188 / 203
ローデシア帝国編
レシア 宿敵と激闘
しおりを挟む
俺とレディナは再びスワニーゼとアドナの方を向く。
「遺言は、すんだかしら?」
「つまらないこと言わないで。必ず、生きて帰るんだから」
レディナとスワニーゼが向き合う。言葉には出さなくても、レディナとスワニーゼ。
俺とアドナが一騎打ちを行うというのが、全員暗黙の了解で共有できていた。
俺とアドナが向かい合い、じっと互いを見つめあう。
「フッ。どんな小細工をしたところで、お前ごときではこの俺様には勝てん!」
「それは、戦ってみればわかるよ!」
言葉を交わさなくても、理解していた。ここで、最後の決着をつけるということを──。
「さあ決着だ、フライ。今度こそ、お前をぶっ殺してやる」
そして俺は、アドナへと向かっていく。
レディナも、スワニーゼに向かっていった。
「もう、あなたは力づくで止めるしかないわね」
「当たり前じゃない。心の底から、この世界を変えたいと思ってるわ。それを止めたかったら、私の首を奪う覚悟でかかってきなさい!」
そして、レディナもスワニーゼに立ち向かっていく。
文字通り、この世界をかける戦いが、今始まった。
一方、レシアは、アズレイルと激闘を繰り広げていた。
最初は、アズレイルが何度もレシアに攻撃を当てるが、レシアは簡単には崩れない。
──というか、わざとくらっていた節があった。
「これで、僕は真の力を発揮できる」
「狙っていやがったのか──」
歯ぎしりをするアズレイルに、してやったりのレシア。
そう、レシアは自分で攻撃の受け方を調整し、まだ戦える程度にダメージを受けたのだ。
そして攻撃を受けてのことの魔力が少なくなり、発動した。
猛火逆鱗
レシアは、理解していた。今の自分ではそもそも勝負にならない。
この状態でいる時間だけが、アズレイルに対してまともに戦える時間なのだと。
「これ以上、お前たちの好きにはさせない!」
レシアはナックルを召喚。魔力をナックルに込め、言い放つ。
気弱なレシアにはなれない大声。大声がのどで詰まって、泣きそうにうわずる。そんなどこか情けない、しかし、その中にも内に強さを込めた声で、精一杯叫んだ。
そう、これはアズレイルと戦うという明確な意思──。
そんなレシアの決意。
ハハハハハハハ──。
アズレイルは額に手を当て高笑いをしはじめた。
レシアは頭にカッと血を登らせ、真剣な表情のまま反論する。
「笑わないでよ。僕は、本気で言っているんだ。お前に勝つって。ここから先には、行かせないって!!」
「おいおい。お前にしてはなかなかのジョークだな。なかなかに面白い。お前みたいな自分の力すらまともに使えない半端者が──天界の中で一番使えない最弱と嘲笑されていた貴様ごときが、この私を倒す? ハハハハハハハ──」
やがてアズレイルは高笑いをやめ、腰に手を当てながらにやりと笑みを浮かる。
「仕方がないわ。本当はこんな結果が見えている勝負、やるだけ無駄なんだけど。あんたがそこまで現実を見ていないなら──教えてあげるわ。私とあなたの実力の差というものをね──」
そして彼女の右手に魔力がともり。自分の身長ほどの剣が出現。
その姿にレシアは息をのむ。
「聖剣。──エンメテナ──」
「ほう、知っているのか──」
「かつて、魔界の魔物たちを何百匹も消し去ってきた、天界でも最強とうたわれた剣」
アズレイルはニヤニヤと笑いを浮かべながら聖剣をぶんぶんと振っている。
「そうだよ。お前なんかだったらこれを使わなくたって勝てるんだが、手加減なんてしねぇ。全力で、叩きのめしてやる!」
その言葉にレシアはコクリと息を呑んだ。
「じゃあ、行くよ……」
「来い。見てやるよ、貴様がどれくらい強くなったかをな──」
そして両者戦うポーズになる。
レシアは前に突き出した構え。アズレイルは自身の聖剣を西岸に取る。
「アズレイル。僕は絶対に負けない」
まず動いたのはレシア。真正面からナックルで一気に殴り掛かる。アズレイルはそれに対してカウンターを見舞おうとするが、レシアは聖剣が顔に直撃する直前、右斜めに飛び、身体を一回転させて殴り掛かる。
「ほう、少しは戦えるんだな──」
アズレイルはすぐに聖剣を引き戻してその攻撃を受けたが──。
「ぐはっっ─!?」
予想もしていなかった衝撃。アズレイルはまともにガードも出来ず、数メートルほど体が吹き飛んでしまう。
(なんだこれ、本当にレシアの力なのか?)
まるで大きな鉄の塊が目にもとまらぬ速さでぶつかってきたかのような、今まで体験したことのない衝撃だった。
なんの魔力もなしに、とても受けきれるような代物ではない。
そしてレシアは一気にアズレイルとの距離を詰めていく。アズレイルはすぐに立ち上がりすぐにレシアの攻撃に対応。
飛び込んできて繰り出されるレシアの左拳を胴体に直撃する寸前で回避。
するとレシアは重心のバランスを崩し、よろけてしまう。
今まで押し気味だったので、意外な展開に体が前に持っていかれてしまったのだ。
レシアは自身の力が覚醒してまだ日が経っていない。
こういった経験が、まだ不足していた──。
アズレイルはにやりと笑みを浮かべ、そのスキをつこうと反撃に出る。
無防備な背中を上から聖剣で振り下ろそうとしたとき、その考えが甘いということに気付く。
レシアは今の攻撃をそのままに、まるで体を回転させると、今度は右の裏拳で攻撃を放ってきた。
予想もしなかった攻撃、レシアの裏拳がアズレイルの肩に直撃、数メートルほど体が吹き飛ぶ。
ナックルの無い右手だったこともあり、威力はそこまでではないものの、アズレイルが受けた衝撃はかなりの物だった。
(レシア、こいつ──強くなりやがった)
「遺言は、すんだかしら?」
「つまらないこと言わないで。必ず、生きて帰るんだから」
レディナとスワニーゼが向き合う。言葉には出さなくても、レディナとスワニーゼ。
俺とアドナが一騎打ちを行うというのが、全員暗黙の了解で共有できていた。
俺とアドナが向かい合い、じっと互いを見つめあう。
「フッ。どんな小細工をしたところで、お前ごときではこの俺様には勝てん!」
「それは、戦ってみればわかるよ!」
言葉を交わさなくても、理解していた。ここで、最後の決着をつけるということを──。
「さあ決着だ、フライ。今度こそ、お前をぶっ殺してやる」
そして俺は、アドナへと向かっていく。
レディナも、スワニーゼに向かっていった。
「もう、あなたは力づくで止めるしかないわね」
「当たり前じゃない。心の底から、この世界を変えたいと思ってるわ。それを止めたかったら、私の首を奪う覚悟でかかってきなさい!」
そして、レディナもスワニーゼに立ち向かっていく。
文字通り、この世界をかける戦いが、今始まった。
一方、レシアは、アズレイルと激闘を繰り広げていた。
最初は、アズレイルが何度もレシアに攻撃を当てるが、レシアは簡単には崩れない。
──というか、わざとくらっていた節があった。
「これで、僕は真の力を発揮できる」
「狙っていやがったのか──」
歯ぎしりをするアズレイルに、してやったりのレシア。
そう、レシアは自分で攻撃の受け方を調整し、まだ戦える程度にダメージを受けたのだ。
そして攻撃を受けてのことの魔力が少なくなり、発動した。
猛火逆鱗
レシアは、理解していた。今の自分ではそもそも勝負にならない。
この状態でいる時間だけが、アズレイルに対してまともに戦える時間なのだと。
「これ以上、お前たちの好きにはさせない!」
レシアはナックルを召喚。魔力をナックルに込め、言い放つ。
気弱なレシアにはなれない大声。大声がのどで詰まって、泣きそうにうわずる。そんなどこか情けない、しかし、その中にも内に強さを込めた声で、精一杯叫んだ。
そう、これはアズレイルと戦うという明確な意思──。
そんなレシアの決意。
ハハハハハハハ──。
アズレイルは額に手を当て高笑いをしはじめた。
レシアは頭にカッと血を登らせ、真剣な表情のまま反論する。
「笑わないでよ。僕は、本気で言っているんだ。お前に勝つって。ここから先には、行かせないって!!」
「おいおい。お前にしてはなかなかのジョークだな。なかなかに面白い。お前みたいな自分の力すらまともに使えない半端者が──天界の中で一番使えない最弱と嘲笑されていた貴様ごときが、この私を倒す? ハハハハハハハ──」
やがてアズレイルは高笑いをやめ、腰に手を当てながらにやりと笑みを浮かる。
「仕方がないわ。本当はこんな結果が見えている勝負、やるだけ無駄なんだけど。あんたがそこまで現実を見ていないなら──教えてあげるわ。私とあなたの実力の差というものをね──」
そして彼女の右手に魔力がともり。自分の身長ほどの剣が出現。
その姿にレシアは息をのむ。
「聖剣。──エンメテナ──」
「ほう、知っているのか──」
「かつて、魔界の魔物たちを何百匹も消し去ってきた、天界でも最強とうたわれた剣」
アズレイルはニヤニヤと笑いを浮かべながら聖剣をぶんぶんと振っている。
「そうだよ。お前なんかだったらこれを使わなくたって勝てるんだが、手加減なんてしねぇ。全力で、叩きのめしてやる!」
その言葉にレシアはコクリと息を呑んだ。
「じゃあ、行くよ……」
「来い。見てやるよ、貴様がどれくらい強くなったかをな──」
そして両者戦うポーズになる。
レシアは前に突き出した構え。アズレイルは自身の聖剣を西岸に取る。
「アズレイル。僕は絶対に負けない」
まず動いたのはレシア。真正面からナックルで一気に殴り掛かる。アズレイルはそれに対してカウンターを見舞おうとするが、レシアは聖剣が顔に直撃する直前、右斜めに飛び、身体を一回転させて殴り掛かる。
「ほう、少しは戦えるんだな──」
アズレイルはすぐに聖剣を引き戻してその攻撃を受けたが──。
「ぐはっっ─!?」
予想もしていなかった衝撃。アズレイルはまともにガードも出来ず、数メートルほど体が吹き飛んでしまう。
(なんだこれ、本当にレシアの力なのか?)
まるで大きな鉄の塊が目にもとまらぬ速さでぶつかってきたかのような、今まで体験したことのない衝撃だった。
なんの魔力もなしに、とても受けきれるような代物ではない。
そしてレシアは一気にアズレイルとの距離を詰めていく。アズレイルはすぐに立ち上がりすぐにレシアの攻撃に対応。
飛び込んできて繰り出されるレシアの左拳を胴体に直撃する寸前で回避。
するとレシアは重心のバランスを崩し、よろけてしまう。
今まで押し気味だったので、意外な展開に体が前に持っていかれてしまったのだ。
レシアは自身の力が覚醒してまだ日が経っていない。
こういった経験が、まだ不足していた──。
アズレイルはにやりと笑みを浮かべ、そのスキをつこうと反撃に出る。
無防備な背中を上から聖剣で振り下ろそうとしたとき、その考えが甘いということに気付く。
レシアは今の攻撃をそのままに、まるで体を回転させると、今度は右の裏拳で攻撃を放ってきた。
予想もしなかった攻撃、レシアの裏拳がアズレイルの肩に直撃、数メートルほど体が吹き飛ぶ。
ナックルの無い右手だったこともあり、威力はそこまでではないものの、アズレイルが受けた衝撃はかなりの物だった。
(レシア、こいつ──強くなりやがった)
0
お気に入りに追加
263
あなたにおすすめの小説
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる