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ウェレン王国編
唯一王 催しを終え就寝。しかし
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「どうして、私達の正体を知っているんですか?」
「どうしてって、そんなの言うわけないじゃな~~い。安心して、今はあなたたちに危害を加えるつもりはないわ」
ニヤリとした、はぐらかすような言葉。挑発するような笑み。俺たちとスキァーヴィの間にピリッとした雰囲気が流れた。
「教えてください。その時点で精霊たちか熾天使どちらかとかかわりがあることは明白です」
「フリーゼだっけ。そんな機密情報、ただで教えるわけないじゃな~~い。どうしても教えて欲しかったら私と一晩寝ましょう。どう?」
「ひ、一晩ってそんな、ハレンチな!!」
フリーゼは顔を真っ赤にし、手をあわあわと振る。
スキァーヴィはプッと挑発的な笑みを浮かべ、言葉を返した。
「冗談よ。真に受けない真に受けない。まあ、あなた達ならわかると思うわ。ローラシアに来ればね──」
ローラシア。実質的にスキァーヴィが収めている国。誘っているのだろうか。
すると、彼女の元に一人の人物がやってきた。
「スキァーヴィ様、ここにはいろいろな地方から来た要人の人がいます。もめ事はおやめください、我が国の評判が落ちます」
眼鏡をかけて、地味な顔つき。さらさらした黒髪の真面目そうな女の人。
「ああわかったわスワニーゼ。ごめんなさいねぇ~~。あ、紹介しておくわ。私の付き人のスワニーゼね」
「スワニーゼです。こんな私ですが、スキァーヴィ様の護衛や身の回りの世話を担当させていただいています」
スワニーゼはそう言って頭を下げる。スキァーヴィとは違い、礼儀正しそうな人だ。
「今日は、この位にしておくわ。警備の方、頑張ってね、私も、身に危険が迫れば力を貸すから。それでは~~」
そしてスキァーヴィはこの場を去っていった。思わずホッとしてしまう俺。
その瞬間、警戒した素振りでレディナが話しかけてくる。
「あいつ。なんで私達のこと、知っているのでしょうね……」
「そうだねレディナ。これは、気を抜けない巡礼祭になりそうだ」
まさか、フリーゼたちのことを知っている人物に出くわすとは……。
おまけに素性もどこかいわくつきの人物。スキァーヴィ・ルミナス。
油断できない人物だ。
この巡礼祭、神経を張り巡らせて警戒をしよう。
それからも、俺達は貴族の人たちと会話を続けた。少しでも、多くの人と。
出来れば、精霊や熾天使に関する情報を掴みたかったが、そんなことを気軽に話しかけるわけにもいかず、うまくはいかなかった。
そして、しばらくたつとこの宴もお開きとなる。国王親子は悪酔いをして周囲に迷惑をかけながらこの場所を去っていく。
俺たちもこの場を去り、宿へと戻っていった。
なんていうか、ひどい国王だった。大丈夫なのだろうか、思わず心配になってしまう。
そして宿。
帰った後、一息ついた後、シャワーを浴びる。そして就寝の時間となる。
ベッドについてから数分後。
う~~ん。眠れない。
フリーゼやレディナ達の穏やかな寝息が聞こえてくる。
俺は、とてもドキドキで寝苦しい夜を迎えていた。
気晴らしに窓の外に視線を移す。パラパラと雪が積もってきているのがわかった。
外は、雪国らしい極寒の夜。部屋は、とても暖かくて、凍死するとか、そんな心配は全くない。
部屋の中が特段寒いわけではない。
それでも、俺は興奮と緊張でなかなか寝付くことができない。
その理由は両隣にあった。
二つのベッドをくっつけた中央。そこに俺はいるのだが──。
「フライ。変なことをしたら、三枚おろしにしてやるんだから……」
「フライ、一緒に泳ぐフィッシュ」
両隣には俺の腕をぎゅっとつかんでいる、右のレディナと、左のハリーセル。
それだけでも欲情をくすぐるだけというのに、レディナがぎゅっと腕に力を込めてきた。
彼女のそこそこ豊かな胸が、俺の腕に押し付けられる形となり、一気に身体が熱くなった。
「レ、レディナ。お願いだから、それはやめて」
周囲を起こさないように小声でささやくが、レディナは安らかに寝息を立てて、俺の腕を全く離さない。
何とかしようと腕をもぞもぞと動かす。しかし帰ってレディナの胸の感触を感じる結果になってしまい、ますます興奮してしまう。
寝間着越しに、やわらかい感触が伝わってしまう。
両腕が二人に拘束されてしまっている状態。
これを見て、うらやましいと感じる人もいるかもしれないが、フリーゼに見られた日には修羅場になってしまいそうだ。
どうしてこんなことになってしまったのか。それは宿を借りた時にさかのぼる。
俺たちがとった大聖堂近くの、教会直轄の宿。
丁度巡礼祭の時期だったため、何とか借りられたのはいいが、借りられたのは一部屋のみになってしまったのだ。
聞いたところによると、より多くの人たちが部屋を借りられるよう教会が要請しているらしいのだ。
出来るだけ多くの人を泊められるようにしてほしいと。
ということでツインルームを五人で使用するという事態になってしまったのだ。
そして問題は寝る時。どんなレイアウトで寝るか、軽く議論になった。
「じゃあ、今からベッドの割り振りをしましょう?」
「どうしてって、そんなの言うわけないじゃな~~い。安心して、今はあなたたちに危害を加えるつもりはないわ」
ニヤリとした、はぐらかすような言葉。挑発するような笑み。俺たちとスキァーヴィの間にピリッとした雰囲気が流れた。
「教えてください。その時点で精霊たちか熾天使どちらかとかかわりがあることは明白です」
「フリーゼだっけ。そんな機密情報、ただで教えるわけないじゃな~~い。どうしても教えて欲しかったら私と一晩寝ましょう。どう?」
「ひ、一晩ってそんな、ハレンチな!!」
フリーゼは顔を真っ赤にし、手をあわあわと振る。
スキァーヴィはプッと挑発的な笑みを浮かべ、言葉を返した。
「冗談よ。真に受けない真に受けない。まあ、あなた達ならわかると思うわ。ローラシアに来ればね──」
ローラシア。実質的にスキァーヴィが収めている国。誘っているのだろうか。
すると、彼女の元に一人の人物がやってきた。
「スキァーヴィ様、ここにはいろいろな地方から来た要人の人がいます。もめ事はおやめください、我が国の評判が落ちます」
眼鏡をかけて、地味な顔つき。さらさらした黒髪の真面目そうな女の人。
「ああわかったわスワニーゼ。ごめんなさいねぇ~~。あ、紹介しておくわ。私の付き人のスワニーゼね」
「スワニーゼです。こんな私ですが、スキァーヴィ様の護衛や身の回りの世話を担当させていただいています」
スワニーゼはそう言って頭を下げる。スキァーヴィとは違い、礼儀正しそうな人だ。
「今日は、この位にしておくわ。警備の方、頑張ってね、私も、身に危険が迫れば力を貸すから。それでは~~」
そしてスキァーヴィはこの場を去っていった。思わずホッとしてしまう俺。
その瞬間、警戒した素振りでレディナが話しかけてくる。
「あいつ。なんで私達のこと、知っているのでしょうね……」
「そうだねレディナ。これは、気を抜けない巡礼祭になりそうだ」
まさか、フリーゼたちのことを知っている人物に出くわすとは……。
おまけに素性もどこかいわくつきの人物。スキァーヴィ・ルミナス。
油断できない人物だ。
この巡礼祭、神経を張り巡らせて警戒をしよう。
それからも、俺達は貴族の人たちと会話を続けた。少しでも、多くの人と。
出来れば、精霊や熾天使に関する情報を掴みたかったが、そんなことを気軽に話しかけるわけにもいかず、うまくはいかなかった。
そして、しばらくたつとこの宴もお開きとなる。国王親子は悪酔いをして周囲に迷惑をかけながらこの場所を去っていく。
俺たちもこの場を去り、宿へと戻っていった。
なんていうか、ひどい国王だった。大丈夫なのだろうか、思わず心配になってしまう。
そして宿。
帰った後、一息ついた後、シャワーを浴びる。そして就寝の時間となる。
ベッドについてから数分後。
う~~ん。眠れない。
フリーゼやレディナ達の穏やかな寝息が聞こえてくる。
俺は、とてもドキドキで寝苦しい夜を迎えていた。
気晴らしに窓の外に視線を移す。パラパラと雪が積もってきているのがわかった。
外は、雪国らしい極寒の夜。部屋は、とても暖かくて、凍死するとか、そんな心配は全くない。
部屋の中が特段寒いわけではない。
それでも、俺は興奮と緊張でなかなか寝付くことができない。
その理由は両隣にあった。
二つのベッドをくっつけた中央。そこに俺はいるのだが──。
「フライ。変なことをしたら、三枚おろしにしてやるんだから……」
「フライ、一緒に泳ぐフィッシュ」
両隣には俺の腕をぎゅっとつかんでいる、右のレディナと、左のハリーセル。
それだけでも欲情をくすぐるだけというのに、レディナがぎゅっと腕に力を込めてきた。
彼女のそこそこ豊かな胸が、俺の腕に押し付けられる形となり、一気に身体が熱くなった。
「レ、レディナ。お願いだから、それはやめて」
周囲を起こさないように小声でささやくが、レディナは安らかに寝息を立てて、俺の腕を全く離さない。
何とかしようと腕をもぞもぞと動かす。しかし帰ってレディナの胸の感触を感じる結果になってしまい、ますます興奮してしまう。
寝間着越しに、やわらかい感触が伝わってしまう。
両腕が二人に拘束されてしまっている状態。
これを見て、うらやましいと感じる人もいるかもしれないが、フリーゼに見られた日には修羅場になってしまいそうだ。
どうしてこんなことになってしまったのか。それは宿を借りた時にさかのぼる。
俺たちがとった大聖堂近くの、教会直轄の宿。
丁度巡礼祭の時期だったため、何とか借りられたのはいいが、借りられたのは一部屋のみになってしまったのだ。
聞いたところによると、より多くの人たちが部屋を借りられるよう教会が要請しているらしいのだ。
出来るだけ多くの人を泊められるようにしてほしいと。
ということでツインルームを五人で使用するという事態になってしまったのだ。
そして問題は寝る時。どんなレイアウトで寝るか、軽く議論になった。
「じゃあ、今からベッドの割り振りをしましょう?」
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