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屋上の扉を開けるとそこは異様な空気に包まれていた。
うっすらと光る魔法陣の中央に倒れる男。どうやら教師のようだ。その男からエネルギーのような何かが魔法陣に吸い込まれていっているように見える。そしてその傍らに立っている黒髪の少女。安部晴実だ。手には禍々しい光を放つ水晶を持っている。彼女はこちらに気付いたのかゆっくりと振り返った。
「あら、来たのですね」
そう言って微笑む安部晴実の顔はまるで人形のようだった。
彼女は水晶に向き直り、呪文を唱え始めた。晶の光が一層強くなると同時に魔法陣の光も強くなる。
「もうすぐ終わりますよ……この学園は私のものになるのです……!」
魔法陣はさらに輝きを増していく。水晶からはどす黒いオーラが溢れ出し辺りを覆い尽くしていく。
あまりの眩しさに思わず手で顔を覆うがそれでも隙間から光が入ってくる。そしてついに魔法陣が光り輝いたかと思うと、次の瞬間には光は消えていた。
その出来事に呆然としていると安部晴実が口を開いた。
「ふふふ、これで学園は私の支配下になりました。さあ、始めましょう……新しい学園を!」
「支配下になっただと?何をしたんだ!?」
「ふふふ、この学園ごとダンジョンに変えたのですよ。私はこの学園のダンジョンマスターに進化したんです。ダンジョンコアと融合してね」
「ダンジョンだと!?」
この学園がダンジョンになっただと?!そんな馬鹿なことが……!しかし目の前の光景はそれを否定することを許さない。
安部晴実は恍惚とした表情を浮かべ、両手を広げ高らかに宣言した。
「ようこそ、私のダンジョンへ!」
その言葉と共に彼女の背後の空間が歪み始める。やがてそこから巨大な門が現れた。
安部晴実は門の前まで行くと振り返って言った。
「さて、あなたは邪魔なのでここで死んでもらいましょうか」
安部晴実は右手に魔力を集中させる。するとその手は徐々に形を変えていき、最後には一本の杖となった。
「さようなら」彼女がそう言うと同時に先端の宝石が輝く。
瞬間、眩い閃光が放たれた。
視界が真っ白になる。何も見えない。体が動かない。
一体何が起こったんだ? 俺はどうなった?なぜ動けない?俺は死ぬのか?こんなところで?こんな……ところ…………で……
うっすらと光る魔法陣の中央に倒れる男。どうやら教師のようだ。その男からエネルギーのような何かが魔法陣に吸い込まれていっているように見える。そしてその傍らに立っている黒髪の少女。安部晴実だ。手には禍々しい光を放つ水晶を持っている。彼女はこちらに気付いたのかゆっくりと振り返った。
「あら、来たのですね」
そう言って微笑む安部晴実の顔はまるで人形のようだった。
彼女は水晶に向き直り、呪文を唱え始めた。晶の光が一層強くなると同時に魔法陣の光も強くなる。
「もうすぐ終わりますよ……この学園は私のものになるのです……!」
魔法陣はさらに輝きを増していく。水晶からはどす黒いオーラが溢れ出し辺りを覆い尽くしていく。
あまりの眩しさに思わず手で顔を覆うがそれでも隙間から光が入ってくる。そしてついに魔法陣が光り輝いたかと思うと、次の瞬間には光は消えていた。
その出来事に呆然としていると安部晴実が口を開いた。
「ふふふ、これで学園は私の支配下になりました。さあ、始めましょう……新しい学園を!」
「支配下になっただと?何をしたんだ!?」
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「ダンジョンだと!?」
この学園がダンジョンになっただと?!そんな馬鹿なことが……!しかし目の前の光景はそれを否定することを許さない。
安部晴実は恍惚とした表情を浮かべ、両手を広げ高らかに宣言した。
「ようこそ、私のダンジョンへ!」
その言葉と共に彼女の背後の空間が歪み始める。やがてそこから巨大な門が現れた。
安部晴実は門の前まで行くと振り返って言った。
「さて、あなたは邪魔なのでここで死んでもらいましょうか」
安部晴実は右手に魔力を集中させる。するとその手は徐々に形を変えていき、最後には一本の杖となった。
「さようなら」彼女がそう言うと同時に先端の宝石が輝く。
瞬間、眩い閃光が放たれた。
視界が真っ白になる。何も見えない。体が動かない。
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