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第11話 元勇者 2人の過去を知る
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外は日が暮れかけている。今日はこのまま休んで寝よう。そう考えその後、夕飯を食べ、ベッドに着く。
するとベットに入ってローザがすぐに眠ってしまった。やっぱりずっと歩いていて疲れているんだな、。
それを確認するとガサゴソとベットの中を移動して、隣のセフィラに小さな声で話しかける。
「セフィラさん、ちょっといいかな?」
「何でしょうか」
「さっきの事聞かせてほしいんだ。ローザの過去の事」
するとセフィラは、深刻そうな表情をし始める。そしてゆっくりと彼女の過去について答え始めた。
「彼女の家系の問題です。貴族だった彼女の家系では代々内部対立による争いが起きていました」
「まあ、そういうところだってあるだろうな」
「しかしローザ様はそういった争いをよしとせず、もうやめるようにと支持者たちを説得しました」
確かにそうだ、見るからに純粋そうでとても政争争いなんて出来ない。
「それはローザの性格を見ればわかる。少ししか行動を共にしていないけれど、彼女がそんな内ゲバのような事が得意な性格には見えない」
「また、魔法が使えると言う事も致命傷でした。政争に明け暮れた貴族達は猜疑心の塊、いつ自分が狙われるかもしれないという疑心暗鬼に陥り、ローザを家から追放してしまったのです」
なるほどな、いつも政敵を追い落とす事ばかり考えている奴は自分が落とされる側になるのではないか、猜疑心に取り付かれる。おかしくはない。
けど──。
「セフィラは見放さなかったんだな──」
「はい、私も理由があって住んでいた場所からは疎まれていました。ローザ様だけが私を偏見のない目で見てくれました。なので私にはローザ様についていくしか道が無かったのです」
セフィラにも何かあったみたいだな。まあ、今は聞かないでおくか──。
しかしローザ、元貴族だったとは。しかも追放された経歴あり。という事は今も………。
「あの……、勇者様」
「そんなかしこまった呼び方しなくていいよ」
「いえいえ、勇者様と呼ばせてください。そしてお願いがあります」
「お願い??」
「ローザ様の力になってください。ローザ様は至近距離での戦闘がまったく出来ず絶えず誰かの加護が必要なのです。しかし、ずっと2人で旅をしていて分かりました。私だけでは力不足です。勇者様の力が必要なんです」
パッ──。
セフィラは両手で俺の右手を強く握る。その手はどこかプルプルと震えていた。
セフィラの今の感情がよく現れていた。
「わかった、協力するよ」
それにローザは至近距離での戦いに向いていないだけで実力自体は相当なものだ。しっかりフォローしてあげれば活躍できる。
「話は聞いたわ──」
「エルネスト……」
左隣にいるルシフェルが俺に接近、耳打ちして話しかける。
「聞いていたのか──」
「ええ、あの子のこと、ちょっと興味があってね。協力するわ」
「ありがとうございます。ローザ様のこと、よろしくお願いいたしますね」
セフィラの言葉に俺は首を縦に振り、3人は就寝した。
そしてクエスト当日の朝。
朝食はホテルで毎朝供給されている紅茶にサンドイッチとサラダの食事。いつも食べているけどおいしい。
着替えと準備を終えて外へ。
そしてギルドの近くにある噴水のある広場に到着。
「冒険者達がたくさん集まってる。ここでいいみたいだね」
たしか乗合馬車を使って移動するんだった。
目的の場所は首都から離れた人気が少ない海岸地帯。
あとここに来た冒険者は50人程くらいか。斧や剣などを皆持っている、俺からすれば懐かしい限りだ。
「元勇者さんかい、俺が目にするのは3年ぶりくらいだな──」
背後から荒々しい声で俺の肩をがしっとつかむ、その感覚にすぐに俺は後ろを振り向いた。
「俺、ポルポっていうんだ。いやあ、元勇者さんと一緒にクエストが出来るなんて光栄だ、よろしくな」
「あ、こちらこそよろしくお願いいたします」
気さくなあいさつをして互いに握手をする。
「あんたを見てると思い出すぜ、俺も昔は魔王軍と戦ったことがあってな、そこで元勇者のあんたを遠目にしながら兵士を死闘を繰り広げたのをよ──」
「そうなんですか、ですがあまり無理はなさらないでくださいね」
「わかってる、だがそんな下っ端だった俺も今じゃリーダー格だ、頼りないところもあるがよろしくな」
「いえいえ、こちらこそ頼りにしていますよ」
ポルポ、彼はギルドでもリーダー格の人物らしく周囲の冒険者に指示を出している。
すると、周りいた冒険者の1人が俺に話しかけてくる。
「彼がこのギルドの中でもリーダー格のポルポさんだ」
「とくに物理受けに対する数値が強くて、大事な時に敵の攻撃を守ってくれる頼れるリーダーって評判っす」
物理受けだけでなく、気前や面倒見の良さがあり、そういった精神的な面から彼をリーダーとして慕われているらしい。
「とりあえず俺のステータス、教えとくよ。低いからって笑わないでくれよ」
そう言ってポルポさんが自分のステータスを見せる。
そして俺とルシフェルは彼のステータスに視線を向けた。
HP 45
攻撃 35
防御 150
魔法攻撃 20
魔法防御 40
素早さ 80
う~~ん。異様に防御が高い。素早さはそれなりに早い。でもそれ以外が悲惨な事になっている。
しかしあんなムキムキの筋肉をしながら攻撃35?? すごい見かけ倒しだなあ。
そう言っているうちにポルポさんはこの場を去ってしまった、すると別の冒険者がひそひそ声で話しかけてくる。
「兄ちゃん。ひょっとしてリーダーの事を見かけ倒しって思わなかった?」
するとベットに入ってローザがすぐに眠ってしまった。やっぱりずっと歩いていて疲れているんだな、。
それを確認するとガサゴソとベットの中を移動して、隣のセフィラに小さな声で話しかける。
「セフィラさん、ちょっといいかな?」
「何でしょうか」
「さっきの事聞かせてほしいんだ。ローザの過去の事」
するとセフィラは、深刻そうな表情をし始める。そしてゆっくりと彼女の過去について答え始めた。
「彼女の家系の問題です。貴族だった彼女の家系では代々内部対立による争いが起きていました」
「まあ、そういうところだってあるだろうな」
「しかしローザ様はそういった争いをよしとせず、もうやめるようにと支持者たちを説得しました」
確かにそうだ、見るからに純粋そうでとても政争争いなんて出来ない。
「それはローザの性格を見ればわかる。少ししか行動を共にしていないけれど、彼女がそんな内ゲバのような事が得意な性格には見えない」
「また、魔法が使えると言う事も致命傷でした。政争に明け暮れた貴族達は猜疑心の塊、いつ自分が狙われるかもしれないという疑心暗鬼に陥り、ローザを家から追放してしまったのです」
なるほどな、いつも政敵を追い落とす事ばかり考えている奴は自分が落とされる側になるのではないか、猜疑心に取り付かれる。おかしくはない。
けど──。
「セフィラは見放さなかったんだな──」
「はい、私も理由があって住んでいた場所からは疎まれていました。ローザ様だけが私を偏見のない目で見てくれました。なので私にはローザ様についていくしか道が無かったのです」
セフィラにも何かあったみたいだな。まあ、今は聞かないでおくか──。
しかしローザ、元貴族だったとは。しかも追放された経歴あり。という事は今も………。
「あの……、勇者様」
「そんなかしこまった呼び方しなくていいよ」
「いえいえ、勇者様と呼ばせてください。そしてお願いがあります」
「お願い??」
「ローザ様の力になってください。ローザ様は至近距離での戦闘がまったく出来ず絶えず誰かの加護が必要なのです。しかし、ずっと2人で旅をしていて分かりました。私だけでは力不足です。勇者様の力が必要なんです」
パッ──。
セフィラは両手で俺の右手を強く握る。その手はどこかプルプルと震えていた。
セフィラの今の感情がよく現れていた。
「わかった、協力するよ」
それにローザは至近距離での戦いに向いていないだけで実力自体は相当なものだ。しっかりフォローしてあげれば活躍できる。
「話は聞いたわ──」
「エルネスト……」
左隣にいるルシフェルが俺に接近、耳打ちして話しかける。
「聞いていたのか──」
「ええ、あの子のこと、ちょっと興味があってね。協力するわ」
「ありがとうございます。ローザ様のこと、よろしくお願いいたしますね」
セフィラの言葉に俺は首を縦に振り、3人は就寝した。
そしてクエスト当日の朝。
朝食はホテルで毎朝供給されている紅茶にサンドイッチとサラダの食事。いつも食べているけどおいしい。
着替えと準備を終えて外へ。
そしてギルドの近くにある噴水のある広場に到着。
「冒険者達がたくさん集まってる。ここでいいみたいだね」
たしか乗合馬車を使って移動するんだった。
目的の場所は首都から離れた人気が少ない海岸地帯。
あとここに来た冒険者は50人程くらいか。斧や剣などを皆持っている、俺からすれば懐かしい限りだ。
「元勇者さんかい、俺が目にするのは3年ぶりくらいだな──」
背後から荒々しい声で俺の肩をがしっとつかむ、その感覚にすぐに俺は後ろを振り向いた。
「俺、ポルポっていうんだ。いやあ、元勇者さんと一緒にクエストが出来るなんて光栄だ、よろしくな」
「あ、こちらこそよろしくお願いいたします」
気さくなあいさつをして互いに握手をする。
「あんたを見てると思い出すぜ、俺も昔は魔王軍と戦ったことがあってな、そこで元勇者のあんたを遠目にしながら兵士を死闘を繰り広げたのをよ──」
「そうなんですか、ですがあまり無理はなさらないでくださいね」
「わかってる、だがそんな下っ端だった俺も今じゃリーダー格だ、頼りないところもあるがよろしくな」
「いえいえ、こちらこそ頼りにしていますよ」
ポルポ、彼はギルドでもリーダー格の人物らしく周囲の冒険者に指示を出している。
すると、周りいた冒険者の1人が俺に話しかけてくる。
「彼がこのギルドの中でもリーダー格のポルポさんだ」
「とくに物理受けに対する数値が強くて、大事な時に敵の攻撃を守ってくれる頼れるリーダーって評判っす」
物理受けだけでなく、気前や面倒見の良さがあり、そういった精神的な面から彼をリーダーとして慕われているらしい。
「とりあえず俺のステータス、教えとくよ。低いからって笑わないでくれよ」
そう言ってポルポさんが自分のステータスを見せる。
そして俺とルシフェルは彼のステータスに視線を向けた。
HP 45
攻撃 35
防御 150
魔法攻撃 20
魔法防御 40
素早さ 80
う~~ん。異様に防御が高い。素早さはそれなりに早い。でもそれ以外が悲惨な事になっている。
しかしあんなムキムキの筋肉をしながら攻撃35?? すごい見かけ倒しだなあ。
そう言っているうちにポルポさんはこの場を去ってしまった、すると別の冒険者がひそひそ声で話しかけてくる。
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