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最終章 建国祭編
第90話 元勇者 ハスタルの剣に愕然とする
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そして俺は1人、ハスタルのところへといった。強敵だけど、これだけルシフェルがこれだけ応援してくれたんだ。絶対に勝つ!
一方、ゲートが開いてからの地上。
突然の出来事に、王都は大混乱に陥っていた。
逃げ惑う人々を、警備の人々が地下の避難所に誘導している。
だが、魔獣たちは市民たちとの距離を詰めていき、大きく口を開けた。悲鳴を上げる住民たち。
そんな時、その後ろから1人の声が響く。
白き聖矢よ。救援の光となり、その力解き放て
シャイニング・スターライトアロー
その弓矢は迫りくる魔王軍の兵士たちに直撃し、次々と消滅していく。
ドォォォォォォォォォォォォォォォン!!
魔獣たちは攻撃を受けて爆発し、間一髪で助かる形となる。
この攻撃を繰り出したのは、ローザだ。そして後ろからセフィラが出てきて仕留めきれなかった兵士たちを次々と仕留めていく。
2人は襲撃と同時に行動を開始し、魔王軍と戦い、人々の避難の手助けをしていた。
「皆さん、ここは私たちに任せてください!」
ローザが魔獣に向かって遠距離の術式を出す。セフィラがその周りについて接近してくる敵たちを切り刻んでいった。
2人のコンビネーションはぴったりで、次々と魔王軍たちを退治していった。
「ローザ様。魔力は大丈夫ですか? さっきから高威力の術式を次々と放っているようですが──」
「私は大丈夫。平気だよ。それより、陽君がすごく心配だよ」
「はい。あそこにいるハスタルという敵。見ただけでその強さがわかります。果たして勝てるのでしょうか──」
その言葉にローザは不安に思ってしまう。彼に何かあったらどうしようかと。しかし、今の彼女にできることはない。
ハスタルを見ただけで2人は理解している。今自分たちが行っても、足を引っ張ってしまうだけだと。
「信じましょう。今までも、強い敵相手でも陽平さんは戦って、勝ってきました。今回も、そうなると、信じましょう」
「うん……」
ローザが心配そうにうなづきながら、ゆっくりと空を見上げる。視線の先には、剣を交えるハスタルと俺の姿があった。
戦いは、2人からすれば互角に見える。勝ってほしいと、心から願う。すると──。
「ローザ様。後ろにいます」
セフィラの言葉に反応し、後ろに視線を向けると、他の魔王軍のへ兵士たちが集まってくる。
「私達も、頑張りましょう。ローザ様」
「うん」
そしてローザたちは、再び魔王軍たちに立ち向かっていくのだった。
俺は、ハスタルと死闘を繰り広げていた。
互角の戦い。しかし突然ハスタルの剣に異変が生じる。
「な、なんだこれは──」
「どうした元勇者、怖気図いたのか?」
そんなわけはない。敵を目の前にして、あきらめるという選択肢は俺にはない。
俺が驚いたのはほかのことが理由だ。
一言で表すと、剣が曲がったのだ。
まるで俺を追いかける蛇のように。
聞いた事がある。
魔剣「ディアブロス」という名の剣。強力な魔力を持ち、自分の意志で県を変幻自在に曲げることができるのだ。
その代償に、魔剣からは強い闇の力が放出されていて、半端な人物が使ってしまうと精神がその闇の力に飲み込まれてしまうのだが。
フハハハハハハハハハハハハハハ!!
突然高らかにハスタルが笑い始める。
「どうした。何かおかしいことでもあるのか?」
「やはり元勇者。単純な力押しでは対応できてしまうな」
当たり前だ。この程度の相手なら、以前の時だっていた。これなら、戦えないわけじゃない。
俺は何とか空中の移動になれてハスタルの攻撃をかわしながらスキを見て反撃していく。
「なあ貴様。どうしてこの街を襲うなんて考えたんだ」
「簡単だ。配下の魔物たちの生活が貧しくなり不満になっているんだよ。それをそらすには外に敵を作り、暴れさせればいい。それだけだ」
「おまえ、依然と何も変わっていないな」
そう。こいつはいつもそうだ。自分の目的を達成させるためなら、何でもする。
周囲を傷つけているということに対して罪悪感が全くない。
何のためらいもなく周りを破壊させる。こいつだけは、この世界に居てはいけない存在だと強く思った。
それでもこいつの強さは一級品。おまけの今使っている剣は手合わせしたことがない初めて見る剣。
力こそそこそこだが、不規則に曲がる蛇のような剣。どうしても慎重にならざるを得ない。
確かに今までは互いに全力を出していなかった。
俺もハスタルも、実力を最低限出しつつ相手の力量を図っているという感じだ。
「どうしたのか? 我が憎いのだろう──。だったら全力でかかって来ればいいではないか」
見え透いた挑発にも俺は動じない。どんな罠が待っているかわからないのに、むやみに突っ込むわけにはいかない。
するとハスタルはしびれを切らしたのか、にやりと笑みを浮かべ始め。
「ほう。さすがは元勇者。感情のままに突っ込んでくるわけではないな。ならば、こちらから行かせてもらうぞ!」
そして血の猛りのままに一気に切りかかってきた。
最初に距離を詰めてきたのはハスタルだ。
一方、ゲートが開いてからの地上。
突然の出来事に、王都は大混乱に陥っていた。
逃げ惑う人々を、警備の人々が地下の避難所に誘導している。
だが、魔獣たちは市民たちとの距離を詰めていき、大きく口を開けた。悲鳴を上げる住民たち。
そんな時、その後ろから1人の声が響く。
白き聖矢よ。救援の光となり、その力解き放て
シャイニング・スターライトアロー
その弓矢は迫りくる魔王軍の兵士たちに直撃し、次々と消滅していく。
ドォォォォォォォォォォォォォォォン!!
魔獣たちは攻撃を受けて爆発し、間一髪で助かる形となる。
この攻撃を繰り出したのは、ローザだ。そして後ろからセフィラが出てきて仕留めきれなかった兵士たちを次々と仕留めていく。
2人は襲撃と同時に行動を開始し、魔王軍と戦い、人々の避難の手助けをしていた。
「皆さん、ここは私たちに任せてください!」
ローザが魔獣に向かって遠距離の術式を出す。セフィラがその周りについて接近してくる敵たちを切り刻んでいった。
2人のコンビネーションはぴったりで、次々と魔王軍たちを退治していった。
「ローザ様。魔力は大丈夫ですか? さっきから高威力の術式を次々と放っているようですが──」
「私は大丈夫。平気だよ。それより、陽君がすごく心配だよ」
「はい。あそこにいるハスタルという敵。見ただけでその強さがわかります。果たして勝てるのでしょうか──」
その言葉にローザは不安に思ってしまう。彼に何かあったらどうしようかと。しかし、今の彼女にできることはない。
ハスタルを見ただけで2人は理解している。今自分たちが行っても、足を引っ張ってしまうだけだと。
「信じましょう。今までも、強い敵相手でも陽平さんは戦って、勝ってきました。今回も、そうなると、信じましょう」
「うん……」
ローザが心配そうにうなづきながら、ゆっくりと空を見上げる。視線の先には、剣を交えるハスタルと俺の姿があった。
戦いは、2人からすれば互角に見える。勝ってほしいと、心から願う。すると──。
「ローザ様。後ろにいます」
セフィラの言葉に反応し、後ろに視線を向けると、他の魔王軍のへ兵士たちが集まってくる。
「私達も、頑張りましょう。ローザ様」
「うん」
そしてローザたちは、再び魔王軍たちに立ち向かっていくのだった。
俺は、ハスタルと死闘を繰り広げていた。
互角の戦い。しかし突然ハスタルの剣に異変が生じる。
「な、なんだこれは──」
「どうした元勇者、怖気図いたのか?」
そんなわけはない。敵を目の前にして、あきらめるという選択肢は俺にはない。
俺が驚いたのはほかのことが理由だ。
一言で表すと、剣が曲がったのだ。
まるで俺を追いかける蛇のように。
聞いた事がある。
魔剣「ディアブロス」という名の剣。強力な魔力を持ち、自分の意志で県を変幻自在に曲げることができるのだ。
その代償に、魔剣からは強い闇の力が放出されていて、半端な人物が使ってしまうと精神がその闇の力に飲み込まれてしまうのだが。
フハハハハハハハハハハハハハハ!!
突然高らかにハスタルが笑い始める。
「どうした。何かおかしいことでもあるのか?」
「やはり元勇者。単純な力押しでは対応できてしまうな」
当たり前だ。この程度の相手なら、以前の時だっていた。これなら、戦えないわけじゃない。
俺は何とか空中の移動になれてハスタルの攻撃をかわしながらスキを見て反撃していく。
「なあ貴様。どうしてこの街を襲うなんて考えたんだ」
「簡単だ。配下の魔物たちの生活が貧しくなり不満になっているんだよ。それをそらすには外に敵を作り、暴れさせればいい。それだけだ」
「おまえ、依然と何も変わっていないな」
そう。こいつはいつもそうだ。自分の目的を達成させるためなら、何でもする。
周囲を傷つけているということに対して罪悪感が全くない。
何のためらいもなく周りを破壊させる。こいつだけは、この世界に居てはいけない存在だと強く思った。
それでもこいつの強さは一級品。おまけの今使っている剣は手合わせしたことがない初めて見る剣。
力こそそこそこだが、不規則に曲がる蛇のような剣。どうしても慎重にならざるを得ない。
確かに今までは互いに全力を出していなかった。
俺もハスタルも、実力を最低限出しつつ相手の力量を図っているという感じだ。
「どうしたのか? 我が憎いのだろう──。だったら全力でかかって来ればいいではないか」
見え透いた挑発にも俺は動じない。どんな罠が待っているかわからないのに、むやみに突っ込むわけにはいかない。
するとハスタルはしびれを切らしたのか、にやりと笑みを浮かべ始め。
「ほう。さすがは元勇者。感情のままに突っ込んでくるわけではないな。ならば、こちらから行かせてもらうぞ!」
そして血の猛りのままに一気に切りかかってきた。
最初に距離を詰めてきたのはハスタルだ。
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