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第4話:命の価値

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――――警視庁に入電が入る2時間前――――



「貴方が、Fさんですね?」

「はい。あなたがDさん?」

「……はい。」


中央銀行の入口がすぐ目の前に見える歩道で出会った男性二人。
ひとりは、一見中年のサラリーマン風。スーツ姿に眼鏡をかけている。
もうひとりは学生のようだ。気弱そうで視線が定まらないでいる。
ふたりとも、大きなバッグを携えており、緊張しているのか、なかなか次の言葉がお互いに出ないでいた。


「……あ、あの、『シナリオ』はちゃんと覚えてきましたか?」

「もちろんです。あとは実行に移すだけ……ですが、本当に成功するのでしょうか?送られてきた物資は、そのまま使うだけで良いと書いてありましたが……。」

「それは、私も不安なところですが、これほどの物資が3日で届いたのです。準備は万端なのでしょう……。」

「そうですね。これほどの準備と計画が出来るのですから、抜かりはないはず……。」

「はい。成功すれば私たちは身分を明かされないままに多額の報酬が手に入る。この『シナリオ』通りに動くだけで大金が手に入るなんて……最高ですよね。」


ふたりは『シナリオ』と呼ばれる冊子をもう一度読み合わせる。
その声は、周囲を行き交う人たちには聞こえない。


「銀行に入ったらもう、『シナリオ』を開くことは出来ません。念のため確認だけしておきましょう。」


念には念を入れて。
ずっと会社で管理職を続けてきた『F』と、有名大学への一発合格を果たし、大学院へ行くだけの学力も有している『D』。

ふたりはここで会うのが初めて。
初対面である。
ふたりがここで出会ったきっかけは、闇サイトであった。


『今の人生に不満・不安のある方にお勧めです。刺激のある行動をして、莫大な報酬を手に入れませんか?』


こんな見出しが、FとDの目を引いた。
ふたりはほぼ同時刻に、この見出しをクリックしたのだった。

サイトの中には、今回の銀行強盗の概要が詳細に記されていた。
準備・初めの金の要求の仕方・立てこもる際の注意事項・警察が介入してきた場合の対処。そして脱出の仕方……。

これほどまでに詳細に書かれた計画に、なぜかFとDは胸躍ってしまったのだ。
迷わず『参加する』をクリックしてしまった。


すると、すぐにメールがそれぞれのパソコンに届いたのである。
より詳細な『シナリオ』が添付されて……。


―――このシナリオは、絶対に共犯の方に見せてはいけません。―――

この注意書きが些か気になったが、それでも二人はこのサイトの主に絶対の信頼感を持ってしまったのだ。


きっとこの人は、私の人生を変えてくれる、と。


近くの公衆トイレで着替えを済ませる、FとD。


「……準備は良いですか?」

「えぇ。万が一失敗した時の、心残りもないですか?」

「それは……たくさんありますが、失敗することは考えないようにしましょう。私たちは必ず成功して、素晴らしい人生を送るのですから……。」


こうして、FとDは並んで正面から銀行に入った。

「いらっしゃいませ。整理券をお取りになり、少々お待ちくださいませ。」


受付カウンターの係が、綺麗な声でふたりに言う。
ふたりは素直に従い、整理券を取りソファーで待つ。

ふたりの取った整理券のカテゴリーは、『融資・投資に関するお問い合わせ』である。
これも、シナリオ通り。


並んで座るFとD。
ふとFが隣を見ると、Dの両手が小刻みに震えていた。


「……どうしましたか?」

「いえ……大丈夫です。」


気付かれるほどの震えではないが、もし気付かれると後々厄介だ。


「……人生、変えましょう。きっとあなたもこれまでの人生は不遇だったのでしょう。その生活を思い出しましょう。そして、その生活にもう二度と戻らないように、ここで頑張るんです。」


諭すように優しくD
Dに語り掛けるF。
この辺りは、管理職として多くの若手社員の話を聞いてきたその経験が生きる。


「ありがとうございます。僕……官僚の息子と言うだけで、毎日いじめられ、お金を取られの毎日だったんです。だから両親から独立しようと上京したんですが、どこに行っても同じで……だから、僕は……変わりたいんです。自分の金で身を立てて、強い力を手に入れたい……!」


Dの表情に悔しさが滲む。
それを見て、Fは悟った。
きっとこの青年は、数えきれないほどの苦汁を舐めてきたのだと。


「その気持ち、最後まで忘れないでください。その気持ちがあれば、私たちはきっと成功する。挫けそうなとき、これまでの口惜しさというものは、必ず動力になるはずですから。」

「はい……。」


「お待たせいたしました。23番の整理券をおもちのお客様、受付窓口5番までお越しくださいませ。」


Dが落ち着いてきたその頃、ちょうどふたりを呼ぶ声が聞こえた。


「行きましょう。」

「はい。」


ふたりは服装を整え、窓口へと向かった。


「こんにちは。私、『東京ハウジング』の者です。今回は彼が家を建てたいと仰っているので、融資のお話を伺いにまいりました。本日借りるというわけでは無く、概算での見積もりをいただきたいと思いまして……。」

「かしこまりました。工事計画書などはお持ちですか?」

「えぇ。工事計画書、土地価格見積書も持参しております。まだ契約に至ってないので、大体のものですが……。」


Fは流暢に話し始めた。


「かしこまりました。では担当をつけましょう。少々お待ちくださいませ。」


受付係が、一礼して去っていく。
その隙に、FとDは準備を進める。
ふたりが目配せをして、Dが立ち上がる。


「すみません、少しお手洗いに……。」

「はい。右手奥にございます。」


Dが席を立ち、ほどなくして担当者が名刺をもってやってきた。


「こんにちは。支店長代理のものです。……おや、お連れ様は?」

「えぇ、大金が動くことを想像して緊張でもされたのでしょう。いまお手洗いに……。」

「そうですか。では先に応接室へ参りましょう。お連れ様はこちらでご案内させていただきます。」


所作の洗練されたスーツの男、支店長代理がFを先に応接室に案内する。
大口の契約のまたとない機会。しっかりと応対しようという銀行側の気持ちの表れだろう。


「申し訳ございません。こんな狭い部屋しか用意できず……。」


通されたのは、広くはないが調度品の揃った美しい部屋。
Fは周囲を見渡し、口元に笑みを浮かべる。

「いいえ……このくらいの広さの方が、好都合です。」

「……え?」


笑顔と共にFの手に構えられていたのは、ショットガンだった。
これも、送られてきた道具のひとつ。


「……貴方、おいくつですか?」

「56歳……です。」


すっかり血の気の引いた支店長代理は、震えながらか細い声で答える。


「そうですか……あと4年で定年退職。この素晴らしい銀行の支店長代理にまで昇進されたのですから、退職金も大層な額になりそうだ。老後の心配どころか、家族のために大いに貢献できる。素晴らしいことです。しかし……。」


ショットガンの照準を、支店長代理の眉間に合わせる。


「……ひっ!!」

「しかし、そんな明るい人生が送れるかどうかは、貴方の心がけ次第ですよ。60過ぎまで生きるか、ここで今日死ぬかです。……こんなことをするんです。私に情けはありませんよ。貴方を生かせば、逮捕されるリスクも高まる。こちらも人生がかかっているのでね。」

「……お連れ様が、もうすぐこちらに来ますよ……。」

「来ません。彼は私の仲間です。今頃は着々と準備を進めているはずです。」

「あ、あぁ……。」



淡々と、そして丁寧に話すFに、恐怖を覚える支店長代理。
きっと、彼は本気だ。
逆らえば、彼は容赦なく自分の眉間を撃ち抜くに違いない。

支店長代理は、悟った。
家族の姿が脳裏に浮かぶ。
ここで、テレビドラマなどでは「死んでも断る」と言うのだろう。
しかし、死ぬのは怖い。
死んだら、今までの積み重ねてきたもの、築いた家庭、今の地位……すべてを失うことになる。
もちろん、自分の命も。


「何を……すればいいのですか?」


彼はもう、従うしかなかった。


完全に支店長代理の心を掌握した、F。


「それでは、社内電話で社員たちに告げてください。まずはこの銀行のシャッターを全て閉めるように、と。」


Fの指示に感情の類は一切含まれていない。
シナリオ通り。
まるで小説を暗唱するかのように、Fは告げる。
その雰囲気に気圧されたのか、支店長代理は反抗することなく社員に内線電話で指示を出す。


「私だ。応接室から電話してる。私の指示通りにして欲しい。まずは全てのシャッターを閉めるんだ。防火シャッターも全てだ。……え?大丈夫。問題は無いよ。」

自分の恐怖心を押し殺しながら、必死に口元に笑みを作る。


「警察……?」

「……通報したら、いまこの銀行内にいる人間は例外なく皆殺しになる、そう伝えてください。」

「ひ……」


少し笑みを浮かべながらも、さらりと残酷なことを言うF。


「通報したら、私たちは皆……殺される。通報せずに従おう。」


ほどなくして、銀行内のシャッターが全て閉まる音が聞こえた。
そして、それからすぐに起こる、客たちの喧騒。


「騒がしくなってきましたね……。」


Fは、次の司令を支店長代理に告げる。


「さぁ、ここから出る前に、行員たちに伝えなさい。全てのお客さんを一か所に集め、携帯電話を回収しなさい。そして回収出来たら両手を後ろ手に縛り、目隠しをしなさい。道具は全て、私の『連れ』が持っています。もし、おかしな行動をとる者を見かけたら……行員からひとりずつ殺します。」


「…………」


もはや、支店長代理に声を出す余力は残されてはいなかった。
振り絞る様に、Fの指示を行員に伝える。


「終わったら、有線のチャンネルをニュースに変えるのです。それを合図に我々は外に出ましょう。」


この銀行は、都内でも有力な銀行である。
故に、社員教育も徹底していた。
その教育が、こういった『有事の際の行動力』に反映されているのか……。


ものの20分もしないうちに、有線がニュースに切り替わった。


「ほぅ……貴行の社員さんは有能ですね。流石は天下の中央銀行だ。」

ぱちぱちと手を叩くと、ゆっくりと立ち上がる。


「さぁ……行きましょう。仕上げは貴方にして貰います。」

「わ、私……!?」


本当にこれで良かったのか?
支店長代理は、行員に指示を出したことを後悔した。
しかし、命に代えられるものはない。

まだ、死にたくないのだ。
家族のためにも、自分のためにも……。



フロア内に戻ると、客は全員両手を後ろ手に縛られ、目隠しされていた。
そして……。


「だ、代理……。」


怯えた様子の行員たちが、Dに銃口を向けられながらも支店長代理の方を見た。


「だ、大丈夫だみんな。心配……するな。」


必死に声を絞り出す支店長代理。
怖いのは自分も同じだった。
いつ殺されるか分からない恐怖。
行員たちは、何が起こっているのか分からない恐怖だが、自分はハッキリと示されてるのだ。


男に逆らえば、即殺されると。
身体が小刻みに震える。

不意に、支店長代理の携帯に電話がかかってくる。
恐る恐る、電話を取ると……。

「……平常心で、お願いしますよ。」

Fが冷たく言い放つ。

Fは、目隠しをしていない行員たちの資格になる位置から、支店長代理に電話をしていたのだ。

どこまでも周到。
支店長代理の恐怖心が膨らむ。

平常心、それはいまの支店長代理にとってはとてつもなく難しいこと。
しかし、そうしなければ命はない。
あまりにも理不尽な扱いに、少しずつ込み上げてくる絶望。


「さて、次は貴方に仕事をしていただきますよ、支店長代理。今度は行員たちに目隠しをしなさい。」


「は、はい……。」

それでも、言いなりにならざるを得なかった。
逆らったら、殺される。


「みんな、すまない、許してくれ……。」

ひとりひとりに謝りながら、支店長代理は行員たちに目隠しをしていく。


「次に、両手を縛って……」


途中までFが言いかけた、その時だった。


―――ドォン!!―――

銃声が聞こえる。


「!!!」

周囲の人たちからは悲鳴が聞こえる。
見ると、Dが銃をひとりの男に向かって撃っていた。

男は即死。ピクリとも動かない。


「きゃぁぁ!!」

「撃った……撃ったのか!?」

「殺した……?」


目隠しをされ、状況の理解できない客たちが、一斉に騒ぎ始める。


「静かにしてください!!あなた方も撃ちますよ!!」

そんな客たちに、精一杯声を上げるD。
一瞬で、客たちは静かになった。

Dは、絶命した男の手から、携帯電話を取る。


「みんなで回収したのに、彼は隠し持っていた。素直に全部預けていれば死なずに済んだのに……。」

おそらく、男は後ろ手に縛られながらもどこかと通話をしようと試みたのだろう。
それをDに見つかり、射殺されたのだ。
Fは、小さな溜息を吐く。


「やれやれ……。素直に従わないと命を落とす。皆さん、どうも自分の置かれている状況が理解できていない様だ。あなた方は、人質なのですよ。そして、ひとつだけ言っておきます。」


Fは、眼鏡を上げると、ニヤリと笑った。


「ここまでのことを起こすのです。覚悟はしてきました。故に……人質の生死は問いません。それを前提に警察と交渉することにします。」


生死は問わない。
つまり、この銀行の中にいる人間の命は全て、Fの掌の中という事である。


「さて……力仕事をしましょうか。支店長代理、あなたは今からここにいるDと、シャッターの内側にバリケードを張るのです。棚・机など、ありったけのものを置ける場所に起きなさい。」


シャッター1枚では簡単に破られてしまう。
如何に強固な造りだとしても、警察の手にかかれば破ることは可能であろう。

Fは、シャッターを破られないためにバリケード作りを命じたのではない。
シナリオ通り。
この先の『計画』のために……。


「立てこもると同時にシャッターを閉める……。考えたわね。中の様子が分からないまま迂闊に突入なんてしたら、人質の身に危険が及ぶ可能性が高い……。狙撃班も狙えない。相手は完全に交渉目的?」


モニターを見ながら、司令部内で司が神妙な面持ちで語る。


「厄介だねぇ。『あっち』にはなかなか賢い軍師がいるみたいだよ……。」

北条も、なかなか巡り合わない手合いに、難しい表情を見せた。
その時だった。


「何もさ、大勢で突入する必要なんてないじゃん。ひとり潜り込んで、内部から切り崩せばいいじゃん。」


若い女性の声がした。


「おいおい、ここは部外者立ち入り禁止だぞ。事件はそう簡単じゃねぇって……」

「……遅かったわね、あさみ。」


虎太郎が女性を追い出そうとしたその瞬間、司はその女性の名を呼んだ。


「へ?」

「おや、美人さんじゃないか~!司ちゃんのお友達?」


虎太郎が驚いた顔で司を見る。
北条が女性の容姿に目を奪われる。


「彼女が、最後の特務課のメンバーよ。富永 あさみ、この課での役割は『工作員』よ。」

「こ……工作員?」

「へぇ……こりゃ凄い、この課も多様性を増してきたねぇ。」



あさみと呼ばれた女性。
すらりと伸びた細い手足。
まるでモデルのような均整の取れたスタイル。
容姿だけでは、工作員には到底見えない。


「……あんた、歳は?」

「あ?」


不意に、あさみが虎太郎の前に立つ。


「俺……24だけど?」

「私は23。歳がちょっとくらい上だからって威張らないでよね。『あっち』じゃ年齢よりも実績が全てだから。」

「……あっち?」


妙に虎太郎に対抗意識を燃やすあさみ。


「あさみはね、フランスの特殊部隊に居たのよ。厳しい訓練を受けているから、ウチの機動隊でも対人制圧術では敵わないかもね。」


司が麻美の経歴を紹介する。


「フランスの、特殊部隊……。」


虎太郎が唖然とする。
もう、唖然とするしかなかった。


(司令って……どんな人脈持ってるんだよ。いろんなジャンルのエキスパートをここに集められるなんて……。)


「これで、ベストメンバーよ。私を含めて7人の特務課、要請が来たら行動開始よ!」


司の号令で、メンバーたちに緊張が走った。


「入電、来ました。捜査一課・稲取課長からです!」


志乃がヘッドセットを装着し通話を開始する。


「応援要請です。まずは付近住民の安全な場所への退避。そして北条さんにはネゴシエーター(交渉人)をお願いしたいそうです。」


メンバーたちの視線が北条に集まる。


「はいよ、りょーかい。」


北条は、いつも通りの様子でゆるい返事をした。


「それでは、早速急行しましょう。志乃さん、悠真くんはここに待機。各種情報を整理して頂戴。必要であれば各課に応援要請を。辰川さんと虎太郎くんは稲取課長と合流して現地の安全確保を。あさみは……。」

司が、あさみを見て考える。


「当然、現場よね?いざとなったら突入しちゃうけど?」

「いいえ、その判断は北条さんに任せるわ。北条さん、交渉と同時進行で人質の解放の作戦を……練れますか?」


犯人と交渉する際、交渉人は他のことには一切関与せず、交渉に集中することがほとんどだ。
しかし、司はここでさらに、北条にもう一つの役割を課したのだ。


「おいおい司令……北条さんは交渉人だぞ?他に仕事を頼んだら……。」


虎太郎も、交渉人という役目の重要さは知っている。
司が知らないはずがない。
疑問を呈する虎太郎を制し、司は北条に訊ねる。


「……どうですか?」

北条は、そんな司に笑顔を見せる。


「りょーかい。多分稲取くんが文句を言うかもしれないけど、司ちゃんの『命令』だからね、そっちを優先することにするよ。」

「ありがとうございます。」


北条と司のやり取り。
多少無茶が通るのは、ふたりの間に信頼関係があるからに他ならない。


「ちょっと!!さすがに私も分かるわよ。ネゴシエーターに作戦管理もさせるっての?無茶よ!!」


あさみが司に食って掛かる。しかし司は動じない。


「あさみ、あなたには重要な任務を担ってもらおうと思ってるわ。そのための任務には、北条さんの作戦管理が必要なの。きっと、北条さん以外の人が立てた作戦では、あさみ、あなたは生かせない。」


この事件において、司はあさみという新人が重要な役割を担うと踏んでいた。
そのためには、あさみが自由に行動できる状況を作らなければならない。


「このオジサン……そんなに凄い人なの?」

あさみが驚いた表情を北条に向ける。


「凄くはないよ~、エレガントなだけさ。」


北条はあさみの視線を受け、少しだけおどけてみせる。


「とにかく、現場に急行しましょう。私は『他の手配』を済ませてきます。各員、配置についてください。」


司が号令を出すと、メンバーたちはすぐに準備に取り掛かった。




30分後。

「あらぁ……本当に見えないねぇ、中……。」

「こんな中で、本当に人質を無事に解放できるのかよ……。」


北条と虎太郎が、中央銀行前に到着した。


「えーと、稲取くんは、と……。」


北条が辺りを見まわすと、大型の警察車両が少し離れたところに停めてあった。


「あれかな?……虎、行くよ。」

「お、おう……。」


北条と虎太郎は、警察車両へと向かった。


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