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二章・青花の姫
13・執事様と事件の始まり
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「うげぇ!?この資料の証拠、一つ足りないじゃんっ!……うぅ、ちょっと遅くなるけど、辺境伯領まで取りに行くしかないかぁ…」
白み帯びてきた空を恨めしそうに眺めながら、アリシアは机を照らしていたライトを消して外套を羽織る。
「髪は……このままでも大丈夫だよね。短剣にワイヤー、バグ・ナク…暗器の装備もおっけーっと。早く帰って寝れますように…」
ぱっぱと身なりを確認すると、アリシアは〈転移〉と呟いた。
―机のメモ紙に一言だけ書き残して。
***
「え?シアが帰ってきていない…?」
朝一番。
シリウスの執務室で三人の美少年と、アリシアの父―ルーカスが話していた。
思わず聞き返したシリウスの言葉に、ルーカスは具体的な状況を説明していく。
「はい…アリィはいつも日の出前には起きているのですが、今日は起きて来ず…メイドが呼びに行ったときにはすでに……」
困惑と心配が混ざり合った面持ちで語るルーカスに、カイルは続ける。
「いなくなっていたんだな?」
「―はい」
いつも堂々としているルーカスがシリウスに迷惑をかけたことに対して…いや、それ以上にアリシアの身を案じて…小さくなっていた。
この二年間、国一の剣士であるルーカスが訓練を付けたアリシアは確かに強いが、所詮そこまでだ。
(さらにアリシアには〈精神操作〉という神技まであるが、ルーカスはそれを知る由もない)
一度剣を手放してしまったら終わりだし、魔力を封じられてしまったらアリシアはもう戦う術を持たない。星宝の力も魔力がなければ使うことは出来ないのだ。
「公爵殿、事件に巻き込まれた可能性はあるっスか?」
お茶を啜っていたオリバーが顔を上げ、ルーカスへ問いかける。
「いえ…机の上には『朝まで帰って来なくても心配はしなくていい。主たちに謝罪だけ伝えておいてくれ』…と書かれた紙が置いてありまして…」
「事件性はなし…か。となると……」
「あぁ、十中八九あのことについてだろうね」
含むように言ったカイルとシリウス、”もう解決した”とばかりに再びお茶を飲むオリバー。
そんな三人を見てルーカスは甚だ不思議そうに眉を寄せた。
「…?殿下、あの事、とは?」
「うーん……シアが伝えていないことを見ると…どうしようか」
シリウスはそう言うとニヤリと不敵に笑い、決断をカイルへ委ねた。
「伝えておいた方が良いのでは?あんなんでも一応は公爵令嬢なわけですし」
「ああ‼カイルっち~!”あんなん”は無いっスよー!カイルっちだって十分信頼しているじゃないっスか~!」
カイルは信用に値しない人間とは一切関わることを好まない。
シリウスの役に立ち、頭の良い人間…カイルはそんな人物だけを好む偏食家なのだ。それもあって彼の纏う冷たいオーラに当てられた人たちに冷たい印象を与えてしまっている。本人そのことを気にしている風でもないので、まぁいいのかもしれないが。
「―なッ!別に私はそういうんじゃ…‼」
「で!あの事とは一体何なのですか…ッ!」
直球に言われて動揺するカイルに被せる様に、しびれを切らしたルーカスは問うた。
もしアリシアが五歳の時に転生していなかったのなら、きっとルーカスはこんな風に娘を心から思いはしなかっただろう。
「まあまあ、落ち着いて。もう直ぐ来ると思うよ?」
「…来る、ですか?」
ルーカスが訝しそうに首を傾げた途端―。
「はぁ~い!こんにちは!シリウスちゃん!!元気にしていたかしらぁ~?」
そんな場違いなまでに陽気な声と共に、扉が大きく開かれた。
「!!?」
「来たか…」
王家特有の絹のように美しい金髪、アリシアの瞳には見劣りするも尚美しく輝く青の瞳。
本国の元第一王女にして、シリウスの叔母――そして、現ヴィリグラス公爵の妻―アマリア=ヴィリグラスである。
「アマリア!もうちょっと落ち着いて…!」
そんな彼女を後から追うように、アマリアの夫でありルーカスの唯一無二の親友――ヴィリグラス公爵家当主、ソルジュ=ヴィリグラスも現れる。
「えぇ~⁉だってダーリン!シリウスちゃんに会うの久しぶりなんだもぉん!」
「だからって…はぁ。シリウス王太子殿下、お邪魔します」
一礼する引き締まった長身の肉体。藍色の髪を横に撫で、困ったように眉を寄せる様は、優しさと彼の賢さを露にしている。
野性的な風貌を持つ〈珊瑚〉のルーカスに対し、ソルジュはインテリな雰囲気を持つ〈瑠璃〉として知られている。
その他にも、現国王であるライオスは〈金〉、現宰相であるアンドロス公爵は〈翡翠〉、ルーカスの後輩であるルードリアン侯爵は〈琥珀〉である。
これらは全て彼らが学生時代、生徒会の役員をやっていた時に定着した二つ名であった。かつてのアイドル的存在だった彼らは、裏で令嬢たちに〈七宝〉の名で呼ばれ親しまれていたのだ。
…まぁ、なんの因果か。二つ名を持った男たちの子供にも〈星宝〉として立派な二つ名が付いているが。
「はい。叔母様、ヴィリグラス公爵、お久しぶりです」
「えぇ!久しぶり!もぉ~、シリウスちゃんったら、大きくなっちゃって~!!」
和やかに挨拶が交わされる傍らで、嵐の如くやって来た昔馴染みの二人に、ルーカスは固まり―
「なッ―!ソルジュにアマリア王女⁉」
―素っ頓狂な声を上げて驚愕した。
「あら⁉ルーカス!久しぶりじゃないの!」
「おっ、ルーカス。元気にしていたか?」
そんな声でやっと彼の存在に気が付いたのか、二人とも友との再会に顔をほころばせた。
「あ、あぁ…って、そうではなく!シリウス殿下!これは一体…?」
アリシアについて聞こうと思った矢先にやって来た、予想外過ぎるの人物にシリウスへ説明を求めた。
―が。それよりも先に、リーリアの養子計画を聞かされていたアマリアが赤髪の男へ不思議そうに問いかけた。
「あら?貴方何も聞いていないの?アリシアちゃんが考えた、リーリアちゃんの救出計画について」
「りー…りあ…?……辺境伯、の…?アリシアが、考えた……救出計画…?」
アマリアが何を言っているのか理解できないかのように、ルーカスは譫言の如く呟く。
「あぁ、シアはずっとリーリア嬢を救うために東奔西走しているんだよ。―と言っても、本人は僕たちに気づかれているなんて思ってもいないだろうけど。…それじゃあ、全部お話ししようか‥」
そうシリウスは断り、事の顛末を話し始める――そう、二人が出会ったあのお茶会から…。
***
「ん…んん……?」
(あれ…私って今、何やっているんだっけ…?もしかして、朝?早く主のところへ行かないと……)
「あ!シア様!!目が覚められたのですか⁉」
身じろぎしたことで意識の浮上に気が付いたのか、鈴を転がしたような可愛らしい声が耳に響いた。
「―――リリィ…嬢……?」
動かない体に鞭を打って、声の主へ目を向ける。
しかし、その体がすべて鉛のように重く、痛い……。
「あぁ‼無理して動いちゃだめです!シア様、今全身傷だらけなんですから!」
「傷…だらけ……」
そこまで聞いてようやく自分の状態に思い至った。
嗚呼、私は負けてしまったのか、と。
時は昨晩…いや、今日の早朝まで遡る。
白み帯びてきた空を恨めしそうに眺めながら、アリシアは机を照らしていたライトを消して外套を羽織る。
「髪は……このままでも大丈夫だよね。短剣にワイヤー、バグ・ナク…暗器の装備もおっけーっと。早く帰って寝れますように…」
ぱっぱと身なりを確認すると、アリシアは〈転移〉と呟いた。
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シリウスの執務室で三人の美少年と、アリシアの父―ルーカスが話していた。
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「はい…アリィはいつも日の出前には起きているのですが、今日は起きて来ず…メイドが呼びに行ったときにはすでに……」
困惑と心配が混ざり合った面持ちで語るルーカスに、カイルは続ける。
「いなくなっていたんだな?」
「―はい」
いつも堂々としているルーカスがシリウスに迷惑をかけたことに対して…いや、それ以上にアリシアの身を案じて…小さくなっていた。
この二年間、国一の剣士であるルーカスが訓練を付けたアリシアは確かに強いが、所詮そこまでだ。
(さらにアリシアには〈精神操作〉という神技まであるが、ルーカスはそれを知る由もない)
一度剣を手放してしまったら終わりだし、魔力を封じられてしまったらアリシアはもう戦う術を持たない。星宝の力も魔力がなければ使うことは出来ないのだ。
「公爵殿、事件に巻き込まれた可能性はあるっスか?」
お茶を啜っていたオリバーが顔を上げ、ルーカスへ問いかける。
「いえ…机の上には『朝まで帰って来なくても心配はしなくていい。主たちに謝罪だけ伝えておいてくれ』…と書かれた紙が置いてありまして…」
「事件性はなし…か。となると……」
「あぁ、十中八九あのことについてだろうね」
含むように言ったカイルとシリウス、”もう解決した”とばかりに再びお茶を飲むオリバー。
そんな三人を見てルーカスは甚だ不思議そうに眉を寄せた。
「…?殿下、あの事、とは?」
「うーん……シアが伝えていないことを見ると…どうしようか」
シリウスはそう言うとニヤリと不敵に笑い、決断をカイルへ委ねた。
「伝えておいた方が良いのでは?あんなんでも一応は公爵令嬢なわけですし」
「ああ‼カイルっち~!”あんなん”は無いっスよー!カイルっちだって十分信頼しているじゃないっスか~!」
カイルは信用に値しない人間とは一切関わることを好まない。
シリウスの役に立ち、頭の良い人間…カイルはそんな人物だけを好む偏食家なのだ。それもあって彼の纏う冷たいオーラに当てられた人たちに冷たい印象を与えてしまっている。本人そのことを気にしている風でもないので、まぁいいのかもしれないが。
「―なッ!別に私はそういうんじゃ…‼」
「で!あの事とは一体何なのですか…ッ!」
直球に言われて動揺するカイルに被せる様に、しびれを切らしたルーカスは問うた。
もしアリシアが五歳の時に転生していなかったのなら、きっとルーカスはこんな風に娘を心から思いはしなかっただろう。
「まあまあ、落ち着いて。もう直ぐ来ると思うよ?」
「…来る、ですか?」
ルーカスが訝しそうに首を傾げた途端―。
「はぁ~い!こんにちは!シリウスちゃん!!元気にしていたかしらぁ~?」
そんな場違いなまでに陽気な声と共に、扉が大きく開かれた。
「!!?」
「来たか…」
王家特有の絹のように美しい金髪、アリシアの瞳には見劣りするも尚美しく輝く青の瞳。
本国の元第一王女にして、シリウスの叔母――そして、現ヴィリグラス公爵の妻―アマリア=ヴィリグラスである。
「アマリア!もうちょっと落ち着いて…!」
そんな彼女を後から追うように、アマリアの夫でありルーカスの唯一無二の親友――ヴィリグラス公爵家当主、ソルジュ=ヴィリグラスも現れる。
「えぇ~⁉だってダーリン!シリウスちゃんに会うの久しぶりなんだもぉん!」
「だからって…はぁ。シリウス王太子殿下、お邪魔します」
一礼する引き締まった長身の肉体。藍色の髪を横に撫で、困ったように眉を寄せる様は、優しさと彼の賢さを露にしている。
野性的な風貌を持つ〈珊瑚〉のルーカスに対し、ソルジュはインテリな雰囲気を持つ〈瑠璃〉として知られている。
その他にも、現国王であるライオスは〈金〉、現宰相であるアンドロス公爵は〈翡翠〉、ルーカスの後輩であるルードリアン侯爵は〈琥珀〉である。
これらは全て彼らが学生時代、生徒会の役員をやっていた時に定着した二つ名であった。かつてのアイドル的存在だった彼らは、裏で令嬢たちに〈七宝〉の名で呼ばれ親しまれていたのだ。
…まぁ、なんの因果か。二つ名を持った男たちの子供にも〈星宝〉として立派な二つ名が付いているが。
「はい。叔母様、ヴィリグラス公爵、お久しぶりです」
「えぇ!久しぶり!もぉ~、シリウスちゃんったら、大きくなっちゃって~!!」
和やかに挨拶が交わされる傍らで、嵐の如くやって来た昔馴染みの二人に、ルーカスは固まり―
「なッ―!ソルジュにアマリア王女⁉」
―素っ頓狂な声を上げて驚愕した。
「あら⁉ルーカス!久しぶりじゃないの!」
「おっ、ルーカス。元気にしていたか?」
そんな声でやっと彼の存在に気が付いたのか、二人とも友との再会に顔をほころばせた。
「あ、あぁ…って、そうではなく!シリウス殿下!これは一体…?」
アリシアについて聞こうと思った矢先にやって来た、予想外過ぎるの人物にシリウスへ説明を求めた。
―が。それよりも先に、リーリアの養子計画を聞かされていたアマリアが赤髪の男へ不思議そうに問いかけた。
「あら?貴方何も聞いていないの?アリシアちゃんが考えた、リーリアちゃんの救出計画について」
「りー…りあ…?……辺境伯、の…?アリシアが、考えた……救出計画…?」
アマリアが何を言っているのか理解できないかのように、ルーカスは譫言の如く呟く。
「あぁ、シアはずっとリーリア嬢を救うために東奔西走しているんだよ。―と言っても、本人は僕たちに気づかれているなんて思ってもいないだろうけど。…それじゃあ、全部お話ししようか‥」
そうシリウスは断り、事の顛末を話し始める――そう、二人が出会ったあのお茶会から…。
***
「ん…んん……?」
(あれ…私って今、何やっているんだっけ…?もしかして、朝?早く主のところへ行かないと……)
「あ!シア様!!目が覚められたのですか⁉」
身じろぎしたことで意識の浮上に気が付いたのか、鈴を転がしたような可愛らしい声が耳に響いた。
「―――リリィ…嬢……?」
動かない体に鞭を打って、声の主へ目を向ける。
しかし、その体がすべて鉛のように重く、痛い……。
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