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第25話 元勇者 意味深な依頼書を受け取る
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国王様と面会があった日から数日。
あの後俺達は、近くの森で魔獣が出ていたので退治したり、街中を歩いて何か怪しい事が無いか探したりしていた。
そして今日もルシフェル達と一緒にギルドで何か仕事が無いか掲示板を探していると。
「あの……、陽平様。よろしいでしょうか?」
ギルドの支配人、フィーナさんが後ろから声をかけてくる。俺はその方向を向いてフィーナさんに目を合わせる。
「フィーナさん、おはようございます。何でしょうか?」
「陽平様に依頼書が来ているのですが……」
「依頼書? 俺指名の依頼がギルドに来ているという事ですか?」
そう質問するとフィーナさんは「はい」といって首を縦に振る。
何の事かわからずキョトンとするローザとセフィラ。
ギルドの依頼主の中には冒険者を指名して依頼書を出すという人もいる。
以前俺が勇者だった時も俺宛に指名してクエストの依頼が来る事はあった。普通の冒険者では到底できないような内容だったり、人に言えないような極秘任務だったり様々だ。
「別にかまいませんよ。どんなクエストなんですか?」
俺がそう質問すると、フィーナさんは何故か深刻そうな表情をしだす。そして腕を組み言葉を返す。
「ちょっと内容がおかしいんですよ」
「内容がおかしい?? どういうことですか?」
「見てみればわかります、ちょっと待ってください。その依頼書を持ってきますから──」
そう言いながらフィーナさんは事務所へ行ってしまった。ガサゴソと机を探しその依頼書を取り出す。
そしてフィーナさんが戻ってきて、その依頼の紙を俺に恐る恐る渡してくる。
その依頼書を受け取った俺は、封を開けて中身を取り出す。
中身を開けて依頼書を読んでみると、その理由がよくわかった。
差出人 不明
仕事内容 当日、差出人により説明
報酬 当日、差出人により説明
「こんな依頼書、初めて見ました」
セフィラが横から依頼書を見てそう囁く。そりゃそうだ、俺だって初めて見た。
依頼主も内容もわからない。どんなクエストなんだ??
「どうしましょうか陽平様、内容の不備を理由に依頼を却下する事もできますよ」
「集合場所はどこなんですか?」
「えーと、たしか先日のクエストがあった場所と同じ中央広場です」
ああ、あの人通りの多いいところか──。まあ、それなら考えはある。
「わかりました、このクエスト受諾します。受けましょう」
「いいんですか? こんな不備だらけの依頼書でですか?」
「別に大丈夫ですよ。詳しい内容は集合場所で聞けばいいですし、何かおかしかったらその場で断ればいいですし」
そうだ、ここで断ったら依頼主の動きが分からなくなってしまう。依頼主がどんな考えをしているかわからない以上、その狙いが知りたい。
魔王軍と戦っていた時もそうだが、強い敵にはただ逃げているだけではだめだ、時にはリスクを追ってでも敵に接近して考えや動向を知る必要がある
「わかりました、では手続きの方に入りますね」
その言葉の通りフィーナさんが書類を出して手続きを行う。
5分ほどで手続きは完了。
「手続きの方、終わりました。もう一度説明しておきます、集合場所は中央広場。日付は今日から4日後、時間は朝です。何か質問はありますか?」
「いえ、特にないです」
「それでは以上となります。私も見たことが無い仕事ですが、くれぐれも身の安全は守ってくださいね。ご健闘を祈ります」
フィーナさんの話が終わると、クエストの資料を受け取りこの場を去る。
すると歩きながらローザが話しかけてくる。
「あの紹介状、大丈夫なんですか? 変な事件に絡まれたりしないですよね?」
どこかおびえている、怖がっているのだろう。俺は作り笑いを見せながら言葉を返す。
「大丈夫だよ。集合場所は人通りの多いところなんだ。話しを聞いてあきらかにおかしかったら断るから。安心していいよ」
「──良かったです。信じますよ」
ローザはほっとする。まあ、今いろいろ考えてもはじまらないし、当日になればわかるだろ。
そんな思いを胸に俺達はこの場を後にしていった。
そして当日。
とりあえず指定された場所に移動する。
場所は先日のクエストで集合した噴水のある中央公園。
「お久しぶりです。陽平さん。私の事覚えていますか?」
背後からどこかで聞いたことがある声だな、誰だっけ?
とりあえず慌後ろを振り向く、そこには俺と同じくらいの背丈の人物がフードをかぶっていた。
「陽平さん、流石です。もうクエストを達成したそうですね。素晴らしい、さすがは元勇者です」
やはり俺のことを知っている、どういうことだ?
そしてその人物がフードを取る
そっか、あなただったんだ!!
「パトラさん。どうしてこんなことを??」
そう、その人物は俺がこの世界にきて王都に行くときに最初に出会った人物だ。
ここに来る途中に、魔獣たちに襲われているところを俺が助けたんだっけ。
姿を隠していたのは、自分が敵に狙われているのを知っているから。
「とりあえず宮殿まで案内します。話しは歩きながらしましょう」
パトラはそう言うと道を歩き始める、俺達は慌ててついていく。
そして人通りの多い街を歩きながら話してくる。
あの後俺達は、近くの森で魔獣が出ていたので退治したり、街中を歩いて何か怪しい事が無いか探したりしていた。
そして今日もルシフェル達と一緒にギルドで何か仕事が無いか掲示板を探していると。
「あの……、陽平様。よろしいでしょうか?」
ギルドの支配人、フィーナさんが後ろから声をかけてくる。俺はその方向を向いてフィーナさんに目を合わせる。
「フィーナさん、おはようございます。何でしょうか?」
「陽平様に依頼書が来ているのですが……」
「依頼書? 俺指名の依頼がギルドに来ているという事ですか?」
そう質問するとフィーナさんは「はい」といって首を縦に振る。
何の事かわからずキョトンとするローザとセフィラ。
ギルドの依頼主の中には冒険者を指名して依頼書を出すという人もいる。
以前俺が勇者だった時も俺宛に指名してクエストの依頼が来る事はあった。普通の冒険者では到底できないような内容だったり、人に言えないような極秘任務だったり様々だ。
「別にかまいませんよ。どんなクエストなんですか?」
俺がそう質問すると、フィーナさんは何故か深刻そうな表情をしだす。そして腕を組み言葉を返す。
「ちょっと内容がおかしいんですよ」
「内容がおかしい?? どういうことですか?」
「見てみればわかります、ちょっと待ってください。その依頼書を持ってきますから──」
そう言いながらフィーナさんは事務所へ行ってしまった。ガサゴソと机を探しその依頼書を取り出す。
そしてフィーナさんが戻ってきて、その依頼の紙を俺に恐る恐る渡してくる。
その依頼書を受け取った俺は、封を開けて中身を取り出す。
中身を開けて依頼書を読んでみると、その理由がよくわかった。
差出人 不明
仕事内容 当日、差出人により説明
報酬 当日、差出人により説明
「こんな依頼書、初めて見ました」
セフィラが横から依頼書を見てそう囁く。そりゃそうだ、俺だって初めて見た。
依頼主も内容もわからない。どんなクエストなんだ??
「どうしましょうか陽平様、内容の不備を理由に依頼を却下する事もできますよ」
「集合場所はどこなんですか?」
「えーと、たしか先日のクエストがあった場所と同じ中央広場です」
ああ、あの人通りの多いいところか──。まあ、それなら考えはある。
「わかりました、このクエスト受諾します。受けましょう」
「いいんですか? こんな不備だらけの依頼書でですか?」
「別に大丈夫ですよ。詳しい内容は集合場所で聞けばいいですし、何かおかしかったらその場で断ればいいですし」
そうだ、ここで断ったら依頼主の動きが分からなくなってしまう。依頼主がどんな考えをしているかわからない以上、その狙いが知りたい。
魔王軍と戦っていた時もそうだが、強い敵にはただ逃げているだけではだめだ、時にはリスクを追ってでも敵に接近して考えや動向を知る必要がある
「わかりました、では手続きの方に入りますね」
その言葉の通りフィーナさんが書類を出して手続きを行う。
5分ほどで手続きは完了。
「手続きの方、終わりました。もう一度説明しておきます、集合場所は中央広場。日付は今日から4日後、時間は朝です。何か質問はありますか?」
「いえ、特にないです」
「それでは以上となります。私も見たことが無い仕事ですが、くれぐれも身の安全は守ってくださいね。ご健闘を祈ります」
フィーナさんの話が終わると、クエストの資料を受け取りこの場を去る。
すると歩きながらローザが話しかけてくる。
「あの紹介状、大丈夫なんですか? 変な事件に絡まれたりしないですよね?」
どこかおびえている、怖がっているのだろう。俺は作り笑いを見せながら言葉を返す。
「大丈夫だよ。集合場所は人通りの多いところなんだ。話しを聞いてあきらかにおかしかったら断るから。安心していいよ」
「──良かったです。信じますよ」
ローザはほっとする。まあ、今いろいろ考えてもはじまらないし、当日になればわかるだろ。
そんな思いを胸に俺達はこの場を後にしていった。
そして当日。
とりあえず指定された場所に移動する。
場所は先日のクエストで集合した噴水のある中央公園。
「お久しぶりです。陽平さん。私の事覚えていますか?」
背後からどこかで聞いたことがある声だな、誰だっけ?
とりあえず慌後ろを振り向く、そこには俺と同じくらいの背丈の人物がフードをかぶっていた。
「陽平さん、流石です。もうクエストを達成したそうですね。素晴らしい、さすがは元勇者です」
やはり俺のことを知っている、どういうことだ?
そしてその人物がフードを取る
そっか、あなただったんだ!!
「パトラさん。どうしてこんなことを??」
そう、その人物は俺がこの世界にきて王都に行くときに最初に出会った人物だ。
ここに来る途中に、魔獣たちに襲われているところを俺が助けたんだっけ。
姿を隠していたのは、自分が敵に狙われているのを知っているから。
「とりあえず宮殿まで案内します。話しは歩きながらしましょう」
パトラはそう言うと道を歩き始める、俺達は慌ててついていく。
そして人通りの多い街を歩きながら話してくる。
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