お腹痛いって勇者(お兄ちゃん)が言うから代わりに凱旋パレードに参加しただけなんです

おんちゃん

文字の大きさ
上 下
4 / 15
1章

4

しおりを挟む
それがいけなかったのだ……



微笑む私を見てゼルビア様が耳まで赤く染めて赤面させた事を、この時の私は気付いてなかった。

凱旋パレードが始まり、馬車に乗り込み勇者パーティーは沢山の民衆に手を振り歓声に応えた。


ゆっくり馬車が進む中、ふっと気付けば私の隣にゼルビア様が居た、真顔で民衆に手を振っている。こんな時でもこの人は真顔なのかとある意味尊敬する



「……おっい!!」



へ……?なんか必要最低限しか勇者リューイには話しかけないゼルビア様がいきなり話しかけてきた。慌ててそちらを見れば、ふいっと顔を背けながらゼルビア様は言葉を紡ぐ



「なぜ……なぜ…魔王戦で私を庇った?」



私は魔王との戦闘には参加してないから状況がわからない、沈黙のままゼルビア様を見つめ続ければ



「私は貴方に庇われる程無能な人間では無い!」



はいはい!相変わらず怒ってらっしゃるのですね、ごめんなさいね家の兄が貴方の気分を害してしまって、でも怒られるのはこれで最後、どんな辛辣な事を言われても罵倒されてもまったく痛くない響かない。これから普通の女の子に戻り穏やかな生活が待っている、頬が緩み満面の笑顔が止まらない。


この喜びを不機嫌な貴方、ゼルビア様にお裾分けしてあげたい♪完全に頭はお花畑だった。




「なぜ…なぜ……こんな辛辣な事を言う私に、貴方はなぜそんなに寛大なんだ。」




いやいや寛大とかじゃなくて聞き流してるだけですから……だって最後だし♪

沈黙が続いたが、ゼルビア様がいきなり額を押さえて勢いが影を潜める



「くっ……私の負けです…魔王討伐の際に助けて頂きありがとうございました……貴方様のパーティーの要員になれて私は誇りに思います。」



あっ……

あんなにツンツンだったゼルビア様がデレッた。これが世間で言うツンデレのデレッの部分だ、普段はけっして年下に見えない発言や容姿の彼なのに、デレた瞬間に年相応に見えて可愛く感じた。


お兄ちゃんもやるじゃん!!


ツンデレ黒魔導師も攻略しちゃうなんて、お兄ちゃんは大雑把でいい加減だけど結局私もしかり面倒見が良いのよね。兄を誇りに思った瞬間だった、馬車が急に停車して体勢を崩した私は底上げブーツを上手く扱えず前に倒れてしまう。



「キャァァ!!」



転ぶ寸前で叫んでしまった…

慌ててゼルビア様が私を支えてくれ転ばずにすんだが、私の声を聞き不審に思ったゼルビア様がペタペタと私の身体をまさぐり神妙な面持ちになる。

いつも通り勇者の鎧を身に付けマントを羽織っているが、そんなに鎧を押されるとまずい不味いですぞ、、、

気が抜けていた私はサラシを胸部に巻くのを忘れていた。押されれば柔らかく鎧が後ろに押される、鋼の胸筋など私には無いから乳房が押されてへこんでしまう……



「まっ…まっ……待ってください!!」


「その甲高い声色……まさか……本当なのか本当なのだな……オルド ミチカ悪いが勇者と話があるこの場を離れる!!」


「「えっ!?」」



しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ホストな彼と別れようとしたお話

下菊みこと
恋愛
ヤンデレ男子に捕まるお話です。 あるいは最終的にお互いに溺れていくお話です。 御都合主義のハッピーエンドのSSです。 小説家になろう様でも投稿しています。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した

Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。

処理中です...