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ウェレン王国編
敵サイド。組んだ相手
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「フライか。あいつらは以前、出会ったことがある」
そう、トラン──。悪質な違法行為によりギルドを追放され闇社会に落ちていった彼だ。
「あいつは状況を把握する能力や、観察眼、知識などなかなかのものがある。しかし、中でも厄介なのは『加護』の力だ。あれのせいであいつにいる周囲の女の子までパワーアップされちまっている」
「確かに、あの男とそのハーレム集団。実力はなかなかものだっただね」
「そんな奴を拾って来るとは、ステファヌアもいい目をしているねぇ」
ザニアの皮肉のような言葉にハウゼンが言葉を返す。
「確かに、教会側で一番厄介なのはあのしょんべん臭いクソガキじゃないだね。
ステファヌアだね、アイツは清濁併せ飲んで信者の奴らをうまくまとめている。祈るしか能のない信心バカとは違う」
「そうだな。裏世界にも顔が効いている。おかげでこっちも下手なことはできない」
「ああ、ヴィッツ。はっきり言うとウェレンでは私の次くらいに悠々だと言っても過言ではないだね。まあ、手が無いわけではないがね」
すると、階段の方からコッコッと誰かが歩いてくる音が聞こえだす。それも、二人分。
ハウゼン達は思わず会話をやめ、静かになりドアの方へと視線を向ける。
キィィィィィィ──。
ドアが開き、その人物が顔を出した。
「待たせたわ」
そこにいるのは二人。長身で茶髪のロングヘアな姿をしている女の人。
外見は二十代くらいのお姉さんに見える。顔つきはきりっとしていて、どこかきつそうな印象。
「ようやくのお出ましか、熾天使さん」
「ゼリエル。だったな──」
ザニアとヴィッツが言葉を返す。
そう、彼女こそがこの地に住んでいる熾天使ゼリエルだ。
ザニアがその姿にニヤリと笑みを浮かべ、嫌味を言う。
「なんだい熾天使さんよぉたった一人。それも手ぶらでのこのこやってきてよぉ」
「そうだ。熾天使って仲間がいるんだろ。エンレィとか言ってたな。あいつも呼べばよかったろうに。ちったあ戦力になるんじゃねぇかと思ったんだがよぉ」
「あいつとは今会えませんですヴィッツ。エンレィとの連絡が途絶えてしまいましたです」
「おいおい、じゃあお前ひとりってことかよ」
グランが不機嫌な表情になると、ゼリエルは眼鏡をくいっと上げて冷静に言葉を返す。
「それなら安心してです。もう一人戦力がいるです、この場にはいないですけれど──。それに、強力な魔獣も貸すです。戦力の方はこれでいいわねです?」
その言葉に安堵の表情を浮かべるハウゼン達。
「それは助かるだね。戦いは数、少しでも多くの戦力があるに越したことはない」
そして彼らは翌日の打ち合わせを行った。
早朝、誰がどこに配置をするか。手薄そうな位置をハウゼンが教えながら指示をする。
「バカな幹部の奴から、あらかた情報は聞いている。やはり、教会と巡礼祭組に戦力が大きく割いているようだ」
「じゃあ、俺たちと同じだ。奇襲はするが、大聖堂と最後の巡礼場所は大激戦となるだろうな──」
そして彼らは自分達の配置を決める。いかに相手を欺いて、勝利をもぎ取るかに特化した配置だ。
「まあ、現状の戦力だとこれが一番増しそうだね。奇襲そして大激戦。そして最後の一押し──」
「じゃあ、準備の方よろしくな──」
そして細かい打ち合わせをして今日の会議は終了。
すると、グランがヒッと嫌味そうな笑みを浮かべ、言葉を発する。
「しかし、仮にも大天使を信仰する奴が、教会たちに反目している俺たちに味方するとはな。おかしいもんだぜ」
その通りだ。第天使の事など微塵も信じていないスパルティクス団と、大天使のことを信仰している教会の人たち。普通に考えれば熾天使たちがどちらにつくか明らかなはずなのだが、ゼリエルは教会の奴らを目の敵にし、このスパルティクス団についている。
「勝手にしなさいです。どのみち、大天使様を信仰しないこのクソ世界。全部ぶっ壊してやるのよ。あいつらは、傍観主義者の裏切り者なのです。だから、始末する。それだけです。殺すべきなです。これ以上ないくらい苦しませて、拷問にかけてバカ生物どもの魂に刻ませてやるですよ」
ゼリエルは急に早口になり、顔がゆがむ。そして、信仰を失った人間たちへの怒り。それを口に出す。
「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやるぅぅぅっっっ──」
ぐちゃぐちゃに顔を引きつらせながらつぶやく熾天使を見て、ハウゼンはフッとほくそ笑む。
「殺してやる殺してやるって、仮にも天使であろう奴が言う言葉かい──」
「そうですね。下手な悪魔より恐ろしいですよ──」
三刑士たちも、ゼリエルの姿を見てあきれ果てている。
考えてみればそうだ。スパルティクス団は教会に敵対するといっても、殺すことそのものが目的ではない。考えているのはあくまで自分のことだけだ。
そのためなら打算的にもなる。
時には敵対していたやつら手を組む時だってある。
しかし、熾天使たちは違う。
自らが敵と認識した者は、殺すという選択肢をとった。
仮にも自分と同じ大天使を信仰する者を、積極的に信仰を広めなかったという理由で──。
その姿にハウゼン達は、呆れるしかなかった。
そのことを口には出さず、心の中で──。
そして打ち合わせが終わると、明日に備えて各自帰っていった。
やがて夜が明け、巡礼祭の最終日を迎える。
それぞれがこの日に向かって作戦を立て、実行へと向かっていく。
どんな未来が待っているか誰にもわからない。
しかし、自身の全力を出し切って、この試練を乗り越えていくしかない。
様々な想いが交錯する、彼らの運命の決戦の日が──今始まる。
そう、トラン──。悪質な違法行為によりギルドを追放され闇社会に落ちていった彼だ。
「あいつは状況を把握する能力や、観察眼、知識などなかなかのものがある。しかし、中でも厄介なのは『加護』の力だ。あれのせいであいつにいる周囲の女の子までパワーアップされちまっている」
「確かに、あの男とそのハーレム集団。実力はなかなかものだっただね」
「そんな奴を拾って来るとは、ステファヌアもいい目をしているねぇ」
ザニアの皮肉のような言葉にハウゼンが言葉を返す。
「確かに、教会側で一番厄介なのはあのしょんべん臭いクソガキじゃないだね。
ステファヌアだね、アイツは清濁併せ飲んで信者の奴らをうまくまとめている。祈るしか能のない信心バカとは違う」
「そうだな。裏世界にも顔が効いている。おかげでこっちも下手なことはできない」
「ああ、ヴィッツ。はっきり言うとウェレンでは私の次くらいに悠々だと言っても過言ではないだね。まあ、手が無いわけではないがね」
すると、階段の方からコッコッと誰かが歩いてくる音が聞こえだす。それも、二人分。
ハウゼン達は思わず会話をやめ、静かになりドアの方へと視線を向ける。
キィィィィィィ──。
ドアが開き、その人物が顔を出した。
「待たせたわ」
そこにいるのは二人。長身で茶髪のロングヘアな姿をしている女の人。
外見は二十代くらいのお姉さんに見える。顔つきはきりっとしていて、どこかきつそうな印象。
「ようやくのお出ましか、熾天使さん」
「ゼリエル。だったな──」
ザニアとヴィッツが言葉を返す。
そう、彼女こそがこの地に住んでいる熾天使ゼリエルだ。
ザニアがその姿にニヤリと笑みを浮かべ、嫌味を言う。
「なんだい熾天使さんよぉたった一人。それも手ぶらでのこのこやってきてよぉ」
「そうだ。熾天使って仲間がいるんだろ。エンレィとか言ってたな。あいつも呼べばよかったろうに。ちったあ戦力になるんじゃねぇかと思ったんだがよぉ」
「あいつとは今会えませんですヴィッツ。エンレィとの連絡が途絶えてしまいましたです」
「おいおい、じゃあお前ひとりってことかよ」
グランが不機嫌な表情になると、ゼリエルは眼鏡をくいっと上げて冷静に言葉を返す。
「それなら安心してです。もう一人戦力がいるです、この場にはいないですけれど──。それに、強力な魔獣も貸すです。戦力の方はこれでいいわねです?」
その言葉に安堵の表情を浮かべるハウゼン達。
「それは助かるだね。戦いは数、少しでも多くの戦力があるに越したことはない」
そして彼らは翌日の打ち合わせを行った。
早朝、誰がどこに配置をするか。手薄そうな位置をハウゼンが教えながら指示をする。
「バカな幹部の奴から、あらかた情報は聞いている。やはり、教会と巡礼祭組に戦力が大きく割いているようだ」
「じゃあ、俺たちと同じだ。奇襲はするが、大聖堂と最後の巡礼場所は大激戦となるだろうな──」
そして彼らは自分達の配置を決める。いかに相手を欺いて、勝利をもぎ取るかに特化した配置だ。
「まあ、現状の戦力だとこれが一番増しそうだね。奇襲そして大激戦。そして最後の一押し──」
「じゃあ、準備の方よろしくな──」
そして細かい打ち合わせをして今日の会議は終了。
すると、グランがヒッと嫌味そうな笑みを浮かべ、言葉を発する。
「しかし、仮にも大天使を信仰する奴が、教会たちに反目している俺たちに味方するとはな。おかしいもんだぜ」
その通りだ。第天使の事など微塵も信じていないスパルティクス団と、大天使のことを信仰している教会の人たち。普通に考えれば熾天使たちがどちらにつくか明らかなはずなのだが、ゼリエルは教会の奴らを目の敵にし、このスパルティクス団についている。
「勝手にしなさいです。どのみち、大天使様を信仰しないこのクソ世界。全部ぶっ壊してやるのよ。あいつらは、傍観主義者の裏切り者なのです。だから、始末する。それだけです。殺すべきなです。これ以上ないくらい苦しませて、拷問にかけてバカ生物どもの魂に刻ませてやるですよ」
ゼリエルは急に早口になり、顔がゆがむ。そして、信仰を失った人間たちへの怒り。それを口に出す。
「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやるぅぅぅっっっ──」
ぐちゃぐちゃに顔を引きつらせながらつぶやく熾天使を見て、ハウゼンはフッとほくそ笑む。
「殺してやる殺してやるって、仮にも天使であろう奴が言う言葉かい──」
「そうですね。下手な悪魔より恐ろしいですよ──」
三刑士たちも、ゼリエルの姿を見てあきれ果てている。
考えてみればそうだ。スパルティクス団は教会に敵対するといっても、殺すことそのものが目的ではない。考えているのはあくまで自分のことだけだ。
そのためなら打算的にもなる。
時には敵対していたやつら手を組む時だってある。
しかし、熾天使たちは違う。
自らが敵と認識した者は、殺すという選択肢をとった。
仮にも自分と同じ大天使を信仰する者を、積極的に信仰を広めなかったという理由で──。
その姿にハウゼン達は、呆れるしかなかった。
そのことを口には出さず、心の中で──。
そして打ち合わせが終わると、明日に備えて各自帰っていった。
やがて夜が明け、巡礼祭の最終日を迎える。
それぞれがこの日に向かって作戦を立て、実行へと向かっていく。
どんな未来が待っているか誰にもわからない。
しかし、自身の全力を出し切って、この試練を乗り越えていくしかない。
様々な想いが交錯する、彼らの運命の決戦の日が──今始まる。
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