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5.悪役令息と王子
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「アルフレッド、迎えに来たぞ。一緒に帰ろう。」
振り返れば、端正な顔立ちの金髪碧眼の美少年が一人、ご満悦な表情で立っている。
ここは、王都内のにある貴族のご令息達が通う学園内である。
「セドリック様、大変恐縮ですが、僕はまだ課題が残っていますので、これから図書館にて調べものをと…。ですので、本日はどうぞお先に…」
「いや、それなら私も一緒に手伝おう。婚約者の君を一人にしておくのは心配だ。と言うより、かわいいアルと一緒に居たいからなんだけどね。」
こんな甘い言葉をささやいているのは、他でもない将来アルフレッドを断罪する予定の王子であり、バロン王国王太子、セドリックその人である。
悪役令息アルフレッド現在16歳、王子との婚約回避を目指し、改心し距離を置き、ここまでやって来たのだが…どう見ても王子はアルフレッドに好意的である。
むしろ甘々である。
あの日、前世を思い出した僕は、セドリック様の婚約者にならない様に決めた。
王家主催のお茶会が、婚約者を選定する場である事に気付き、なるべくと言うか、全力でかかわらない様に努力した。
王子に媚を売る他の令息を尻目に、僕はオーラをひた消し陰に徹していた。
簡単な挨拶だけ済ませたら、隅の方で隠れて、ほっぺの落ちそうなデザートと高級紅茶に舌鼓をうつ。
毎回こんな風にやり過ごして居たのだが……。
「さすが王家で出されるデザートは違うな、特にこのザッハトルテも…」
「お口に合ったようでなにより。」
「はい、もう全部が美味しくて、すべて全てのデザートを頂きたいのに、もうお腹いっぱいで…」
「君はたしか、ベンジャミン侯爵家のアルフレッドだったか」
「はい、アルフレッドにございます。本日はお招きいただきありがとうございます。」
「堅苦しいい挨拶はいいよ。同い年なのだから、もっと気軽に接して欲しいな。」
王子様然のさわやかな笑顔を浮べながら、セドリック様は、僕の隣の席に腰かけた。
「君はいつも挨拶の後に消えてしまうから、ゆっくり話がしたいと思ってたんだ。」
何と言うことだ!
物語の強制力とやらには敵わなかったのか?
それからあれよあれよと言う間に、セドリック様と僕の婚約は成立したのだった。
アルフレッド12歳の時である。
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むしろ甘々である。
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簡単な挨拶だけ済ませたら、隅の方で隠れて、ほっぺの落ちそうなデザートと高級紅茶に舌鼓をうつ。
毎回こんな風にやり過ごして居たのだが……。
「さすが王家で出されるデザートは違うな、特にこのザッハトルテも…」
「お口に合ったようでなにより。」
「はい、もう全部が美味しくて、すべて全てのデザートを頂きたいのに、もうお腹いっぱいで…」
「君はたしか、ベンジャミン侯爵家のアルフレッドだったか」
「はい、アルフレッドにございます。本日はお招きいただきありがとうございます。」
「堅苦しいい挨拶はいいよ。同い年なのだから、もっと気軽に接して欲しいな。」
王子様然のさわやかな笑顔を浮べながら、セドリック様は、僕の隣の席に腰かけた。
「君はいつも挨拶の後に消えてしまうから、ゆっくり話がしたいと思ってたんだ。」
何と言うことだ!
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それからあれよあれよと言う間に、セドリック様と僕の婚約は成立したのだった。
アルフレッド12歳の時である。
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