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第46話 元勇者 一転攻勢に出る
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ハイドは自身の剣を薙ぎ払う。そして剣から巨大な球状の魔力を伴った砲撃が襲いかかってくる。
ドォォォォォォォォォォォン!!
俺は左、ルシフェルは右に身を投げ何とか攻撃をかわす。
大きな爆発音とともに周囲は煙に包まれる。
そして煙に包まれ視界が極端に悪くなった。視界が悪くなる中ハイドがだけ無事。
「では、これでどうだ!」
ピッ!!
ハイドが軽く指をはじく。すると──。
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──。
爆発の煙は消えて行き、突然彼の周囲に宙に浮いた手のひらサイズの黒い球状の物体が現れた。
スッ──!!
そしてその物体は空中に溶け込むようにして視界から消えていく。
「意味は理解しているな──」
「ああ──」
恐らくこの辺り一帯に魔力を伴った物体を浮遊させているんだろう。触れた瞬間に爆発しダメージを追うようになっている。
まるで地雷原だ。
(確か魔球っていうんだっけ──)
以前勇者だった時はこの魔球にどれだけの冒険者がやられていったことか……。だが──。
(俺はすでに種を知っている。以前も攻略した事はある!!)
まずは一回目を閉じる。そして神経を研ぎ澄ませる。
スッ──。
再び目を開けた。目に魔力を込めてハイドの方に視線を向ける。
(よし、これなら確認できる)
うっすらとだが球状にゆがんでいるように見える。左右に10個程、あれが魔球だな──。
見えてしまえば問題ない。
そして俺は地雷原にゆっくりと飛び込む。まずは右、次に左上──。
虚空の空間を薙ぎ払う。
スパッ──!
ドォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
俺の攻撃が魔球に直撃し爆発する。そして背後から魔球がくる気配、動かすこともできるのか──。
振り返りターンをすると剣を魔球に向かって振り上げる。
魔球は俺に触れることなく爆発。
さらに左上、右下、正面──。ものの数分で魔球たちはすべて処理していた。
ハイドまで数メートルの間で迫った俺は自身の剣をハイドの胸のあたりに向ける。
「こんなこけおどしじゃ俺を止めることは出来ない。貴様の罠はすでに敗れた」
「ふん、腕試しというやつだ。この程度の攻略俺でもできる、自慢するには及ばない」
俺の言葉に何のためらいもなく言い返してくる。
「さあ、かかってこい……」
ハイドは仁王立ちになり動かない。俺とハイドの種族値を考えると突っ込んで接近戦を行う以外にない。
だが──。
「どうした。俺が許せないんじゃなかったのか? 俺と相対して怖気づいたのか?」
見え見えの挑発にも俺は動じない。
前回も苦戦はしたがこの攻撃を攻略した。ということは今回も攻略は出来る。それは奴だってわかっているはずだ。
(確実に罠を張っているな……)
つまりこのまますんなり攻撃のは移れないだろうということだ。しかし周囲に気を配っても何か罠を張っているような気配はない。
(仕方ない、行くしかないか)
だがそうとわかっていてもどうする事も出来ない。
だったらやることは一つ。罠だと分かっていてもここは一歩踏み込むしかない。
逃げていても勝負には勝てない、ここは攻撃あるのみ!!
そして俺は剣を構え体勢を低く。
「流石は勇者、警戒して攻撃を放棄すると期待してはいたが──」
タッ──!!
両足に魔力を込めていっきに加速。トップスピードでハイドに向かっていく。
そして剣を振り上げ、振りかざす。
ハイドは何一つ動こうともせず仁王立ち。確実に何かを狙っているな。
振りかざした剣はハイドの胴体に向かっていく、そして彼の肉体を切り裂いていく。
はずだった──。しかし……。
(これは、幻影か──)
斬ったという感触が無い。そしてハイドの幻影を切り刻むとその姿はまるで煙が蒸発していくように消えていく。
(後ろか──!!)
背後にただならぬ気配を感じとっさに体を回転させる。
そこには剣を振りかざし手の届く範囲まで接近していたハイドの姿があった。
慌てて俺はその攻撃を剣で防ぐ。
しかしハイドはそんなことお構いなしにマシンガンのような連続攻撃、強い魔力を込め何度も俺に攻撃を見舞ってくる。
慌てて攻撃を防いだため良い体制を取れず、攻撃に移れない。結果的に相手に押し込まれてしまう。ここはいったん距離を取って体勢を立て直したいところだが──。
「どうした、引いて体制を立て直したりしないのか?」
「引きたいのは山々なんだけど、そう言うわけにはいかないんだよなぁ……」
だが、遠距離戦は部が悪い。魔法攻撃の数値は奴の方が上、距離を取ったらそれこそやられる。
ATも魔法攻撃も高い両刀型、おまけに耐久も高い。どんな戦闘スタイルもこなせるので戦いの戦法が読みにくいのがこいつの長所だ。
するとハイドは何と地面に剣を突き刺す。突き刺した場所が黒く光り始め──。
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
大きな音を上げ大爆発を起こす。
俺は何とか身を左に投げ直撃を避ける。爆発時の粉塵で周囲への視界が利かなくなる。これはまずいぞ!!
一気にハイドが距離を詰める。そして再びの接近戦。
力強くも無駄に前がかりにならずに全くスキが無い剣さばき。
何とか奴の攻撃に対応しながらつくづく思う。
本当に強い、そこいらの悪役とは違う──。
確かにこいつの剣からは感じる、何かを背負っているというものが、信じる者のために戦っている強さが……。
だがな──。
(負けられない思いがある、背負うものがあるのはお前だけじゃない!!)
いくら大切な物のためだからといっても関係が無い人の魂を奪って、傷つけていいなんて理由にはならない!!
そしてハイドが剣を振り上げると俺は大きくバックステップを取る。
(今だ、ルシフェル!!)
ドォォォォォォォォォォォン!!
俺は左、ルシフェルは右に身を投げ何とか攻撃をかわす。
大きな爆発音とともに周囲は煙に包まれる。
そして煙に包まれ視界が極端に悪くなった。視界が悪くなる中ハイドがだけ無事。
「では、これでどうだ!」
ピッ!!
ハイドが軽く指をはじく。すると──。
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──。
爆発の煙は消えて行き、突然彼の周囲に宙に浮いた手のひらサイズの黒い球状の物体が現れた。
スッ──!!
そしてその物体は空中に溶け込むようにして視界から消えていく。
「意味は理解しているな──」
「ああ──」
恐らくこの辺り一帯に魔力を伴った物体を浮遊させているんだろう。触れた瞬間に爆発しダメージを追うようになっている。
まるで地雷原だ。
(確か魔球っていうんだっけ──)
以前勇者だった時はこの魔球にどれだけの冒険者がやられていったことか……。だが──。
(俺はすでに種を知っている。以前も攻略した事はある!!)
まずは一回目を閉じる。そして神経を研ぎ澄ませる。
スッ──。
再び目を開けた。目に魔力を込めてハイドの方に視線を向ける。
(よし、これなら確認できる)
うっすらとだが球状にゆがんでいるように見える。左右に10個程、あれが魔球だな──。
見えてしまえば問題ない。
そして俺は地雷原にゆっくりと飛び込む。まずは右、次に左上──。
虚空の空間を薙ぎ払う。
スパッ──!
ドォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
俺の攻撃が魔球に直撃し爆発する。そして背後から魔球がくる気配、動かすこともできるのか──。
振り返りターンをすると剣を魔球に向かって振り上げる。
魔球は俺に触れることなく爆発。
さらに左上、右下、正面──。ものの数分で魔球たちはすべて処理していた。
ハイドまで数メートルの間で迫った俺は自身の剣をハイドの胸のあたりに向ける。
「こんなこけおどしじゃ俺を止めることは出来ない。貴様の罠はすでに敗れた」
「ふん、腕試しというやつだ。この程度の攻略俺でもできる、自慢するには及ばない」
俺の言葉に何のためらいもなく言い返してくる。
「さあ、かかってこい……」
ハイドは仁王立ちになり動かない。俺とハイドの種族値を考えると突っ込んで接近戦を行う以外にない。
だが──。
「どうした。俺が許せないんじゃなかったのか? 俺と相対して怖気づいたのか?」
見え見えの挑発にも俺は動じない。
前回も苦戦はしたがこの攻撃を攻略した。ということは今回も攻略は出来る。それは奴だってわかっているはずだ。
(確実に罠を張っているな……)
つまりこのまますんなり攻撃のは移れないだろうということだ。しかし周囲に気を配っても何か罠を張っているような気配はない。
(仕方ない、行くしかないか)
だがそうとわかっていてもどうする事も出来ない。
だったらやることは一つ。罠だと分かっていてもここは一歩踏み込むしかない。
逃げていても勝負には勝てない、ここは攻撃あるのみ!!
そして俺は剣を構え体勢を低く。
「流石は勇者、警戒して攻撃を放棄すると期待してはいたが──」
タッ──!!
両足に魔力を込めていっきに加速。トップスピードでハイドに向かっていく。
そして剣を振り上げ、振りかざす。
ハイドは何一つ動こうともせず仁王立ち。確実に何かを狙っているな。
振りかざした剣はハイドの胴体に向かっていく、そして彼の肉体を切り裂いていく。
はずだった──。しかし……。
(これは、幻影か──)
斬ったという感触が無い。そしてハイドの幻影を切り刻むとその姿はまるで煙が蒸発していくように消えていく。
(後ろか──!!)
背後にただならぬ気配を感じとっさに体を回転させる。
そこには剣を振りかざし手の届く範囲まで接近していたハイドの姿があった。
慌てて俺はその攻撃を剣で防ぐ。
しかしハイドはそんなことお構いなしにマシンガンのような連続攻撃、強い魔力を込め何度も俺に攻撃を見舞ってくる。
慌てて攻撃を防いだため良い体制を取れず、攻撃に移れない。結果的に相手に押し込まれてしまう。ここはいったん距離を取って体勢を立て直したいところだが──。
「どうした、引いて体制を立て直したりしないのか?」
「引きたいのは山々なんだけど、そう言うわけにはいかないんだよなぁ……」
だが、遠距離戦は部が悪い。魔法攻撃の数値は奴の方が上、距離を取ったらそれこそやられる。
ATも魔法攻撃も高い両刀型、おまけに耐久も高い。どんな戦闘スタイルもこなせるので戦いの戦法が読みにくいのがこいつの長所だ。
するとハイドは何と地面に剣を突き刺す。突き刺した場所が黒く光り始め──。
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
大きな音を上げ大爆発を起こす。
俺は何とか身を左に投げ直撃を避ける。爆発時の粉塵で周囲への視界が利かなくなる。これはまずいぞ!!
一気にハイドが距離を詰める。そして再びの接近戦。
力強くも無駄に前がかりにならずに全くスキが無い剣さばき。
何とか奴の攻撃に対応しながらつくづく思う。
本当に強い、そこいらの悪役とは違う──。
確かにこいつの剣からは感じる、何かを背負っているというものが、信じる者のために戦っている強さが……。
だがな──。
(負けられない思いがある、背負うものがあるのはお前だけじゃない!!)
いくら大切な物のためだからといっても関係が無い人の魂を奪って、傷つけていいなんて理由にはならない!!
そしてハイドが剣を振り上げると俺は大きくバックステップを取る。
(今だ、ルシフェル!!)
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