平々凡々悪役令嬢は必死に逃げだす予定です

おんちゃん

文字の大きさ
上 下
9 / 50

お茶会(3)

しおりを挟む
ライラックに怒られる・・・・

ライラックに殺される・・・・

ライラックに黒炎で焼かれる・・・・



ガタガタ振るえ、まわりの状況などまったく見えてこない。泣きそうなリリアです こんにちわ!



どおしよう・・・・

どうやって帰りの馬車を、別々にするのかそんな事したらもっと怒られる気がする。

そもそも私の痴態をどこまで聞いたのか、情報源は、わかっている悪魔の化身だ。

頭をかかえフルフルと首を横に振り、項垂れてしまう。



「リリア嬢どうなさいましたか?ご気分でも悪いのですか?」


ふっと顔を上げれば、心配する美青年がいた。綺麗な金髪で彫りの深いお顔、浮世離れしたその美しさはまさに悪魔の化身・・・・いつ間に私達のテーブルまでやってきたのか、ライラックの事で頭が一杯でまったく気付かなかった。


『またあの子よ、王太子様の気を引きたいからって仮病よあんなの絶対』

『か弱いアピールでもしてるのかしら・・・・』

『平々凡々令嬢が目立つな!』

『あの顔で恥ずかしく無いのかしら』

『王太子様が語りかけてるのに、何にも答えないわ』


王太子に心配されてるのに、応えない私に痺れを切らした令嬢達は冷たい視線を一斉に送る。またヒソヒソと罵られている。本命の王太子様がきて令嬢達もテンションが上がっており、なかなかにトゲトゲしい言葉をリリアに投げ掛けてくる、おもわずリリアも苦笑いになる。



「王太子様からお声をかけて頂だけただけでも身に余る幸福でございます。心配には及びませんので、暖かいお言葉をありがとうございます」



ガイア王太子は、驚いた顔をしてリリアをみつめる。その顔はお前ちゃんと淑女みたいな発言も出来たんだなって顔だ!?

コラコラ 王太子いくら何でも私に失礼だぞ、ちょっと眉間に皺を寄せて不服そうに王太子を見つめれば、王太子にニコッと楽しそうに笑われた。





「ガイア王太子様は、どんな女性がお好みなんですか?」


私達の会話を切るように、美少女公爵令嬢が王太子に話しかける。彼女も必死なのだ、平々凡々の容姿と子爵令嬢ごときのリリアが、王太子と仲良さそうな雰囲気を醸し出されれば面白くもない!



「特に・・・・」


そっけな・・・・!

そういえば、この王太子 人見知りの女性嫌いだったな。私とは普通に話してくれるけど?いや普通か!?協力関係って意味で男女と意識されてないのかも、それもそれでどうなんだ・・・・

まっ!構いませんが


公爵令嬢が再度別の質問する。


「そういえば王太子様と、ライラック様は親しいんですよね?学友だと」


「あぁ!ライラック!彼は私の目標なんだ!赤毛の大きな瞳、自分を持った強い意思 勉学も忍耐も強く、本当に彼には学ぶべき点が多くて、頭が上がらない彼とは一生良い関係でありたい」



王太子!ライラックの話題の時だけ、饒舌だな。ヤバイ顔がニヤケルぞ、愛しのライラックだもんね。それも一生良い関係ってなんですか生涯貴方を愛しぬくって事ですか!?

あーーー私の妄想を刺激しないで、楽しいすぎるから、うぷぷぷ・・・・


沢山のご令嬢達が、どんな熱い目線を王太子に送っても、頑張ってスキンシップを図ろうとも、そこの王太子はライラックにしか興味がないんですよ。


『お前を生涯愛しぬく!ライラック』


『なっ!?何馬鹿な事を・・俺とお前では身分の差がそして・・・性別が周りには許されない』


『周りが許さなくて、一生俺の側に離れる事を許さない、お願いだから離れないでくれ』


『ガイア・・・・つまり一生ってことは、昼も夜も離れなくていいって事だな、わかってるんだよな?お前の発言はそういう意味も含まれているって事を・・』


『ら・・ライラック・・止めろ、ダメだ耳を噛むな・・』


『嫌がってるわりには、口元が緩んでるな!嬉しそうに頬を染め。その顔をみた国王様はお前をどう思うんだろうな・・・・フフフ』


『あぁぁぁ・・・・ライラック!』


ダメだ・・・・私の脳内妄想が止まらない、絶対ライラックが攻めだよね!?王太子は受けに間違いない。世間から隠れ二人は愛を育み、夜もベッドで育むんだね・・・・




「お嬢様・・・・お嬢様・・・・お茶会は終わりましたよ・・・・お茶会のお土産をあそこで配布しております受け取りを」


ハッ!気付けばお茶会は終了していた。慌てて帰り支度をする。


「あと、この手紙を王太子様より渡すように指示されております。」


どうやら私に声をかけてきたのは、王太子のお付きの方だったようだ。よくわからぬまま手紙を受け取り立ち上がる。


トテトテと出口まで歩きながら、その手紙を読んでみる


『リリアすまない!でもお前には、僕は貸しがある。市井の者に痴態を行った事を、穏便に済ませた恩を忘れるな・・・・きっとお前は婚約者候補の1人に選ばれる、許せ』



!!!!!



はぁぁぁぁ!?何?



私が妄想を繰り広げる間に何があったの!?



しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜

まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。 【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。 三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。 目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。 私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。 ムーンライトノベルズにも投稿しています。 「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

【完結】22皇太子妃として必要ありませんね。なら、もう、、。

華蓮
恋愛
皇太子妃として、3ヶ月が経ったある日、皇太子の部屋に呼ばれて行くと隣には、女の人が、座っていた。 嫌な予感がした、、、、 皇太子妃の運命は、どうなるのでしょう? 指導係、教育係編Part1

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
ヒロインがいない。 もう一度言おう。ヒロインがいない!! 乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。 ※ざまぁ展開あり

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

踏み台令嬢はへこたれない

IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」  公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。  春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。  そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?  これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。 「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」  ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。  なろうでも投稿しています。

【コミカライズ】今夜中に婚約破棄してもらわナイト

待鳥園子
恋愛
気がつけば私、悪役令嬢に転生してしまったらしい。 不幸なことに記憶を取り戻したのが、なんと断罪不可避の婚約破棄される予定の、その日の朝だった! けど、後日談に書かれていた悪役令嬢の末路は珍しくぬるい。都会好きで派手好きな彼女はヒロインをいじめた罰として、都会を離れて静かな田舎で暮らすことになるだけ。 前世から筋金入りの陰キャな私は、華やかな社交界なんか興味ないし、のんびり田舎暮らしも悪くない。罰でもなく、単なるご褒美。文句など一言も言わずに、潔く婚約破棄されましょう。 ……えっ! ヒロインも探しているし、私の婚約者会場に不在なんだけど……私と婚約破棄する予定の王子様、どこに行ったのか、誰か知りませんか?! ♡コミカライズされることになりました。詳細は追って発表いたします。

処理中です...