平々凡々悪役令嬢は必死に逃げだす予定です

おんちゃん

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11歳 (2)

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人の膝の上に座るってあまり居心地が良くないんですね、人生初の体験をしております。唖然とする家族を見ないようにして、羞恥プレーを受けているのは、こんにちわ リリアです!



私の部屋からやっと応接間に戻ってきた三人は、お誕生日のお食事を頂く為、席に着こうとしたが、私は椅子に着席する事を許されなかった。


困惑する私をよそに『リリアの椅子はここだよ』爽やかな笑顔で、自らの膝を叩く。否応なしに膝に乗せられ、まだ少し背後に黒炎を纏ったライラック。拒否など許される訳もなく、唖然とする家族の前で、食事を食べさせられております。


「ライラック・・・・お前何してるんだ?」


勇気を振り絞ってリースお兄様が尋ねれば、ライラックはコテンと首を傾げて、不思議そうな顔をして応える


「今日はリリアの誕生日ですから、お姫様扱いでお食事を召し上がって貰おうかと?」


「なんでお前の膝の上なんだ?」


「リース兄さん 先程も申し上げましたが、僕はリリアに婚約を申し込みました。ほぼ婚約者同士といっても変わりません、恋人の誕生日にお姫様扱いをする事が変な事なんでしょうか?」



いやいやー!ライラックさんまだ私達 婚約してないから『おや おや』『あら!?二人は本当に仲良しさんね』お父様 お母様 なんでそんなにのほほーんとしてるの咎めて下さいよ!

降ろして欲しい、自らの手で本日の豪華な食事を食べたいです。王太子のお付きの方々もこっちを凝視してるから、たまにおかしいな?って顔で首を傾げてますわ


「リリアはそれでいいのかな?」


苦笑いを浮かべたリースお兄様が、助け船を出してくれる。よっし!私頑張って素直な気持ちを言うわ!負けるな私!黒炎で焼かれたとしても、少しの火傷で済むと思うから?


「私は!じぶ・・・・うっぐっぐっ・・・・」


話途中で、私のお口には本日のバースデーケーキを詰め込まれる、お口一杯にショートケーキを詰め込まれ・・・・うっぐぅ、、窒息しますから・・まさか誕生日にケーキで窒息死なんて嫌ですわぁぁぁ


「ふふふふ・・・・リリアの食いしん坊さん、ほらお水を飲みなよ」


こら待て!お前が強引に私の口にケーキを入れたんだろ、水の入ったコップを口元まで運んで水を飲ませてもらう?だからぁぁぁ、自分で飲めるからライラック貴方いったい何がしたいのよ!


眉間に皺をよせて睨み付けても、奴は楽しそうに笑っている・・・・怖いよぉ~



「ライラック・・・・そろそろリリアを解放してあげて・・・・」


少し不機嫌な声をだして、リースお兄様がさすがに痺れを切らし、軽々と私を抱っこして救出される『チッ!』なんか舌打ちが聞こえたのは気のせいですわよね?


やっと私は解放され、皆さんと誕生日の食事を楽しむ事が出来ました。本当よかった~


王太子様はまるで空気の様に静かで、途中ちょっと心配したけど、ライラックの顔を見つめて、たまに微笑んだり ニヤニヤしてるから放置する事にしましたわ。







誕生日祝いも、もうすぐ終了!


こんばんわ!リリアです!


気付けば楽しかった誕生日も、夜に差し掛かり王太子様はお帰りになられ、ライラックはリースお兄様とチェスをしているようです。


私は自分の部屋に戻り、今後の計画予定を一人で練っております。王家のお茶会(お見合いパーティー)の参加は絶対なので拒否する事は出来ません、お父様の地位を揺るがす親不孝など間違っても出来ませんから!


まぁ~アヘendでは、我が家没落しますから、とんだ親不孝者ですけどね。



さてさて私は必死に18禁乙女ゲームの記憶を呼び起こす、10歳で王太子の婚約者になった私は

王家のお茶会など参加しましたっけ?

婚約者になっているなら、お見合いパーティーなど参加する必要などなかった・・?


こんなイベントは発生などしなかった・・?





否!!!




思い出しましたわ!私はこの王家のお茶会に参加しております。ゲームの時はこのお茶会で、貴族の方々に正式に王太子の婚約者だと紹介されるのだ、そしてこのお茶会で11歳のヒロインちゃんが登場する。


私と同い歳のヒロインちゃんは、母親を亡くし母方の叔母の家に引き取られるが、生活は貧しく叔母家族に疎まれ 11歳にして叔母の経営する花屋の仕事を手伝い奴隷のような扱いを受けている。



王家のお茶会に花を納品しに来る、市井花屋の花など隅の方にぞんざいに扱われ心を痛めるヒロイン、その姿をみていた庭師が少しでも見栄えがよくする為に、花切り鋏で加工するのを許可してくれた。お茶会までの時間には余裕があった、作業も順調に終わり裏門から帰ろうとするが、うっかり八兵衛 ご都合主義?花切り挟みを会場に忘れて来てしまう、衛兵に事情を話し隠れるように会場まで急いで回収に来るが一足早く到着した私と出会ってしまう。


『この薄汚いドブネズミ!身の程を知りなさい!!』ヒロインちゃんの頭の上から花瓶の水をぶっかけんるんだった・・・

まさに悪役令嬢じゃん 自分の事なのに怖いな自分



ヒロインちゃんは、ただただ謝罪するしか出来ず、そこを助けだすのが攻略対象の王太子・未来の騎士団長・宰相の息子・庭師 選択肢次第で登場人物は替わるってシステムだ


この王家のお茶会は、この乙女ゲームに無くてならないイベントだったのか!!!

そりゃ~ゲームの強制力で悪役令嬢の私は、参加せざるえないんだな・・・・




こんな重要な事を思い出せないなんて、私の馬鹿馬鹿馬鹿!頭をかきむしり部屋で唸っていれば、頭を優しく撫でる人がいる、振り返ればライラックが優しく微笑む



「リリア!本当にお誕生日おめでとう!」



優しく額にキスされ、額にくっついた唇は柔らかく暖かい 辛辣な気持ちでいる私の心まで溶かすようだ。貴方は乙女ゲームではモブキャラなのに、何で私に優しくしてくれるんだろ・・・・?


本当にモブなのか?


隠しキャラとか?アヘendに登場した男達の顔をゲームの画面では確認できなかった、いやそこまで鮮明に覚えてないのが真実だ。


でも私の夢では、確かに赤毛をみた・・?



不思議な気持ちでみつめても、答えは返ってこない、もしかして貴方は私の敵ではないの?

貴方はいったい何者なの?


そっと紙袋を手渡されプレゼントだと言う、立つ鳥跡を濁さず気付けばライラックは帰って行った。




唖然としながら再度頭の中を整理する・・・・



まずは何処まで思い出したか記憶をめぐる。

ヒロインはこのお茶会で、私に虐められている姿を宰相公爵に見初められ養女となる、宰相公爵の建前は庇護欲が湧き守りたくなった。この宰相もまた厄介でヒロインちゃんの美貌に惹かれ(あれ?ロリコン?)将来手込めにしようと企んでいるんだよね。

公爵令嬢になったヒロインちゃんは、12歳から ザックバイル学園へと通いだす ここで愛や友情を育てて成長していくってストーリー!乙女ゲームの定番ですね。


ちなみに王太子やライラックが通っている学園もここ、ライラックはこの学園の騎士科へと進んでいる。



つまりあれか・・・・私も通うことになるの?


へっ・・・・?



マジか・・・・






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