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第9話 一緒に??
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ネフィリムは人差し指を唇に当て、う~~んと考え始めた。こっちは、戦う覚悟は出来てる。
以前死闘を演じたものの、一度勝利している。もう一度戦ったところでこいつの戦い方はわかってるから問題ない。大きく消耗はするだろうが──。
最悪のことを想定してこっちが心の中で覚悟を決め、ごくりと息をのむ。ネフィリムは剣を下ろし、俺から目をそらした。
「もうあの世界に興味はない。そちと戦っても得るものもないからのう」
「マジか」
「あの世界ではわらわに協力したものは処罰されたり、冷遇されたりしておると聞いた。今あの世界に置いていっても争いにしかならんだろう」
肩の荷が下りてほっとした気分になる。後、こっちの世界でどうするかも聞いておこう。
それによっては、しっかり指導しないと大変なことになるからな。
「で、このままダンジョンにいるのか?」
「う~~ん、ダンジョンにいても意外と収入がないからのう。外の世界に出てもっと稼ぐ手段を探していたところでのう。そうじゃ、そちなら信用してもよい。教えてくれるか?」
真剣な表情で、こっちを見つめてくる。確かに──こいつらをこっちの世界に順応させるには時間をかけて指導をする必要がありそう。
倫理観も法律もまったく違うからな。
あっちの世界でもやばいことをしていたのに何をするかわからない。こいつを見張るという意味でも、一緒にいたほうがいいか。
「わかった。一緒に行動な」
何とか戦わずに済んだ。するとネフィリムは信じられない行動に出た」
「これからは、よろしくなのじゃ」
にっこりと笑顔を浮かべながら、こっちに抱き着いてきた。
予想もしなかった言葉と行動に、きょとんと目を丸くする。ネフィリムの一肌暖かい柔らかい身体、髪の毛からは──香水を使っているのか甘酸っぱい香り。そして、胸のあたりには豊満なやわらかい感触。
心臓がどきどきとして爆発しそう。こんな体験全くなかったからな。そして抱きついたまま、話始めた。
「わらわはこの世界のことをよく知らぬ。しかし、部下たちも含めて生活が何人もかかっておる」
「わかった。これからはよろしくな」
「教えてくれ? もちろん礼は弾む例えば身体とか」
「とりあえず、簡単にそんなことするのはやめような」
「そうなのか? 嬉しいときは、こうして抱き合って喜びを分かち合うのが常であろう。お主もどこかうれしそうではないか」
「そうだけど、人前で抱きついたりすると変に見られたり、場合によってはセクハラ扱いされたりするから
「う~~ん、こっちの世界も複雑だのう。わかったのじゃ」
安易にこんなことをしてはいけないこととかも教えたほうがいいな。ネフィリム達の倫理ややり方で好き勝手動かれたら、毎日トラブルで胃に穴が開きそう。
そして、ネフィリムは俺から身体を離す。いい匂いで、柔らかい身体の感触。衝撃的なんてものじゃなかった。
じっとこっちを見つめてくる、緊張するなあ。なんせ、外見は絶世の美女だし。そんな美女が、優しい笑みを浮かべた。ふつうにかわいい、もしうちの高校に転校してきたら、学年1の美少女としてみんなから注目の的になっていただろう。
「これからは、よろしく頼むぞ。何せ、お前しか頼めるものがいないのだからのう。初めて会った時に正義を語り合って、真剣に戦った中だからこそそちのことはなんとなくわかるし、ここぞというときは信頼できる」
「こっちこそだ。ずっとお前のことを見てきたからわかる。悪いやつだったが、自分を慕ってきたやつは大切にするし、同僚たちも見捨てたりしない。そうだろ」
そう言って、互いに作り笑いを作って向かい合う。真剣に戦った仲だからこそ、知っていることもある。信頼できることもある。
強い想いで。自分の家臣たちを何とかしようと必死になっているのならこっちもそれに答えようと思う。
「ありがとう。頼りにさせてもらうぞ。しばらくは、そちの隣にいさせてもらうぞ」
「わかった。色々教えるから──これからは一緒によろしく」
「ああ。とりあえず、わらはしばしここにいる。帰るが良い」
「わかったよ」
そして、俺はこの場を去っていった。話したのだが、明日俺の家に来るらしい。両親のこととか話したのだが──ネフィリムは自慢げに胸をポンと叩き「心配しるな、我に策あり」としか言わなかった。とりあえず、他に身寄りもなさそうなので住所と家までの地図を渡して明日ここに来いと言っておいた。
アイツと過ごしたりするのか。この世界に帰ってきたときには、全く想像できなかったことだ。
ネフィリムのことだからハッタリだけでそういうことを言ってるのではないとわかる。どんなことを考えているのか──いろいろと楽しみだ。
璃緒視点
都内にある、新しくできたオートロックのアパート。
最上階、すでに日付が変わっている。
「はい、3人とも命に別状はなし──よかったです」
「ただ、負傷具合がひどいな。完治するまで数カ月はかかりそうだ」
「了解です──今後のことは、これから考えます」
「まあ、無理しすぎるなよ。しっかり支援はするから」
「はい。あ、ありがとうございます」
以前死闘を演じたものの、一度勝利している。もう一度戦ったところでこいつの戦い方はわかってるから問題ない。大きく消耗はするだろうが──。
最悪のことを想定してこっちが心の中で覚悟を決め、ごくりと息をのむ。ネフィリムは剣を下ろし、俺から目をそらした。
「もうあの世界に興味はない。そちと戦っても得るものもないからのう」
「マジか」
「あの世界ではわらわに協力したものは処罰されたり、冷遇されたりしておると聞いた。今あの世界に置いていっても争いにしかならんだろう」
肩の荷が下りてほっとした気分になる。後、こっちの世界でどうするかも聞いておこう。
それによっては、しっかり指導しないと大変なことになるからな。
「で、このままダンジョンにいるのか?」
「う~~ん、ダンジョンにいても意外と収入がないからのう。外の世界に出てもっと稼ぐ手段を探していたところでのう。そうじゃ、そちなら信用してもよい。教えてくれるか?」
真剣な表情で、こっちを見つめてくる。確かに──こいつらをこっちの世界に順応させるには時間をかけて指導をする必要がありそう。
倫理観も法律もまったく違うからな。
あっちの世界でもやばいことをしていたのに何をするかわからない。こいつを見張るという意味でも、一緒にいたほうがいいか。
「わかった。一緒に行動な」
何とか戦わずに済んだ。するとネフィリムは信じられない行動に出た」
「これからは、よろしくなのじゃ」
にっこりと笑顔を浮かべながら、こっちに抱き着いてきた。
予想もしなかった言葉と行動に、きょとんと目を丸くする。ネフィリムの一肌暖かい柔らかい身体、髪の毛からは──香水を使っているのか甘酸っぱい香り。そして、胸のあたりには豊満なやわらかい感触。
心臓がどきどきとして爆発しそう。こんな体験全くなかったからな。そして抱きついたまま、話始めた。
「わらわはこの世界のことをよく知らぬ。しかし、部下たちも含めて生活が何人もかかっておる」
「わかった。これからはよろしくな」
「教えてくれ? もちろん礼は弾む例えば身体とか」
「とりあえず、簡単にそんなことするのはやめような」
「そうなのか? 嬉しいときは、こうして抱き合って喜びを分かち合うのが常であろう。お主もどこかうれしそうではないか」
「そうだけど、人前で抱きついたりすると変に見られたり、場合によってはセクハラ扱いされたりするから
「う~~ん、こっちの世界も複雑だのう。わかったのじゃ」
安易にこんなことをしてはいけないこととかも教えたほうがいいな。ネフィリム達の倫理ややり方で好き勝手動かれたら、毎日トラブルで胃に穴が開きそう。
そして、ネフィリムは俺から身体を離す。いい匂いで、柔らかい身体の感触。衝撃的なんてものじゃなかった。
じっとこっちを見つめてくる、緊張するなあ。なんせ、外見は絶世の美女だし。そんな美女が、優しい笑みを浮かべた。ふつうにかわいい、もしうちの高校に転校してきたら、学年1の美少女としてみんなから注目の的になっていただろう。
「これからは、よろしく頼むぞ。何せ、お前しか頼めるものがいないのだからのう。初めて会った時に正義を語り合って、真剣に戦った中だからこそそちのことはなんとなくわかるし、ここぞというときは信頼できる」
「こっちこそだ。ずっとお前のことを見てきたからわかる。悪いやつだったが、自分を慕ってきたやつは大切にするし、同僚たちも見捨てたりしない。そうだろ」
そう言って、互いに作り笑いを作って向かい合う。真剣に戦った仲だからこそ、知っていることもある。信頼できることもある。
強い想いで。自分の家臣たちを何とかしようと必死になっているのならこっちもそれに答えようと思う。
「ありがとう。頼りにさせてもらうぞ。しばらくは、そちの隣にいさせてもらうぞ」
「わかった。色々教えるから──これからは一緒によろしく」
「ああ。とりあえず、わらはしばしここにいる。帰るが良い」
「わかったよ」
そして、俺はこの場を去っていった。話したのだが、明日俺の家に来るらしい。両親のこととか話したのだが──ネフィリムは自慢げに胸をポンと叩き「心配しるな、我に策あり」としか言わなかった。とりあえず、他に身寄りもなさそうなので住所と家までの地図を渡して明日ここに来いと言っておいた。
アイツと過ごしたりするのか。この世界に帰ってきたときには、全く想像できなかったことだ。
ネフィリムのことだからハッタリだけでそういうことを言ってるのではないとわかる。どんなことを考えているのか──いろいろと楽しみだ。
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「はい、3人とも命に別状はなし──よかったです」
「ただ、負傷具合がひどいな。完治するまで数カ月はかかりそうだ」
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「はい。あ、ありがとうございます」
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