いつだって私は貴方のモノです。本当は王太子妃になるなら貴方の浮気も寛大な心でいなくてはいけないとわかっているんです・・・・」


「浮気じゃないんだ・・・・君に恥をかかせたくなくて!ライラックに教えを乞おうと思って、まさかつまづいた拍子にベッドに倒れ服を破るとは予想外で・・・・」


「私は・・・・貴方様と・・一緒なら恥だってかきたい!!何度だって恥をかいてもいい・・・・だから私以外の方に触れないでぇ・・ください・・ぐすん」


「誓う・・・・お前以外には触れない・・だから許して貰えないだろうか?」


「ガイア様許すも許さないも、私はいつまでも貴方様のものです。離れるつもりなどありませんわ」


「スカーレット・・・・好きだ・・」


「ガイア様・・・・」




二人の愛の劇場を遠目で呆れながらみているリリア、そろそろいいかしら?パンパンと手を叩き二人の注目をこちらに向ける



「はーーい!注目!!」



二人は愛の劇場を私に見られていたとは気付いてなかったみたいで、慌てて繋いでいた手を振りほどき顔を真っ赤にさせながらこちらを見る



「仲直りおめでとぉぉぉーー!でもさぁ~ガイアさんスカちゃんを泣かせた罪は重いよ、それもなんで閨の授業をライお兄ちゃんに教えを乞うの!」


「そっ・・それは・・・・ライラックならどんな事も器用にこなすし、そんな閨技を伝授頂ければ、スカーレットを格好良くスマートに抱けると」


「キャッ!!ガイア様恥ずかしいですわぁ~」





「黙れ!!能天気馬鹿カップルぅぅぅぅ!!!」




私は怒りで震える。散々スカーレットを心配し慰めていたが、結局は馬鹿カップルの痴話喧嘩に巻き込まれてただけだ。そして今私の背後にはとても不機嫌な婚約者様、どうやってお怒りを納めるか悩み所なのに・・・・




「ライラックは!!閨技などないわぁぁぁ!只の鬼畜な野獣なだけなんだよぉぉぉ、絶倫で泣いても許されない恐怖の魔王なんだよぉぉぉぉ!」




怒りと供に私の胸のうちを全て吐き出す、初めての時だって優しくロマンチックな抱かれ方などされてないし・・・・



「ほぉ~リリアそれはすまなかったね。そのお詫びは今夜ゆっくりしなきゃね、ガイア今回の貸しは大きいよ。我が地方の税金を緩めるよう国王に交渉願うよ・・・・さぁ~リリア馬鹿達はほっといて行こうね♪」



ヤバイ言い過ぎたって思った時には、すでに遅く問答無用で両腕を持ち上げられ抱っこされる。暗殺者リリアの登場もなく、私はライラックに連れだされる。後ろの二人は顔を青ざめさせながら『お達者でリリアさん・・』『リリアすまない今のライラックの機嫌を直せるのはお前しかいない』と哀れむ視線をなげていた。




覚えてろよぉぉぉぉぉ お前らぁぁぁぁぁぁ

















「リリアごめんね・・・・絶倫で泣いても許されない恐怖の魔王で・・悪いとは思ってるんだよ」



まぁ~なんて爽やかで素敵笑顔なんでしょうね、でもね鏡の前で全裸の私の奥深くに、貴方様の雄を挿れながら言われても反省してるとは思えません。

リリアはライラックに背を向ける形で背面座位され顔を赤面させている、その顔をみせつけるようにライラックに顎を持たれ鏡を見させられる



「厭らしい顔だねそんな顔をちゃんと見てリリア、美味しそうに咥えこんでジュボジュボ言ってるね」


「あぁぁぁ 恥ずかしいぃぃぃ」



自分を見ないように両手で顔を隠すのに、ライラックは片手で軽々と私の両手を拘束する。快感で力の入らない私は抵抗できない



「リリアがさぁ~濡れなきゃ挿入出来ないんだよ、ほらちゃんと見てこんな涎たらして俺を受け入れてるのを・・・・」


「いやぁぁぁ・・・・ライお兄ちゃん意地悪しないでぇぇぇ~」


「はぁぁぁぁ!可愛いぃぃぃ癒されるぅぅ!」



はう!益々ライラックの雄が大きくなって私の蜜壺の中を膨張させる、たまに下から突き上げられるとキュッと締めてしまう




「こらぁぁぁ~まだそんな締めないで、気持ち良くて吐いちゃいそうだから。ガイアから受けた屈辱もリリアに癒してもらってる最中なんだから、もうちょっといい子にして」


「ライお兄ちゃん・・・・恥ずかしいけど・・気持ちいいいの・・こんな淫らなリリアでも癒されるぅぅぅ?」


「もぉぉぉぉぉ!!普段お馬鹿で変態なのに、抱いてる時はなんでそんなに可愛いくなるのぉぉぉ、だから止まらなくなるんだよ」




一生懸命身体を捩ってライラックに口付けすれば、とろ~んとした瞳で私を見てくれる。

浮気してないってわかってるけど、あのね私も嫌なんだから誰にも触れても触れられても欲しくないだからね、ライお兄ちゃんは私だけのモノなんだから



「ライお兄ちゃん・・・・浮気はめっよ!!」


「もぉぉぉぉぉ!可愛いすぎるんだよぉぉぉ!」




余裕無くなったライラックに仰向けにされ、凄い勢いでピストンされ、部屋にパンパンと卑猥な音が鳴り響き最奥に吐き出された。

まだまだ始まったばかり一回ではどうせ終わらないんでしょ・・・・?



もぉ~しょうがない婚約者様、でも貴方に求められるなら断る事なんて出来ないんですわ。



大好きですわ・・・・ライお兄ちゃん・・♪





しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜

まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。 【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。 三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。 目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。 私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。 ムーンライトノベルズにも投稿しています。 「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
ヒロインがいない。 もう一度言おう。ヒロインがいない!! 乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。 ※ざまぁ展開あり

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

踏み台令嬢はへこたれない

IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」  公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。  春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。  そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?  これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。 「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」  ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。  なろうでも投稿しています。

【コミカライズ】今夜中に婚約破棄してもらわナイト

待鳥園子
恋愛
気がつけば私、悪役令嬢に転生してしまったらしい。 不幸なことに記憶を取り戻したのが、なんと断罪不可避の婚約破棄される予定の、その日の朝だった! けど、後日談に書かれていた悪役令嬢の末路は珍しくぬるい。都会好きで派手好きな彼女はヒロインをいじめた罰として、都会を離れて静かな田舎で暮らすことになるだけ。 前世から筋金入りの陰キャな私は、華やかな社交界なんか興味ないし、のんびり田舎暮らしも悪くない。罰でもなく、単なるご褒美。文句など一言も言わずに、潔く婚約破棄されましょう。 ……えっ! ヒロインも探しているし、私の婚約者会場に不在なんだけど……私と婚約破棄する予定の王子様、どこに行ったのか、誰か知りませんか?! ♡コミカライズされることになりました。詳細は追って発表いたします。

悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。

香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。 皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。 さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。 しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。 それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?

処理中です...