【完結】~追放された「元勇者」がゆく2度目の異世界物語~ 素早さ102、600族、Sランクで再び無双するようです

静内燕

文字の大きさ
上 下
45 / 103

第45話 元勇者 いよいよハイドと対決する

しおりを挟む
なぜこうなったかというとみんなが寝静まった後物音がしたから何かと思ったらルシフェルがいなかった。
 もしかしたらと思いセリカの所にいったら、ルシフェルを見たという報告があった。その方向へ行って探しまわったらこういうことになっていたわけだ。



 するとルシフェルが不満そうに俺に叫ぶ。

「何で来たのよあんた」

「決まってるだろ、一つお前を救うため。もう一つ、ハイドの悪行を止めるため。以上だ」

 ああ、彼の事情はわかった。
 でもそれを知ったうえで俺は立ち向かった。このままでは、誰一人幸せにすることはできない。


「ああ、元勇者さん。あんたそうだったわね」

「ああ、俺はハイド、貴様のやっていることが間違っていると思っている。悪だと思っている。だから止める。それだけだ」

「ふん。向かってくるなら容赦はしない。俺に立ち向かうということがどれだけ無謀な行為か思い知らせてやる」

 全く引かないハイド。当然と言えば当然だ、こいつはよくある悪役のように私利私欲のために戦っているのではない。大切な家族のために戦っている。

 そして俺が大切な使命を持っているようにこいつも背負うものがあって戦っている。

「あんたはどんな時も迷うことなんてなかったわ。この世界の人達のために戦い、私たちに勝った。今回もその事に変わりはないものね」

「ほう、戦うことに何の戸惑いもない。やはり勇者だ」

 ハイドの威圧するような物言いと目つき。それだけで足がすくみだし逃げ出したくなるような衝動にかられる。

「褒め言葉、素直に受け取っておくよ」

 ルシフェルは自分の限界を感じてか少し離れた家の壁にちょこんと座りこみこちらを見ている。

「私も参戦する」

「いいや、ここは引いていてくれ。俺からのお願いだ」

 見る限りルシフェルはボロボロ、本人はむきになっているがこれ以上戦わせるのはまずい。  それに、やはりこういう勝負は1対1で戦いたい。

「──分かったわ」

 顔を膨れさせ不満げなルシフェル。だが何とか首を縦に振ってくれた。
 そしてにらみ合う俺とハイド。

 え~と、確かあいつのステータスは……。

 ランク S
 HP 80
 AT 115
 DEF 120
 魔法攻撃 105
 魔法防御 115
 速度 70

 だったな。全体的にステータスが高い。

 速度は低いもののDEFも魔法防御も高い。
 俺のAT140のようにとがった物が無いけれどATも魔法攻撃もそれなりに高い両刀型。

 つまりつけこめるような弱点が無い。これは苦しい展開になりそうだ。


 互いに睨み合う2人、そして──。

「では、行かせてもらうぞ」


 ハイドが俺に向かって突っ込んでくる。俺も負けずに間合いを詰める。

 俺が攻めればハイドが守る。ハイドが攻めれば俺が守る。
 接近戦、互角の戦いが繰り広げられる。

(こいつ、なんてパワーだ──)


 パワーも強烈、だが遠距離ではハイドの方が力は上。逆に接近戦では俺の方が上、逃げていてはこちらが不利になる

 だから苦しくても逃げるわけにはいかない。

 しかし接近戦も強すぎる。テクニックや技術的な面もそうだがあのパワーは明らかにおかしい。

 何か強化でもしているのか──。
 そう考えているとルシフェルが何かに気付いたのかハイドの後方、民家の壁に向かって叫ぶ。

「隠れてないで出てきなさい。卑怯だと思わないの」

 すると壁際に黒い物体が現れ始める。
 漆黒に光っていて顔くらいのサイズで宙に浮いている。こんな物体、俺は見たことない。

「こいつは闇の力をつかさどっている闇の精霊「ヒュドラ」よ」

「恐らくこいつがハイドに魔力を供給しているのよ」

 なるほどな、こいつがハイドに闇の力を供給していたのか。だから数値に対して魔力が強いと感じたのか。

 しかし厄介な相手だ。これでは実質的な種族値はハイドの方が上ということだ。

「フン。ヒュドラを見破るとは、腐っても元魔王ということか」

 だが自分より強い相手とだって俺は戦って来た、そして勝って来た。今回も同じことを繰り返せばいいだけの事。

 俺はハイドを威嚇するように睨むと反撃の準備をする。すると──。


「やっぱり、見ていられない!!」



 横で見ていたルシフェルが足をがくがくとさせながら立ちあがる。無理だ、あれだけ消耗したのに──。

「やめろルシフェル、後は俺が──」

「あなたと一緒よ、あなたが必死になって戦っているのに、私は見ているだけなんて嫌だもの!!」

 ルシフェルが俺の言葉を遮り精一杯の声で叫ぶ。声のトーンからもとても感情的になっているのが分かる。

「……わかったよ。だが絶対に無茶はするなよ──」


 ルシフェルは何も言わず黙って首を縦に振る。
 あの状態じゃあ俺が何を言っても聞かないだろう、だからルシフェルの好きにさせた方がいい。

 そして2人でハイドをにらみつける。
 すると「ヒュドラ」が強く漆黒に光り始める。するとハイドから発している魔力が一気に強くなった。

 ハイドは自身の剣を薙ぎ払う。そして剣から巨大な球状の魔力を伴った砲撃が襲いかかってくる。

 ドォォォォォォォォォォォン!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

処理中です...