平々凡々悪役令嬢は必死に逃げだす予定です

おんちゃん

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三連休②

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赤毛の長髪を一纏めにし整ったスッキリした醤油顔の美青年 今年18歳ついに成人を迎えた我が家の嫡男リースお兄様が、園庭の水撒きをしていた。

学園に入学してから始めて帰る我が家、嬉しくて馬車から飛び降りてリースお兄様に駆け寄り、抱き付く



「リースお兄様ただいまぁぁぁーーー!」


「えっ!?リリア帰ってきたのかい?おかえり~」



突然の帰宅に驚いたようだが、ニコリと微笑んで抱き付く私を軽々と持ち上げてグルリと一周飛行機をしてくれる。そのまま軽々と抱っこされ頭を優しく撫でられる、ここらへんはゲームと一緒で悪役令嬢に極甘お兄様だった。但しリースお兄様の怖いところはこんな溺愛してても、高位の方々と接点を持つ為、易々と私を売り飛ばすとこなんだけどね



「リリアが帰宅するなんて知らなかったから驚いたよ顔を見れて嬉しいよ。学園ではさぞ高位な勉学と、淑女の嗜みを学んでることだろうね」


「ん?聞こえませんわ~♪それよりせっかくの久しぶりの帰宅なんでお父様とお母様にも早く会いたいですわ」


「リリアはあいかわらずのようだね」



リースお兄様は苦笑いを浮かべる、遅れて馬車から降りたライラックにも、おかえりと私を抱っこしたままハグをしている。お兄様は基本お優しい方なのですが出世欲は旺盛なんですよね



「リース兄さん只今戻りました、この連休僕もここで過ごしたいと考えております」


「もちろん大歓迎だよ!ただ事前に知らせてくれればご馳走も用意出来たのに二人して突然戻ってくるから驚いたよ」


「すみませんリース兄さん」


「お前はここの次男なんだから敬語など使わなくていいんだよ、でもすっかり少年から青年へと成長し身体つきも逞しくなったな。お前のような弟が居て私も鼻が高いよ」



ライラックは嬉しそうに微笑む、リースお兄様とライお兄ちゃんは本当の兄弟のように仲が良くて私も嬉しい



「ところでリリアなんでお前は男子制服を着てるんだい?それに首元に虫刺されが・・まさか・・・・いや無いな・・リリアだしな・・」


「ちょっっっ!リースお兄様実の妹にずいぶんな物言いで」


「だってリリアだよ、いまだにこんなに小さく少女体型 色気や艶とは縁遠いよ~あはは~そう思うだろライ?」



その問いかけはライラックには辛いと思いますよ、だって私に発情する一部コアな貴重生物なんですから、この印を着けたのも彼だと言えばリースお兄様はどんな表情をするのかしら?



「り・・リ・・・・リース兄さんちゃんと僕が、リリアを監視してるのでご安心ください」


「監視?」


「いや・・・・見守ってるので・・・・」


「そうだねライが見守ってくれると思えば私も安心だよ。屋敷に入ろう二人とも学園の話を聞かせておくれ、私も今日は子爵補佐の作業はここまでにするよ」



リースお兄様はお父様の跡を継ぐべく、現在は子爵補佐としてお仕事中なんですの、たまに視察などで屋敷を離れてしまうがこの連休はお屋敷に居てくれて良かったですわ。

見慣れた使用人達も私達を大歓迎してくれ、今夜の夕飯を楽しみにしてくれと張り切っていた。


ライラックの部屋も、私の部屋もそのまま残っておりたまに使用人達が掃除してくれている様で綺麗に片付いていた。



「では部屋で着替えてきますね~そうだリースお兄様なにやら明日 王太子が私に会いに来られるそうなのでご準備をお願いしてもいいですか?」


「なっ・・なっ・・・・なんだってぇぇ!リリアそんか重要な事は早めに伝えておいてくれ、お前が帰宅するより重要な事じゃないかぁぁぁ」


「だから・・実の妹の扱いが酷いですから、リースお兄様」


「あはは~確かにガイア王太子はお前の婚約者だからな、なぜこんな平々凡々の妹を婚約者に選出されたのかいまだにわからないが、愛しの婚約者に会いに来るんだな」


「婚約者じゃありません婚約者候補の1人なだけです」


「そんな否定しなくても、リリアはガイア王太子を気に入ってないの?」


「王太子など恐れ多くまだ実感も沸いておりません。それにすぐ候補の私など落選しますわ、ガイア個人を嫌いではないのですが、恋心とはまた違うというか・・・・」


「おや?リリアもお年頃だね、他に気になる殿方がいるのかな?」



まさか恋話が始まるとは予想もせず、リースお兄様の問い掛けに恥ずかしくなり頬が赤く染まる。チラリとライラックを見つめれば、ライラックは私達の話を聞いてなかったみたいで侍女とお話をしている。私の表情でリースお兄様に見透かされてしまう、慌ててリースお兄様に目線を戻せば



「リリアはすでに気になる殿方がいるみたいだね、でもね私は賛成出来ないよ。あくまでもお前は王太子の婚約者候補なんだからね。お前自身も承諾したんだから自覚を持ちなさい、我が家から婚約破棄など出来るわけがないんだから・・」



ライラックと仲直り出来た喜びも、帰宅出来た喜びもシュンと風船が萎むように心が落ちていく。いつも優しいお兄様に怒られてしまった・・



「そんな悲しそうな顔をしないの、明日はガイア様が来るんだろ?どんなご要件なの?」


「他の婚約者候補とデートするから同行しろって・・・・お願いしに来るらしいですわ」


「はぁぁぁぁ!?なんで他の婚約者候補とデートするのにお前が同行すんだ?」


「知りません!!!」


「はぁ~お前も色々大変なんだな、少し私もキツク言い過ぎた。ごめんよリリア」



首を横に振り大丈夫だと答える、そのまま自分の部屋に戻り、部屋着に着替えベッドに寝転び悶々としながら足をバタバタさせる。


ライラックの見解では『ザックバイル学園の薔薇姫と剣』の配役が変更し私がヒロインになった可能性があると言っていた。

では悪役令嬢はどこにいったの?アメリアたんはどんな配役になってしまったんだろ?

ゲームでは1年生時はパラメーター上げが重点が置かれ大きなイベントは運動会だけだった。一緒に寮まで帰宅するランダム小イベは少しだけ好感度が上がる程度、好感度が低い現在は断られることが多い。



そもそも物語事態がまったく変わってしまったのだろうか・・・・なら私はライラックと将来を誓えるように、王太子の婚約者候補から除外されるよう頑張りたい。その為には明後日ガイアとスカーレット様のデートを成功させてあげれば良いのでは!!



ムクリと立ち上がり机に向かって計画書を作成する『ヘタレ必勝!高慢女子の落とし方』まずはスカーレット様はすでにガイアの身分にメロメロだ、でもそれだけでは無理あのヘタレは一個人としてガイアとして見てくれる人を求めている。

まずはスカーレット様の意識改革から始めなければ


【スカーレット意識改革】

1.ガイア自身の性格や思考など中身を知ってもらう、ヘタレも含めて許容してもらう


2.プライド高く高慢なイメージを抑えるようにアドバイスする



この2点に重点を置こう!

あとはヘタレの方だな・・・・



【ガイア意識改革】

1.女子はか弱く守る対象だとわからせる!


2.自分自身に自信を持つよう誘導する!


3.スカーレットの美しさを認識させる!



よっし!今回のデートだけではまだ恋心は沸かないかもしれないが、お友達程度にはなってもらおう。でもこれ私だけでは無理だな、ライラックも巻き込むか・・・・ニヤリ

ライラックがいればあのヘタレもテンション上がるしな。

1人悪代官の笑みを浮かべ、リリアは必死にその日1日ついやし計画を立てた

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