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第1章 護衛
10 恋慕
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興奮気味の長尾をオフィス街に降ろした後、浅葉は千尋を車の中に残して外で電話をかけていた。やがて運転席に戻ってくると、肩越しに言う。
「さっきの歩道橋の男。この取引との関連はまず間違いないが、黙秘に徹してて身元がわからない。安全が確認できるまであの部屋にいろってことになった」
「そう、ですか」
そもそもあそこから出てこなければこんなことには……。千尋は改めて、下手すれば死人が出ていたかもしれないという恐怖に襲われていた。
部屋に戻ると、浅葉はまっすぐバスルームに入った。穴のあいた黒シャツと防弾チョッキを脱ぎ、手だけ洗って出てきたらしい。白のTシャツ姿になっていた。
「浅葉さん、さっきの怪我……」
言い終わらないうちに浅葉が、
「手洗ってこい」
と、ぴしゃり。
千尋はため息をつき、言われた通りにした。バスルームから出てくると、浅葉はいつもの椅子に座り、しかしデスクには背を向けている。ベッドの上には救急箱らしきもの。
「あの……」
声をかけると、浅葉は黙って千尋の顔を斜めに見上げた。その目に導かれるようにベッドに座ると、ぱっと右手を取られ、千尋は息を呑む。こんな距離感は想定外……と思いつつ、そういえば先ほど路上でこの人に抱き起こされたのだと思い出し、今さらドキドキする。
浅葉は千尋の掌をそっと伸ばして傷を確かめると、その手を自分の膝にぽんと載せ、救急箱を覗き始めた。
千尋は、心臓の音が浅葉に聞こえてしまうのではないかと冷や冷やした。右手の甲には、ジーンズ越しに確かな体温が伝わってくる。不適切な甘みを帯びた心の揺らぎを、どうか悟られませんようにと祈った。
浅葉は絆創膏のような湿布のような、五センチ角程度の肌色のシートを取り出すと、フィルムを剥がして千尋の手に貼った。
「二、三日このまま貼っとくといい。濡れてもそのままで大丈夫だ」
「はい」
自己流で手当てするなら消毒液でもかけて放っておくところだが、浅葉に言われれば何でも信じられる気がする。
浅葉は救急箱を手に立ち上がり、バスルームへと消えた。シャワーの音が聞こえ、間もなく止まった。そこへ微かに電話が鳴る。浅葉がバスルームに持って入っていたらしい。
しばらくするとドアが開く音がし、浅葉の声。
「明日片付きそうだ」
「そう……ですか」
「一応、大きな危険は去ったと見ていい」
「はい。ありがとうございます」
つまり、明日取引があると判明したのだろう。千尋はベッドから立ち上がると、デスクの角からそっと様子を窺った。
ドアが少し開いたままになっており、洗面台の上の鏡が目に入る。先ほどまでと同じジーパンを穿き、肩にバスタオルを掛けた上半身裸の浅葉が、脇腹の中ほどに手を触れて顔をしかめていた。
これが浅葉の任務にすぎないということはわかっているが、千尋は、まるで大切な人が自分のために傷を負ったような錯覚を覚えた。
鏡の中の浅葉は右肩にタオルを掛けたまま、救急箱から幅の広い粘着テープを取り出し、手で切って洗面台に二本並べた。そこにガーゼを乗せ、軟膏らしきものを大量に塗りたくる。
余計なお世話だと怒られるかもしれないが、なぜか放っておけない。千尋は無意識のうちに、半開きのドアに手をかけていた。左胸を露出したまま自作の湿布を手に取った浅葉と、鏡の中で目が合う。
千尋が足を踏み入れ、ガーゼの端をそっとつまむと、浅葉は意外と素直に手を離した。銃弾を受けた場所は赤黒く無惨に腫れ上がっている。湿布の位置を合わせようとした千尋の手がその赤みの周縁に触れると、浅葉はきゅっと目をつぶり、苦しげな息を漏らした。
「あ、すみません。痛いですよね」
千尋が湿布を当て、そっと押さえると、浅葉はまた新たにテープを切り始めた。
その左の上腕外側に、ナイフででも切ったような赤い線が濃淡こもごも数本。こちらは今日とは別の古い傷だろう。前が開いたままベルトの重みで少し下がったジーパンからは腰骨が覗き、そこには紫とも茶色ともつかぬ楕円のあざが薄く残っている。しかしそれよりも千尋は、彼の筋肉と骨が生み出す美しい曲線の方に目を奪われていた。
気付くと、新しいテープが差し出されていた。鏡の中の浅葉が千尋を見ている。千尋は、ずっと見られていたような気がして恥ずかしくなり目を逸らした。黙ってテープを受け取り、先ほどのものと交差するよう、縦に貼る。
二本目を手渡そうとする浅葉がまだ自分を見ていることはわかっていたが、視線を合わせることはできなかった。奪うようにそれを受け取ったものの、この場を離れることが惜しくて、端から殊更にゆっくりと浅葉の肌に乗せ、そっと撫で付けた。
(何やってんだろ、私……)
貼り終えてしまうと、そのまま佇んでいるわけにもいかなくなった。何か言わなきゃと思案していると、浅葉はバスルームのドアを押し開け、
「早く寝ろ」
と出ていってしまった。
(寝ろったって、まだ五時前なんですけど……)
千尋は後を追わず、その場に残ってドアを閉めた。トイレの蓋に腰掛ける。
余計な真似をするなと冷たくあしらわれた方がまだ楽だったかもしれない。鏡の中から向けられた浅葉のどこか孤独な視線が、強烈な残像となって千尋の胸を締め付けた。明日にはおそらく全てが片付くだろう。浅葉とのここでの時間にも終わりが来る。
(バカみたい。今時、女子高生だってそんな浮かれた夢、見やしないってのに……)
自分でも思いがけない動揺がドア越しに勘付かれてしまいそうで、咄嗟に蛇口をひねって水を出し、ごまかした。警察の護衛を受けるなどという非日常性によるストレスと、昼間拳銃で撃たれかけたショックのせいだと自分に言い聞かせる。
「さっきの歩道橋の男。この取引との関連はまず間違いないが、黙秘に徹してて身元がわからない。安全が確認できるまであの部屋にいろってことになった」
「そう、ですか」
そもそもあそこから出てこなければこんなことには……。千尋は改めて、下手すれば死人が出ていたかもしれないという恐怖に襲われていた。
部屋に戻ると、浅葉はまっすぐバスルームに入った。穴のあいた黒シャツと防弾チョッキを脱ぎ、手だけ洗って出てきたらしい。白のTシャツ姿になっていた。
「浅葉さん、さっきの怪我……」
言い終わらないうちに浅葉が、
「手洗ってこい」
と、ぴしゃり。
千尋はため息をつき、言われた通りにした。バスルームから出てくると、浅葉はいつもの椅子に座り、しかしデスクには背を向けている。ベッドの上には救急箱らしきもの。
「あの……」
声をかけると、浅葉は黙って千尋の顔を斜めに見上げた。その目に導かれるようにベッドに座ると、ぱっと右手を取られ、千尋は息を呑む。こんな距離感は想定外……と思いつつ、そういえば先ほど路上でこの人に抱き起こされたのだと思い出し、今さらドキドキする。
浅葉は千尋の掌をそっと伸ばして傷を確かめると、その手を自分の膝にぽんと載せ、救急箱を覗き始めた。
千尋は、心臓の音が浅葉に聞こえてしまうのではないかと冷や冷やした。右手の甲には、ジーンズ越しに確かな体温が伝わってくる。不適切な甘みを帯びた心の揺らぎを、どうか悟られませんようにと祈った。
浅葉は絆創膏のような湿布のような、五センチ角程度の肌色のシートを取り出すと、フィルムを剥がして千尋の手に貼った。
「二、三日このまま貼っとくといい。濡れてもそのままで大丈夫だ」
「はい」
自己流で手当てするなら消毒液でもかけて放っておくところだが、浅葉に言われれば何でも信じられる気がする。
浅葉は救急箱を手に立ち上がり、バスルームへと消えた。シャワーの音が聞こえ、間もなく止まった。そこへ微かに電話が鳴る。浅葉がバスルームに持って入っていたらしい。
しばらくするとドアが開く音がし、浅葉の声。
「明日片付きそうだ」
「そう……ですか」
「一応、大きな危険は去ったと見ていい」
「はい。ありがとうございます」
つまり、明日取引があると判明したのだろう。千尋はベッドから立ち上がると、デスクの角からそっと様子を窺った。
ドアが少し開いたままになっており、洗面台の上の鏡が目に入る。先ほどまでと同じジーパンを穿き、肩にバスタオルを掛けた上半身裸の浅葉が、脇腹の中ほどに手を触れて顔をしかめていた。
これが浅葉の任務にすぎないということはわかっているが、千尋は、まるで大切な人が自分のために傷を負ったような錯覚を覚えた。
鏡の中の浅葉は右肩にタオルを掛けたまま、救急箱から幅の広い粘着テープを取り出し、手で切って洗面台に二本並べた。そこにガーゼを乗せ、軟膏らしきものを大量に塗りたくる。
余計なお世話だと怒られるかもしれないが、なぜか放っておけない。千尋は無意識のうちに、半開きのドアに手をかけていた。左胸を露出したまま自作の湿布を手に取った浅葉と、鏡の中で目が合う。
千尋が足を踏み入れ、ガーゼの端をそっとつまむと、浅葉は意外と素直に手を離した。銃弾を受けた場所は赤黒く無惨に腫れ上がっている。湿布の位置を合わせようとした千尋の手がその赤みの周縁に触れると、浅葉はきゅっと目をつぶり、苦しげな息を漏らした。
「あ、すみません。痛いですよね」
千尋が湿布を当て、そっと押さえると、浅葉はまた新たにテープを切り始めた。
その左の上腕外側に、ナイフででも切ったような赤い線が濃淡こもごも数本。こちらは今日とは別の古い傷だろう。前が開いたままベルトの重みで少し下がったジーパンからは腰骨が覗き、そこには紫とも茶色ともつかぬ楕円のあざが薄く残っている。しかしそれよりも千尋は、彼の筋肉と骨が生み出す美しい曲線の方に目を奪われていた。
気付くと、新しいテープが差し出されていた。鏡の中の浅葉が千尋を見ている。千尋は、ずっと見られていたような気がして恥ずかしくなり目を逸らした。黙ってテープを受け取り、先ほどのものと交差するよう、縦に貼る。
二本目を手渡そうとする浅葉がまだ自分を見ていることはわかっていたが、視線を合わせることはできなかった。奪うようにそれを受け取ったものの、この場を離れることが惜しくて、端から殊更にゆっくりと浅葉の肌に乗せ、そっと撫で付けた。
(何やってんだろ、私……)
貼り終えてしまうと、そのまま佇んでいるわけにもいかなくなった。何か言わなきゃと思案していると、浅葉はバスルームのドアを押し開け、
「早く寝ろ」
と出ていってしまった。
(寝ろったって、まだ五時前なんですけど……)
千尋は後を追わず、その場に残ってドアを閉めた。トイレの蓋に腰掛ける。
余計な真似をするなと冷たくあしらわれた方がまだ楽だったかもしれない。鏡の中から向けられた浅葉のどこか孤独な視線が、強烈な残像となって千尋の胸を締め付けた。明日にはおそらく全てが片付くだろう。浅葉とのここでの時間にも終わりが来る。
(バカみたい。今時、女子高生だってそんな浮かれた夢、見やしないってのに……)
自分でも思いがけない動揺がドア越しに勘付かれてしまいそうで、咄嗟に蛇口をひねって水を出し、ごまかした。警察の護衛を受けるなどという非日常性によるストレスと、昼間拳銃で撃たれかけたショックのせいだと自分に言い聞かせる。
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