~~異世界帰りの最強勇者~~  なぜか理不尽だらけのクソダンジョンで実力を発揮。助けた美少女配信者や元魔王様から好意を受けバズってしまう

静内燕

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第51話 素敵なファッション

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 そして俺たちは、街を歩く。次は──どうしようか。いくつかデートスポットは押さえておいているけど、問題は肝心のネフィリム。どんな場所を望んでいるのだろうか、話しかけてみようか。

「行ってみたいところとかある?」

 ネフィリムはご機嫌そうに人差し指を唇に当てながら考える。そして、少し時間が経って言葉を返した。

「色々お洋服、来てみたいのじゃ。このお店とか行ってみたいのじゃ」

「わかった」

 ネフィリムが指差したのは、一件の洋服屋。大きな建物の中にあって、ファッション系のお店らしい。
 まあ、特に行きたい場所もないしここでいいか。

「こっちの世界の服。あまり買ってなかったのじゃ。この辺りはいいお店がいっぱいあると聞いたのじゃ」

「わかった」

 そして、ネフィリムは俺の腕をつかんで引っ張るようにして前を歩いて行った。
 人通りが多くてにぎやかな狭い道を抜ける。やっぱり人が多いな。それから、大きな新しそうな建物のファッション系の店へ。

「色々試着してみるのじゃ」


 おしゃれで、他にも若い女の人がいろいろ着ている。ネフィリムも同じように、大きなカゴを取り出して何着か服を入れる。そして試着室へ。

「ちょっと待つのじゃ」

「わかったよ」

 さっとカーテンを閉める。ネフィリム、どんな服を選んだのだろうか。ちょっと楽しみ。
 そして、1.2分ほどたつとネフィリムが出てくる。そのかわいい姿に、思わず視線を奪われる。

「へそ出しとかいうやつじゃ」

 太ももがほとんど露出しているホットパンツ。ネフィリムの白くてハリのいい太ももが丸見えでとてもセクシー。

 上は白いシャツに、抹茶色の薄いコート。

「おおっ! 重ね着というのも悪くないのう。どうじゃ?」

「うん。普通に渋谷とかで歩いていそう。かわいいと思うよ」

 ネフィリムは興味津々そうに自分の姿を見つめ回して驚いている。
 初めて着る服装なのじゃが、なんかかっこいいぞ。センス抜群だな。それから何着か服を着たり、組み合わせを変えたりして見せてくる。

 そして、最初のホットパンツとシャツの組み合わせ。それとGパンが気に入ったのだろう。

「じゃあ買ってきてみるのじゃ」

 ご機嫌そうに服を持って行ってレジの前に並んでいった。
 そういえばこうしてファッションを楽しむってあっちの世界では一部の貴族の人しかしてなかったよね。

 ネフィリムは階級は高いけど、服装は黒を基調としたボンテージみたいな服しか着ていなかった。
 立場上こういうことができなかったのかもしれない。だから、その時の分も楽しんでいるのかな?
 どちらにせよ、こんな感じで無邪気に楽しんでいる姿を見るのはとても新鮮だ。

 本当は、これがネフィリムの本当の姿なのか?

「お待たせなのじゃ~~」

 大きな紙袋を持ちながら、ご機嫌そうにやってきた。

「じゃあ、次行こうか」

 それからも、数件ほど店を回って、何着か購入。何軒回っても、ネフィリムは飽きない。
 どこに行っても楽しそうに試着して、かわいい姿を見せてきて──キャッキャとはしゃぐように喜んでいた。


「色々な洋服がいっぱいあるのう。目移りしてしまうのじゃ」

「そ、そうだね」

 3件くらい回って、流石に飽き気味になった。ネフィリムはとても楽しそうだったが。思えば、母親や妹と一緒に原宿や渋谷に言った時もこんな感じだった。何軒も店を回って、同じような服をとても楽しそうに試着していた。そして次の店へ。それを疲れ切った俺を無視して何回も繰り返す。
 通称、デパート引きずり回しの刑というやつだ。

 あの時はつまらないの一言だったけど、ネフィリムと一緒だととても楽しく感じる。
 そして、紙袋を抱えているネフィリムが俺の隣に寄ってきた。笑顔で、とてもご機嫌そう。

「そうだ。今度はこのお店に行きたいのじゃ!」

 そう言って、ネフィリムはスマホを取り出し見せてきた。そこには、スクショで採ったお店の画像。

「アニコスショップ??」

「そうなのじゃ。アニメのキャラクターの服を着てみたいのじゃ!」

 話によるとこっちの世界の下調べをするのにアニメを見ていて、興味を持ったのだとか。
 さっきまでとは違う路線。これなら面白そう。

 そして、また信号をわたりアニメショップなどが連なるエリアへ。

 店の中には、様々なアニメグッズが並んでいる。エスカレーターを登って、アニコスのエリアへ。

「おおっ、色々なキャラクターの服がいっぱいじゃ!!」

 確かに、様々なキャラクターのコスプレがたくさん並んでいた。俺が見ていたアニメのキャラクターのもある。
 ネフィリムは、ウキウキで目を輝かせながら服を何着か持って、また試着室へと足を運んでいった。
 よく見てなかったけど、どんな服なのかな。さっきまでと違って、ちょっと楽しみだ。
 そして、少し経つとカーテンが空いてその姿がお披露目になる。

「白っぽい服装も悪くないのじゃ。魔法少女なのじゃ? これで勝ったと思うななのじゃ!」

「お前は倒される側だろ」

「もう何も怖くないのじゃ」

 黄色と白を基調とした、露出度の高い魔法少女「マジカル・オレンジ」の服装。確か、柑橘系が大好きでどんな食べ物にもレモンやオレンジを入れてくるんだっけ。

「うん、セクシーでかわいいよ!」

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