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ワイバーン
23体目 レモンの逆襲2
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「させません」
「レモーン? 確かに僕が悪い所もあったけど、僕が疲れていることもまた真実なんだよ? だからブラジャーのホックを外さないように。ズボンを下げてパンツをどこかに投げないように! レモン! 貝合わせもダメだ! うぅんっ!」
まどろみに落ちていこうとしたのは楽なのであってレモンは一切そういうことは無く、むしろ息を荒くして、いつの間にか楽の股間に自分の股間を擦り合わせていた。
脚を上げさせ、太ももに抱きついた身体が左右にくねる。レモンは興奮に笑いを隠し切れず、口の端からフーフーと息を吐いていた。
「ダメダメって言いながらしっかり感じてるじゃないですか。ほらっ」
「あんっ! そっ、それはさっき戦ってたから敏感になってて……ぁ……」
股が擦り合わされる度にピリピリと心地よい気持ちよさが背に打ち込まれる。
ハーピーに犯された感覚がぶり返し、お遊びのような刺激にすらパンツを濡らしてしまう。
「へーぇ? 疲れて抵抗できない上に敏感なご主人様かあ」
「レモン、何も言わずに置いていったのは悪かったって……」
「それは別に良いんですよ。分かってもらえたみたいですし。でも、それとこれは別です」
「せめて……んっ……休ませて……やっ……く、くれないか?」
「ダメです」
楽が何を言おうと問答無用で襲い続けるレモン。それに楽も次第に気持ちよくなってきたようで、自分から腰を動かし始めてしまう。
秘部が擦り合わされると、パンツでは吸収しきれなくなった愛液が空気を含んでネチリパチリと弾け始めた。同時に、ふわりとリンゴのような香りが鼻腔に入ってくる。
シーツが大きく歪み始めた。楽の手が握りしめているのだ。
「あれ? 腰動いてません? 自分で動かしてますよね、ご主人様。それにすっごくイヤらしい音がしてますよ?」
「違う……あっやっ!」
「何が違うんですか? こんなに盛って腰振って、ご主人様がここまで淫乱だったなんてガッカリしました。散々嫌だって言ってたクセに……変態さんですね」
「~っ!?」
変態。その言葉が身体を縛り付け、被虐感を煽って脳を焦がす。つい数時間前にレモンとセックスした時に感じた疼きが背筋を駆け、楽は小さくイってしまった。
太ももがぴんと張り、パンツの染みが大きく広がる。キュウと締まる膣が、小さいながらも絶頂に至ったことを色濃く伝えていた。
(こ、これ……やっぱり言葉責めの……!)
次第にゾクゾクとした疼きの正体に気がつき始める楽。変に知識を与えてしまったのが間違いであった。レモンは言葉責めを覚えつつある。
余韻となって残る言葉を頭を振って払うが、その行動はレモンの嗜虐心を焚き付ける結果になった。
「あれあれ? 今軽イキしました? しましたよね? ここがピクピクッてひくついて、エッチなおつゆ垂れ流して……」
クチャッ、クチャッと、レモンが腰を押し付ける度にわざとらしく聞かせてくるような水音が耳をくすぐる。肉道の香りが濃く立ち始め、全身を蝕んでいく。
そしてなにより、リズミカルな刺激が腹奥へと伝わり思わず腰を浮かしてしまいたい衝動に駆られる。
首筋の筋肉が快楽から逃げようと勝手に動き、髪が乱れる。気持ちよくて、目を閉じたまま流されたくなる。
「ふぅっ! うぅ……」
(流されるな……言葉責めには心頭滅却、相手の言う事を聞かず……)
講義で習った対処法を懸命に行使する楽。自分の得意技である分、対処も完璧だと自負していた。
瞬時に頭を切り替え、反撃に移る。
「それは……レモンも同じじゃないか? ここ、ずっと我慢してたんだろう? 洪水になってるよ……ふふ、可愛いね」
震える腕に何とか力を込めて体を起こし、レモンを抱き寄せ耳元で可愛いと囁く。
(効いた……!)
レモンは声さえ発さないものの、痴態を煽るような言葉をかけられる前と比べると見るからに息を荒くし、アソコは楽の大陰唇を咀嚼するように動いている。
急に当てられたハスキーボイスに涙を浮かべ、全身を小さく震わせている。
気を良くした楽は、更に追撃体制に入った。
「おや、どうしたんだい? 身体が震えてるよ。もしかして……これだけで感じてる?」
「っ! ~っ!」
声を抑えるためか、歯ぎしりの音が静かな部屋を横断する。
相変わらずレモンの様子は変わらない。楽の言葉責めに感じ、耐えるために力強く抱きついている。
だが溢れ出す愛液の量は確実に増え、それに濡れた小さな蕾は小さくも固くそそり立っていた。
「そろそろ素直になっても良いんじゃないかな。レモンの可愛い声が聞きたいな……喘いでよ」
「ーーーっ! ……ぁ! ひっ!」
ピッ、とパンツ越しに愛液が一筋だけ飛び出した。お漏らししたように股が生温い液体で覆われ、それが気持ちいいのかトロリとした顔をさらけ出す。
自分の腕の中で、自分の言葉で、数時間前まで無垢だった幼女がだらしない女の顔をしている……。その事実にたまらなく嬉しくなり、楽の膣内は潤滑を増す。
すらりと細い喉が、呑み込んだ涎で隆起した。
「ふふ、そうそう。自分から気持ちよくなって……。大丈夫、この部屋防音だから。いくら大声出してもバレたりしないよ。君の蕩けた声を聞いているのは、僕だけだ。だからほら。もっと聞かせてよ……」
「んーーーーーっ! んんーーーっ!」
子宮さえも揺るがすメルティワードに、絶頂を近くに迎えながらも楽の肩へ唇を押し付け耐える。
だが褐色の肌とピンクの唇の接合部から漏れ出た涎が楽の豊満な乳房を伝い、快楽と我慢の狭間で揺れ動く瞳からは涙がこぼれ落ちて混ざり合う。
我慢の限界だった。
背に回した手に力が込められ鼻から短く息を吸ったその瞬間、楽が止めを刺した。
「我慢しなくていい。君の……レモンの一番可愛い顔を見せて」
「んあああああああああああああああああああーーーーーーっ! ああーーーーっ!」
それまでの静寂が嘘だったかのように破られ、絶頂の叫びが木霊する。腰をガクガク揺らし、恥骨をぶつけながら果てる。背筋が反り、顔を上げてシルク上の雪見餅のような喉仏を晒す。
脳を溶かされこそばゆくも強烈な快感に耐えられなくなった身体が多量の体液を噴出し、敗北の印を楽にぶっかける。
抵抗の意思は花吹雪のような熱に覆い包まれ、急速に膨張する快感が皮膚を震わせ放出された。
溜め込んでいた分の絶頂は激しく、目の前が真っ白に染め上げられ火花が散る。
「あ゛ーーーっ……ひっ……ああぁ……はひっ……」
だらしなく舌を出し、肩で息をしながら脱力するレモン。
それを楽は受け止めると、もう一度自分が下になり、レモンを抱きしめたまま腰を降った。リズミカルに躍動し、皮膚を押し付け淫猥に歪ませる。
一度濡れている秘部から激しい水音が鳴り響き、同時にすえた匂いが周りに広がる。
楽の汗に濡れた美貌が笑みを浮かべ、またレモンを堕とすように唇が動く。
「ひみゃああああああっ!? 今ぁっ! 今はダメぇっ! ご主人様っ! ご主人様ぁっ! ああああっ! 気持ちいいですっ! やああっ!」
「んっ……そんなに気持ちいいのかい? 感じてくれて……ふぅっ……嬉しいよ」
「ああぁあぁっ! 私も……嬉しいですっ! こんなに……いっぱい……気持ちいいの……イクっ! イクぅぅぅっ!」
レモンの身体が連続で歓喜に打ち震える。高揚感で雲の上に乗っているかのような錯覚に陥る。
引かぬ絶頂の波が深く激しく押し寄せ、逃げ場を失う。ドロドロに溶かされてしまいそうな感覚に狂ってしまう。
「んんっ! ……はぁんっ! もう……? ふふ、やっぱりレモンは感じやすいんだね。この……淫乱」
「ひゃああああぁっ! 違っ……違いますっ! ああああぁ! もうダメえええぇぇぇっ!」
陰核が震え、淫道が締まると派手な水音を立てて四方八方に愛液が飛び散った。
楽の身体とベッドを汚しながら、光を受けて宝石のように光る液体は乱雑に散りばめられる。
無数の熱に全身を包まれ押しつぶされているようなくらくらした感覚が、まるで羽毛のベッドのように倒れるレモンを優しく受け止めた。
楽は、完全に脱力し何も出来ないレモンと位置を入れ替える。
両者横転し、楽がマウントを取った。レモンの顔の横に手を付き、首を少しだけ曲げて自信ありげに笑う。
「はー……はー、あは……なんだかんだ言ってヤる気じゃないですか」
「こんな気分にさせたのはレモンだよ。僕を怒らせた罪、しっかりと身体に刻んであげるからね……」
舌舐めずりの音が吐息の合間を縫って耳をくすぐる。
汗と愛液に濡れた楽の、長身で豊満で褐色の身体はチョコレートを塗りたくったかのように艶やかな光を湛えており、甘美な誘惑を振りまいている。
「ふふふっ、もう想像しただけでイキそう……でも、今度はレモンの番です。罪深いのはご主人様も同じですから」
「へえ? それは楽しみだね。どんな風にしてくれるのかな?」
言葉責めで勝ち、マウントを取って慢心した楽。彼女はレモンの底力をまだ知らない。
「ん~、そうですねえ。じゃあ、まずは破面してみましょうか」
聞きなれない単語に疑問を持つ。
「破面?」
「この言葉が適切かなって。まあ、そのままにしていれば、すぐ分かりますよ。……ドMの楽様?」
「!?」
ドM。その言葉一つで楽は動けなくなり、秘所が濡れ始める。
金縛りにあったように動かせない。刺激されていないのに、まるで何度もイッた後の秘所を指で弄られているように愛液がダラダラと伝い落ちてくる。ブルブルと弱いバイブレーターのように震える事だけはできる。
「うふふっ! 動けないでしょ」
「な、何を……したんだい?」
「楽様の本性を、楽様の『スキル』に乗せて囁いただけですよ?」
「僕の……本性……? 何言って……それに、僕のスキル……?」
「人間は便利な物を持ってます。たぶれっと、でしたっけ。何でもわかる板で全部調べちゃいました。まだ私のスキルは楽様の劣化コピーですが、これでも十分キツいでしょ?」
(Xpadで……調べた!?)
レモンは何を、どこまでとは言わなかったものの、いやだからこそ嫌な予感が膨れ上がっていく。
カムカムは無力な生物である。だが知識を手にしたカムカムの学習速度と応用力はありとあらゆる生物を超える。
まさか目の前の可愛らしい外見をした生物がそんな驚異の頭脳を持つなどとはつゆにも思わなかった楽。豹変ぶりについていくことが出来ず、良いように心を鎖で縛られていく。
「次に、ドMの楽様の本性について。楽様、感じてる私を見て自分も感じてましたよね。……全部、私に自分を重ねながら」
「そんな……わけっ……」
「色んな娘と遊んでますよね。でも気の強い娘が多いのはなんでですか?」
「……っ! それは……好みだっ!」
まるで全てを見透かしているような言葉に焦りが出る。本当は気づいてる自分の内面を言葉に直され暴かれる不快感にもがき暴れる。
しかし、そうすればそうするほど楽の心を縛る鎖は深く深く食い込んでいく。
さっきの表情はどこへやら、今は一転して余裕なさそうに目を閉じ綺麗な眉を歪めていた。
「今まで王子様を演じてきた。そのせいで責められた事がない。責められてみたい。だから気の強そうな娘を選んできたんでしょ? でも叶えてくれる娘はいなかった。ずっと、責められたいって思いだけが加速して……だから私をどうしても欲しかったんですよね? 荒獣ならなんとかしてくれるかもって」
「……っ! ……っ!」
(嘘だ……ウソだウソだウソダ!)
頭でいくら否定しても、身体の拘束はレモンが一言喋る事に固さを増していく。苦しい。身震いする。
お願い、言わないで……僕の……あまりにも汚い内情を暴かないで……。そう願うも、レモンは見透かしたように軽蔑した口調で言葉の一つ一つを区切った。
「結局、私を荒獣としてしか見ていなくて、自分のために利用しようとしてた。そ・う・で・す・よ・ね?」
「ち……が……ぁ……」
口では違うと言いつつも、謝るように目から涙をこぼした。
自分の無意識化の感情の、あまりの汚さに。自分でも知らぬがままにレモンを利用していたことに。
レモンに気づかせてしまったことに。
懺悔の涙が頬を伝う。しかし、許しの言葉は罵倒として浴びせかけられた。
「何が違うのよ! このクズ!」
「ひああああああっ!?」
大声で罵られ、楽の身体が驚いたように跳ねる。
だがその原因は大声でも、迫力でもなく、クズという単語に反応して身体がイッたからだった。
「レモーン? 確かに僕が悪い所もあったけど、僕が疲れていることもまた真実なんだよ? だからブラジャーのホックを外さないように。ズボンを下げてパンツをどこかに投げないように! レモン! 貝合わせもダメだ! うぅんっ!」
まどろみに落ちていこうとしたのは楽なのであってレモンは一切そういうことは無く、むしろ息を荒くして、いつの間にか楽の股間に自分の股間を擦り合わせていた。
脚を上げさせ、太ももに抱きついた身体が左右にくねる。レモンは興奮に笑いを隠し切れず、口の端からフーフーと息を吐いていた。
「ダメダメって言いながらしっかり感じてるじゃないですか。ほらっ」
「あんっ! そっ、それはさっき戦ってたから敏感になってて……ぁ……」
股が擦り合わされる度にピリピリと心地よい気持ちよさが背に打ち込まれる。
ハーピーに犯された感覚がぶり返し、お遊びのような刺激にすらパンツを濡らしてしまう。
「へーぇ? 疲れて抵抗できない上に敏感なご主人様かあ」
「レモン、何も言わずに置いていったのは悪かったって……」
「それは別に良いんですよ。分かってもらえたみたいですし。でも、それとこれは別です」
「せめて……んっ……休ませて……やっ……く、くれないか?」
「ダメです」
楽が何を言おうと問答無用で襲い続けるレモン。それに楽も次第に気持ちよくなってきたようで、自分から腰を動かし始めてしまう。
秘部が擦り合わされると、パンツでは吸収しきれなくなった愛液が空気を含んでネチリパチリと弾け始めた。同時に、ふわりとリンゴのような香りが鼻腔に入ってくる。
シーツが大きく歪み始めた。楽の手が握りしめているのだ。
「あれ? 腰動いてません? 自分で動かしてますよね、ご主人様。それにすっごくイヤらしい音がしてますよ?」
「違う……あっやっ!」
「何が違うんですか? こんなに盛って腰振って、ご主人様がここまで淫乱だったなんてガッカリしました。散々嫌だって言ってたクセに……変態さんですね」
「~っ!?」
変態。その言葉が身体を縛り付け、被虐感を煽って脳を焦がす。つい数時間前にレモンとセックスした時に感じた疼きが背筋を駆け、楽は小さくイってしまった。
太ももがぴんと張り、パンツの染みが大きく広がる。キュウと締まる膣が、小さいながらも絶頂に至ったことを色濃く伝えていた。
(こ、これ……やっぱり言葉責めの……!)
次第にゾクゾクとした疼きの正体に気がつき始める楽。変に知識を与えてしまったのが間違いであった。レモンは言葉責めを覚えつつある。
余韻となって残る言葉を頭を振って払うが、その行動はレモンの嗜虐心を焚き付ける結果になった。
「あれあれ? 今軽イキしました? しましたよね? ここがピクピクッてひくついて、エッチなおつゆ垂れ流して……」
クチャッ、クチャッと、レモンが腰を押し付ける度にわざとらしく聞かせてくるような水音が耳をくすぐる。肉道の香りが濃く立ち始め、全身を蝕んでいく。
そしてなにより、リズミカルな刺激が腹奥へと伝わり思わず腰を浮かしてしまいたい衝動に駆られる。
首筋の筋肉が快楽から逃げようと勝手に動き、髪が乱れる。気持ちよくて、目を閉じたまま流されたくなる。
「ふぅっ! うぅ……」
(流されるな……言葉責めには心頭滅却、相手の言う事を聞かず……)
講義で習った対処法を懸命に行使する楽。自分の得意技である分、対処も完璧だと自負していた。
瞬時に頭を切り替え、反撃に移る。
「それは……レモンも同じじゃないか? ここ、ずっと我慢してたんだろう? 洪水になってるよ……ふふ、可愛いね」
震える腕に何とか力を込めて体を起こし、レモンを抱き寄せ耳元で可愛いと囁く。
(効いた……!)
レモンは声さえ発さないものの、痴態を煽るような言葉をかけられる前と比べると見るからに息を荒くし、アソコは楽の大陰唇を咀嚼するように動いている。
急に当てられたハスキーボイスに涙を浮かべ、全身を小さく震わせている。
気を良くした楽は、更に追撃体制に入った。
「おや、どうしたんだい? 身体が震えてるよ。もしかして……これだけで感じてる?」
「っ! ~っ!」
声を抑えるためか、歯ぎしりの音が静かな部屋を横断する。
相変わらずレモンの様子は変わらない。楽の言葉責めに感じ、耐えるために力強く抱きついている。
だが溢れ出す愛液の量は確実に増え、それに濡れた小さな蕾は小さくも固くそそり立っていた。
「そろそろ素直になっても良いんじゃないかな。レモンの可愛い声が聞きたいな……喘いでよ」
「ーーーっ! ……ぁ! ひっ!」
ピッ、とパンツ越しに愛液が一筋だけ飛び出した。お漏らししたように股が生温い液体で覆われ、それが気持ちいいのかトロリとした顔をさらけ出す。
自分の腕の中で、自分の言葉で、数時間前まで無垢だった幼女がだらしない女の顔をしている……。その事実にたまらなく嬉しくなり、楽の膣内は潤滑を増す。
すらりと細い喉が、呑み込んだ涎で隆起した。
「ふふ、そうそう。自分から気持ちよくなって……。大丈夫、この部屋防音だから。いくら大声出してもバレたりしないよ。君の蕩けた声を聞いているのは、僕だけだ。だからほら。もっと聞かせてよ……」
「んーーーーーっ! んんーーーっ!」
子宮さえも揺るがすメルティワードに、絶頂を近くに迎えながらも楽の肩へ唇を押し付け耐える。
だが褐色の肌とピンクの唇の接合部から漏れ出た涎が楽の豊満な乳房を伝い、快楽と我慢の狭間で揺れ動く瞳からは涙がこぼれ落ちて混ざり合う。
我慢の限界だった。
背に回した手に力が込められ鼻から短く息を吸ったその瞬間、楽が止めを刺した。
「我慢しなくていい。君の……レモンの一番可愛い顔を見せて」
「んあああああああああああああああああああーーーーーーっ! ああーーーーっ!」
それまでの静寂が嘘だったかのように破られ、絶頂の叫びが木霊する。腰をガクガク揺らし、恥骨をぶつけながら果てる。背筋が反り、顔を上げてシルク上の雪見餅のような喉仏を晒す。
脳を溶かされこそばゆくも強烈な快感に耐えられなくなった身体が多量の体液を噴出し、敗北の印を楽にぶっかける。
抵抗の意思は花吹雪のような熱に覆い包まれ、急速に膨張する快感が皮膚を震わせ放出された。
溜め込んでいた分の絶頂は激しく、目の前が真っ白に染め上げられ火花が散る。
「あ゛ーーーっ……ひっ……ああぁ……はひっ……」
だらしなく舌を出し、肩で息をしながら脱力するレモン。
それを楽は受け止めると、もう一度自分が下になり、レモンを抱きしめたまま腰を降った。リズミカルに躍動し、皮膚を押し付け淫猥に歪ませる。
一度濡れている秘部から激しい水音が鳴り響き、同時にすえた匂いが周りに広がる。
楽の汗に濡れた美貌が笑みを浮かべ、またレモンを堕とすように唇が動く。
「ひみゃああああああっ!? 今ぁっ! 今はダメぇっ! ご主人様っ! ご主人様ぁっ! ああああっ! 気持ちいいですっ! やああっ!」
「んっ……そんなに気持ちいいのかい? 感じてくれて……ふぅっ……嬉しいよ」
「ああぁあぁっ! 私も……嬉しいですっ! こんなに……いっぱい……気持ちいいの……イクっ! イクぅぅぅっ!」
レモンの身体が連続で歓喜に打ち震える。高揚感で雲の上に乗っているかのような錯覚に陥る。
引かぬ絶頂の波が深く激しく押し寄せ、逃げ場を失う。ドロドロに溶かされてしまいそうな感覚に狂ってしまう。
「んんっ! ……はぁんっ! もう……? ふふ、やっぱりレモンは感じやすいんだね。この……淫乱」
「ひゃああああぁっ! 違っ……違いますっ! ああああぁ! もうダメえええぇぇぇっ!」
陰核が震え、淫道が締まると派手な水音を立てて四方八方に愛液が飛び散った。
楽の身体とベッドを汚しながら、光を受けて宝石のように光る液体は乱雑に散りばめられる。
無数の熱に全身を包まれ押しつぶされているようなくらくらした感覚が、まるで羽毛のベッドのように倒れるレモンを優しく受け止めた。
楽は、完全に脱力し何も出来ないレモンと位置を入れ替える。
両者横転し、楽がマウントを取った。レモンの顔の横に手を付き、首を少しだけ曲げて自信ありげに笑う。
「はー……はー、あは……なんだかんだ言ってヤる気じゃないですか」
「こんな気分にさせたのはレモンだよ。僕を怒らせた罪、しっかりと身体に刻んであげるからね……」
舌舐めずりの音が吐息の合間を縫って耳をくすぐる。
汗と愛液に濡れた楽の、長身で豊満で褐色の身体はチョコレートを塗りたくったかのように艶やかな光を湛えており、甘美な誘惑を振りまいている。
「ふふふっ、もう想像しただけでイキそう……でも、今度はレモンの番です。罪深いのはご主人様も同じですから」
「へえ? それは楽しみだね。どんな風にしてくれるのかな?」
言葉責めで勝ち、マウントを取って慢心した楽。彼女はレモンの底力をまだ知らない。
「ん~、そうですねえ。じゃあ、まずは破面してみましょうか」
聞きなれない単語に疑問を持つ。
「破面?」
「この言葉が適切かなって。まあ、そのままにしていれば、すぐ分かりますよ。……ドMの楽様?」
「!?」
ドM。その言葉一つで楽は動けなくなり、秘所が濡れ始める。
金縛りにあったように動かせない。刺激されていないのに、まるで何度もイッた後の秘所を指で弄られているように愛液がダラダラと伝い落ちてくる。ブルブルと弱いバイブレーターのように震える事だけはできる。
「うふふっ! 動けないでしょ」
「な、何を……したんだい?」
「楽様の本性を、楽様の『スキル』に乗せて囁いただけですよ?」
「僕の……本性……? 何言って……それに、僕のスキル……?」
「人間は便利な物を持ってます。たぶれっと、でしたっけ。何でもわかる板で全部調べちゃいました。まだ私のスキルは楽様の劣化コピーですが、これでも十分キツいでしょ?」
(Xpadで……調べた!?)
レモンは何を、どこまでとは言わなかったものの、いやだからこそ嫌な予感が膨れ上がっていく。
カムカムは無力な生物である。だが知識を手にしたカムカムの学習速度と応用力はありとあらゆる生物を超える。
まさか目の前の可愛らしい外見をした生物がそんな驚異の頭脳を持つなどとはつゆにも思わなかった楽。豹変ぶりについていくことが出来ず、良いように心を鎖で縛られていく。
「次に、ドMの楽様の本性について。楽様、感じてる私を見て自分も感じてましたよね。……全部、私に自分を重ねながら」
「そんな……わけっ……」
「色んな娘と遊んでますよね。でも気の強い娘が多いのはなんでですか?」
「……っ! それは……好みだっ!」
まるで全てを見透かしているような言葉に焦りが出る。本当は気づいてる自分の内面を言葉に直され暴かれる不快感にもがき暴れる。
しかし、そうすればそうするほど楽の心を縛る鎖は深く深く食い込んでいく。
さっきの表情はどこへやら、今は一転して余裕なさそうに目を閉じ綺麗な眉を歪めていた。
「今まで王子様を演じてきた。そのせいで責められた事がない。責められてみたい。だから気の強そうな娘を選んできたんでしょ? でも叶えてくれる娘はいなかった。ずっと、責められたいって思いだけが加速して……だから私をどうしても欲しかったんですよね? 荒獣ならなんとかしてくれるかもって」
「……っ! ……っ!」
(嘘だ……ウソだウソだウソダ!)
頭でいくら否定しても、身体の拘束はレモンが一言喋る事に固さを増していく。苦しい。身震いする。
お願い、言わないで……僕の……あまりにも汚い内情を暴かないで……。そう願うも、レモンは見透かしたように軽蔑した口調で言葉の一つ一つを区切った。
「結局、私を荒獣としてしか見ていなくて、自分のために利用しようとしてた。そ・う・で・す・よ・ね?」
「ち……が……ぁ……」
口では違うと言いつつも、謝るように目から涙をこぼした。
自分の無意識化の感情の、あまりの汚さに。自分でも知らぬがままにレモンを利用していたことに。
レモンに気づかせてしまったことに。
懺悔の涙が頬を伝う。しかし、許しの言葉は罵倒として浴びせかけられた。
「何が違うのよ! このクズ!」
「ひああああああっ!?」
大声で罵られ、楽の身体が驚いたように跳ねる。
だがその原因は大声でも、迫力でもなく、クズという単語に反応して身体がイッたからだった。
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