~~異世界帰りの最強勇者~~  なぜか理不尽だらけのクソダンジョンで実力を発揮。助けた美少女配信者や元魔王様から好意を受けバズってしまう

静内燕

文字の大きさ
上 下
94 / 99

第94話 次の敵は……

しおりを挟む

 大きい衝撃音とともに肉体は落下。まともに受け身すら取れていないせいで、ダメージを受けているのがわかる。

 自分たちの重みで、大きなダメージになっているはず。

 実際ダメージを受けて、肉体が損傷しているのがわかる。特に右手の部分が、通常ではありえない方向に曲がっていて、骨が折れているのがわかる。そこ以外も、傷だらけ。
 ちょっと難しいと思ったけど、上手くできて良かった。そして、これは大きなチャンスだ。


 ここで少しでも、ダメージを与えておきたい。周囲を見ると、璃緒とネフィリムも、同じように戦いを行っていて、有利に戦いを進めている。

 ネフィリムについては、力押しで何度も打撃を与えている。さすがは元魔王といった感じ。
 2人については、問題なさそう。あとは、俺がこいつを倒すだけ。

 無課金の攻撃でもダメージが通るくらい、何度も連続攻撃を繰り出す。


 生物の肉体の構造上しばらくは立ち上がれないはずだ。
 実際、『グバゼバ』は何とか立ち上がろうとしてもがいているが立ち上がることはできない。



 追撃だ。ここで少しでも、ダメージを与えておきたい。周囲を見ると、璃緒とネフィリムも、同じように戦いを行っていて、有利に戦いを進めている。

 ネフィリムについては、力押しで何度も打撃を与えている。さすがは元魔王といった感じ。
 2人については、問題なさそう。あとは、俺がこいつを倒すだけ。


 無課金の攻撃でもダメージが通るくらい、何度も連続攻撃を繰り出す。

 遠距離攻撃はだめだ。ほとんど効かない。高いレベルで、物理で殴らないと。剣術で、肉体を何度も突きさす。目に見えないくらいの速さで、何度も連撃を放つ。

 効きにくいとはいえ、何度も攻撃を放って、傷口が増えていってダメージが蓄積されていってるのがわかる。

 このまま、押し切っていこう。

 何度も攻撃を加え、ボロボロになっていった『グバゼバ』。さっきまでは倒れこみながらじたばたともがいていたが、やがて虫がつぶされたときのような苦しみもがく動きに変わり、文字通り虫の息状態。最後には、力尽きたのか全く動かなくなった。
 そして俺は──最後の一撃を加える。

 さっきとは違い、外皮のようなもので肉体を守っている感触はない。一刀両断で、『グバゼバ』を真っ二つにした。これでこっちは終わり。

 後は2人の方か。2人が戦っていた方向へと視線を向けた。

 ネフィリムは、とうとう倒したようだ。獣のような姿をした凶悪そうな魔獣。
 鋭いはさみのような腕をした魔物と戦っていた璃緒の方も、かなり有利に戦っている。これなら勝利するのも、時間の問題という感じだ──と思いきや、ネフィリムがすぐに加勢。

「理不尽はパワーのごり押しで、乗り越えるのじゃぁぁぁぁぁ!!」

 ネフィリムが右手に杖を上げ、あの時の最後の戦い以降感じたことがないくらいの魔力をネフィリムは杖に込めた。

「待ってください、人質もいるんです」

「わかっているのじゃ、だったら、こうすればいいのじゃ」

 今までにないくらいの魔力を秘めた魔力から放たれたのは、人の身長くらいのリングだった。オレンジ色をした、魔力の塊のリング。

 それが、魔物に向かって突っ込んでいく。そして、リングは人質がいない魔物の心臓部分を貫通し、肉体は真っ二つに分断。


 それからは、魔物は蒸発するようにして消滅していった。
 まさか、本当にパワーでごり押ししきってしまったとは。さすがだと言いたい。

 何とか勝つことができた。
 勝ったけど、一つ間違えれば負けてもおかしくない戦いだった。結構運任せの部分もあったし。それでも、ネフィリムは圧倒的な実力を見せてくれた。やっぱり、単純な火力は俺よりもはるかに上なんだよな。
 視線が合うなり、ネフィリムが自信満々の笑みで親指を上げた。

「何とか、勝ったのじゃ」

「無課金縛り、きつかったですけど、何とか勝つことが出来て良かったです」

 璃緒は軽く息が上がっていて、苦笑いしながら答える。さすがは璃緒だ。
 それから、俺たちは肉体にまとわりついていた人質たちを解放。

「た、た、助かった~~」

「あ、ありがとな」

「よかった。じゃあさっさと逃げさせてもらうわ」

 魔物たちの束縛から逃れた配信者たちは、色々な言葉を吐きながら一人、また一人とこの場から逃げかえっていく。

 まあ、絶対に勝てないような強さの上、脱出もできなかったとなると恐怖心も出てくるだろう。
 そして、再びこの場所には、俺たちだけに。

「この後、どうなるんだ?」

「う~~ん、まだ完全に終わったわけではなさそうです」

「じゃが、まだ気配がするぞ。油断するな」

 そうだ、ネフィリムの言葉通り、魔力の気配は弱まったものの消えない。
 そして、その気配は一瞬にして強くなった。思わず力が入り警戒モードに。


 周囲を見ると、ここの奥にある神殿のような場所に、光の柱があらわれる。巨大な神殿全体を包み込む、とても大きな柱。

「何か来るぞ」

「どんな相手でも、わらわたといは負けないのじゃ」

 すぐに戦いになるのか? 大丈夫、いつ戦いになっても大丈夫なように準備は出来てる。
 そして、光の柱は弱くなって、そこに人影があった。こいつがラスボスなのだろうか?

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

亡霊剣士の肉体強奪リベンジ!~倒した敵の身体を乗っ取って、最強へと到る物語。

円城寺正市
ファンタジー
勇者が行方不明になって数年。 魔物が勢力圏を拡大し、滅亡の危機に瀕する国、ソルブルグ王国。 洞窟の中で目覚めた主人公は、自分が亡霊になっていることに気が付いた。 身動きもとれず、記憶も無い。 ある日、身動きできない彼の前に、ゴブリンの群れに追いかけられてエルフの少女が転がり込んできた。 亡霊を見つけたエルフの少女ミーシャは、死体に乗り移る方法を教え、身体を得た彼は、圧倒的な剣技を披露して、ゴブリンの群れを撃退した。 そして、「旅の目的は言えない」というミーシャに同行することになった亡霊は、次々に倒した敵の身体に乗り換えながら、復讐すべき相手へと辿り着く。 ※この作品は「小説家になろう」からの転載です。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。

名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

遅刻勇者は異世界を行く 俺の特典が貯金箱なんだけどどうしろと?

黒月天星
ファンタジー
 命の危機を女神に救われた高校生桜井時久(サクライトキヒサ)こと俺。しかしその代価として、女神の手駒として異世界で行われる神同士の暇潰しゲームに参加することに。  クリア条件は一億円分を稼ぎ出すこと。頼りになるのはゲーム参加者に与えられる特典だけど、俺の特典ときたら手提げ金庫型の貯金箱。物を金に換える便利な能力はあるものの、戦闘には役に立ちそうにない。  女神の考えた必勝の策として、『勇者』召喚に紛れて乗り込もうと画策したが、着いたのは場所はあっていたけど時間が数日遅れてた。 「いきなり牢屋からなんて嫌じゃあぁぁっ!!」  金を稼ぐどころか不審者扱いで牢屋スタート? もう遅いかもしれないけれど、まずはここから出なければっ!  時間も金も物もない。それでも愛と勇気とご都合主義で切り抜けろ! 異世界金稼ぎファンタジー。ここに開幕……すると良いなぁ。  こちらは小説家になろう、カクヨム、ハーメルン、ツギクル、ノベルピアでも投稿しています。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...