12 / 15
2章
12
しおりを挟む
今日の彼の服装は、いつも見慣れた立襟の黒い神官服では無くとてもラフな格好だ。ラフな格好なはずなのに……白シャツの彼は元々の美貌も合間ってまるで天使が白い布を纏った妖艶さがある、ゴクリと唾を飲み込み美しいの一言で脳裡が埋る。その上神々しい光輝を放っており眩しくて見れない、ただの白シャツの黒パンツなのに彼が纏うだけで神々しい衣装と変貌する。
「なんか凄く眩しいです……」
「おや本日は雲っていますが大丈夫ですか?」
天気の話しではなく貴方が美し過ぎるって話なのだがまったく通じてない。
ゼルビア様は自分の美貌に無関心すぎる、今だってすれ違う度、女の子達がこっちらを見て頬を染めているのに、隣で歩くのが私なんかで申し訳ない気分になってくる……
「リィーシャは今日は眼鏡をかけて髪を下ろし女の子らしい格好をしているのですね、凄く似合っており可愛いらしい」
「っっっ!!」
確かに狩人で生計を立てたり、勇者になったりしていたから、男性らしい身軽な服装が多かった。自分自身もそういった服装が好みなのだが、せっかく初めての二人きりのお出掛け。私なりの一張羅を引っ張りだしお洒落をしてみたが、さらりと褒め言葉を口にするゼルビア様は女性に慣れているんだわ、意識しちゃダメよリィーシャしっかりしなさい!
「…………本当は眼鏡じゃなくて、フルマスクかアイマスクにしろと言われたんですが、街中でヴェネチアンマスクなんてしてたらどこかの不審者か、仮面舞踏会に参加する人だと思わてしまいます……だから絶対嫌だって抵抗したら、苦肉の策に眼鏡になりました。私生まれつき目と耳は良いのですごく不満なんですが仕方ないですよね…」
「そうですね凱旋パレードに参加した貴女は沢山の人の目に触れていますからね。糞…おっと勇者なりに可愛い妹を心配しての提案なのでしょう。それに本日二人きりで素顔で出掛けられる事が奇跡なのかもしれませんね」
「奇跡ですか……」
確かに神々し光輝を纏ったゼルビア様と、一緒に出掛けられるなんて奇跡だ。
『今度一緒に出掛けませんか?』とゼルビア様からお誘いを受けたのはオルド様の送別会の時、私を膝に乗せ誰にも聞こえないように耳元で囁かれた時は背筋がゾクゾクと震えた。
嬉しいやら恥ずかしいやら、でもこれ以上深入りしちゃいけないと心で警戒音が鳴り響くのにコクりと頷いていた。さすがに皆の前で詳細な打ち合わせは出来ず後日通信用の魔法小鳥さんで連絡を取り合っていた。その際にジド目でお兄ちゃんに見られていたけど、見えないふりをした。
「私もじつは変装しているのですよ」
「えっ……?」
「認識阻害魔法でリィーシャ以外には、私の髪は真っ黒に見えております。金髪は目立ちますし、人目を避けたい時はよく使う魔法です」
「ふっへぇ~黒魔法とは便利なんですね」
「黒魔法とはまた違う便利魔法なんですが、特に本日は目立ちたくないのでリィーシャにもかけておきますね。この魔法は存在感も薄くなる効果が付いてますので」
「はい!ぜひお願いします!城下町を散策してみたいなんて我儘をお許しなってくれたのはこの便利魔法があったからなんですね♪」
「それもありますが……私自身も好いてる方とお買い物をしてみたかったので……」
言ってから後悔したのかゼルビア様はプイッと顔を背ける。でも耳も首も真っ赤に染まって照れているみたい、人様を深く観察しながら私自身も真っ赤な林檎ちゃんになってるのは仕方ないですよね。
サラリと凄い事を言うから私の心臓がもたない…
「なんか凄く眩しいです……」
「おや本日は雲っていますが大丈夫ですか?」
天気の話しではなく貴方が美し過ぎるって話なのだがまったく通じてない。
ゼルビア様は自分の美貌に無関心すぎる、今だってすれ違う度、女の子達がこっちらを見て頬を染めているのに、隣で歩くのが私なんかで申し訳ない気分になってくる……
「リィーシャは今日は眼鏡をかけて髪を下ろし女の子らしい格好をしているのですね、凄く似合っており可愛いらしい」
「っっっ!!」
確かに狩人で生計を立てたり、勇者になったりしていたから、男性らしい身軽な服装が多かった。自分自身もそういった服装が好みなのだが、せっかく初めての二人きりのお出掛け。私なりの一張羅を引っ張りだしお洒落をしてみたが、さらりと褒め言葉を口にするゼルビア様は女性に慣れているんだわ、意識しちゃダメよリィーシャしっかりしなさい!
「…………本当は眼鏡じゃなくて、フルマスクかアイマスクにしろと言われたんですが、街中でヴェネチアンマスクなんてしてたらどこかの不審者か、仮面舞踏会に参加する人だと思わてしまいます……だから絶対嫌だって抵抗したら、苦肉の策に眼鏡になりました。私生まれつき目と耳は良いのですごく不満なんですが仕方ないですよね…」
「そうですね凱旋パレードに参加した貴女は沢山の人の目に触れていますからね。糞…おっと勇者なりに可愛い妹を心配しての提案なのでしょう。それに本日二人きりで素顔で出掛けられる事が奇跡なのかもしれませんね」
「奇跡ですか……」
確かに神々し光輝を纏ったゼルビア様と、一緒に出掛けられるなんて奇跡だ。
『今度一緒に出掛けませんか?』とゼルビア様からお誘いを受けたのはオルド様の送別会の時、私を膝に乗せ誰にも聞こえないように耳元で囁かれた時は背筋がゾクゾクと震えた。
嬉しいやら恥ずかしいやら、でもこれ以上深入りしちゃいけないと心で警戒音が鳴り響くのにコクりと頷いていた。さすがに皆の前で詳細な打ち合わせは出来ず後日通信用の魔法小鳥さんで連絡を取り合っていた。その際にジド目でお兄ちゃんに見られていたけど、見えないふりをした。
「私もじつは変装しているのですよ」
「えっ……?」
「認識阻害魔法でリィーシャ以外には、私の髪は真っ黒に見えております。金髪は目立ちますし、人目を避けたい時はよく使う魔法です」
「ふっへぇ~黒魔法とは便利なんですね」
「黒魔法とはまた違う便利魔法なんですが、特に本日は目立ちたくないのでリィーシャにもかけておきますね。この魔法は存在感も薄くなる効果が付いてますので」
「はい!ぜひお願いします!城下町を散策してみたいなんて我儘をお許しなってくれたのはこの便利魔法があったからなんですね♪」
「それもありますが……私自身も好いてる方とお買い物をしてみたかったので……」
言ってから後悔したのかゼルビア様はプイッと顔を背ける。でも耳も首も真っ赤に染まって照れているみたい、人様を深く観察しながら私自身も真っ赤な林檎ちゃんになってるのは仕方ないですよね。
サラリと凄い事を言うから私の心臓がもたない…
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した
Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

義弟の為に悪役令嬢になったけど何故か義弟がヒロインに会う前にヤンデレ化している件。
あの
恋愛
交通事故で死んだら、大好きな乙女ゲームの世界に転生してしまった。けど、、ヒロインじゃなくて攻略対象の義姉の悪役令嬢!?
ゲームで推しキャラだったヤンデレ義弟に嫌われるのは胸が痛いけど幸せになってもらうために悪役になろう!と思ったのだけれど
ヒロインに会う前にヤンデレ化してしまったのです。
※初めて書くので設定などごちゃごちゃかもしれませんが暖かく見守ってください。

ヒョロガリ殿下を逞しく育てたのでお暇させていただきます!
冬見 六花
恋愛
突如自分がいる世界が前世で読んだ異世界恋愛小説の中だと気づいたエリシア。婚約者である王太子殿下と自分が死ぬ運命から逃れるため、ガリガリに痩せ細っている殿下に「逞しい体になるため鍛えてほしい」とお願いし、異世界から来る筋肉好きヒロインを迎える準備をして自分はお暇させてもらおうとするのだが……――――もちろん逃げられるわけがなかったお話。
【無自覚ヤンデレ煽りなヒロイン ✖️ ヒロインのためだけに体を鍛えたヒロイン絶対マンの腹黒ヒーロー】
ゆるゆるな世界設定です。
嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道
Canaan
恋愛
旧題:愚者の花道
周囲からの風当たりは強いが、逞しく生きている平民あがりの女騎士ヘザー。ある時、とんでもない痴態を高慢エリート男ヒューイに目撃されてしまう。しかも、新しい配属先には自分の上官としてそのヒューイがいた……。
女子力低い残念ヒロインが、超感じ悪い堅物男の調子をだんだん狂わせていくお話。
※シリーズ「愚者たちの物語 その2」※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる