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第3章 蜜月
47 快楽
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浅葉はまるで留まる気配がない。千尋の背中を支えてベッドに寝かせると、レギンスパンツの前を開けて手を差し入れ、下着の上から指を触れた。
「ちょっと……」
「今日は着けてないね」
「え? あ、ナプキン? ……ていうか、ダメですよ、怪我してるんですから」
「そう?」
と言いながら、もうのしかかってきている。
「ねえ、傷口が開いちゃう」
「こんなとこ使うっけ?」
馬乗りになろうとした瞬間、浅葉は顔をしかめた。千尋はそれを見て噴き出す。
「めっちゃ使ってるし」
浅葉も眉を寄せたまま笑った。
「そうだな。ドンピシャだよな、むしろ」
千尋の隣にごろりと横になった浅葉は、諦めたのかと思いきや、千尋のセーターと中のブラウスをめくり上げた。そこから温かい手が侵入してくる。
「ダメだってば」
「手だけでよければ」
「やっ、そういうのはちょっと……」
「嫌? どうして?」
浅葉は、ブラジャーに覆われた千尋の右胸を手首でくるんと擦った。ついしっかり反応しながら、千尋は努めて冷静に言葉を発する。
「フェアじゃないっていうか……本当は私にもっと技術があればいいんでしょうけど」
浅葉がくすっと笑った。
「技術って……」
「ね、いろいろ」
「いいよ、そんなの。俺はただ、お前の気持ちいい顔が好きなんだ」
そんなことを言って千尋の素肌を撫で回す浅葉の手は、どうにもこうにも抗い難い。
浅葉はベッドの上に足を伸ばしたまま腰をひねり、とどめといわんばかりのキスを浴びせた。千尋は着ているものが急にうっとうしくなり、セーターの裾を自ら持ち上げた。それを浅葉が引き継いで器用に取り払う。
浅葉は、千尋のブラウスのボタンを一つ外しては、首筋に顎、耳、といちいち寄り道をする。その小憎らしい癖だか戦術だかのお陰で、下着が露わになる頃には千尋の肌は燃えるようだった。
「これ……」
と、浅葉のセーターを引っ張る。
「脱いで」
浅葉は片方の口角をわずかに上げると、セーターを脱ぎ、仰せつかる前に中の黒いTシャツも脱いだ。
千尋の望み通り、その美しい胸が千尋の隣にぴたりと寄り添った。手を触れるだけのつもりが、吸い込まれるように思わず顔をうずめてしまう。
浅葉はそんな千尋の背中を片手であやしながら、千尋の生の下半身を求めて格闘していた。
「ちょっと、これ系もう禁止にしようか。脱がせる方の身にもなれよ」
「片手じゃ無理よ」
千尋は自ら手を下し、よいしょっとお尻を突破した。普段これを脱ぐ時は大抵下着も付いてきてしまうのだが、今日は浅葉のために敢えて残しておく。見られると思っていなかったから上下が合っていないが、まあいいか。
とりわけ薄くて柔らかい生地のショーツの中に、浅葉の手が入ってくる。優しく触れられるこの感覚を、千尋の体は数ヶ月間待ちわびていた。じっくりと周囲をなぞる浅葉の手を急かすように膝を折り曲げ、その部分を緩めた。
浅葉はその誘いには乗らず、お尻や太腿へと範囲を広げて愛撫し続ける。ようやく中央に至った浅葉の指は慎重に入口を濡らし、千尋がじれったさに悲鳴を上げそうになった頃、ようやく内側を撫で始めた。
「ちょっと……」
「今日は着けてないね」
「え? あ、ナプキン? ……ていうか、ダメですよ、怪我してるんですから」
「そう?」
と言いながら、もうのしかかってきている。
「ねえ、傷口が開いちゃう」
「こんなとこ使うっけ?」
馬乗りになろうとした瞬間、浅葉は顔をしかめた。千尋はそれを見て噴き出す。
「めっちゃ使ってるし」
浅葉も眉を寄せたまま笑った。
「そうだな。ドンピシャだよな、むしろ」
千尋の隣にごろりと横になった浅葉は、諦めたのかと思いきや、千尋のセーターと中のブラウスをめくり上げた。そこから温かい手が侵入してくる。
「ダメだってば」
「手だけでよければ」
「やっ、そういうのはちょっと……」
「嫌? どうして?」
浅葉は、ブラジャーに覆われた千尋の右胸を手首でくるんと擦った。ついしっかり反応しながら、千尋は努めて冷静に言葉を発する。
「フェアじゃないっていうか……本当は私にもっと技術があればいいんでしょうけど」
浅葉がくすっと笑った。
「技術って……」
「ね、いろいろ」
「いいよ、そんなの。俺はただ、お前の気持ちいい顔が好きなんだ」
そんなことを言って千尋の素肌を撫で回す浅葉の手は、どうにもこうにも抗い難い。
浅葉はベッドの上に足を伸ばしたまま腰をひねり、とどめといわんばかりのキスを浴びせた。千尋は着ているものが急にうっとうしくなり、セーターの裾を自ら持ち上げた。それを浅葉が引き継いで器用に取り払う。
浅葉は、千尋のブラウスのボタンを一つ外しては、首筋に顎、耳、といちいち寄り道をする。その小憎らしい癖だか戦術だかのお陰で、下着が露わになる頃には千尋の肌は燃えるようだった。
「これ……」
と、浅葉のセーターを引っ張る。
「脱いで」
浅葉は片方の口角をわずかに上げると、セーターを脱ぎ、仰せつかる前に中の黒いTシャツも脱いだ。
千尋の望み通り、その美しい胸が千尋の隣にぴたりと寄り添った。手を触れるだけのつもりが、吸い込まれるように思わず顔をうずめてしまう。
浅葉はそんな千尋の背中を片手であやしながら、千尋の生の下半身を求めて格闘していた。
「ちょっと、これ系もう禁止にしようか。脱がせる方の身にもなれよ」
「片手じゃ無理よ」
千尋は自ら手を下し、よいしょっとお尻を突破した。普段これを脱ぐ時は大抵下着も付いてきてしまうのだが、今日は浅葉のために敢えて残しておく。見られると思っていなかったから上下が合っていないが、まあいいか。
とりわけ薄くて柔らかい生地のショーツの中に、浅葉の手が入ってくる。優しく触れられるこの感覚を、千尋の体は数ヶ月間待ちわびていた。じっくりと周囲をなぞる浅葉の手を急かすように膝を折り曲げ、その部分を緩めた。
浅葉はその誘いには乗らず、お尻や太腿へと範囲を広げて愛撫し続ける。ようやく中央に至った浅葉の指は慎重に入口を濡らし、千尋がじれったさに悲鳴を上げそうになった頃、ようやく内側を撫で始めた。
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