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最終章 天界編
最終話 エピローグ
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ツァルキールたちと別れた後、俺達は元来た道を戻り、スキァーヴィやソルトの元へと戻った。
そして、俺がいた街「クラリア」に戻ることを告げる。スキァーヴィもソルトもさみしそうな表情をしていた。
「やっぱり、体をささげないとだめなんですか?」
スキァーヴィの衝撃発言に、この場が凍り付く。
フリーゼの静かな怒りを感じながら、どうしても帰りたいと告げた。
「わかったわ。この国は、私が絶対に守り抜く。安心して。けれど、いつかまた会いましょう」
意外にも、素直に了解してくれた。
なお、その後ほっぺにキスされ、フリーゼやレディナ達全員から冷たい視線を投げつけられることとなった。
「また会いましょう。あなたのおかげで私も、この国も救われたわ。本当にありがとう」
別れ際に放った言葉と、そのときのスキァーヴィのにっこりとした笑顔は、一生記憶に残ると思う。
恐らく、その笑顔が本当の彼女の素顔なんだ。そう感じた。これからも頑張って、この国のために戦ってほしいという言葉を最後に、俺達はこの地を去って行った。
そして、俺達はクラリアに帰っていった。
クラリアに戻って、ギルドのリルナさんと再会。
「おかえりなさいフライさん。ローデシアやウェレンでの話。聞きましたよ」
俺たちの活躍は街中に伝わっているらしい。
さらに、天界での出来事を正直に話した。
「フライさん、そんなことをしていたんですか?」
リルナさんは、口に手を当て、驚いていた。
「これは、表彰をしてもいいくらいです」
周囲からの視線も、以前とは違い憧れや尊敬の念がこもっているのがわかる。
思わず照れてしまう。
そして、この功績をたたえ俺たちは晴れてSランクパーティーとなった。
「やったよ、すごいよ!」
「おおっ、すごいでフィッシュ、嬉しいでフィッシュ」
レシアとハリーセルがその証をもらうと無邪気に喜んでいた。
俺にとっては返り咲きのようなものだが、他の仲間たちにとっては初めての出来事。
みんな、嬉しそうな表情をしていた。
それから、パーティーとして活動を続けて数か月後──。
教会の控室。
今日は、待ちに待ったフリーゼとの結婚式。
このために買った新品のスーツ。
フリーゼががっかりしないようしっかりと着こなしたい。
丁寧に服を着て、鏡でおかしい所がないか確認後、部屋を出る。
そこには──。
「フライさん」
「フリーゼ……」
フリフリのついた、真っ白のウェディングドレス。
フリーゼの、グラマーながらも引き締まってるところは引き締まってるスタイルがよく引き出されていて、とても美しいと感じた。
「フライさん……似合ってる、でしょうか──」
フリーゼが、顔を赤くして聞いてくる。
美しさをより引き立てている。思わず息を呑む。
隣には、レディナにレシア、ハリーセル。
「おめでとう」
レディナがフッと笑みを浮かべながら言葉をかけてくる。
俺達を祝福しているような──けれどその中に悔しさが混じっているような……そんな表情。
「悔しいけれど、あんたたちがそう決めたんじゃ、祝うほかないでしょ」
「ありがとう。嬉しいよ」
すると、レディナが俺の元に近づいてくる。
息が当たりそうなくらい近く、思わずドキッとしてしまう。
「ほら、ネクタイ曲がってるわ」
そう言って、ネクタイをもってまっすぐに整える。
「あ。ありがとう……」
そして、ネクタイを整えてもらった後、再びレディナと向き合った。
同時に、レシアとハリーセルも俺の方を向く。
そんな空気の中で、レディナは俺をピッと指さし言った。
「フライ」
「な、何……」
真剣な表情のレディナが、言い放つ。
「約束して。フリーゼを一生──幸せにしなさい!」
「一生、幸せに?」
「そうだよ、フライ。僕を差し置いて、フリーゼと結婚するんだから!」
「そうフィッシュ」
「そうよ。フリーゼを不幸になんかしたら、絶対に許さないんだから!」
みんなに詰め寄られる俺。
思わず腰が引けてしまう──が。
答えなんて、考えるまでもなく決まっている。ごくりと息を呑んだ後、じっと3人を見つめて、言葉を返した。
「大丈夫。絶対、幸せにするから」
「フライさん……」
その言葉を聞いたフリーゼの表情に、フッと笑顔がともる。
「本当に?」
「本当に」
レディナのジト目での質問に、考える間もなく即答する。
レディナの表情が、フッと明るくなった。
「絶対に幸せにしなきゃだめよ!」
「わかった」
しかし、レディナの表情に、どこか悔しさや、未練が残っているのを感じた。
プレッシャーになっちゃってるなあ……。
けれど、元々俺はフリーゼを幸せにすると誓っているんだ。
俺がフリーゼに対してやることは、何も変わらない。
「もう時間よ。行きましょう」
「そうだね」
そして俺たちはこの場所を後にし、会場へと向かう。
晴天の空。中に陽光が入り込み、ゴォン──ゴォン──と教会の鐘の音が鳴る。
祝福の音だ。俺達が一つに結ばれる金の音色。
隣には大きな花束を持って、ウェディングドレスを着たフリーゼ。
入口から会場に視線を向けると、レディナやハリーセル。レシア。
それにミュアとキルコ、村の人達や知り合いたちがいた。
みんな俺達が結婚式をすると聞いて「ぜひとも参加せれてくれ」と懇願してきた。
元々は仲間内だけでこじんまりとするつもりだったのが、結構な規模になってしまったのだ。
赤絨毯の道をまっすぐと歩く。
パチパチパチパチ──。
決して多くの人がいるわけではないけれど、みんなが祝福をしてくれるというのは、やはりうれしい。
フリーゼも、同じように想っているのか、顔をほんのりと赤くして嬉しそうに微笑を浮かべている。
フリーゼの背中に手をそっとあてて、ウェディングロードを歩く。
「フライ、おめでとう……」
「おめでとうな。幸せになれよ!」
みんなが、俺のことを祝福してくれた。
キルコと、ミュアもだ。
「フライ、おめでとうね」
「あんた、やるじゃない」
壇上に上がる。神父の人が結婚式としてお約束の言葉を紡いでいく。
「永遠の愛を、誓いますか?」
「誓います」
「私も、誓います」
言葉を聞いていると、自然と今までのことが脳裏に浮かぶ。
今まで、楽な事ばかりではなかった。スキルの、使用用途が難しく不遇な扱いを受けていた。誰からも認められず、さげすまれ、追放され……。
苦しいことや、辛いことだってあった。
けれど、素敵な仲間に出会えた。
今となっては、これまでのことすべては、この時のためにあったのだと感じる。
これから、いいことばかりではないだろう。
辛いこともあって、乗り越えなければならないことだってあるだろう。それでも、彼女達とならどんなことだって超えていけそうな、そんな気がする。
「それでは、誓いのキスを──お願いします」
「「はい」」
そして俺とフリーゼが、永遠の愛を誓いあう時間になった。
周囲の目線が、俺達に集まる。
「フライさん、お願いします」
「わかった」
フリーゼは、嬉しそうに微笑んだまま小さくつぶやいた。そして俺は、フリーゼをぐっと抱き寄せる。
純白のウェディングドレスが、彼女の純粋な心を表わしているようだ。
「フライさん。私──フライさんのことがとても、愛しいです」
俺も、にっこりと笑顔を向けて言葉を返す。
「俺も、フリーゼのこと──大好きだよ」
そして俺達は、互いに口づけをする。
今までしてきたどんなキスよりも、甘く気持ちがこもったキス。
柔らかくとろけるようなフリーゼの唇の感触。
彼女の気持ちが、その唇に込められているような感触がした。
俺達の物語は──これからも続いていくんだ。
心から信頼できる、本当の仲間たちとともに──。
そして、俺がいた街「クラリア」に戻ることを告げる。スキァーヴィもソルトもさみしそうな表情をしていた。
「やっぱり、体をささげないとだめなんですか?」
スキァーヴィの衝撃発言に、この場が凍り付く。
フリーゼの静かな怒りを感じながら、どうしても帰りたいと告げた。
「わかったわ。この国は、私が絶対に守り抜く。安心して。けれど、いつかまた会いましょう」
意外にも、素直に了解してくれた。
なお、その後ほっぺにキスされ、フリーゼやレディナ達全員から冷たい視線を投げつけられることとなった。
「また会いましょう。あなたのおかげで私も、この国も救われたわ。本当にありがとう」
別れ際に放った言葉と、そのときのスキァーヴィのにっこりとした笑顔は、一生記憶に残ると思う。
恐らく、その笑顔が本当の彼女の素顔なんだ。そう感じた。これからも頑張って、この国のために戦ってほしいという言葉を最後に、俺達はこの地を去って行った。
そして、俺達はクラリアに帰っていった。
クラリアに戻って、ギルドのリルナさんと再会。
「おかえりなさいフライさん。ローデシアやウェレンでの話。聞きましたよ」
俺たちの活躍は街中に伝わっているらしい。
さらに、天界での出来事を正直に話した。
「フライさん、そんなことをしていたんですか?」
リルナさんは、口に手を当て、驚いていた。
「これは、表彰をしてもいいくらいです」
周囲からの視線も、以前とは違い憧れや尊敬の念がこもっているのがわかる。
思わず照れてしまう。
そして、この功績をたたえ俺たちは晴れてSランクパーティーとなった。
「やったよ、すごいよ!」
「おおっ、すごいでフィッシュ、嬉しいでフィッシュ」
レシアとハリーセルがその証をもらうと無邪気に喜んでいた。
俺にとっては返り咲きのようなものだが、他の仲間たちにとっては初めての出来事。
みんな、嬉しそうな表情をしていた。
それから、パーティーとして活動を続けて数か月後──。
教会の控室。
今日は、待ちに待ったフリーゼとの結婚式。
このために買った新品のスーツ。
フリーゼががっかりしないようしっかりと着こなしたい。
丁寧に服を着て、鏡でおかしい所がないか確認後、部屋を出る。
そこには──。
「フライさん」
「フリーゼ……」
フリフリのついた、真っ白のウェディングドレス。
フリーゼの、グラマーながらも引き締まってるところは引き締まってるスタイルがよく引き出されていて、とても美しいと感じた。
「フライさん……似合ってる、でしょうか──」
フリーゼが、顔を赤くして聞いてくる。
美しさをより引き立てている。思わず息を呑む。
隣には、レディナにレシア、ハリーセル。
「おめでとう」
レディナがフッと笑みを浮かべながら言葉をかけてくる。
俺達を祝福しているような──けれどその中に悔しさが混じっているような……そんな表情。
「悔しいけれど、あんたたちがそう決めたんじゃ、祝うほかないでしょ」
「ありがとう。嬉しいよ」
すると、レディナが俺の元に近づいてくる。
息が当たりそうなくらい近く、思わずドキッとしてしまう。
「ほら、ネクタイ曲がってるわ」
そう言って、ネクタイをもってまっすぐに整える。
「あ。ありがとう……」
そして、ネクタイを整えてもらった後、再びレディナと向き合った。
同時に、レシアとハリーセルも俺の方を向く。
そんな空気の中で、レディナは俺をピッと指さし言った。
「フライ」
「な、何……」
真剣な表情のレディナが、言い放つ。
「約束して。フリーゼを一生──幸せにしなさい!」
「一生、幸せに?」
「そうだよ、フライ。僕を差し置いて、フリーゼと結婚するんだから!」
「そうフィッシュ」
「そうよ。フリーゼを不幸になんかしたら、絶対に許さないんだから!」
みんなに詰め寄られる俺。
思わず腰が引けてしまう──が。
答えなんて、考えるまでもなく決まっている。ごくりと息を呑んだ後、じっと3人を見つめて、言葉を返した。
「大丈夫。絶対、幸せにするから」
「フライさん……」
その言葉を聞いたフリーゼの表情に、フッと笑顔がともる。
「本当に?」
「本当に」
レディナのジト目での質問に、考える間もなく即答する。
レディナの表情が、フッと明るくなった。
「絶対に幸せにしなきゃだめよ!」
「わかった」
しかし、レディナの表情に、どこか悔しさや、未練が残っているのを感じた。
プレッシャーになっちゃってるなあ……。
けれど、元々俺はフリーゼを幸せにすると誓っているんだ。
俺がフリーゼに対してやることは、何も変わらない。
「もう時間よ。行きましょう」
「そうだね」
そして俺たちはこの場所を後にし、会場へと向かう。
晴天の空。中に陽光が入り込み、ゴォン──ゴォン──と教会の鐘の音が鳴る。
祝福の音だ。俺達が一つに結ばれる金の音色。
隣には大きな花束を持って、ウェディングドレスを着たフリーゼ。
入口から会場に視線を向けると、レディナやハリーセル。レシア。
それにミュアとキルコ、村の人達や知り合いたちがいた。
みんな俺達が結婚式をすると聞いて「ぜひとも参加せれてくれ」と懇願してきた。
元々は仲間内だけでこじんまりとするつもりだったのが、結構な規模になってしまったのだ。
赤絨毯の道をまっすぐと歩く。
パチパチパチパチ──。
決して多くの人がいるわけではないけれど、みんなが祝福をしてくれるというのは、やはりうれしい。
フリーゼも、同じように想っているのか、顔をほんのりと赤くして嬉しそうに微笑を浮かべている。
フリーゼの背中に手をそっとあてて、ウェディングロードを歩く。
「フライ、おめでとう……」
「おめでとうな。幸せになれよ!」
みんなが、俺のことを祝福してくれた。
キルコと、ミュアもだ。
「フライ、おめでとうね」
「あんた、やるじゃない」
壇上に上がる。神父の人が結婚式としてお約束の言葉を紡いでいく。
「永遠の愛を、誓いますか?」
「誓います」
「私も、誓います」
言葉を聞いていると、自然と今までのことが脳裏に浮かぶ。
今まで、楽な事ばかりではなかった。スキルの、使用用途が難しく不遇な扱いを受けていた。誰からも認められず、さげすまれ、追放され……。
苦しいことや、辛いことだってあった。
けれど、素敵な仲間に出会えた。
今となっては、これまでのことすべては、この時のためにあったのだと感じる。
これから、いいことばかりではないだろう。
辛いこともあって、乗り越えなければならないことだってあるだろう。それでも、彼女達とならどんなことだって超えていけそうな、そんな気がする。
「それでは、誓いのキスを──お願いします」
「「はい」」
そして俺とフリーゼが、永遠の愛を誓いあう時間になった。
周囲の目線が、俺達に集まる。
「フライさん、お願いします」
「わかった」
フリーゼは、嬉しそうに微笑んだまま小さくつぶやいた。そして俺は、フリーゼをぐっと抱き寄せる。
純白のウェディングドレスが、彼女の純粋な心を表わしているようだ。
「フライさん。私──フライさんのことがとても、愛しいです」
俺も、にっこりと笑顔を向けて言葉を返す。
「俺も、フリーゼのこと──大好きだよ」
そして俺達は、互いに口づけをする。
今までしてきたどんなキスよりも、甘く気持ちがこもったキス。
柔らかくとろけるようなフリーゼの唇の感触。
彼女の気持ちが、その唇に込められているような感触がした。
俺達の物語は──これからも続いていくんだ。
心から信頼できる、本当の仲間たちとともに──。
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