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2章
第75話 2人の洗いっこ
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「……いいんだよ。俺は一人でやるから」
「お願いします。やらせてください」
一応断っていたが。予想通りウィンは俺に迫ってそう言葉を返す。
──こうなった時のウィンは、いうことを聞かない。
観念して、首を縦に振った。
「わかった。よろしくね」
そして、俺とウィンの立ち位置を交代させる。ウィンは受け取ったタオルを泡立たせると、俺の背中を洗い始めた。
ちょっとぎこちないけれど、優しい。
あと、隙あらば胸を押し付けてくる。首回りを洗うときとか。
必要以上に──。お願いだから、やめて。理性が持たなくなるから。
そして、背中が終わり前へ。
「ウィン、前はやるから。いいって」
「いいです。やらせてください」
そう言ってウィンはさらに胸を押し付けてくる。
そうじゃないって、理性が持たないんだって。
流石に、局所はやらせられない。
柔らかい胸の感触に耐えながら、何とか耐える。
「ガルド様──」
「なに?」
「ガルド様の役に立てて、とっても嬉しいです」
「あ、ありがとう」
ウィンが、とても嬉しそうだ。やはり、役割を与えるとウィンはとても嬉しそうな表情になる。
これからも、ウィンに喜んでもらえるようにいろいろ考えていきたい。
何とか、ことを起こさずに洗いっこを終えた。
シャワーを浴び終えると、すぐに横になった。明日も移動が続くからだ。
とはいえ、折角大きな部屋でゆっくりできる時間だ。ウィンとは、少しだけ話をしておきたい。
淡いランプが部屋全体を照らす。そんな薄暗い中、ベッドの上でウィンと向き合いながら会話する。
「ウィン。両親との再会。どう考えてる?」
その言葉に、ウィンははっとなり俺の手をぎゅっと握り始めた。
「両親ですか……。その……いつも厳しい両親でしたから、今回も何か言われるのだなとは分かっています」
そう言いながら握っている手が強くなる。やはり、怯えているのだろう。
「でも、今度はちゃんと、正面から向き合います。逃げないで──」
「応援してるよ。力になるから、ウィン」
優しく、声をかける。
両親がどんな人かは、実際にあってみなければわからないけれど、ウィン1人じゃ押し切られてしまう可能性がある。
その時は、ちゃんとフォローしてあげないと。
しっかりと、ウィンの力になれるようになりたい。
「お兄さん。お姉さんは、私をとても大切に想っていてくれました。ですので、逢えるかもしれないということにちょっと、どきどきしています」
そう話すウィンの表情が、ちょっと嬉しそうに笑っている。こっちは、信頼できるといってもいい。
「良かったね。兄弟と、仲良く話せるといいね」
「はい」
何とか兄さんや姉さんを味方につけて、ウィンが悲しまないような出会いにしたい。
そんなこと考えていると。
「あ……」
ウィンの目がとろんと半開きになっているのに気づく。とっても眠そうに、うとうとといった感じだ。
やはり、長旅だということで疲労がたまっているのだろう。
こっちも大分疲れている。明日も移動だ。もう寝よう。
「じゃあ、寝るよ──」
「はい」
俺達は明かりを消して、ぎゅっと抱き合いながら、眠りにつく。
ウィン、今回の旅。ウィンにとって悲しいことになんかさせない。
両親と、うまく打ち解けあえるようにしてみせる。
朝。
「ウィン、おはよう。よく寝れた?」
「はい。ふかふかのベッドでした」
ベッドの上、掛布団をかぶりながらウィンは目をこすりながら言葉を返して来る。
どこか柔らかい表情をしていた。
昨日、ベッドに入るとすぐに夢の中に入っていったのを見ている。
睡眠はきちんととれたのだろう。
「よく寝れて、疲れもしっかり取れました」
「それは良かった」
ウィンがそう言ってくれて何よりだ。
着替えてから、朝食にチーズとパンを食べる。その後一休憩してからエントランスへ。
昨日のおばあさんに鍵を返す。
おばあさんはニタニタしながら、隣に寄ってきて肘で俺の脇腹をツンツンしてきた。
「昨夜はお愉しみだったかな?」
「やましいことはしてませんが、何でですか?」
するとおばあさんが腰に手を当てこのホテルのことを話す。
ここは、本来恋人同士があんなあことやこんなことをしたりするための特別なホテル『ラブホテル』なのだそうだ。
確かに、普通のホテルにしてはどこかアダルトな雰囲気だとは思っていた。
そんなホテルなら、あんな雰囲気なのも納得だ。
ウィンは、恥ずかしいのか顔を真っ赤にしている。
「なんだい─。2人であんなことやこんなことしなかったのかい? あんた、とんだヘタレだねぇ~~」
おばさんは茶化す様に言葉を返して来た。
そんなことはしていないから。
取りあえず、先に進まなきゃ。
話を適当に済ませた後、俺達はホテルを出て道を進み始めた。
間違いまで発展しなくて、本当に良かった。
見渡す限りの荒野や山々を抜けて、丸2日。目的の場所にたどり着く。
タツワナ王国、王都タツワナ。
木造の建物が並ぶ街並み。
俺達がいた街と比べると、どこかのどかな雰囲気だ。
「懐かしい──です」
ウィンはほっと、落ち着いたような様子で街をまじまじと見る。
「お願いします。やらせてください」
一応断っていたが。予想通りウィンは俺に迫ってそう言葉を返す。
──こうなった時のウィンは、いうことを聞かない。
観念して、首を縦に振った。
「わかった。よろしくね」
そして、俺とウィンの立ち位置を交代させる。ウィンは受け取ったタオルを泡立たせると、俺の背中を洗い始めた。
ちょっとぎこちないけれど、優しい。
あと、隙あらば胸を押し付けてくる。首回りを洗うときとか。
必要以上に──。お願いだから、やめて。理性が持たなくなるから。
そして、背中が終わり前へ。
「ウィン、前はやるから。いいって」
「いいです。やらせてください」
そう言ってウィンはさらに胸を押し付けてくる。
そうじゃないって、理性が持たないんだって。
流石に、局所はやらせられない。
柔らかい胸の感触に耐えながら、何とか耐える。
「ガルド様──」
「なに?」
「ガルド様の役に立てて、とっても嬉しいです」
「あ、ありがとう」
ウィンが、とても嬉しそうだ。やはり、役割を与えるとウィンはとても嬉しそうな表情になる。
これからも、ウィンに喜んでもらえるようにいろいろ考えていきたい。
何とか、ことを起こさずに洗いっこを終えた。
シャワーを浴び終えると、すぐに横になった。明日も移動が続くからだ。
とはいえ、折角大きな部屋でゆっくりできる時間だ。ウィンとは、少しだけ話をしておきたい。
淡いランプが部屋全体を照らす。そんな薄暗い中、ベッドの上でウィンと向き合いながら会話する。
「ウィン。両親との再会。どう考えてる?」
その言葉に、ウィンははっとなり俺の手をぎゅっと握り始めた。
「両親ですか……。その……いつも厳しい両親でしたから、今回も何か言われるのだなとは分かっています」
そう言いながら握っている手が強くなる。やはり、怯えているのだろう。
「でも、今度はちゃんと、正面から向き合います。逃げないで──」
「応援してるよ。力になるから、ウィン」
優しく、声をかける。
両親がどんな人かは、実際にあってみなければわからないけれど、ウィン1人じゃ押し切られてしまう可能性がある。
その時は、ちゃんとフォローしてあげないと。
しっかりと、ウィンの力になれるようになりたい。
「お兄さん。お姉さんは、私をとても大切に想っていてくれました。ですので、逢えるかもしれないということにちょっと、どきどきしています」
そう話すウィンの表情が、ちょっと嬉しそうに笑っている。こっちは、信頼できるといってもいい。
「良かったね。兄弟と、仲良く話せるといいね」
「はい」
何とか兄さんや姉さんを味方につけて、ウィンが悲しまないような出会いにしたい。
そんなこと考えていると。
「あ……」
ウィンの目がとろんと半開きになっているのに気づく。とっても眠そうに、うとうとといった感じだ。
やはり、長旅だということで疲労がたまっているのだろう。
こっちも大分疲れている。明日も移動だ。もう寝よう。
「じゃあ、寝るよ──」
「はい」
俺達は明かりを消して、ぎゅっと抱き合いながら、眠りにつく。
ウィン、今回の旅。ウィンにとって悲しいことになんかさせない。
両親と、うまく打ち解けあえるようにしてみせる。
朝。
「ウィン、おはよう。よく寝れた?」
「はい。ふかふかのベッドでした」
ベッドの上、掛布団をかぶりながらウィンは目をこすりながら言葉を返して来る。
どこか柔らかい表情をしていた。
昨日、ベッドに入るとすぐに夢の中に入っていったのを見ている。
睡眠はきちんととれたのだろう。
「よく寝れて、疲れもしっかり取れました」
「それは良かった」
ウィンがそう言ってくれて何よりだ。
着替えてから、朝食にチーズとパンを食べる。その後一休憩してからエントランスへ。
昨日のおばあさんに鍵を返す。
おばあさんはニタニタしながら、隣に寄ってきて肘で俺の脇腹をツンツンしてきた。
「昨夜はお愉しみだったかな?」
「やましいことはしてませんが、何でですか?」
するとおばあさんが腰に手を当てこのホテルのことを話す。
ここは、本来恋人同士があんなあことやこんなことをしたりするための特別なホテル『ラブホテル』なのだそうだ。
確かに、普通のホテルにしてはどこかアダルトな雰囲気だとは思っていた。
そんなホテルなら、あんな雰囲気なのも納得だ。
ウィンは、恥ずかしいのか顔を真っ赤にしている。
「なんだい─。2人であんなことやこんなことしなかったのかい? あんた、とんだヘタレだねぇ~~」
おばさんは茶化す様に言葉を返して来た。
そんなことはしていないから。
取りあえず、先に進まなきゃ。
話を適当に済ませた後、俺達はホテルを出て道を進み始めた。
間違いまで発展しなくて、本当に良かった。
見渡す限りの荒野や山々を抜けて、丸2日。目的の場所にたどり着く。
タツワナ王国、王都タツワナ。
木造の建物が並ぶ街並み。
俺達がいた街と比べると、どこかのどかな雰囲気だ。
「懐かしい──です」
ウィンはほっと、落ち着いたような様子で街をまじまじと見る。
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