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第1章 亡国の魔法騎士

死闘の果てに

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「まさか、ヴィヴィアンがこうも容易くやられるとは…」
玉座に座り、ミハエルは一人呟く。
強い魔力を持つ者と造魔を掛け合わせ造った、造魔の中の造魔。
ミハエルは『神魔』と呼んでいた。


そのプロトタイプであるヴィヴィアンは、最年長ながら、その分経験値が圧倒して多かった。自分の感覚と造魔、神魔と感覚を繋げると、どうしても隙やタイムラグ、誤差がでる。
しかし、その点ヴィヴィアンは、長い練習のため、一番扱いやすく、自身の動きをトレースしやすかった。


「ソウマ君の強さ」
想定外。あの大軍とヴィヴィアンを持ってしても、怪我一つ負わすことができなかった。


「エグゼ君の強さ」
こちらはもっと想定外だった。ソウマとも違う、異質の強さ。
寒気がした。
こちらの手の内の全てを見透かしたような、あの瞳。
なんとしても…!
………。
……。
…。
座り慣れた玉座で、ミハエルは一人、思索を重ねていた。





「ソウマの容態はどうだ?」
処置を終えた、たたらとティアラが寝室から出てくる。
「大丈夫だ。あの化け物がそう容易く死ぬか!」
しかし、その大きな一つ瞳が、涙で濡れているのを、誰もが気付いていた。


「幸い、ティアラの体液も効いているしな。ありがとう、ティアラ」
「そーまのためだもん!なんてことないよっ!」
妖精の体液には、傷を癒す効果がある。それは奥深くなればなるほど、濃くなればなるほど、その効果が強い。
ティアラも元気そうにしているが、相当消耗していることだろう。


「でも、私、どうしよう…。私の所為で、ソウマは…」
ソウマが助かったのも嬉しかったが、それ以上に後悔の念が押し寄せる。
なぜあそこまで我を忘れて、あのサイクロプスを間近で観たいと思ったのか。
「アーニャにはアーニャの理由があったんだろう?キチンとした理由があれば、ソウマも怒りはしないよ」
いつもと変わらない柔らかな顔で、ソウマが微笑む。


「戦いに気を取られ、貴様を止められなかった、私達にも非はある。一人で抱え込むな」
たたらは悔しそうに歯噛みする。
あの巨人のと戦いにおいて、たたらはなんの役にも立たなかった。
もっと戦えると思っていた。
しかし、現実は…。


「そんなこといったら、あたしなんて…」
ついでにティアラまで一緒になって落ち込み始める。
「ま、まぁまぁ。そんなに落ち込んだって、しょうがないよ。
ソウマは生きてる。その事実だけでもいいじやないか。もしみんなが後悔してるなら、次は同じ過ちを繰り返さないように、毎日を丁寧に生きればいい」


それは、この数年エグゼが修羅のような旅を繰り返していたからこそ言える台詞だった。
「エグゼ。そうだよね、まだソウマは生きてるんだもんね!キチンと謝らないと!」
その一言で救われたのか、アーニャの表情にも、明りが灯る。


「だいたい、内臓が飛び出してて、麻酔までかけたんだぞ?それでも意識をなくさない、あいつがおかしいんだ。
殺しても死なないだろうとは思ったが…。あいつのことは気にするな!」
たたらも、アーニャに気を使ってか、フォローをすり。
いくら強がってみせて、メリクリウスの


No2といっても、まだアーニャは幼い子供なのだ。
自分の親しい人が、自分の所為で傷ついてしまった事実は、つらい。
「でも、本当によかった…」


そう言うと、アーニャその場に崩れ落ちるように、気を失ってしまった。
「緊張の糸が切れたみたいだね」
エグゼは優しくアーニャを支えると、ゆっくりと寝室に運んだ。





「精霊玉は、ちゃんと機能してるか?」
アーニャを寝室で寝かしつけたエグゼが、ダイニングテーブルに座ると、おもむろに、たたらが訪ねてきた。


「あぁ、しっかり使えてるよ」
そう言って、バッグから、一つの玉を取り出す。
それは、たたらに言われて自分で磨き上げた精霊石の玉だった。


「せーれーぎょく?きれーだね、えぐぜ!」
パタパタとティアラ飛んできて、精霊玉のそばに止まると、いきなりギューっと抱きついた!


「せーれーせきで出来てるんだよね?あったかい!」
ツルツルの玉に、頰ずりをする。
と。
「ティアラちゃん、くすぐったいわよ」
精霊玉から声がした。


「わぁ?このせーれーせき、おしゃべりできるよ、えぐぜ、たたら!すごい、すごーい!」
「そう、私は、精霊石の精霊なのよ~」
「こら」
ぺち、と軽く、エグゼが精霊石を叩く。


「嘘を教えちゃだめだろ、サニー」
そう。この玉は、精霊を使役し終わったあとも、精霊を精霊界へ帰さないための言わば、『簡易寝所』なのだ。
「あらあら、怒られちゃったわ。ごめんね、ティアラちゃん」


「さにーお姉ちゃんだったんだね!お出掛けできるようになったの?」
基本的に、精霊は、この世にい続けることは出来ない。実体化するためには、魔力を使い、この世に留めておくしかないのだ。


しかし、聖域と呼ばれる場所は、精霊界と人間界の壁が薄く、精霊がデメリットなしで、人間界にいられる場所でもある。
一度サニーが精霊界に帰ってしまったら、エグゼにはサニーを呼び出す術がなくなってしまう。


そのため、この精霊玉を簡易の住処として、サニーのためにエグゼが高品質の精霊石のを、加工して作りあげたのだ。
「この精霊玉を剣にはめて、剣を通して、僕とサニーの生命を一つにするんだ」


今までの使役とはまた違う、精霊との一体感。あれは絵にも言われぬ高揚感あった。
「じゃあ、さにーお姉ちゃんもえぐぜと一緒に行くの?」
「そぉよ。ちょっと留守にするわね」
おっとりと別れを告げるサニー。
「で、だな」
別れの感傷を継ぎ、たたらも声を発する。


「私もエグゼたちについていく。ソウマは見事に約束をまもったからな。
『敵味方関係なく、死者を出さない』
こんな馬鹿げた約束を、あの男は見事にやってのけた。逆に私たちは『ソウマとエグゼ以外の人間を戦場に立たせない』という約束を破った訳だからな。当初の取り決め通り、メリクリウスで、奴らの武具を作ろうと思う」


すっきりした表情で、たたらは旅に出ることを誓った。
「そっかぁ」
しょぼん、と項垂れるティアラ。自分には、旅立つ理由がない。


「ソウマが回復し次第出発するから、ティアラも用意しておいてね」
しかし、さも当然のように、エグゼはティアラに準備を促していた。
「え?で、でもでも、あたし…!」
戦闘では、なにも役に立たない。
そう続けようとしたが、たたらが言葉で遮る。


「ティアラがいなかったら、ソウマは死んでいた。それが事実だ。あれだけの戦力の命を救ったんだ。
ある意味、お前が一番の功労者だよ」
たたらの大きな一つ瞳は、どこまでも優しさをたたえたまま、小さな英雄を見つめたまま。


「それに、今度同じことがあったときは、しっかりとアーニャを止めて、戦場に行かせないようにしないとね」
と言った。
「わぁ!うん!あたしもいくっ!身体の水分全部なくなっても、みんなを助けるよぉ!」
壮大な決意だが、それは困る。


しかし、水分を出し尽くして、ミイラみたいなティアラを想像して、エグゼとたたらは笑い出してしまった。
「もぅ!なんで笑うのよ!」





3日後。
ティアラとたたらの献身的な看護もあって。
「よし、もうだいじょうぶだ!」
完全に回復していた。


「ばかな!腹部貫通だぞ!感染症とかだって、危うかったんだ!こんなに早く回復する馬鹿がいるかっ!?」
自分で看護をしておいて、その回復ぶりに悪態を付くたたら。


「なぁ、エグゼ?なぜ俺は怒られている?」
訳が分からず、エグゼに尋ねるソウマ。普通は祝われるところだが。
「ま、まぁ驚くのも、無理はないと思うよ」
全くもって通常営業のソウマに、エグゼ以下の3人も呆れていた。


「どんだけ規格外なのよ…」
「でも、良くなってよかったねぇ!」
三者三様ながら、ソウマの回復に胸を撫で下ろしていた。
「さて、俺も良くなったところで、アーニャには、聞きたいことがあるんだ」
一転。真面目な空気を作り、アーニャに尋ねるソウマ。


「お前は、あのサイクロプスに『なにを見た?』」
ソウマらしい、隠すことのない直球な物言いだった。
「ソウマ、それは…」
たたらは、ソウマがアーニャを責めるものだと思い、口を開いていた。だが、それをソウマが遮る。


「いや、責めている訳では無いんだ。
アーニャの能力は、この中じゃ俺が一番よく知っている。『物事の本質を見極める能力』。この能力が、あの不可解な生命体に反応して、我も忘れて知ろうと近づいて来たんだろう」


そういえば、サイクロプスを一目見たあとから、アーニャの様子がおかしかった気がする。
たたらも、口を挟むのをやめて、話を聞く体制に入った。


「うん…それが…」
アーニャは言い辛そうだった。
自分の見たものが、信じられない。そんな面持ちだった。
「私が今回、あのサイクロプスに見たのは、その『魂の在り方』だったの。
普通の人は、もちろんなんの違和感もないんだけど…」


普通の造魔でも違った。
「あれはまさに、作られた命、よ。
魂という器だけ作り、中になにも入れない。その代わりにいれるのは、ミハエルのおっさんの命令よ。
だから、造魔は、命令を聞いてるんじゃなくて、命令自体が、生きている理由、みたいになってるの」


命令がないときは、まさに生ける屍なのだろう。
魂の中身がないのだから、感情や、自身の考えなどあるわけもない。
正に、操り人形だ。
「魂なんて不確定な物に、そんなに手を加えることが出来るのか?」
ソウマが、口を挟む。


「そこまで難しいことじゃないよ。
とくに、ミハエルはそういったことの第一人者だった。でも、魔法が使えれば、ね」


聞き逃せない一言だった。
魔法が使えれば。
もともと魔法は、その人間の魂の奥底にある、生命から湧き出る偉大な力の迸りを利用したものだ。
魔法力がなにか、を探求すると、必ず魂、生命へと結びつく。


その研究に於いて、この大陸でミハエルの右に出るものはいなかった。
「…。ミハエルは、魔法がつかえるのか?」
今まで何度かぶち当たった問題だ。
しかし、今考えても答えは出ない。


「それはすぐには答えは出ない。あとまわしにしよう。とりあえず、ミハエルは魔法なのか、魔法以外の力なのかわからないけど、魂をいじることが、できている。それが事実だ」
みんなが肯定の意を示すように頷く。


「でも、それだけなら、まだいいの。問題は、あの巨人だったの」
思い出すだけで身震いする。
見た目や戦闘力に、ではない。
その魂の異様さに、である。

「あの異様な強さの造魔は、『人間と造魔の子供』よ」

全員に予想だにしない、衝撃が走る。
そうとしか思えない、魂の在り方。
中身のない造魔の魂に、魔力の高い人間の魂。


それらが理を捻じ曲げられ、解けること無くからまり合い、融合した、禁忌の魂。
おそらく、親は…。
「な、なんだそれ!人間と造魔の子供だとっ!?」


机を叩いて、ソウマが立ちあがる。
他の面々はあまりの事実に、言葉すらでない。
「あの魂は、そうとしか考えられないわ」


非常識なおぞましさに、思い出しただけで、吐き気がする。
「じゃあ、なにか?俺は人間の子供を相手に戦ってたってのか!?」
たとえ異形だとしても、この手で、人間の子供を殺そうとしたのか?」


ソウマの手に、あの巨人を攻撃した時の感触が蘇る。
「気にするな、ソウマ、エグゼ。あぁなってしまっては、もう人間ではない。むしろ、造魔の魂から、人間の魂を救ってやったと考えるべきだ」


絡まった魂を、造魔の魂から救い出す。確かに、そういうことなのかもしれない。
「私が見えたのは、それだけ。あとは、他の造魔と同じように、魂をの空っぽの部分にミハエルとの繋がりが見えたわ。他の造魔とは、比べものにならないくらい、強い繋がりだったけどね」
繋がりというよりは、憑依に近い。


それほど魂の深いところで、ミハエルとサイクロプスは繋がっていた。
「しかし、ミハエルが、魔法は使えないのに魔力が高い者を各地でさらっている訳は、それか」


ソウマの属する、メリクリウスの情報収集部隊からの報告だが、魔力の高い女性が魔物、人間問わずミハエルに攫われているとのこと。
これで、合点がいく。


攫われた女性たちは、造魔の子を生まされているのだ。
ミハエルの邪悪な理想のために。
「ここで、ゆっくりしている訳にも、行かないな」
エグゼがつぶやく。


「そうだな。用意を整えて、昼過ぎにでも、出発しよう。エグゼの次の目的地はどこだ?」
待ちきれない、とばかりに昼食の用意を始めながら、ソウマが尋ねる。


「僕は、ここから南東に向かうよ。
昔、僕が住んでいた森があるんだけど、次の7大精霊、月の精霊に会うためのアイテムが置いてあるんだ。
そのあとは、月の精霊がいる、山沿いに東にいって、ツクヨミの街にいくよ」


「そうか。俺たちは、一度たたらたちを連れて、メリクリウスの本隊と合流する。
そのあと、俺もツクヨミの街に向かおう!」


パンを焼き、卵を攪拌しながらソウマが返事をする。
なんとも締まらない。
「わたしは約束通り、メリクリウス本拠地で、みんなのための武具を作ろう。戦闘もこなせないことはないが、二人の前ではどうも、足手まといみたいだなしな」


たたらは肩をすくめながら、フォークとナイフを手にして朝食を待ちかねている。
「わたしは、そーまについてくよ!
そーま、強いけど怪我ばかりしそうだもん!」


ティアラは一足先に出された、花の蜜を美味しそうに飲んでいた。飲むのが下手なのか、こぼしまくっているが…。
そして
「わたしは、エグゼに着いて行こうと思う」
と、アーニャは言った。


「エグゼにか?本隊には、戻らないのか?」
これには、ソウマも面を食らった。
調理の作業は鮮やかに続けていたが。
「うん。メリクリウスに戻っても、わたしはやることないし、それに、エグゼに着いて行った方が、色々なものが『視え』そう!」


彼女の真実の瞳は、体験したことのない冒険に、好奇心を揺り動かされているらしい。
「ねぇ、大丈夫?エグゼ?」


大きな瞳を瞬かせて、アーニャが可愛くおねだりをする。
その仕草が、幼き日の姫、ミスティにあまりにも良く似ていて…。
エグゼは動揺しながらも、
「もちろん!」
と答えた。


「わぁ!ありがとう!じゃあ、コンゴトモヨロシク、ね!エグゼ!」
歳相応の少女の仕草で喜んで見せた。
そうこうしているうちに、昼食も出来上がったようだ。


「さて、もう出掛けるし、残りの食材は、道中保存食にして、すぐダメになりそうなもので、作ったぞ!」
いつ見ても、なんとも不似合いな図だが、出来上がった料理は最高のものだった…。





午後。
シスカの町の入り口に全員で立つ。
ここから二手に分かれて、それぞれの目的に向かって旅立つ。
と、そこへ。


「シスカの英雄たちよ」
振り向くと、そこにはこの町の町長であるルドルフ以下、町人たちが、揃っていた。
「この度は、町の危機を救ってくれてありがとう」
 

ルドルフは、髭を撫でつけながら、深々とお辞儀をする。
「お前さんたちがいなかったら、この町のは滅びていただろう。
メリクリウスの長よ。もし、メリクリウスが必要とするなら、我々はいつでも手を貸そう!」


髭の奥に隠された頬が真っ赤にそまっているのを、全員が見逃さなかった。
「ツンデレ。か」
ポツリとソウマがつぶやく。
その一言で、場の空気が、笑っては行けない…みたいになってしまった。


「…。とにかく、その申し出はありがたい!ぜひ、総力戦の時は声をかけさせていただきたい!」
気を取り直して、ソウマが手を差し出す。


「…、あぁ、任せろ。死ぬなよ、若造」
照れくさそうに手を差し出す町長。
「そちらこそ、御老体!」
お互いに悪態をつきながらも、笑顔で手を離す。


「じゃあ、ツクヨミの街にで、おちあおう!」
「あぁ!基礎だけは怠るなよ!」
こうして、エグゼ、アーニャはまず、エグゼの育った森へ。
ソウマたちはメリクリウス本隊と合流するため。
爽やかな風を受けながら、それぞれ旅立って行った。
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