平々凡々悪役令嬢は必死に逃げだす予定です

おんちゃん

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初めてのランチ♪

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物陰から私はストーカーのように彼女の選ぶ料理を注意深く観察する、この時代にあればサングラスとマスクをして不審者になっていたでしょう!こんにちは♪リリアです。




私が何をしてるかと言えば、ヒロインのアメリアたんの選ぶ料理を探っております。それも本人にバレないように。何故ならばヒロインが選ぶ料理で攻略対象の好感度上がる、これからのルート知る事が出来るのです。

Aセットお魚中心=宰相の息子 ブラッディ ルート彼はお魚が好みのようですね。

Bセットならお肉中心=未来の騎士団長 アインヒットルートみたまんま脳筋の彼なら肉一択

Cセットなら=サンドイッチでなぜか王太子ルートなんです。


そういえば最近思い出したんですが、もう1人の攻略対象【庭師】の存在を、お茶会の時にアメリアたんの手助けしてるのはずなんですが、私自身はまだこの学園でお会いしてないです。

確か王城の庭を弄れるほどの技術をお持ちで、美的感覚が鋭くその才能を見込まれこの学園に特待生として在学してるはずなんですが?



想いに更けている間に、アメリアたんは料理を選んでしまったようです。遠目からだと何を選んだかよくわかりません。一生懸命ジャンプしても見えないものは見えません・・・・



「リリアさん リリアさん こんな物陰で何を見てるの?必死にジャンプして変質者にしかみえませんよ~くすくす~」



背後から突如話かけられれば、ビックと肩が揺れる。誰だ私の邪魔するのは!!

そこには中性的な美貌のグレーの髪をしたクラスメートのソウカ君が居た。入学式に公爵令嬢スカーレット様に絡まれた時野次馬の1人だったソウカ君。『入学式は大変だったね?』と次の日に話しかけられ同情され、よくよく話してみれば彼は平民で、ある才能を見込まれ特待生として入学した事、その為常に成績もトップを目指さねばいけないプレッシャーがある事を聞かされた。


私もある意味特待生入学なので、在学中の成績優秀者になり、学費の一部、もしくは全てが免除される制度を活用する予定なのだ。これ以上王家から援助を受けては身動きがとれなくなる。


お互い辛い身だね・・・・と仲良くなった。



「ちょっとソウカ君いきなり話しかけるから、驚いたじゃない!?もぉぉ~彼女がどのルートに行くのかわからなくなったよ!!」


「ん?誰を見てたの?ごめんね~リリアさん小さいから食堂のメニューが見えないのかと くすくす」


そうなんです・・・・私10歳から身長が伸びてないんです。お茶会の時にはアメリアたんと同じぐらいの身長だったのに、入学式にはアメリアたんに完全に置いてかれておりました。140センチいくかいかないか。まったくの幼児体型、でもまだ12歳これからも身長やお胸のほうは伸び代がありましてよ・・・・たぶん・・



「ソウカ君邪魔しないでよ~もぉ~メニューぐらい見えるから」


「せっかくここで会えたしリリアさん一緒にランチしませんか?」


ふむ!確かにランチの約束してる人は居ない、アメリアたんと仲良くしたいけど学園に入学してからは特に距離をとっている、クラスも違うし影からアメリアたんの行動を常に見張っているが表だっては仲良くしてない。



「いいよー!ソウカ君は何食べるの?」


「僕は魚も肉もダメでして・・・・」


「ベジタリアンなんだね~私は何でも大丈夫♪食べる事大好きだもん」


「確かにリリアさんはそんな感じですよね。僕はサラダパスタにします。」


「そういう感じって部分にひっかかりを覚えるけど流しとくね。サラダパスタかぁ~サッパリして美味しそうだね~私はどうしようかな~」



二人で歩きながら食堂の中を歩く、ソウカ君は私より頭一つ高いので見上げる感じになる。魚?肉?サンドイッチ?うーん悩むな



「リリアは!サンドイッチを食べるんだ!!」


私の背後から勝手にトレーにサンドイッチを置かれ、私のランチを決められてしまった。別にサンドイッチ好きだけど・・・・


「サンドイッチ好きだけど、この選ぶ時間も楽しみなのに勝手に決めないでよ!ガイア様」


「おっ!?顔を見なくて声だけでわかったか~さすが婚約者候補だな」



綺麗な金髪で彫りの深いお顔、浮世離れした美形様は嬉しそうに微笑まれている。その中身はヘタレだけどね。スッとソウカ君が私から離れ会釈してる。結局学園でも平等がモットーといえどもうっすら格差が見え隠れする。



「ちょっと!?ガイア様といえども友達とランチする邪魔しないでくださいよ~」


「ふむ!ならその友人も一緒にこっちに来ればいい!!」


ガイアはヘタレなくせに、やはり王太子の気質なのか当たり前の様に私の行動を決めてしまう。ぐいぐいと腕を捕まれガイアのランチ場所まで連れていかれる。婚約者候補なんだから従うのは当たり前なのだが、他の令嬢なら喜ぶ所かもしれないが、まったくもって面白くない


「ごめんね~ソウカ君~」


「いいよ~いいよ~リリアさん。仲いいんだねガイア様と」



連れていかれた場所にはやっぱりというか、いつものメンバーが・・・・

ガイア・ライラック・ブラッディ・アインヒットそしてアメリアたん・・・・

ギロリとライラックを睨み付ければ、僕は誘ってないよ~共犯者じゃないとばかりに首を振っている。必死にアメリアたんから距離置いてるのに、やってくれるな王太子様よ・・・・



「リリア様~入学してから全然お見かけしなかったから心配してたんです。一生懸命探しんたんですよ」


はい!知ってます!私はそんな姿を遠目から見張っていましたからね。『あはは~そんなんですか~』と適当に相づちを打ち会話を終了させる。

そういえば、アメリアたんの選択したランチはなんだろう?魚・肉・サンドイッチ?



えっ・・・・

えっ・・・・

えっ・・・・



オムライス!?そんなメニューあったか?ふっと周りのメニューも確認する。何故だかライラックと同じメニューだった!!

えっ!!!つまりアメリアたんは、ライラックルートに突入??



「そんなルート!!なかったぞぉぉぉぉ!!」



思わず心の声が現実に溢れてしまう、着席してたのに立ち上がってしまう。周から冷たい目線がとても痛いです・・・・

まぁ~この選択肢も好感度が上がるだけで、個人ルートに入るのはまだ先の話だが



「リリアさん大丈夫?」


「ごめんね~何でもないのソウカくん・・」


「リリアそのお隣にいる男の子は誰なの?」



何故だかライラックの冷たい声が私にとぶ


「ん?特待生仲間のソウカくんです。お友達になりました」


「初めまして、リリアさんのクラスメートのソウカです。豪華なメンバーの皆様にお邪魔してしまい申し訳ございません」


「ソウカくんが謝る必要ないよ。本当は二人で食べる予定だったのに、ガイア様が強引に連れて来たんだから・・・・」


「なんだと婚約者と食べるのが普通だろ!!ならこのメンバーで食べるのが常であっていいだろ」


「もぉ~あくまでも婚約者候補の1人です!そうだ婚約者候補といえば、入学式でスカーレット様にお会いしました。」


「あぁぁぁぁ~スカーレット嬢かぁ・・」


ガイアは嫌な顔をして眉間に皺をよせている。そうだ王太子と婚約者候補が常にご飯しなきゃなら、スカーレット様も呼んであげなきゃね♪

気付けば目の前にスカーレット様いるじゃない~モブABもいるいる~大きく手を振って、スカーレット様に気付いてもらう。



「スカーレット様こっちです~ガイア様はこっちですよぉ~」


「おっま・・・・何で呼んでるんだよぉ~」



スカーレット様はすごく驚いた顔をしてるけど、嬉しそうに近付いてくる。スッと私は席を立ちガイアの隣から移動する、どこに座ろうかと悩んでたらライラックがこっちおいでと手招きする。ソウカくんも私と一緒に立ち上がり移動する。ライラックの隣に座れば、ソウカくんも私の隣に座った。



「リリアさん!私貴方を勘違いしてましたわ♪わざわざガイア様の隣を私に、身の程よくわきまえておりまして今後もその調子でお願いしますわ♪」


「もちろんですスカーレット様!!」


ガシリと熱い握手をかわすスカーレット様と私!


「リリア様・・私とは仲良くしてくれないのに、羨ましいですわ・・」


遠くで悲しげアメリアたんの声が聞こえるが、聞こえないふりをする。安心してアメリアたん、リリアはいつでも貴方をストーカーしてますから。



「リリアさんのお知り合いは高位の方々ばかりで、僕みたいのがご一緒してごめんね~」


と私にしか聞こえない声で話かけられる


「ソウカくん・・・・私こそ平々凡々の地味顔でここのメンバーに引け目を感じてるんだよ。身分だって貧乏子爵だし。本当特待生狙わなきゃ在学だって危うい身分だもの・・これから一緒に頑張ろうね♪」


「リリアさんは優しいんだね・・くすくす」


ガイアはスカーレット様の相手に四苦八苦し、また女嫌いオーラを醸し出し言葉数が減ってしまってるようだ。アメリアたんはブラッディ・アインヒットと歓談中。


「こそこそ二人で仲良さそうだね。何話してるの?」


あれ?ライラックの背後に黒炎がみえるけど、なんだろな?気付かない見ない振りが一番だ。



「いや・・・・ちょっとクラスの話だよ。ライお兄ちゃん、ところでオムライス美味しい?」


「食べたいならあげるよリリア♪ほら口を開けて、それとも僕の膝の上の方が食べやすい?」


またか・・また羞恥プレーあ~んをさせようとしてるんだな、怖いですライラックさん貴方は一体何がしたいのですか?

断るように首を横に振り、必死に手を振る。



「あっ♪ライラック様と私一緒のメニューですね♪お揃いです。お食事の趣味が似てるんですかね?」



よっし!天然娘アメリアたんよく話しかけてくれた。ふっとライラックもアメリアの方を向く、羞恥プレーは免れたみたいだ。


「アメリア嬢と好みが合うとは光栄です。」


「私も嬉しいです♪」


ライラックとアメリアたんが嬉しそうに微笑み合う。ライラックって私以外の女性にはこんなに紳士的なんだな、出来たら私にも紳士的で居て欲しい。

ん?でもそれもちょっと寂しいかな・・?


結局アメリアたんは誰ルートに入ったんですか?

ふっとソウカくんの方を向けば、顔を赤らめてうっとりした瞳でアメリアたんを見て居た。ソウカくんもしや一目惚れでもしましたか?その気持ちわかる~わかる~アメリアたん可愛いもんね。

協力してあげたいけど、出来ないとこが残念な点。



結局このランチでは、ヒロインの進めようとしてるルートがよくわからなかった。

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