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翌日、登校した僕は教室の前で足を止めた。扉に手をかけたまま中の様子を伺う。何やら騒がしい雰囲気だ。
(何かあったのかな……?)不思議に思いながらも扉を開けると、そこには予想外の光景が広がっていた。
頭から天井に突き刺さった一人の男子生徒がいたのである。周囲の生徒が戸惑う中、茶髪……火野勇気が爆笑していた。
僕は慌てて駆け寄るとその生徒に声をかけた。
「大丈夫ですか?!」すると頭上から声が返ってきた。
「大丈夫なわけあるか!早くおろせ!」
どうやら無事らしいので、天井から引き抜くことにした。引っ張ってみると意外に軽いことに驚いたが、なんとか無事に引っ張り出すことができた。
勢いあまって教室の床に叩きつけてしまったが。
床に寝転がる男子学生の顔、いや、頭は見覚えのあるものだった。河童こと神(ジン)だ。こいつまた何かやらかしたのか?と思っていると、彼が口を開いた。
「さすがに死ぬかと思ったぜ……」頭をさすりながら起き上がる河童に火野くんが話しかける。
「おい、てるてる坊主。何落ちてんだよ。もっと踏ん張れよ。雨になっちまうだろ?」
そう言いながら笑い転げている。そんな彼に冷たい視線を向けながら神は言った。「
貴様がやったんだろうが!!」
叫ぶ河童に火野くんは悪びれた様子もなく答えた。
「だってお前の頭みてたら誰だってついやりたくなるだろ?」そう言って再び大爆笑し始める。
それに憤慨したのか河童は叫んだ。
「うるさい!!貴様はぶっ飛ばす!!」
そう言って怒りに任せて飛びかかった瞬間、突然河童の体が宙に浮き始めたのだ。まるで見えない手に持ち上げられているようだった。そのまま空中で静止させられるとそのまま黒板の方へと向かっていく。そして、次の瞬間勢いよく投げつけられた。
ゴチーンという音と共に鈍い音が響き渡る。見ると壁にめり込んでいた。ピクピク痙攣しているところを見ると生きてはいるようだ。
その様子を見て生徒たちは騒然となった。騒ぎを聞きつけた担任の先生が駆けつける。先生は壁にめり込んでいる河童を廊下に投げ捨てると何事もなかったかのように教壇に立った。そして、パンパンと手を叩いて言う。
「はいはーい、みんな席について~」その一言で我に返ったのか生徒たちは慌てて席に戻っていく。僕も急いで席についた。
(なんかもう先生もあいつの扱いが雑になってきたなあ)そう思っていると隣の席の火野くんが話しかけてきた。
「よう、おはよう!昨日はあれからうちのギルドにバトル申し込んだんだって?俺はあのあとすぐ帰っちゃったからさあ……残ってれば良かったぜ」
「ああ、うん。ちょっと成り行きで……」
「まあ、お前もさざ波ギルドの一員なんだから頑張れよな!応援してるぜ!」
にやにやと笑いながら言う火野くん。
そんな話をしているうちに授業が始まった。
(何かあったのかな……?)不思議に思いながらも扉を開けると、そこには予想外の光景が広がっていた。
頭から天井に突き刺さった一人の男子生徒がいたのである。周囲の生徒が戸惑う中、茶髪……火野勇気が爆笑していた。
僕は慌てて駆け寄るとその生徒に声をかけた。
「大丈夫ですか?!」すると頭上から声が返ってきた。
「大丈夫なわけあるか!早くおろせ!」
どうやら無事らしいので、天井から引き抜くことにした。引っ張ってみると意外に軽いことに驚いたが、なんとか無事に引っ張り出すことができた。
勢いあまって教室の床に叩きつけてしまったが。
床に寝転がる男子学生の顔、いや、頭は見覚えのあるものだった。河童こと神(ジン)だ。こいつまた何かやらかしたのか?と思っていると、彼が口を開いた。
「さすがに死ぬかと思ったぜ……」頭をさすりながら起き上がる河童に火野くんが話しかける。
「おい、てるてる坊主。何落ちてんだよ。もっと踏ん張れよ。雨になっちまうだろ?」
そう言いながら笑い転げている。そんな彼に冷たい視線を向けながら神は言った。「
貴様がやったんだろうが!!」
叫ぶ河童に火野くんは悪びれた様子もなく答えた。
「だってお前の頭みてたら誰だってついやりたくなるだろ?」そう言って再び大爆笑し始める。
それに憤慨したのか河童は叫んだ。
「うるさい!!貴様はぶっ飛ばす!!」
そう言って怒りに任せて飛びかかった瞬間、突然河童の体が宙に浮き始めたのだ。まるで見えない手に持ち上げられているようだった。そのまま空中で静止させられるとそのまま黒板の方へと向かっていく。そして、次の瞬間勢いよく投げつけられた。
ゴチーンという音と共に鈍い音が響き渡る。見ると壁にめり込んでいた。ピクピク痙攣しているところを見ると生きてはいるようだ。
その様子を見て生徒たちは騒然となった。騒ぎを聞きつけた担任の先生が駆けつける。先生は壁にめり込んでいる河童を廊下に投げ捨てると何事もなかったかのように教壇に立った。そして、パンパンと手を叩いて言う。
「はいはーい、みんな席について~」その一言で我に返ったのか生徒たちは慌てて席に戻っていく。僕も急いで席についた。
(なんかもう先生もあいつの扱いが雑になってきたなあ)そう思っていると隣の席の火野くんが話しかけてきた。
「よう、おはよう!昨日はあれからうちのギルドにバトル申し込んだんだって?俺はあのあとすぐ帰っちゃったからさあ……残ってれば良かったぜ」
「ああ、うん。ちょっと成り行きで……」
「まあ、お前もさざ波ギルドの一員なんだから頑張れよな!応援してるぜ!」
にやにやと笑いながら言う火野くん。
そんな話をしているうちに授業が始まった。
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